こちらシャーレ強行犯係   作:ケイゾーイビ

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正義実現委員会の話はこれで終わりです。
よろしくお願いします。


正義実現委員会編6話

「っ〜!」

 

その瞬間、ユウカから強靭なプレッシャーが放たれた。

 

!?

 

「せ〜ん〜せ〜い〜…」

「何ですか〜?ロリコン会計さ〜ん?」

「…言って良いことと、悪いことの区別も出来なくなりましたか〜?」

「見くびらないで下さいユウカさん、この戦いに勝ち目がないことは分かってます…」

 

「…は?」

 

それでも…やらねばならん。

 

「しかし、いくら勝ち目が無くても…」

私は檻の中笑顔で…

「…戦わなくては、ならない時がある!」

…ユウカに勝負を挑んだ!

 

合意と見てよろしいですね?

 

「手加減はしませんよ…?」

「…手加減なんてしたことありましたか?」

「っ〜!」

私の軽口に、ユウカ怒りのボルテージが更に上がった。

 

「そんな状態で私に勝負を挑むなんて、何を考えてるのか知りませんが…」

肩慣らしに、ピコハンで素振りを始める。

 

「全力で相手をしてあげます…」

 

殺意の波動に目覚めたユウカ

VS

檻に閉じ込められた先生

 

「…え!?この状態で勝負を!?」

 

自分が言ったことを、5秒で忘れる私を見た者は轟沈した。

 

やるしかない…これは武者震いって奴だ、そういうことにしてくれ。

ぶっちゃけ、檻の中で出来ることなんて何もないだろ…

 

「エージェントミカ」

「な〜に?」

「尋問のお手伝いをお願いします」

「おっけ〜」

「…は?」

 

!?

 

ナギサからの増援がミカァ!?

そんな話聞いてないよ!?

 

更にユウカから白羽の矢が立ったのは…

「誠実運送さん…」

「…え?」

まさかのイチカとツルギだった。

 

ユウカはニコニコしながら…

「休憩中、退屈ですよね…?」

「…え?今は最高に楽し」

 

「退屈ですよね!?」

 

「退屈っす〜…ねぇ後輩?」

「ハイッ!先輩っ!」

…圧をかけて説得した。

力技の説得を見て何人か半壊した。

 

何をするつもりだ…?

 

「ならよかった…退屈しのぎに…」

 

退屈しのぎ…?

 

「キャッチボールしませんか…?」

 

???

 

「キャッチボール…っすか?」

 

「そうです、キャッチボールです」

 

…は?まさか?

 

「道具が無いとキャッチボールは…」

 

「…ボールはこのピンク色の檻です」

 

!!!

 

やっぱり!?

 

「おい!?ウソだろ!?」

「私とエージェントミカの、2人がかりで投げますから…」

「待って待って!?待って下さい!?」

「…誠実運送さんは取って投げ返して下さい、勿論落としてもいいですよ?」

 

!?

 

連邦生徒会長さん、今挨拶に行きます。

 

「きひひ…」

「ユウカさ〜ん、面白いこと言うっすね…」

「…え?」

 

お?断るか?なら助かるけど…?

 

「私達は誠実運送!運送会社が荷物を落としたらマズイっす!ねぇ後輩?」

「ハイッ!先輩っ!」

 

「あぁ〜そっちかぁ〜!」

 

そうだね、運送会社だもんね。

私の納得した声に私以外轟沈した。

 

息つく暇もなく、ミカが片手でピンク色の檻を持ち上げた。

「いっくよ~☆」

「うわぁ!?本気か!?本気か!?」

私を見上げるユウカが、ジト目で最後の忠告をした。

 

「神様にお祈りは済みましたか…?」

 

「…キヴォトスに神様はいるの?」

 

「休暇でリゾート地に行ってますよ」

 

どうする!?どうする!?

もう限界なんだけど!?

コハルは…こっちを見てない!?

見限られたか…?

 

「せーので投げて下さい!せーのっ!」

ギブアップ、体力の限界…

 

「分かった!分かった!本当のことを話すから!助けて!降参です!降参します!」

 

こうして私は初手降参した。

鮮やかな負けっぷりを見た者は轟沈した。

 

最初から勝ち目なんてある訳が無いし…

残念でもないし、当然の結果だよ…

 

ピンク色の檻は、台車に戻された。

あー死ぬかと思った…

 

「…先生、敗者は勝者の言うことを聞いてもらいますよ?」

 

私はポケットからデータ端末を出した。

 

「容疑者ハスミ、映像を流す装置ある?」

「プロジェクターがあります」

「ならこれを再生してくれ」

「これは…?」

 

「数時間前のシャーレ執務室、監視カメラの映像だよ」

 

!!!

