こちらシャーレ強行犯係   作:ケイゾーイビ

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燻っていた火種が爆発しました。
よろしくお願いします。


ゲヘナ風紀委員会編1話

私は激怒した。

 

この前アロナちゃんに調べてもらった気になること…

何故いつも、嫌な予感は当たってしまうのか。

 

これは許せない。

 

仲間を裏切って、何でこんなこと…

 

絶対に許さないぞ!容疑者…

 

シャーレ強行犯係。

それは先生が生徒達の親睦を深める為に思い付いた、組織である。

捜査員は先生とユウカ、そして告発状の内容に応じて各学園からエージェントを呼び寄せて容疑者に真偽を確かめる。

 

今回のターゲットはゲヘナ学園の風紀委員会だ…

 

ここはゲヘナ学園、風紀委員会本部。

私は水鉄砲を構えながら、素早く移動していた。

先導は私とユウカ、エージェント達は安全を確保してからでないと混乱を招くと判断したため待機中だ。

目指すのは、風紀委員会の執務室だ。

移動していると、風紀委員の生徒と遭遇した。

 

「シャーレの先生だ!水鉄砲を持ってるぞ!」

「テレビでやってる、あのふざけた企画か」

「止まれ!止まれと言っているだろ!」

 

私は声をかけられた風紀委員の生徒達に、行く手を阻まれた。

 

「君達は風紀委員かな?」

「そうだ!私達はゲヘナ風紀委員会だ!」

「こんなところで何をしてる!」

「風紀委員会はアンタのお遊びに付き合ってる暇はないんだ!サッサと帰りな!」

 

私の前に立ち塞がった、風紀委員の生徒達。

まぁ…当然の対応だよね。

あんまり揉めるのは良くないから、ここは穏便に…

 

「ユウカ、書類を」

「…はい」

一緒に先導をしていた、ユウカから書類を受け取った。

 

「この書類を見てもらっていい?」

「ん?なんだ?この書類?」

風紀委員の生徒1人に書類を見せた。

 

「…は?」

「おい、どうした?」

 

私が見せた書類に風紀委員の生徒は固まった。

 

「万魔殿議長のサインがあるぞ!」

「「はぁ!?」」

 

君達の気持ちは分かる、シャーレ強行犯係は正式な活動組織ではないお遊びの存在だ。

にも関わらずマコトから正式な許可が出て、書類が用意されてしまったのだ。

一応経緯を説明したら、2つ返事でこの書類を出してくれた…

マコトとの利害の一致もあり、風紀委員会への嫌がらせでもあるだろう…

 

「という訳で我々シャーレ強行犯係は、万魔殿から正式な許可をもらってる」

「な…なんだと!?」

「う…ウソだ!この書類!ニセモノだろ!」

「勿論確認してもらっても構わない、ただ…」

 

私は心を鬼にして、風紀委員の生徒達に迫る。

 

「この書類が本物だったら、君達はどうするの…?」

「うぅ!?」

「万魔殿に借りを作るかもしれない、危ない橋を渡ってまで妨害するの…?」

「ひぃ!?」

 

「そろそろ行ってもいいかい…?」

「「「ど…どうぞ」」」

「ユウカ、移動するよ」

ユウカは悪い大人を見ている気分になってしまい、ピコハンどころではなかった。

 

「エージェント諸君!ムーヴ!」

「「「…え?」」」

私の声を聞き、サングラスをかけたエージェント達はゾロゾロと移動を始めた。

 

「「「はぁ〜!!!???」」」

サングラスをかけていても、エージェント達に見覚えがありまくりの風紀委員の生徒達は動揺を隠せなかった。

 

「おい!万魔殿本部へ行くぞ!」

「こんなの絶対普通じゃない!」

「急げ〜!」

風紀委員の生徒達は、風のように廊下を走った。

 

その頃、万魔殿本部は風紀委員の生徒達で大行列が出来るという異常事態が発生した。

 

「何?風紀委員共が押し寄せて来てる?キキキッ!適当にあしらっておけ!」

「はぁ…」

「プリン〜美味しかったね〜!」

 

今日もゲヘナ学園は、混沌としていた。

 

風紀委員会本部の執務室前に到着した。

ここまで誰もかけることなく、たどり着いたのは本当に奇跡だ。

 

私は執務室の扉に静かに張り付き、ヘビカメラを使って部屋の中を確認する。

 

容疑者を発見した、上司と楽しくお話中だ。

 

ヘビカメラをしまって水鉄砲を構えた。

私はOKサイン出し、突入する。

 

3…2…1…GOGOGO!!

