かなりブラックなネタを扱ってるので、注意。
よろしくお願いします。
ここはカフェの特別ブース。
不定期で先生がやってる、お寿司屋さん。
シャレっち寿司、初めてのお客様は…?
「あ、ホシノだ」
「え?先生…?」
カフェに現れたのは…
アビドス高校対策委員会の委員長。
小鳥遊ホシノだった。
「へいらっしゃい!」
「どうしたの、その格好…?」
スーツ姿ではない私を見たホシノは、最初は人違いだと思っていたみたい。
「今日はカフェで不定期営業してる、お寿司屋さんの板前をやってます」
「…え?先生辞めちゃったの…?」
「いやいや、辞めてないですよ?まだお役御免にはなってないですよ?」
「…まだ?」
「…ちょっと語弊があるね」
私はホシノを手招きし、カウンター席に座らせた。
「いつも頑張ってる生徒達のために、ささやかながらカフェでお寿司を振る舞おうという活動です」
「うへーそうなんだ…」
「この活動はリンちゃ…リン代行に活動申請を出してますよ?」
リンの呼び方に第六感がニュータイプする、目が木星圏帰りとなったホシノへアガリを出した。
「実は…ホシノが初めてのお客様です」
「え…?おじさんがお客様第1号なの?」
「そうです、おめでとうございます!」
「ありがとうございます?でいいのかな?」
ホシノは喜び戸惑いながらも、お茶を飲んだ。
「じゃあ、早速何か頼んでもいい?」
「あー色々事情があるんだけど、説明してもいいですか…?」
「先生〜敬語禁止〜リラックス〜リラックス〜」
ホシノは私に対策委員会の後輩達と、絡むようなテイションで敬語禁止を言い渡した。
「…ありがとうね、ホシノ…」
「おじさんと先生の仲じゃない〜気にしない〜気にしない〜」
優しいホシノにいつもの苦労を思い浮かべて、目頭が熱くなってしまった。
「実は…開店を急いだ影響で、メニューを1種類しか用意出来なかったんだ」
「…そうなの?」
「ゲヘナ学園の給食部にメニュー再現協力を頼んで、やっとお店に出せるレベルまで到達したんだよ」
「そのメニューって…何?」
「コンビーフだよ」
「コンビーフ…?」
魚ですらない寿司ネタのメニューを聞いたホシノは、半信半疑でコンビーフを食べた。
「うへへ〜コンビーフ美味しいねぇ〜」
「やったぁ!」
これはフウカ達にいい報告が出来そうだ、私はガッツポーズした。
やったぜ!
「ホシノはブルアカのアニメ見てる…?」
食事も一段落したので、世間話をすることにした。
「おじさん達が大活躍してるアニメでしょ?何回も見たよ〜」
「あーやっぱり見てるんだ、対策委員会が大活躍してるからねぇ…何回も見てるの?」
そのことを思い出し欠伸したホシノが、眠そうに話し始めた。
「アヤネちゃんが録画しててさぁ〜」
「へぇ…アヤネが…」
「この前も1〜6話を一気見しましょうってオールナイトお泊り会で集まって、おじさんはもう寝不足…」
「アヤネが…アニメとか好きなのかな?」
「もう何回も見たから途中で寝ちゃうんだけど、ホシノ先輩が出てますよ〜って起こされて…うへへ」
「普段のアヤネからは、想像出来ないねぇ…」
「で、そのアニメの話なんだけど」
「…何かあった?」
「実はブルアカアニメのBlu-rayで全巻購入特典は、ブルアカアプリゲームで特別なホシノがもらえるんだけど…」
アニメとかゲームとか言われて混乱しつつ、ホシノは話を聞きながらお茶を飲んだ。
「…そのホシノのことを、4万円おじさんって呼んでる先生が出てきてさぁ」
「ブフゥ!(お茶)」
派手にお茶を吹き出したホシノに、私はおしぼりを差し出した。
「ホシノ!?大丈夫!?」
「ゲホゲホ!…そんな酷いことを言う先生がいるの!?」
「私もソイツ等は本当、酷い先生だと思うよ」
まさか自分がそんな風に言われてるとは、思ってもいなかったホシノはお茶を飲み直した。
ホシノは右手で頬杖を付き、疲れた様子で言った。
「世間話なのは分かるけど…おじさんカフェで寛いでるときぐらいは、お金の話は聞きたくないかなぁ〜」
今度は左手で親指と人差し指をくっつけて、ゼニでっせ〜のポーズを取った。
これには私も苦笑い。
「気持ちは分かるよ…ホシノ達が学校の借金問題を解決するために行動して来た、あらゆることに対してその言葉の重みは相当なものだと思うよ」
「でしょ〜?」
「残念ながら、まだあるんだよね…」
「…まだ何かあるの?」
「これは私がいた外の世界の話なんだけど、ある有名スポーツ選手の通訳が起こした事件が関係しててね」
「有名スポーツ選手の通訳…?」
聞いたことがない職業だったけど、ホシノは想像しながらお茶を飲んだ。
「その通訳がギャンブル依存症で、お金欲しさに有名スポーツ選手の銀行口座から、すっっっごい金額のお金を盗んでた事実が発覚したの」
「…外の世界ってすごいんだねぇ」
話半分でホシノはまたお茶を飲んだ。
「事件が報道され始めた時期と、ブルアカアニメでアビドス高校の借金が明るみになった時期が、丁度同じぐらいだったんだよ。有名スポーツ選手の銀行口座から通訳が盗んだ金額が、余りにもデカ過ぎて感覚が麻痺したのか…アビドス高校の借金約9億円と比較されて、大したことないなって言い出す先生が出てきてさぁ」
「ブヘェ!(お茶)」
再び派手にお茶を吹き出したホシノに、私は新しいおしぼりを差し出した。
「ホシノ!?大丈夫!?」
「ゲホゲホ!…先生、ワザとやってない?」
「…やってない」
「…おじさんの目を見て言って?」
「…ごめんなさい」
「外の世界…凄すぎない?そんなドラマみたいなことが起きてるの…?」
「地元のテレビ局が、ドラマ化するらしいよ」
外の世界のあり得ない話を聞いて、ホシノの制服はお茶まみれになってしまった。
「そういえば先生さぁ〜」
「…ん?」
ホシノはお茶まみれになった仕返しをしてやろうと、世間話を続けた。
「活動が〜とか言ってたけど、最近なんか変なことやってるよね?」
「変なこと…?」
私は心当たりが多すぎて、頭の中で目移りした。
このシャレっち寿司も、カウントされてるはずだし…
「名前は確か、シャーレなんとか係…?」
「…シャーレ強行犯係かな?」
「…そう!それそれ!」
ホシノも知ってるのか…テレビジョンのチカラってスゴいんだな。
「…シロコちゃんが、出たがってたよ」
「あぁー…そっかぁー…シロコかぁー…」
ん、メインヒロインの私を出すべき…とか言ってそうだ。
「それなんだけど…良いニュースと悪いニュース、どっち聞きたい?」
「うーん…よく分からないけど、良い方から聞こうかな?」
「…シロコに秘められたポテンシャルを、100%引き出す自信がないから無闇に出せないんだって」
「…中途半端なシロコちゃんを出すぐらいなら、出さない方がいいってこと?」
「大体あってると思うよ」
「うへぇ…成る程ね〜それで悪いニュースって何?」
大した理由じゃないだろうと、ホシノはお茶を飲んだ。
「水着シロコ爆死した、個人的な恨みだって」
「ブハァ!(お茶)」
三度派手にお茶を吹き出したホシノに、私は新しいおしぼりを差し出した。
つづく