 

コハルはスナイパーライフルを構えた。

データ端末を破壊するつもりだ。

 

しかし…

 

そんなスーパーエージェントみたいなこと、出来る訳ないのと…

 

「ひぃっ!?」

「そんな物を持ち出したら…」

「…遊びじゃ済まないよ?☆」

 

…ツルギとミカが見過ごすはずもない。

 

ハスミはプロジェクターで、データ端末の映像を再生した。

 

〜数時間前、シャーレの執務室〜

 

私は逮捕状の下書きをシャーペンで書いていた、あれこれ書き過ぎて右手が真っ黒だ。

 

ガチャ…

 

執務室に入って来たのは…

「あーコハル?ゴメン、まだ書けてないからもう少し待って〜」

「先生、お願いがあるの…」

「…ん?」

 

「自信が無いから、逮捕状の漢字に読み仮名を書いて欲しい…」

「…え?」

私は驚いて、振り向いた。

 

「いくらなんでも!それ…は…」

振り向いたコハルに、スナイパーライフルの銃口が向けられていた。

 

「これはお願い、断るなら…命令にする」

私は手を上げて説得を試みる。

「コハル、よく考えろ…もしバレたら」

 

「うるさい!うるさい!うるさい!」

 

「コハル…?」

「私はスーパーエリートなんだから!これ以上の失敗は許されないの!」

「最低でも自分で調べて、コハルが書き込んだ方が勉強になるんだけど…」

「それだと私が間違えてたら、また失敗するかもしれないから…先生が書いて欲しい」

「しかしだな…」

「これ以上醜態は晒せない!崖っぷちなんだから!お願い先生…」

 

「はぁ〜…分かったよ、でももしバレたら2人で謝ろうな?」

 

「その時は先生が勝手に書いたことに…」

「そういうのは冗談でも言ったらダメ…」

 

〜現在、正義実現委員会の部室〜

 

プロジェクターの映像が停止した。

「これが…真相だ」

コハルは魂の抜け殻になっていた。

 

ナギサは頭を抱えて口を開いた。

「残念です…エージェントコハル、やはり逮捕せざる終えませんね」

「それは聞き捨てならないかな…?」

 

私は檻から出てナギサに異議を申し立てた。

 

「これは非公式の活動なんだよ?そんな活動まで、目くじら立てるなんて…やり過ぎじゃない?」

「で…ですが」

 

「私も銃を突き付けられて、悲願されたからって要求に応じた責任はあるよ思うんだよね…かと言ってトリニティの看板を背負っている訳でもない生徒に、圧力かけるのが良いとも言えないかなぁ〜?」

 

!!!

 

「脅しのつもりですか…?」

「…そんなことする訳がないでしょ」

「条件は何ですか…?」

「…エージェントコハルの逮捕を見送って欲しい、代わりに私がそれ相応の罰を与える」

 

 

「いいでしょう」

いいのか…

最初から逮捕する気もなかったのかな?

 

「エージェントコハル!ファイナルスタンドだ!」

「ハッ!」

コハルは復活した。

 

「シャーレ執務室で約束した通り、2人で謝ろうか…」

「…ごめんなさい」

「この通り、申し訳ない…」

私とコハルは謝罪した。

 

「さぁ、エージェントコハル…」

 

「…え?」

 

「シャーレの自習室で、漢字ドリルやろうか…?」

 

「…は?」

 

「あのっ!私もお供しますっ!」

 

「良かったね、ダブルエージェントヒフミも来てくれるってよ」

 

「…」

 

コハルは目の前が真っ白になった…

事件解決に協力したのに、漢字の勉強をすることになるなんて…思ってもいなかったのだろう。

 

 

…計画通り。

 

!?

 

私とナギサは、放送出来ない悪い顔をした。

 

そもそも隠し通すつもりなら、監視カメラの映像なんて用意しない。

何とかコハルに勉強して欲しいという、利害は一致してた。

 

コハル、君はいい生徒だが…

勉強しないのがいけないのだよ…

 

「フフフフフッ…」ピコッ!

「ハハハハハッ…」ピコッ!

ユウカとセイアはピコハンで、私とナギサの頭を両成敗した。

 

「じゃあ一件落着だし、帰ろうか」

「先生、これを」

ハスミがデータ端末を持って来た。

「あぁ〜ハスミ、ありがとう」

 

ガシッ

 

ハスミに腕を掴まれた。

「ん…?」

「…先生」

「腕なんて掴んでどうしたの…?」

「…何かお忘れではありませんか?」

 

 

「廊下に置いてあるから、取って来る…」

「…分かりました」

ハスミは手を離した。

 

部室の外に用意されていた人が1人だけ入れる、小さな檻が積んである台車の…

 

ダッ!

 

横を素通りし、駆け抜けた!

 

ガシッ!

 

「え?」

 

しかし、何故か捕まり…

 

ドンッ!

 

ハスミに廊下で壁ドンされた…

 

「ど…どうしてここにいるんだ!?」

「やはりここは分からせる必要が…」

「…ハスミ落ち着け!今は状況が変わったんだ!だから絶対にやめ…」

 

ハスミの後ろから、何かがニュッと出た。

 

よく見たらミカだった。

 

!!!

 

「誰と誰がチューするのー…?☆」

 

!?

