こちらシャーレ強行犯係   作:ケイゾーイビ

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元ネタはアニメピンクボールの大王と蝸牛です。
よろしくお願いします。


ゲヘナ風紀委員会編3話

「先ずはチナツからね」

ピコハンをマイク代わりに、インタビューを開始した。

 

「今の告発状を聞いて、チナツどう思った…?」

ピコハンを、口元に向けて質問した。

「そうですね…」

うーん…と悩んだ様子、本心か身内を守るか迷ってるのかな?

 

「…風紀を乱して…ないと思います…?」

 

おおおおお…

 

「チナツさん!」

アコの目がウルウルしてる。

エージェント達も、美しい友情に感心した。

 

ちょっと間が長くない?

最大限の譲歩なの?

あと疑問形だったけど?

そこに友情あるんか?

 

「ほぉー…風紀を乱してないと?」

「…はい」

 

おおおおお!

 

エージェント達から拍手が上がった。

何かゲヘナっぽくねぇなぁ…?

良い子ちゃん揃いの風紀委員会だし。

こんなもんか…?

 

「じゃ次はイオリね」

イオリにピコハンマイクを向けて、インタビュースタート。

 

「イオリは告発状の内容、どう思った…?」

「えーと…」

イオリはお祈りするアコと、目が合ってしまって気まずそうだ…

 

「アコちゃんは…風紀委員の…模範的存在で…裏表のない…素敵な…生徒…だと…思う…」

 

「ん?」

 

はぁ?今なんて?なんて言ったの?

 

「イオリ…今なんて言ったの?」

「アコちゃんは!風紀委員の模範的存在で裏表のない素敵な生徒だと思うって言ったんだ!」

 

おおおおお…?

 

「イオリさん!」

アコが今にもむせび泣きそうだ。

 

何、この…何?

言わされてねぇかぁこれ?

裏表のない…?素敵な生徒…?

ゲヘナにそんな奴おらんやろ…

 

「じゃ最後にヒナね」

これは聞くまでもないと思うけど。

 

「ヒナは告発状の内容を聞いて、どう思った?」

「アコは風紀を乱してないわ」

 

「ヒナ委員長…」

神に感謝を捧げる、信者みたいになってるな…

 

しかし…

 

しーん…

 

エージェント達は白けてしまった。

 

「お待ち下さい、先生…」

 

ここで待ったをかけたのが…

「エージェントハルナ?」

 

「少々お行儀が良すぎではありませんか?」

「それはまぁ、身内だし?…あ」

 

本番前に練習したあれをやるのか!?

 

「御三方、本当にそれが本心なのですか?」

 

ハルナが前に出て来た。

 

「まさかとは思いますが…」

 

ざわ…ざわ…

 

「依怙贔屓なさってませんか!」

 

!!!

 

ハルナは急に扇子を取り出した。

 

「それでは皆様!お手を拝借!せーのっ!」

 

依怙贔屓!依怙贔屓!

依怙贔屓!依怙贔屓!

 

依怙贔屓コールと共に、踊り始めたのだった。

 

「…フフッ(笑)」

 

ここでまさかのヒナが被弾した。

これは予想外だ。

 

「チナツさん!」

「…え!?」

 

ハルナは追求の銃口をチナツに定めた。

「ご質問のご返答が、疑問形になってましたわ!」

「いえ…そんなことは…」

「もっとハキハキ言えませんの!」

ハルナの物言いにチナツは慌てた。

 

「アコさんは!風紀を…乱して…フフッ(笑)」

「チナツさん!?」

絶望の瞬間だった、チナツが吹き出した。

 

「チナツさん、やはりあなた…」

 

ざわ…ざわ…

 

「依怙贔屓なさってたのですね!」

 

!!!

 

ハルナはもう一つ扇子を出し、二刀流になった。

 

「皆様!おかわりの時間ですわ!せーのっ!」

 

依怙贔屓!依怙贔屓!

依怙贔屓!依怙贔屓!

 

依怙贔屓コールで、舞い踊るハルナだった。

 

「ううううう〜…」

 

ヒナは顔を両手で隠して、羽をパタパタし始めた。

便利屋68のときに見たな、ツボに入っちゃったヒナだ…

 

「イオリさん!」

「ひぃ!」

 

ハルナは追求の銃口をイオリに定めた。

「イオリさん、あなたにはチャンスを与えますわ…」

 

「…え?」

 

「何故あのようなことを仰ったのか、理由を聞かせて下さいな…」

 

「なぁ!?」

 

ん?どういうこと?