 

風紀委員会本部の執務室が開かれた。

 

「シャーレ強行犯係だ!武器を捨てろ!全員だ!」

 

私とユウカは水鉄砲構えて、執務室に突入した。

 

「はぁ!?」

「何だ!?」

「えぇ!?」

 

様々な反応を示す風紀委員達、ヒナは私がいるの分かってたみたいだな。

驚いてたのはアコ・イオリ・チナツの3人だ。

 

「こんにちは、先生」

「こんにちは、ヒナ」

「委員長…?」

 

私が来ることが分かっていたかのヒナの対応に、チナツは驚いた。

「委員長…?先生が来ること知ってたんですか?」

イオリは落ち着いたヒナを見て、疑問を口にした。

「いいえ、知らなかったわ」

「何でそんなに落ち着いてるんだ!?」

「私が扉に張り付いたとき、ヒナは気配で気がついたのかな?」

 

「…今日は人数が多いのね?」

「そこまで分かるの?すごいねぇ…」

 

私はそこまで見抜かれて驚いた、ユウカも目を見開いてビックリだ。

 

「さて、そろそろ本題に入ろうか」

「いえ!その必要はありません!」

「え」

 

「ゲヘナ風紀委員会は、先生のお遊びに付き合ってる暇はないんですよ!」

私は話を進めようとしたけど、アコは受話器を取って電話をかけようとしていた。

「連邦生徒会に苦情の電話をします!先生にはサッサと帰っていただきましょう!」

「あ!ちょ!待て待て待て!そんなことをしたら後悔するぞ!」

 

電話をかけようとしたアコの手が止まった。

 

「ユウカ!書類書類!」

「…これです」

ユウカがヒナに書類を渡した。

「…え!?」

ヒナは驚いてた、マコトのサインを見たのかな…?

 

「アコ!」

 

「なんですか!電話ですか!任せて下さい!今すぐかけます!今すぐ!」

「ちょ!待てって言ってんだろ!このワンワン天然ダダ滑り!」

「な!?誰が天然ダダ滑りですか!?」

「前もそうだったけど!ワンワンを端折るんじゃない!わざとだろ!」

「うるさいですね!電話かけますよ!いいんですか!かけますよ!」

「や…やめ…やめろって言ってんだろ!おいイオリ!電話線を引っこ抜け!さもないと落とし穴の画像をスマホの待ち受け画面にするからな!」

「はぁ!?なんでだ!?」

「いいから協力しろ!このワンワン鬼電ダダ滑りを黙らせるのを協力しろ!」

 

「アコ!受話器を置いて!電話をかけてはダメよ!」

 

「ハイ喜んで!今すぐ電話を…え?」

ここまでノンストップで来たが凄まじいな、ユウカのピコハンが入る隙がないとは…

 

「アコ…受話器を置いて、電話をかけてはダメ」

「…え?委員長?電話かけないんですか?」

「そもそも、そんな理由で連邦生徒会に電話をかけてはダメでしょ…」

 

「それなんだけどヒナ、その件でちょっと…」

「…?」

少し言いにくそうにする私に、嫌な予感がするヒナ。

 

「実は連邦生徒会から、ろくでもない理由で電話かけて来るなって伝えるよう伝言を預かってて…」

「…え?」

「定期的にアコから鬼電が来るんだって…」

「…はぁ」

 

「アコ…あなたしばらく電話かけるの禁止ね」

「ええ!?」

「全く…何をしてるの…」

とりあえずこの件はこれでいいだろ、通話履歴を見せた後で更にヒナに怒られるといい。

 

「それで委員長、ユウカさんから預かった書類は何なんですか…?」

ようやく話が進むか、助かるよチナツ…

「先生、チナツにも情報を共有してもいいかしら?」

「勿論、報告連絡相談は大切だからね」

ヒナは書類をチナツにも見せた。

 

「…えぇ!?」

「チナツさん…?」

「チナツ…読み上げてくれる?」

 

「シャーレ強行犯係による、ゲヘナ学園風紀委員会のガサ入れ調査許可証です!」

「「ガサ入れ!?」」

「万魔殿、羽沼マコト議長のサインもあります…」

「「はぁ〜!?」」

 

チナツから書類を受け取り、確認したアコはこちらを睨みつけた。

「先生!ヒナ委員長を裏切ったんですね!?」

「え?何でそうなる?」

「万魔殿と手を組んだのでしょう!元々信用なんてありませんでしたけど見損ないましたよ!」

「待て待て!そういうことじゃないって!」

「アコ落ち着いて、あなた焦ってる…?」

「い!いえ!何にも焦ってませんよ?」

 

「おーヒナは本当に鋭いな…」

ここまで鋭いと台本が流失してるのか…?

