こちらシャーレ強行犯係   作:ケイゾーイビ

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七夕に願いを込めて、バライティー番組の規制が厳しくなり2度とテレビでは見られないコーナーを再現して書きました。
番外編です、よろしくお願いします。


番外編連邦生徒会STAMP11

「ここ何処!?どうなってるの!?」

 

椅子に縛り付けられた私は、訳も分からず混乱した。

 

確かシャーレの執務室で、ソシャゲの日課してたら…白いガスが流し込まれて。

それ吸ったら眠くなった…ところまでは覚えてる。

 

「お待たせしました、先生」

「リンちゃ…リン代行!?」

 

何処からか…リンの声だけ聞こえた。

 

「ようこそ連邦生徒会、秘密処刑場へ」

 

「先生のおいたを、厳しく折檻する場所だよ〜」

 

「つ…通称…」

 

「「「「スタンプ・イレブン」」」」

 

ピーーーーーッ!

 

ヤケクソホイッスルの音とサンバリズムのBGMに合わせて、リン・アオイ・アユム・モモカの4人はデッキブラシで床を掃除しながら2人ずつ左右から現れた。

 

「???」

 

状況は理解出来なかった、連邦生徒会の秘密処刑場…?

 

「!!!」

 

しかし、これから何が行われるか…理解してしまった。

 

デッキブラシを片付けた4人は、ハリセンを持っていて…リンは更に3倍大きいハリセンを持っていたからだ。

 

「あーオレは死ぬのかー死ぬ前に✕✕✕✕卒業しておきたかったけどーこんな世界じゃ無理だしなぁーでも美少女4人に殺されるなら悔いはないかぁー!」

 

突拍子もない辞世の句に、4人は轟沈した。

 

「これは、かなりの強敵ね…」

「殺しません!殺しませんよ!」

冷静なアオイ・アユムとは違って…

 

「ブハハハハハッ!」

モモカはゲラゲラ笑ってた。

 

ピコッ!

 

椅子に縛り付けられてる私にリンは遅れながらも近付き、ハリセンではなくピコハンで私の頭を懐刀した。

 

ハリセンは使わないの…?

 

「安心して下さい、殺しはしませんよ」

「外の世界では、死はこれ以上苦しみを与えられないという意味で慈悲って言うんだけど知ってる…?」

 

「成る程、一理ありますね」

 

冗談半分で言ったのに!?

死ぬより恐ろしいことするの!?

 

アー麺・ソー麺・ヒヤソー麺。

キヴォトスの神も留守なのか?

休暇でリゾート地に行ってるかも…

 

「そんなに怯えた顔をしないで下さい」

頭を撫でながら言われたけど…

「これからお試しを始めるので、その身を持って味わって下さい」

 

どういう状況やねん…

 

「皆さん、準備はいいですか?」

「イェーイ!」

「「イ…イェーイ…」」

 

リンはマイクを取り出し、マイクパフォーマンスを始めた。

 

「紳士淑女の皆さん!お待たせいたしました!ただ今より先生お仕置きタイム!スタンプ・イレブンを開催します!」

 

ピーーーーーッ!

 

リンのマイクパフォーマンスを合図に、ヤケクソホイッスルの音が聞こえ…

 

プシュー!!

白いガスが吹き出した!

 

それからまたサンバリズムのBGMが流れ、アオイ・アユム・モモカはハリセンを持って私の後ろに回り込んだ。

 

「スタァ〜ンプ!イレブゥ〜ン!スリー!ツー!ワン!」

 

ピーッ!ペシッ!

 

笛の音と同時に、私の頭にハリセンが叩き込まれる。

音は大したことはない。

 

「がぁ!?」

 

与えられた痛みは、ケタ違いだった。

これは一体…この痛みはあれだ、わさびの量が多すぎたときのツンッ!という痛みだ。

肉体的な痛みはシッテムの箱で防いでくれるけど、この内なる痛みは防げない…

リンちゃんめ…考えたな。

 

この間、わずか0.5秒。

 

その後もサンバのリズムとヤケクソホイッスルに合わせて、何度もハリセンが叩き込まれる。

 

ピーッ!ペシッ!ピーッ!ペシッ!ピーッ!ペシッ!ピーッ!ペシッ!

「うぅごぉおぉおぉおぉ〜っ!?」

ピーッ!ペシッペシッペシッペシッペシッペシッペシッペシッ!

 

激痛だ、耐え難い苦痛と激痛。

 

叩いてるのは、十中八九モモカだろ…

私の様子がおかしいのを把握してから、アオイとアユムは優しく叩いた。

 

それでも内なる痛みは半端ないけど!?