 

イオリはしらばっくれて、目を反らした。

「そうですか…残念ですわ」

 

ハルナは扇子で口元を隠した。

「ポケットの中にある紙は何ですの!?」

 

その言葉の意味を理解したものから、順に轟沈した。

 

私はハルナの言ってることが、理解出来なかった。

しかしそれ以外考えられず、耐えられなかった。

 

「おい!イオリ…ウソだろ!?(笑)」

「ち…ちが…違う!先生!違うぞ!」

 

「イオリさん!今は私とお話をしてるんですのよ!」

「ぴぃ!」

 

「先生がチナツさんにインタビューなさっているときに、私イオリさんを見ていましたわ!」

「や…やめて…言わないで…」

 

「ポケットの中にあるカンニングペーパーをチラチラ見ていましたわね!」

「やめろぉ〜!」

 

イオリは頭を抱えて絶叫した。

そういうことか…

何か言わされてるなーと思ったけど…

カンペ見てたのかよ…

 

「イオリさん!カンニングペーパーなしでもう1度仰って下さいまし!」

 

「ア…アコちゃんは…風紀委員の生徒だと思う!」

 

「イオリさん!語るに落ちましたわね!」

 

ごっそり抜けたなぁ…これは酷い。

 

「ち…違う!違うんだ!」

「ではご自分のお言葉で、容疑者アコさんへのお気持ちを仰って下さいな!」

「…え?」

「大きな声でもう1度!」

 

「アコちゃんは…フフッ(笑)」

「イオリさん!?」

アコは血涙流してるな…

イオリが持ってるカンペは…

アコが渡したのか…?

 

「イオリさん、やはりあなたも…」

 

ざわ…ざわ…

 

「依怙贔屓なさってたのですね!」

 

!!!

 

ハルナは扇子を広げて、エージェント達を煽った。

 

「まだまだ!これからですわ!せーのっ!」

 

依怙贔屓!依怙贔屓!

依怙贔屓!依怙贔屓!

 

依怙贔屓コールで、地獄の門でも開けそうな踊りを続けたハルナだった。

 

「ヒナさん、私の舞を楽しんでいただけました?」

 

ハルナは追求の銃口をヒナに定めた。

「そのままでもいいので、お聞き下さい」

ヒナの呼吸が整ってきた、もうすぐ復活だ。

 

「…私が舞を披露したとき、あなた真っ先に笑いましたわね?」

 

「…え?」

もう復活したのか、ヒナすげーな…

 

「これが何を意味するか、おわかりになりますか?」

「…どういうこと?」

 

「ヒナさんは容疑者アコさんのこと、キヴォトスの風紀を先頭に立って乱してると思っているからですわ!」

 

「ち…違う!絶対に違うわ!」

「では何故1番最初に、笑い崩れましたの?」

「そ…それは…」

 

「確かに先生のインタビューには、スラスラ答えてましたわね…つまりそれは」

「ま…待って…言わないで…」

 

「ヒナさんが容疑者アコさんの格好に慣れてしまったけど、冷静に考えたらやっぱりおかしいと後から気が付いてしまったからですわ!」

「ち…違うわ!」

 

「ならばもう1度…容疑者アコさんに、ヒナさんのお気持ちを仰って下さいな!」

「わ…分かったわ!」

ヒナはアコの前まで駆け寄った。

 

「アコ…あなたは…」

「大丈夫です…ゆっくり、お願いします」

 

優しい笑みで、目線を合わせようと前屈みになり…

 

アコはヒナの目の前で、"だっちゅーの"のポーズになった。

 

「ふ…フジュッ(笑)」

「ヒナ委員長!?」

 

またアコの天然素材がバーゲンセールした…

本当に無自覚って怖い。

 

「ヒナさん、やはりあなたも…」

 

ざわ…ざわ…

 

「依怙贔屓なさってたのですね!」

 

!!!

 

ハルナは今宵最後の宴だと、そーれそれそれと捲し立てた。

 

「皆様!全身全霊で舞いりますわ!せーのっ!」

 

依怙贔屓!依怙贔屓!

依怙贔屓!依怙贔屓!

 

依怙贔屓コールで、このゲヘナ風紀委員会本部の執務室を地獄から最も近い場所になる踊りをした。

 

自分の見る目の無さを、呪いたくなった。

何が良い子ちゃん揃いの風紀委員会だよ…

特にイオリ、カンペはイカンでしょ。

アコはどんな気持ちで渡したんだよ…

 

こうしてハルナのふしぎなおどりで、4人の内心をズタボロにしてやった。

 

「先生…なんですか…これ…?」

 

エージェント達の屍累々となった執務室を、踏まないようにユウカが駆け寄った。

 

「範囲が広い質問だけど、あえて言うなら…これがゲヘナだよ」

「これがゲヘナ…そうですか…」

 

「エージェント諸君!ファイナルスタンドだ!」

私がそう言うとエージェント達は起き上がった。

 

「エージェントハルナは派手にやるじゃないかっ!先生は私達を笑い殺すつもりでこの活動に呼んだのかなっ?」

イオリのカンペ見ても無事だったの?