 

「…先生は誰かを捕まえに来たんでしょ?」

「そうだよぉ?よく知ってるねぇ?」

「その相手はさっきの鬼電の件?」

「いや…あれはメインの目的ではなく、本当におまけです…」

「その件は本当に申し訳なかったわ…」

「連邦生徒会にヒナから一言、頼んでもいい…?」

「分かったわ、それで…」

 

「今日は誰を捕まえに来たの…?」

うーんここまで言われたら言っちゃうか。

 

「今回の容疑者は…」

本当に怒ってます、シャーレの先生です。

「ゲヘナ風紀委員会行政官No.2の天雨アコさんです」

 

「「ええ!?」」

「はぁ…」

 

イオリとチナツは驚いた、それもそうだろ。

万魔殿から許可出るレベルのことしたのだ。

ヒナはさっきの鬼電の件で、お腹いっぱいになってそう…

 

「はぁ!?」

 

アコは何で私が!?みたいな顔してるけど、まあいいよ。

たっぷり証拠でがんじがらめにして、追い詰めてやるから覚悟しとけよ…

 

「一応確認だけど、容疑者アコは自首とかしないでね」

「「「「え?」」」」

「…はい?」

 

ユウカはトコトコ近付いて来た。

「先生…先生…」

「…耳打ちなんて、どうしたの?」

「間違えてますよ…?その言い方では自首できません…」

「…あーそういうことか、ならもう1回言うね」

ユウカは一歩下がって、間違える先生お茶目ね〜とか思ってそうだな…

 

「改めてもう一度言う、容疑者アコ…お前には自首なんて生温い選択肢はないから覚悟しろよ」

「な…」

 

それは明確な拒絶や敵対と言った、負の感情が込められた宣戦布告だった。

 

「「「えぇ!?」」」

「先生…怒ってるの…?」

「そだね」

素っ気ない一言で、空気が悪くなっていった。

 

「先生!?どういうことですか!?」

ユウカが慌てて抗議に来た。

「どうもこうもない、容疑者アコがやったことに自首などという逃げ道はない…それだけだ」

「ですが!」

 

「ちょっとアコ!?あなた何やったの!?」

「えぇ!?何にも心当たりなんてありませんよ!?」

「ならどうして先生がこんなカンカンなの!?」

「分かりませんよ!?お腹でも減ってるんじゃないですか!?」

「え?それどういう意味…?」

「ほ…ほら見て下さい!そんなに怒ってないでしょう?きっと些細なことですよ!」

 

うーん、アコの言うことにも一理あるかも。

「確かに…私って怒ったことないね」

「…言われてみればそうですね、先生の怒ったところ見たことありません」

チナツは、記憶を整理しながら思い浮かべている。

基本良い子ちゃん揃いの、ゲヘナ風紀委員会だからなぁ…基本ね。

 

「…じゃこうしょうか」

私にいい考えがある。

「別の方向性で、容疑者アコを追及しよう」

「私を追及するのやめてもらえませんか…?」

「アコは黙ってて…」

「えぇ!?」

 

「中立の立場で客観的な意見を言ってもらおうか、ユウカ!」

「えぇ!?私ですか!?」

「ユウカは私に忖度しないでしょ?よろしく〜」

「ちょっと!?先生!?」

 

私はコホンと、咳払いをして改めて説明した。

「えー今回容疑者アコが何をしたのかを、ユウカは既に知ってます」

 

!?

 

それもう答え言ってるのでは?と戸惑った。

「まぁ口に出して言わないと分からないことってあるから、ユウカの客観的な意見をお願いね」

私がそう言うと、ユウカに注目が集まった。

 

「容疑者アコ…さん」

「…はい」

 

ユウカとアコってあんまり話してるところ見たこと…体育祭みたいなので面識あったか?

 

「その…今回の件、先生の主張が事実であった場合…」

 

「…」

 

「私はあなたの味方にはなれません」

 

「…へ?」

 

え?

 

この瞬間、アコの立場が少しずつ…悪くなっていくのであった。

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