 

モモカは私から見えてないのと、今日は無礼講であることを盾にやりたい放題である。

 

私は痛みで泣きそうになったけど、エンディンまで泣かない気持ちで耐えた。

 

そして私の正面に大型ハリセンを持ったリンが、バッターのような構えで迫る。

 

ピーーーーーッ!

 

ホイッスルの音を合図に。

 

片足でケンケンしながら、距離を詰め…

 

「おりゃあー!!!」

 

バコーン!!!

 

私の顔を目掛けて、大型ハリセンを振り抜いた。

 

「あがーっ!?」

 

私は痛みに耐えられず、意識を手放した。

頭の上をアロナちゃん天使と、プラナちゃん天使がグルグルしてる。

 

叩かれた痛みで思い出したけど…

プラナちゃんの存在を忘れてました…

こんなことで、プラナちゃん初登場でごめんなさい…

 

プラナちゃん天使は、私を睨め付けた後にフンッ!と外方を向いた気がした。

 

本当に申し訳ない…

 

リンは強振フルショットでハリセンを振り抜いた後、ホームラン確信バット投げをした。

 

「よっしゃあーっ!」

「イェーイ!」

 

リンとモモカはハイタッチした。

 

アオイとアユムは今の光景にドン引きだった。

 

「おき…さい…先生…大丈夫ですか…?」

何処からか…声が聞こえた気がした。

 

ごめんなさい、連邦生徒会長さん…

もうこっちに来てしまいました…

 

ペシッ!

 

「痛えっ!」

 

ハリセンの痛みで、意識を呼び戻された。

「目が覚めましたか?では続けますよ?」

 

「ちょ…ままま待て!待って下さい!いくつか質問させて下さい!」

私は慌ててリンを止めた。

 

「何か質問がありますか?」

「そうだね、先ずはそのハリセン…どうしたの?」

叩かれた者にしか分からない、只者ではないハリセンの経緯が気になった。

 

「このハリセンは、肉体的な痛みは一切なく精神的な痛みを与えるミレニアムサイエンススクールのエンジニア部と共同開発部したジョークグッズです」

 

エンジニア部!?

なんてことを…

私は大ピンチだよ…

 

「ジョークで収まる痛み…超えてない?」

「まだ試作品ですが、先生で試させてもらいました」

 

…は?リンちゃん?今なんて?

 

「命に別状はなさそうなので、続けて使用します」

 

あれれ〜おかしいよ〜?

私さっき意識を失ったけど…?

本当に大丈夫なの!?

 

「分かった、次の質問するね」

どうせ逃げられないし、出来るだけ時間稼ぎしようと別の質問をした。

 

「私はこれから、具体にどうなるのかな?」

「ご自分の末路をそんなに知りたいのですか?欲しがり屋さんですね」

 

違うそうじゃない、と言おうとしたけど…話の腰を折るのも尺なのでリンに説明を続けさせた。

 

「単刀直入に言います、先生の活動に対する苦情が各学園から殺到し連邦生徒会役員達が何とかして欲しいと直訴されました」

 

「マジで…?」

「マジです」

 

うーん…これは私の責任だな。

 

「そうだったのか…これは本当に申し訳ないし、連邦生徒会の皆には大変苦労をかけた」

椅子に縛り付けられて動けないが、謝罪しよう。

 

「本当に済まなかった、許してくれ…」

「…いいでしょう、謝罪を受け入れます」

「よかったね、先生〜」

 

リンに謝罪を受け入れられ、モモカに拍手された。

なんか話がトントン拍子で進んでるけど…

 

「何勘違いしてるんですか?先生?」

「ひょ?」

 

「今のはさっきゲームで遊んでた件の折檻、いわばお試しです」

「…え?」

 

「現在苦情の件数は約100件溜まってます、今のお試しとは別にあと100回は覚悟して下さい」

 

…は?100回?今のをあと100回?

 

 

「…だ、誰か助けてくれぇ!」

私は藁にも縋る思いで、助けを求めた。

「お〜い!!誰かいないかぁ!?」

「先生…無駄ですよ、誰も助けになんて来ません」

 

椅子に縛り付けられ恐怖に震え上がる私を、リンは見下ろしながら言った。

 

「連邦生徒会が苦情の対応に奔走してるときに、先生が何もしてくれなかったのと同じように…」

 

私は諦めて、考えるのをやめた。

 

「では、苦情の確認をしましょう」

リンがそう言うとアユムは大量に紙が入ってる箱を、台車に積んで押してきた。

 

はがきの抽選会かな?

