こちらシャーレ強行犯係   作:ケイゾーイビ

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お心当たりのあるBGMを流しながらお読み下さい。
よろしくお願いします。


特異現象捜査部編2話

〜通りすがりのホワイトハッカー達〜

先日…特異現象捜査部の部長、明星ヒマリさんがネット掲示板のレスバで負けそうになった際に、後輩の画像を無断で使用しウソを付いて勝とうとした疑いがあります。先生、確認お願いします。

 

「…だそうです」

「なっ…!?何故っ…!?何故そのことを先生がっ…!?」

「…え?」

これは驚いた、さっきまで論破するとか言ってた威勢はどうした…?

 

「…あ」

 

「エイミ〜逮捕最速記録だけどワンチャンあるかもよ〜?」

「そうなの…?」

「私の記憶が正しければ、どの容疑者よりも早く自供したから行ける行ける」

「お〜」

エイミはパチパチと拍手した。

 

私はとりあえずヒマリと目を合わせようとした、しかしヒマリは何度も目を逸らした。

「どういうことか、説明してもらおうか…?容疑者ヒマリ」

 

「…」

 

「ほぉ〜黙りかぁ…なら容疑者ヒマリに何が起きたか、私が説明してあげるね」

 

「…え?」

「どういうことですか…?」

一言も話さないヒマリの代わりに、ユウカとエイミか質問した。

 

「私が思うに、キヴォトスの生徒達には戦闘スタイルがあると思うんだ」

「戦闘スタイル…?」

「そう、私からすればこの世界はバトル漫画みたいなもんだと思ってるよ…鉛弾が当たっても痛いで済むんだから」

 

いや本当にね…

 

「例えばユウカとエイミは、積極的に前に出て敵の攻撃を請け負うタンク型だよね?」

「確かに…」

「そうですね」

「ぶっちゃけタンクなんて怖くて、私は絶対やりたくないけど…」

「…タンク、教えましょうか?」

「遠慮しとくよ…」

一発も耐えられないタンクとか…まぁ回避型のタンクとかもいるけど、私には無理だ。

 

「容疑者ヒマリの戦闘スタイルは、回避型サポーターだと思うんだ」

「部長が回避型サポーター…?」

「想像してみて…私がピコハンで一生懸命攻撃してるけど、容疑者ヒマリは目を瞑って余裕で避けてる姿を」

「…確かに容易に想像出来ますね」

「回避型は攻撃を受けない自信があるから、防御力を上げないで別のステータスを上げると思うんだ」

「当たらなければどうということはない、ということですか…?」

「よく知ってるねぇ…」

ユウカ少佐かな?

 

「で、今回の告発状だ」

私は持ってる紙をヒラヒラした。

「当然この攻撃も、目を瞑って余裕で避けるつもりだった」

「でも当たっちゃった…?」

「ただ当たっただけならよかったけど、急所に当たったんじゃない?」

「防御力を上げてないので…」

「致命傷になった」

「…」

ヒマリはまだ黙っている。

 

「この情報も証拠が残らないように隠蔽したはずだった、でも通りすがりのホワイトハッカー達に看破された…」

 

ヒマリはぐぬぬとでも言いそうな顔だ。

頭の中はホワイトハッカー達に対する恨み言で溢れてそうだ…

 

「私の見解はこんなところかな…?」

「お〜、先生が本当に先生みたい」

「たまにはね…」ピコッ!

いつもその調子でお願いしますと、ユウカのピコハンが私の頭に3倍速く彗星した。

 

「素晴らしい…ミレニアムの超天才病弱美少女ハッカーをここまで追い詰めるとは」

口元をヒクヒクさせながら、ヒマリは空元気してるな…

「追い詰める?いやもう詰みでしょ?」

「何を言ってるのですか!?私は認めませんよ!?」

「ほぉ〜なら聞かせてもらうけど、エイミの画像を無断で使って何したの…?」

ぶっちゃけ知ってるけど、本人の口から聞きたい。

「そ…そもそも!その前提条件が間違っています!」

「…どういうこと?」

 

「私はレスバで自分の画像を使いました、後輩の画像は使ってません」

成る程、それなら確かに無罪だね。

 

「なら確かめてもらおうか?」

「そうですね!確かめて…え?」

 

「告発状も読んだし、そろそろエージェントを呼んで捜査しようと思う」

 

「お〜!」

エイミも誰が来るのか、興味津々だ。

「誰が来ようとも、ミレニアムの超天才美少女である私を突き崩すことは簡単なことではないですよ…?」

「勿論それなりの相手を呼んだよ?鍛え上げた腹筋を見てもらうといい…」

「は?腹筋を見てもらう?まさか…!?」

 

