こちらシャーレ強行犯係   作:ケイゾーイビ

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新しい告発状が届きました。
よろしくお願いします。


正義実現委員会編1話

シャーレ強行犯係。

それは先生が、生徒達の親睦を深める為に思い付いた組織である。

捜査員は先生とユウカ、そして告発状の内容に応じて各学園からエージェントを呼び寄せて容疑者に真偽を確かめる。

 

今回のターゲットは、トリニティ総合学園の正義実現委員会だ。

 

私とユウカはトリニティ総合学園の部室会館を移動中、正義実現委員会の部室を目指し移動中なのだが…

 

…明らかに様子がおかしい。

またトリニティの生徒達とすれ違う。

 

「あ!先生がいるわ…」

「きっとアレよ…アレだわ…」

「目を合わせないようにしましょう…」

 

何かヤベー奴認定されて、恐れられてしまってるんだが…

こっちを見てるトリニティの生徒達へ、試しに手を振ってみた。

 

!!!

 

「気付かれたわ!」

「檻に入れられる!」

「に…逃げましょう!」

 

ヒィ〜!!!

 

トリニティの生徒達は、猛スピードで逃げて行った…

 

 

ユウカは哀れむ目線を私に送った。

「私達…もしかして人気者?」ピコッ!

絶対に違うと思いますという気持ちを込めて、ユウカのピコハンが私の頭にポジティブした。

 

「でもさぁ…トリニティのお嬢様でも、バラエティ番組なんて見るんだね?」

「ゲヘナ学園風紀委員会編が、影響あったのでは…?」

「テレビ番組に、放送作家がいるって知らないのかな…?」

「それ言わないで下さい…」

「…そだね」

フィクションを知らない、誰かさんに刺さりそうだしそれだけじゃ済まさそうだ…

 

正義実現委員会の部室付近に到着した。

私はヘビカメラを使い、待ち伏せがいないか廊下を確認…クリア。

そして音を立てないよう注意しながら、部室の扉前に移動した。

いつものように、ヘビカメラで部室内を確認する。

 

容疑者を発見した、部室内に1人だけ…事務作業中か?

 

今回エージェントとは、時間指定をして現地集合だ。

サングラス姿を他の生徒に見られると、学園で角が立つとかで…本人たっての希望だ。

ということで、私とユウカは水鉄砲を構えて突入する。

 

3…2…1…GOGOGO!!

 

正義実現委員会の部室を開け、私達は突入した。

 

「シャーレ強行犯係だ!武器を捨てろ!」

「…は!?」

 

部屋には1人しかいないため、今回の容疑者はすぐ分かる。

正義実現委員会の事務方トップ。

副委員長の羽川ハスミだ。

 

「先生と…ユウカさん…?」

「…どうも」

 

何か普通に挨拶してるな…

あー!シャーレ奪還作戦で、同じチームだったなぁ…

 

「あの…どの様な要件でしょうか?」

 

…ん?

 

あーこれ…ハスミは知らないパターンか?

「ユウカ…どうしょう?帰るか?」

「…え?」

私の以外な発言に、ユウカはピコハンが出なかった。

 

「なんか消極的過ぎでは!?いつものハチャメチャっぷりはどうしたんですか!?」

「あれだよ、人気者だと勘違いしてて実はそんなことなくて自信が…」

「…はぁ!?」

ぶっちゃけ今回の告発状…信憑性にかけるんだよ。

 

「この活動、6回目だっけ…?」

「ゲーム開発部、便利屋68、セミナー、風紀委員会、特異現象捜査部…ここで6回目ですね」

「実はここまでこの活動を続けて来て、全然評価がつかなくで…このままだと打ち切りになるとかならないとか」

「っ〜!」

 

あ、ヤバイ…これ本気で怒ってる!

ユウカ怒りのピコハンハードタイプを取り出し、折檻が始まった。

「…」

容疑者置いてきぼりの状態で…

 

ピコココココココココココココココココココココココココココココココココッ!

「あのですねぇ!最初シャーレ強行犯係の活動を!始めたときからゼロベースで!コツコツここまでやって来たじゃないですか!それを!?人気がないから!?評価が付かないから!?そんなことで諦めるんですか!?ここまで私がどんな思いで先生に付き添って…」

 

「いててててて!そんな楽しみにしてた?」

 

そうなの?うれぴー!

 

「っ〜!うるさぁ〜い!!!」

 

ピコココココココココココココココココココココココココココココココココッ!