 

「先ずはこの苦情から」

リンは箱から、苦情が書いてある紙を取り出した。

 

〜ミレニアムサイエンススクールより〜

シャーレ強行犯係の初出動で、先生が移動中の臨場感を伝える為にエスカレーターを逆走して生徒達の通行を妨げた挙げ句、途中で力尽きて非常停止ボタンを押す騒ぎがありました。本人への確認、お願いします。

 

「ブハハハハハッ!」

モモカはゲラゲラ笑っていた。

「「「…」」」

他の3人はドン引きしてた。

 

あれ〜?

確か…本編で教育に悪いからカットしたはずなんだけど、いや問題はそこじゃないぞ?

 

「突然ですか、先生にチャンスをあげます」

「「「…え?」」」

本当に突然だな、チャンス?どういうこと?

 

「サイコロ、カモン」

リンがそう言うと、何かが飛んできた。

それは大きめのサイコロだった。

 

「これからこのサイコロを振って、出た目の人に先ほどの罰を受けてもらいます」

「「「えぇ!?」」」

 

どういうこと…?

そんなチャンスを私に与えて、リン達に一体何のメリットが…?

 

「「「あ」」」

 

しかし3人は、すぐに安心した様子に…

あーそういうことか…

 

「リン代行、因みにサイコロの出目を見せてもらってもいいかい…?」

「どうぞ」

リンは私にサイコロの出目を見せた…

 

6面全て…アロナちゃんが描いた、私の似顔絵だった。

 

やっぱりか…

上げて落とすなんて、趣味悪いなぁ…

しかし活路を見出すなら、そこじゃないな…

 

一応確認してみるか…

 

「それではサイコロを振りますよ、皆さん準備はいいですか?」

「イェーイ!」

 

「ちょ!?ちょっと待って!?」

 

私はサイコロを投げようとしてた、リンに待ったをかけた。

「まだ何か?しつこい男は嫌われますよ?」

「いや!これだけは聞いて欲しい…」

私は息を整えて、リンに確認した。

 

「そのエスカレーターの件だけど、ユウカにめちゃくちゃ怒られて…菓子折り持って謝罪に行きました」

 

「「「「…は?」」」」

 

「このタイミングで、そんなウソを…」

 

「いやいやウソじゃない!怒られたユウカに、柔道の禁止技になってる蟹挟みされて死ぬかと思ったことが記憶に残ってるから!間違いないです!」

 

アロナちゃんバリアで命拾いしたよ…

 

「これはどういうことかしら…?」

「疑わしくは罰せずでいいのでは…?」

 

アオイとアユムが、私にウィンクした。

貸しってことかな…?

 

ありがとう…2人共。

あと99件ぐらい頼む!

 

しかし1人だけ対応が違った。

リンから、サイコロを奪い取って…

 

「あ」

「あぁ!手が滑ったぁ!」

「「なぁっ!?」」

「モモカァー!?」

 

こうして、強制的に賽は投げられた。

 

もうダメだぁ、おしまいだぁ…

私はあのハリセンで、100セット叩かれ…

廃人なるのか…

 

あぁ…ワカモ…刻が見える…

 

そのときだった。

空中のサイコロが、一瞬歪んで見えた。

そして投げられた賽は、地面に落ちる。

 

コロコロコロ…

 

サイコロの出目は…

 

バーン!!

 

リンだった。

 

「…は?」

 

ピーーーーーッ!

 

サイコロの出目が確定し、ヤケクソホイッスルの音が聞こえた。

 

「紳士淑女の皆さぁ〜ん!お待たせいたしましたぁ〜!ただ今より七神リンお仕置きタ〜イムゥ!スタンプ・イレブンを開催しま〜すぅ!」

 

プシュー!!

 

誰かのマイクパフォーマンスで白いガスが吹き出し、サンバリズムのBGMが流れ出す。

 

いつの間にか、私の拘束は解除されていた。

 

モモカはどいたどいた〜と、私を椅子からどかして今度はリンが椅子に縛り付けられた。

 

リンは何が起こったのか、全く理解してない様子で視点が合っていなかった。

 

「スタァ〜ンプ!イレブゥ〜ン!スリー!ツー!ワン!」

 

ピーッ!ペシッ!