「お願いします!」

 

先生は特異現象捜査部の部室外に置いてあるラジカセを用意、エイミに持ってもらい再生ボタンを押した。

コミカルなBGM(ブルアカで有名な曲)が流れて来て、自動ドアが開きエージェントが特異現象捜査部の部室に入って来た。

 

ところが…

 

「あれ…?」

BGMのテンポがドンドン下がってしまい、曲が止まってしまった。

「先生?ラジカセ壊れちゃった?」

「大丈夫だよエイミ、予定通りだから…」

 

入って来たエージェントは、ブレーキの壊れた暴走自転車と呼ばれている…

「シャーレ強行犯係の捜査員、エージェントリオです、ブレーキの壊れた暴走自転車の二つ名持ちです、今日はよろしくお願いします…」

リオは深々とお辞儀して、挨拶した。

 

 

明らかにいつもと違う状況に、リオと私以外の全員が動揺した。

「先生?どういうことですか?エージェントリオが別人みたいですよ!?」

先ずはユウカが確認に来た。

「気持ちは分かるよ、後でまとめて説明するから…」

「…え?」

ユウカ、逃げるなら今の内だぜ…?

 

「やはり来ましたか!ブレーキの壊れた暴走自転車さん!」

今度はヒマリが挨拶代わりの口撃だ。

「あなたの暴走を私の容疑を晴らすのに、精々利用させてもらいますよ?覚悟して下さいね?」

「…はい、よろしくお願いします」

リオは深々とお辞儀した。

ヒマリは肩透かしを食らって、また目が点になり口を半開きにして全知の学位を持つ才女には見えないアホ面になった。

 

「先生!?どういうことですか!?これは…一体誰なんですか!?」

ヒマリにも確認された。

「気持ちは分かるよ、後でまとめて説明するから…」

「…は?」

ヒマリも逃げるなら今だよ…?

 

「じゃあ挨拶も終わったから、もう1人紹介するね…」

「…もう1人?聞いてないですよ?」

「ゴメンねユウカ…その人の指示で口止めされてて、言えなかったんだ」

「口止め…?」

 

「先生…何が始まるんです?」

ヒマリが最終確認してきた。

 

「今から、特異現象捜査部の部室はね…」

もう誰も助からない。

「…地獄に最も近い場所になるんだ」

 

!?

 

私の説明を理解出来たのは、リオと私だけだろう…

「…お願いします」

 

部室が暗くなり、天井からミラーボールが出て来た。

「え?」

「なぁ!?」

部員の2人が知らない間に、ミラーボールが部室に仕込まれててびっくりしてる。

 

私はエイミから預かった、ラジカセ2曲目のBGMを流した。

 

それは静かで神聖な曲だった…

天国の門が現れて…

トリニティシスターフッドの生徒達でも出てくるのか…

そんな雰囲気だった…

 

しかし…

 

その神聖な雰囲気も英語のFワード、放送禁止用語で一変する。

 

この曲は大晦日の夜…あと15分で年明けするかどうかという時間帯、絶対に笑ってはいけない挑戦者を相手にビンタで大立ち回りするプロレスラーの入場曲だ。

 

暗かった部屋が赤く染まり、ここが地獄だと言うことを私達に知らせる。

 

そして部室の入口で…

 

プシュー!!

 

白いガスが吹き出した!

 

「先生!?部室にミラーボールだけではなく…あんな仕掛けを!?」

「容疑者ヒマリの言いたいことは分かるよ、これはにわかエージェントには出来ない…」

「どういうことですか…?」

 

「君もよく知ってる、本物のエージェントがやったんだよ…」

「本物のエージェント…?」

 

そうこう話してる内に、自動ドアが開き2人目のエージェントが入って来た。

駄菓子屋さんで買える、お菓子が入ってるピンク色のマイク片手に…

 

「ガァッデム!!!!!」

 

!?

 

普段ではありえない大声で、部屋に入って来たその人は…

メイド服ではなく、パーカーにジャージ…

多分、部屋着姿で現れた…

 

「エージェントリオが口を滑らせた結果…タメ口で話すことが知れ渡ってしまい大迷惑してるお休みモードのトキさんです、よろしくお願いします」

 

私はラジカセ2曲目のBGMを止めた。

部室に入って来たのは…トキだった。

 

「おい!」

 

どすの利いたトキの声が聞こえた。

え…?私…?

 

「…はい?」

「童貞教師のお前だよ」

 

!?

