よろしくお願いします。
先生は事務所の外に置いてあるラジカセを用意、テーブルに置き再生ボタンを押した。
コミカルなBGM(ブルアカで有名な曲)が流れて来て、すぐ2人のエージェントが部屋に入って来た。
「「「「!?」」」」
便利屋68の社員達は驚いた、それもそうだろう。
彼女達にとって普段なら天敵とも言える存在だ、しかし今日は鉛弾一切なしのオフだから問題無い。
レッツゴー!とBGMが盛り上がった瞬間、2人で50回は練習させたポーズを決めた。
サングラスをかけた水色髪のエージェントと、白髪のエージェントの2人が登場した。
「とある部分のことに一理あるエージェントアコと、私がお願いして来ていただいたエージェントヒナです!よろしくお願いします!」
先生は2人の説明しながら、シッテムの箱で写真を撮りまくっていた。
写真撮影に気が付いたヒナは驚いてサングラスが斜めになりながらも、早歩きで先生に近づき抗議のピコハンを申し立てた。
うん、かわいい。
「ちょっと先生!?何で写真撮ってるの!?」
「いやいや撮るでしょ?何言ってるの?」
私は写真を撮らない方がおかしくない?という言い回しでヒナを言い包めようとしたが、騙されんぞ!と顔を赤くしたヒナは引き下がらなかった。
その攻防に参戦しようとアコも近づいて来たが、私は既に買収の材料を手に入れていたのでおそるるに足りなかった。
「…エージェントアコ、外で待たせてた件は動画と写真でチャラにしてもらおうか」
「…分かりました、言い値で買いましょう」
「アコ!?」
まるで悪代官と越後屋の取り引きをする私とアコに、ヒナはモグラ叩きの速度で忙しくピコハンを連打した。
うん、かわいい。
「いつまでイチャイチャしてるの!?今回は便利屋68の話なのに…私達より目立っててズルイ!!」
「い、イチャイチャなんてしてません!」
「ちょちょ待った待った!これはアルが正しい!ゴメンゴメン!一旦落ち着こう!」
収拾がつかなくなって来たので、私は撃鉄を起こさせる前に何とかしたい一心で事態の沈静化を図った。
「ユウカ、ラジカセの音楽止めてくれる?」ピコッ!
何とか落ち着きを取り戻したので、一先ず話を戻すことにしたのだが…
先生は部屋の生徒達を見てニヤニヤし始めた。
「ンフフッ(笑)」ピコッ!
キモイ笑い方だったので、ユウカはとりあえずピコハンをお見舞いした。
「先生…?どうしたの?」
ヒナもちょっと引いてたけど、心配になって声をかけた。
「いや〜なんかさぁ、普段は水と油みたいなゲヘナ学園の生徒達が銃も構えずに集まれるのってなんか嬉しくなっちゃって…」
確かに普段はお互いの立場もあって、今後このような場は訪れないかもしれない。
「本当は風紀委員会の皆も来て欲しかったけど、忙しいみたいで2人だけなんだ。だから今日はね、銃無しの安全第一でやろう」
キヴォトスで銃を持たないとは、ましてゲヘナでは命知らずだ…でも今日くらいはいいかもと、先生にほっこりした。
「ただ、告発の内容はかなり危険なんだけどね…」ピコッ!
和やかな雰囲気だったけど、先生の一言で現実に戻されてユウカはピコハンを振るった。
「それで、告発の内容はどういうことなんですか?」
「えー今絶賛放送されている、ブルアカのアニメなんだけど…みんな見てる?見てる人〜?」
そういえばここにいる生徒達は全員出てるな、ヒナは忙しいから見れてないみたいだ…
「録画してあるから、エージェントヒナは今度シャーレに見においで」
「あ…ありがとう」
「その心配はいりません!私も録画してありますので、エージェントヒナ!私と一緒に見ましょう!」
「えーと…で、ゲームとアニメでアルが出てるんだけど、何かが違うらしいね」
「何が違うかまでは言ってないですね…」
なんかこれ告発する様な内容なのか…分からなくなってきた。まぁ明らかに悪ふざけだなこれは。
「とりあえず…実際に見てみようか、先ずはアプリゲームのブルアカ15秒CMに便利屋68バージョンがあるから」
先生はタブレットを取り出し、動画サイトの公式チャンネルに投稿されているCMを表示再生した。
〜CM視聴中〜
「やっぱり何度見てもいいねぇ」
CMを見た先生が、ブルアカの良さが出てるよと関心している。
「今のCM、何処かおかしな所ありましたか…?」
ユウカが改めてそう言うと、皆が顔を見合わせたが特に気になった部分はなかった。
「ピンク色?のクレイモアが可愛かったね」
「あれは…紫色だと思います」
「あーそっか、暗いからよく分からなかったよ。ハルカ、今度見せてね」
ユウカはピコハンで叩こうと思ったが、ハルカとのやり取りが微笑ましかったので見なかった事にした。
「で、これが告発者からもらった証拠の画像…なんだけど」
ブルアカのアニメ本編7話より、便利屋68事務所の場所が風紀委員会にバレたのとクライアントの任務失敗で狙われるので引っ越すことになり、社員達が荷物をまとめる中アルが椅子に座って引っ越したくないと項垂れているシーンだ。
〜画像確認中〜
「…ん?」
そのアルの声がいけなかった、その場の全員が気が付いてしまったようだ。
これ私が言わなきゃダメ?ユウカに視線を送ると、顎でやれと目線でやれと言われてしまった気がした。
「あぁ…大きいねぇ〜!」ピコッ!
ユウカは確かにやれとは言いましたが、そこまでやれとは言ってませんと抗議のピコハンをヒットさせた。
ムツキはアルの反応を見て控えめに笑っていた、本人の反応を楽しみにしてたのだろう。
カヨコは轟沈寸前だった、その場にしゃがみ込んで壁の方を向いた、カヨコのこんな姿を見られるとは…もっと違う形で笑顔が見たかったなーと複雑な気持ちになった。
ハルカはアルとこちらの様子をキョロキョロ伺っていた、これは見上げた忠誠心とても言うべきか。
アルに対して不義理な事になりかねない、だが自分の気持ちにも逆らえない板挟み状態になっていた。
ヒナは口元が緩んで必死に耐えていた、流石は風紀委員会の委員長、鍛え方が違う。
アコもヒナ同様に耐えていた、これ専門家いらなかったか?まぁヒナの休暇みたいなもんだしいいか。
当のアル本人は、白目で固まって動かなくなった。