 

「うわぁ〜!!!」

 

何人か手に掛けた顔付きのミカに驚き過ぎて、目の前が真っ暗になった。

 

私はハスミとミカに捕まり、部室に引きずり戻された…

 

結局、ハスミの逮捕見送りは握り潰され…

 

「これで連行します、◯◯時◯◯分、羽川ハスミ、あなたを逮捕します」

 

〜羽川ハスミ逮捕、私は身体測定で体重を誤魔化した罪で逮捕されました〜

 

「無理して捕まることないのに…大丈夫?狭くない?」

「お構いなく」

 

お構いなくって…どういうことだよ。

 

一先ず私達は二手に別れることにした。

ヒフミ率いる自習室組と、私率いる容疑者連行組だ。

最終的にはシャーレの自習室で合流する約束をして、移動を開始。

部室を出てすぐ檻に入ったハスミを見た、マシロが固まってしまったり些細な問題はあった…

後で聞いた話だけど…作業服姿のイチカとツルギを、廊下で見た辺りから宇宙マシロ状態になってたらしい。

 

こうしてシャーレ強行犯係、6度目の出動は幕を閉じたのだった。

 

シャーレまでハスミを連行し釈放、そのまま私達は自習室に向かった。

私はラーメン屋の暖簾を潜るように、やってる?と自習室に入った。

そこにはヒフミ達と、山の様に積まれた漢字ドリルと格闘するコハルがいた。

…それ相応の罰なので、これくらいは覚悟して欲しいかな。

 

コハルだけ勉強させるのが、申し訳ない気持ちになり皆で勉強会をすることになった。

トリニティ総合学園はお嬢様学校なので、皆優秀である。

セイアは色々あったから、勉強が遅れ気味の心配があったが…

それでも派閥の代表だし、優秀である。

 

3時間後…

詰め込み過ぎも良くないので、コハルにしばらく自習室へ来ることを約束し…

勉強会は終了した。

 

それからカフェに移動して、8人でリラックスするように伝えた。

 

しかし…

 

ここで想定してた事態が発生する。

カフェでリラックスして、クールダウンしたので…

ハスミのアドレナリンが切れて、急に冷静になった…

 

!!!

 

そう…

今日ハスミがやらかした…あんなことやこんなことが、頭の中に溢れ出た。

 

その結果…

 

ハスミは恥ずかしさと、情報量の処理が追い付かず…倒れた。

 

!?

 

こうしてカフェでリラックスどころではなくなり、トリニティ一行は解散となった…

 

その後…

トリニティ総合学園の私に対する認識は、恐怖の象徴ではなくなった。

トリニティのネット検索ワードで、放送作家が急上昇したらしい。

 

…テレビは意味ないけど健全な娯楽だよ?

 

学園内で問題になっていた、ピコハンを使ったケンカはなくなった。

私が意識を失い救護騎士団に助けられて、しこたま怒られた件が再現CGで放送された。

トリニティの生徒は自分達も、あんなみっともないことしてたのかと反面教師になったのかもしれない…

再現CGがリアル過ぎるとティーパーティーから苦情が来たけど、君達は思いやりと愛を込めて叩いたでしょ?と論破した。

 

…そもそも再現CG大体合ってたよね?

 

ハスミが倒れたと聞いて、お見舞いに行ったけど中々会うことは出来なかった。

ハスミにモモトークで、私も嫌われたもんだね〜と冗談を送ったら…

ツルギ・イチカ・マシロが、しかめっ面でシャーレに突撃して来た。

私はシャーレ強行犯係連行用檻に詰められて、体育館まで連行…3人でキャッチボールされました…

そこへ助けに入ったユウカ、私は経緯を説明したら…

今度は4人でキャッチボールされました。

それからハスミを呼び出し謝罪、誤解を解いて5人にスイートを奢ることを約束した。

 

…アロナちゃんバリアが無ければ、私は先生バターになっていた。

 

そういえばハスミが体重をちょろまかした方法だけど、翼に神秘を通して後は流れで体重が軽くなったとか言ってた。

 

…もう全部神秘でいいんじゃないかな?

 

何でか分からないけど、シスターフッドで壁ドンが流行ってるらしい。

特に身長差からの壁ドンなどで、様々な思考に別れて激論になってるとか。

 

…壁壊さないようにね?

 

ツルギとイチカの変装で誕生した誠実運送だけど、正義実現委員会潜入捜査の変装で起用されることになった。

でもテレビの放送で、誠実運送もある程度有名になったはず。

 

…変装の効果が薄くない?

 

シロコにモモトークで、ヒフミにドラゴンスクリュー教えたか聞いた。

水鉄砲とかサングラスとか、用意や練習もしたのか問い詰めた。

ん、ヒフミは筋が良い…だそうだ。

 

…それをやられる私の身にもなって?

 

今回、サプライズで来てくれたあの生徒。

モモトークで目出し帽、ありがとうって送った翌日。

シャーレ執務室のデスクに、私用目出し帽が置いてあってビックリした。

警備システムに侵入した形跡はなく、目出し帽はゴーストが置いて行ったのではないか?とアロナちゃんとプラナちゃんは結論付けた。

 

…実装されようがされまいが、いつでもここに来てくれていいんだけどなぁ。

 

つづく




これで思い付いたネタは全部書きました。
しばらく番外編か山に籠もります。
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