 

トキ以外が半壊した。

本来であれば轟沈だが、誰もが理解していることだ。

 

笑えば次の標的は自分だということを…

半壊で耐えるのが正解だということを…

 

「すみません(笑)、その呼び方だけは勘弁して下さい…」

「うるせぇよ、お前童貞くせーんだよ」

 

こえーマジで、チンピラじゃん。

(そんなこと言ったらトキだって…)

「…あぁ?」

 

気が付いたトキすでに遅し、私は胸ぐらを捕まれた。

 

「お前今なんつったぁ?なんつったぁ!」

「えぇ?いや?なにも?」

「そんなこと言ったらトキだって処女じゃんwって言ったろぉ!」

「言ってない!言ってない!」

「言ったろぉ!」

「言ってないです!」

 

掴まれている手を胸ぐらから離され…

 

ガシッ!

 

今度はトキにお尻を掴まれた!

 

!?

 

「言ったろ?」

「言いました」

 

トキ以外が半壊した。

 

「ウソつくんじゃねーよ」

「すみません(笑)」

「はぁ…分かったよ、お前のことセンコーって呼ぶからな」

「ありがとうございます…」

 

今度は肩を組まれた。

 

「次…俺のこと処女って言ったら、お前をこの場でコマしてやるからな?」

 

!?

 

トキ以外が半壊した。

 

「分かったか?」

「…はい(笑)」

「はいじゃねーよ」

「…ありがとうございます」

「分かればいいんだよ」

 

組んだ肩を外しドサクサに紛れて、私のお尻を派手に撫で回す様子にトキ以外が半壊した。

 

セクハラ上司かな?

 

「ンなこたどーでもいいけどセンコーさぁ、俺の紹介でなんて言った?」

 

ここまでどうでもよかったの…?

 

「え…?トキさん?かな…?」

「あーそれ」

「え?」

「ちゃんをつけろ」

 

ちゃん…?

 

「どっかの誰かさんがよぉ!俺には可愛げがないんだとさぁ!」

 

あー…

 

「えーと…じゃあトキちゃん?」

「は?さんを付けろ童貞野郎」

 

トキ以外が半壊した。

 

「…すみません(笑)では、トキちゃんさんはどうでしょうか?」

「いいねぇそれ!今日はそれで頼むわ!」

呼び方が決まると、ご褒美のお尻ナデナデを受ける私を見たトキ以外が半壊した。

 

「…何笑ってんだ?お前?」

 

次の標的は…調月リオ。

 

元上司と部下という関係だが、今はもう関係ない。

口は災いの元…その意味を少しずつ味わうことになる。

 

「何笑ってんだ!コラァ!」

 

トキは持っていたおもちゃのマイクを、リオに投げてつけた!

マイクはリオの胸に当たり、バウンドした!

 

!?

 

バウンドしたマイクは、私の目の前にゆっくり飛んで来たので取った。

これは…本物のエージェントにしか出来ないコントロールだな。

 

「ナイスキャッチ〜」

 

マイクを取った私を褒めるトキは、お尻を撫でるためにわざわざ遠回りした。

その様子にトキ以外が半壊し、時間をかけてゆっくりリオの前まで歩み寄った。

 

「次はお前だよ」

「…はい」

 

「何?今日は暴走してねぇの?」

「あの…」

「あ?お前反省出来るのか?」

「…え?」

 

「学校の金をちょろまかして悪いことしてた、お前も反省すんのなw」

 

トキ以外が半壊したが…

言い過ぎでは…?

 

私は口を出さずにはいられなかった。

 

「すみません(笑)トキちゃんさん、それは言い過ぎだと思います…」

「うるせぇ!センコーは黙ってろ!」

 

「どちらかと言えばさぁ!?君もそのちょろまかしたお金で…悪いことしてた側だよねぇ!?」

「なぁ!?…ンフフッ(笑)」

 

私以外、全員半壊させてやったぜ。

まだまだだな〜トキちゃんさん。

笑いの刺客は、笑っちゃいけないんだぜ?

 

トキは慌てて私の肩を掴んだ。

「お前っ!打ち合わせしてないことを言うんじゃねーよ馬鹿野郎っ!(笑)」

ここまでめちゃくちゃやっておいて、以外にも計画通りで全員半壊した。

「今はコイツの番だ!お前は黙ってろ!分かったか?(笑)」

「すみません(笑)」

「チッ…分かればいいんだよ!」

 

そう言って肩から手を離し、再びリオの元に戻った。

ドサクサに紛れて、私のお尻ナデナデも忘れない抜け目の無さを観る限りまだ計画通りみたいだ。

 

「…デュフフw」

エイミは直球のセクハラがツボに入ってしまい、足をバタつかせている…

笑い過ぎて、ヘイローが消えそうだ。

 

まだまだ、地獄は始まったばかりだ。

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