カスミすげーな…

「こんなこと、ゲヘナじゃよくあることでしょ?」

「それもそうかっ!ハッハッハッハッハーッ!」

 

「さて諸君、風紀委員会は今や風前の灯火だ」

 

おおおおお…

 

「このまま畳み掛けてもいいけど、その前にやらなきゃいけない大切なことがある」

 

ざわ…ざわ…

 

「…何かありましたか?」

エージェント達を代表してユウカが質問した。

 

「ここにいるユウカは以前、地獄の目撃者となった」

忘れもしない、セミナー会議室の地獄…

「地獄の目撃者…?」

 

「エージェントリオ、シャーレ強行犯係のエージェントで台本を破壊して二つ名持ちになった捜査員だ」

「二つ名…まさか先生!?」

 

「今ここにブレーキの壊れた暴走自転車に並ぶ、新たな二つ名持ちエージェントの誕生を宣言する!」

 

おおおおお!!!

 

「エージェントハルナ!前へ!」

「こちらに」

 

ハルナは私の前に出た。

何でそんな嬉しそうなの…?

 

「最初からお腹空いたと言い続けていた、エージェントイズミをお腹痛いに言い換えたその手腕…見事だった!」

 

「…ありがたき幸せですわ」

 

あの踊りはテロでリズム感を鍛えてないと、出来ないだろうということに天啓を得た。

 

「よってエージェントハルナに二つ名、テロリズミングお嬢様の称号を授け襲名式とする!」

 

おおおおお!!!

 

ハルナは心臓を捧げ誓い奉った。

 

「ご襲名承りました、私エージェントハルナは称号テロリズミングお嬢様を誉とし、これからも邁進いたしますわ!ウフフ!」

 

エージェント達から拍手喝采が沸き起こる。

ぶっちゃけ、ただのヤベー奴認定式なんだけど…嬉しそうだからいいか。

こうしてよく分からない襲名式は終了した。

 

「さて、ハーフタイムは終了だ」

私の発言にまだ折り返しなのかと、誰もが恐怖したのだった。

 

「先生…正直もう色々と…」

ヒナがもう帰って下さい、とか言いそうだ。

 

「そうはいかないよ〜、そもそも私が何故怒ってるか言ってないよ?」

 

私とユウカがアコの味方に付けない、とまで言わせた理由の全貌は明らかになっていない。

 

「ヒナ、映像を流す装置ある?」

「プロジェクターがあるわ」

「このデータ端末の動画流してくれる?」

「分かったわ」

 

よし、ここからは叱られる某永遠の5歳児風に攻めてみるか。

 

「容疑者アコさぁ?」

「な…何でしょうか?」

「便利屋68事務所でシャーレ強行犯係の活動したこと、覚えてる?」

「…覚えてます」

「そうなんだ、今からその時の映像を流すのでエージェント諸君も見てもらっていいかな?」

 

ざわ…ざわ…

 

「それではVTR、スタート」

 

映像が流れた瞬間、私がキモイ顔でユウカにピコハンで叩かれるところだった。

 

「フフッ(笑)」

カヨコ、ここでも笑ってたね。

 

【本当は風紀委員会の皆も来て欲しかったけど、忙しいみたいで2人だけなんだ。だから今日はね、銃無しの安全第一でやろう】

 

「ヒナ、ここで止めて」

映像が止まった。

 

「全員、エージェントアコを見てもらっていい?」

 

ここでアコに注目が集まった。

口元を押さえて、笑っている。

 

「あ!額に汗かいてる〜!」

「エージェントメグ、鋭いねぇ」

「私も二つ名が欲しいな〜!」

「もう少し頑張りましょう」

「ぶぅ〜!」

あらやだかわいい、とほっこりする中…

 

「…」

 

アコは明らかに落ち着かない様子だった。

 

「容疑者アコ、なんで?」

「…何がですか?」

 

「なんで私がこの話をしたとき、動揺したの?」

 

「そ!?それは…」

 

この日は別にそんな暑くなかった、便利屋68事務所の人口密度は高かったけど誰も気にしなかった。

 

「この日は!暑かったし!狭い部屋に沢山の人が集まって!人口密度が高くてですねぇ〜!?」

「ちょっと!?知り合いの事務所が狭いって、遠回しな悪口!?」

 

「あの日、暑かった…?」

「別に気にならなかったけど…?」

 

ざわ…ざわ…

 

「容疑者アコさぁ…」

「…何ですか!?」

 

私はジト目でアコを睨みつけた。

 

「つまんねーヤツだな〜」

「はぁ!?」

 

「まだ言い訳するんだね、もうここまで来たし決定的な証拠出すよ?」

「…何の証拠ですか!?」

 

「私は自首は認めないとは言ったけど、今なら限定で許すよ?」

「…何の罪でですか!?」

 

「そう…もう時間切れだよ」

 

私はシッテムの箱を出してモモトークを起動した。

 

「これ、私と容疑者アコのモモトークなんだけど…」

 

「っ〜!」

 

その瞬間。

アコが走り出し、私に迫ってきた。

陸上選手のスプリンターだった。

ついにアコが尻尾を出した瞬間だった。

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