 

「ぐぅ!?」

 

リンはハリセンの痛みで我に返った。

キヴォトス人もこの痛みは耐性がないのか、正気に戻すには十分だった。

 

「一体どうなって、やめ…やめなさい!」

 

その後もサンバのリズムとヤケクソホイッスルの音に合わせて、何度もハリセンが叩き込まれる。

 

ピーッ!ペシッ!ピーッ!ペシッ!ピーッ!ペシッ!ピーッ!ペシッ!

「ここまでの〜ブルアカは〜ご〜ら〜ん〜の〜スポンサーの〜提供で〜お送りしま〜すぅ!」

ピーッ!ペシッペシッペシッペシッペシッペシッペシッペシッ!

 

「いったぁ…!」

「ホラホラァ〜!もっといい音を鳴らせて下さぁ〜い?リンちゃ〜ん?」

 

このマイクパフォーマンス…誰がやってるんだ?

 

いよいよ最後の一撃が来ようとしていた。

 

そこにはさっきまでいなかった人物…

 

連邦生徒会の元防衛室長、不知火カヤだった。

 

そしてリンの正面に大型ハリセンを持ったカヤが、バッターのような構えで迫る。

 

ピーーーーーッ!

 

ホイッスルの音を合図に。

 

片足でケンケンしながら、距離を詰め…

 

「どりゃあー!!!」

 

バコーン!!!

 

リンの顔を目掛けて、大型ハリセンを振り抜いた。

 

「うぅっ!?」

 

リンは痛みでうめき声を上げた。

 

カヤは強振フルショットでハリセンを振り抜いた後、ホームラン確信バット投げをした。

 

「どうだおらーっ!」

「イェーイ!」

 

カヤとモモカはハイタッチした。

アオイとアユムは今の光景に再びドン引きだった。

 

「そういうことですか…」

 

拘束を力尽くで引き千切ったリンが立ち上がり、こちらにゆっくり歩み寄って来た。

その手に自身の武器を持って。

 

「あ…」

 

「先生!逃げて下さい!今すぐ!」

アユムに言われて、私は匍匐前進で移動を始めた。

 

「あなたの差し金ですね…不知火カヤ!」

「受けて立ちますよぉ…七神リン!」

 

脳内でBGMが流れ始めた。

 

ピアノの伴奏から、あい…という震える程美しい言葉からその歌は始まる。

激しい銃撃戦で周りが荒野に見え、死神が列に並んで私の命を刈り取ろうと迫っくる。

そんな歌だった。

 

「おんどりゃー!」

「舐めとんかこらぁー!」

「ブハハハハハッ!」

 

聞き間違えかな?

スケバンと、変わらないこと言ってるよ?

この人達、連邦生徒会の役員ですよね…?

そんな状況でも、モモカはゲラゲラ笑ってた。

 

私は大切なことを思い出す…

命の恩人にこれくらい言わないと…

恩知らずだと思われてしまう…

 

「ありがとう…ワカモ…ありがとう…」

エンディングだから、泣いちゃいそう。

 

この状況でサイコロに細工、収監中の不知火カヤをバレずに連れて来れる人物を1人しか知らない。

銃撃戦の音で聞こえないだろうけど、命の危機を超えたからか…余計なことまで言ってしまう。

 

「オレは…生きる…生きて…ワカモと添い遂げる…」

 

(あなた様がっ!?)

ポタッ…

(不覚ぅっ!?)

バタッ…

 

今…水が滴る音と、何かが倒れる音が聞こえなかったか…?

この激しい銃撃戦だ、そんな小さな音が聞こえるはずがない。

 

こうして私は匍匐前進で処刑場から逃げ出した。

 

私が処刑場を、無事に脱出した頃…

リンとカヤは弾切れ状態になり、只者ではないハリセンでシバキ合う骨肉の争いになっていた。

 

「まだまだぁ!」

「これからですよぉ!」

「ブハハハハハッ!」

モモカはゲラゲラ笑ってた。

アオイとアユムは今の光景に三度ドン引きだった。

 

その後…

ワカモをシャーレ執務室に呼び出した。

 

命を助けてくれた見返りとして、10分間モフモフよしよしチケット(ワカモ用)と書いた手書きの紙を渡した。

 

(あなた様の、想い人になれる…うふふ、面白い人生です…)

 

つづく




〜シャーレ強行犯係便利アイテム〜
只者ではないハリセン
先生を折檻するために開発された、ジョークグッズ。
物理的ダメージは与えられないが、辛いものを食べた際に鼻の奥が痛くなる感覚の再現に成功した。
連邦生徒会とミレニアムサイエンススクールのエンジニア部が、共同開発した至高のハリセン。
ユウカ確保済み。
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