「いててててて…うわぁ〜!!!」

ユウカは素手で巨大ロボットを破壊するマスターが、顔を固定して体だけ回転させる動きをして私の頭をピコハンでキヴォトス不敗した。

 

ということで皆さん、何とは言いませんが高評価を下さい。

 

力の限りピコハンを振り回し、私をピクリとも動かなくなるまでボコボコにしたユウカはゼェゼェと息を切らして呼吸を整えていた。

「あ、あの…」

「…すみません、ハスミさんをほったらかしにしてこんな内輪揉めを」

「いえ、そのピコハンの件ですが…」

「…え?」

 

「実はテレビの影響で、学園内でピコハンを使用したケンカが問題になってまして…」

「えぇ…?」

テレビの影響で、まさかの弊害が発生しているのを知らされるユウカだった。

 

私を起こして、一段落したユウカにピコハンの件を問い詰められた。

「あーその件ね、相談は受けてたよ…?」

「聞いてないですよ!?」

「他校の問題だからねぇ…」

「…それはそうですけど」

「それに、その件について私の対策は一貫してるから…」

「…その対策とは?」

 

私はウィンクしながら、キメ顔で…

「思いやりと愛を込めて叩け…だよ」ピコッ!

対策を言ったら、ユウカがピコハンで私の頭を慈愛した。

 

「…フフッ(笑)」

以外にもハスミが轟沈した。

ほぅ、こういうのが好きなの…?

 

「それで?解決しましたか…?」

「それどころか…ティーパーティーに呼び出されて、しこたま怒られた」

「えぇ…」

「あ〜このことはオフレコで頼む」

「…オフレコ?」

 

「長くなりそうだから逃げようとしたんだ、そしたらミカに羽交い締めにされて、ナギサからロールケーキを口に突っ込まて、セイアがピコハンで私をボコボコにして…問題解決まで努力をすると約束させられた」

 

 

オフレコの内容を聞いた2人は、固まってしまった。

ぶっちゃけ、撲殺天使セイアちゃんに殺されるんだな〜と覚悟を決めたよ?

 

私が逃げようと振り向いたとき、もうミカがいたんだよ…?

 

!?

 

バトル漫画で見たことあるアレ。

視野に入ってるぐらいの距離にいたのに、残像を残していつの間にか後ろにいて私の肩を叩く…アレをミカがやったんだ。

 

「今私のこと、フィジカルオバケって言ったよね…?」

 

言ってないし思ってもいません…

 

それでミカに捕まって、席を温めておいたよー☆と椅子に座らされて鼻をつままれた。

息が出来なくなって、口を開けたら…

 

カポッ!

 

ナギサにロールケーキ突っ込まれた。

 

「お口に、合うといいのですが…?」

 

量はともかく味は最高でした…

 

それから何とかロールケーキを食べようと、奮起してたら…

 

…ピコッ!…ピコッ!…ピコッ!…ピコッ!

 

セイアにピコハンで何度もシバかれた。

 

「ホラホラァ〜もっと美味しそうに食べられないのかい…?」

 

君が1番怖いんですけど…

 

それから息が出来なくて苦しくなって、何かよく分からなかった…

 

 

…気が付いたら救護騎士団に助けられて、私達4人はミネ達にしこたま怒られた。

 

私は被害者なんだけど…?

 

「…てなことがあってさぁ、死ぬかと思ったよ」

 

 

「トリニティのトップがこれだから、学園の至る所でこういったことが行われているのかなぁ…まぁこの件は何とかするよ」

 

ピコハンの件は一旦置いといて、今回来た目的を説明した。

「えーと、先ずハスミは私達の活動について知ってる…?」

「そうですね、悪いことをした生徒を先生が私人逮捕してる…で合ってますか?」

「大体合ってる」ピコッ!

この活動打ち切りでいいのでは?と、ユウカのピコハンが私の頭を誤認逮捕した。

 

「待って下さい、この部屋に私しかいないのでまさか…」

「…今回の容疑者は正義実現委員会の副委員長、羽川ハスミさんです」

 

!!!

 

「そんな…どうしてですか?」

「私もハスミと同じ気持ちだよ」

「え?」

 

ハスミを容疑者呼びしてない、忘れてるのかとユウカが確認した。

「どういうことですか…?」

「…今回の告発状さぁ、流石に信じられないんだよ」

「あり得ないことが書いてあると…?」

「…ハスミに限って、こんなことしないと思うんだ」

一体何が書いてあるんだと、ユウカは驚きを隠せない。

 

「あの…どんな内容ですか?」

ハスミが私達を見て、ビックリ箱でも見る目で聞いてきた。

「そこまで心配しなくても大丈夫だよ、何かのミスで送られて来たんじゃない…?」

 

私は懐からはがきの様な紙を出した。

 

「とりあえず…確認する?」

「そうですね、お願いします」

「何かいつもと違って余裕ありますね…?」

「…たまにはいいんじゃない?」

和気あいあいとまでは行かないが、告発状の誤射に自信を持って読み上げた。

 

〜告発者Iさん〜

先週の身体測定で、ハスミ先輩が体重を軽くしようとちょろまかすところを目撃したっす。いや〜流石ハスミ先輩っすねぇ〜あんなやり方で体重を誤魔化すなんて…保健係の目は誤魔化せても、私の目は誤魔化せないっすよ。先生、確認お願いするっす。

 

「…という内容なんだけど、ちょっと何言ってるか分からないんだよね」

先にユウカへ確認した。

「ちょろまかす…どういうこと?切りの良い重量じゃなかったとか?」

「四捨五入すれば増えてない…とか、そういう考えですかね?」

「いや私はよく分からないけど、やっぱり女性って体重は気になる感じ…?」

「…先生は初対面の女性に、年収を聞かれたらどう思いますか?」

「成る程、それは厳しいなぁ〜…」

「…そういうことです」

「でもさぁ…体重をその場でちょろまかして、何の意味があるの?」

「一度測った後に、服の重さで〜とか現実逃避したくなるんですよ…」

「あれでも…服の重さは引いてある場合もあるよね?」

「それはそうですが…」

「…次に体重を測る際に繋げるために、ちょろまかして自分を鼓舞するってこと?」

「どうでしょうね…?」

「まぁ、私が知らない方がいい世界もあるよね…」

「…もうこの話やめませんか?」

「そだね、そもそもハスミがこんなことする訳がないからねぇ…」

「…そうですよ」

さて、ユウカとの認識確認はこんなもんかな…?

 

「ごめんね〜話が長くなって、こんな荒唐無稽な告発状なんだけど…」

 

 

…ん?

 

「ハスミ…?」

 

しかし…

 

ユウカとの話に夢中になり過ぎて…

 

気が付かなかった…

 

ハスミが顔を真っ赤にして…

 

目をぐるぐる回して…

 

肩を震わせて…

 

過呼吸状態になって…

 

大きな翼もパタパタさせて…

 

恥ずかしさに震え上がっているのを…

 

「は…?」

「え…?」

 

ユウカも気が付いた…

 

私とユウカはハスミに対して…

 

機関銃で制圧射撃を…?

 

 

これはどうする…?

 

どうするのが正解だ…?

 

「よし!落ち着こう!一旦落ち着こう!」

「そ、そうですね〜」

「ユウカ、私はお茶を買ってくるからハスミとお話してて〜」

「ちょ!?ズル…じゃなくて先生!私がお茶を買って来ます!」

 

「いやいや大丈夫だよ!女性同士でしか話せないこともあるから、私が席を外す!」

「いえいえ大丈夫です!ここは教師として生徒を導く先生が、私が席を外します!」

 

「適当なこと言うなよ!?そんなこと今まで1回も言ったことないだろ!?」

「っ〜!」

 

あ〜!汚えぞ!

ご自慢のフィジカルで、無理矢理強行突破するつもりだな!?

私もここは譲れないので、部室の出口に向かった。

 

「ユウカ!頼むよ!私はここに残れないって!」

「泣き言なんて聞きたくありません!役目でしょ!」

 

「…ません…」

 

「なんだよ役目って!私にここで犬死しろってことか〜!?」

「いっ、犬死なんて…大袈裟ですよ!」

「おい!今なんか変な間があったぞ!」

「いいから私がお茶を買いに行きますから…」

 

「お茶は要りませんっ!!!」

 

!!!

 

ハスミが大きな声で、私達のお茶購入の権利を賭けた戦いを止めた。

「…私が紅茶を淹れますから、御2人は椅子にお掛けになってお待ち下さい」

 

ユウカは食い下がらず。

「あの…」

「お待ち下さい」

「…はい」

無理矢理食い下がった…

 

カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ!!!!!

 

!?

 

ハスミがティーセットを乗せたトレーを、震わせながら持って来た。

 

故郷のお笑い番組であったな…

お婆さんがトレーに乗せた食器から、音を立てながら持ってくる伝説のコントだ。

…ダメだ、あれを思い出してしまった。

 

私はもう耐えられなかった。

 

「…フフッ(笑)…ブハハハハハッ(笑)」

 

!?

 

「先生…?」

「ユウカも笑いなよ…フフッ(笑)」

「…フフッ(笑)」

私がそう言うと、ユウカも笑い始めた。

 

私達が笑い出すと、少し落ち着きを取り戻したハスミがトレーをテーブルに置いた。

「ハスミも落ち着いた?」

「あの…」

「ハスミも笑いなよ…ブハハハハハッ(笑)」

「…フフッ(笑)」

ハスミも笑い始めた。

 

ブハハハハハッ(笑)

アハハハハハッ(笑)

 

もう笑うしかないよ。

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