もののけは君が好き!   作:ジャンクフーズ

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長編を書くのは大変です。暴走するヒロインに、どんどん湧いてくる書きたい話に、書きたい新キャラ。そして、提案される魅力的な意見。全部盛り込もうとして爆発しそうです。


籠鳥は愛を乞う3

 

 ボクは、愛される為に、アイドルになる事にした。

何せ、歌は生まれた時からうまい自信がある。見た目なんて変え放題だ。これでお茶の間に出れば、もしかしたら全国的に愛されるかもしれない。

 

姿は、ボクが見て最も愛されていたと思う女の姿にした。

肩ぐらいまで伸ばした髪に、細身ですらっとした手足、そして、どこか蠱惑的な顔をしていた。

その女は、ボクの復讐対象の1人の隣にいた。復讐対象の男はその女のいう事をデレデレになりながら聞いていた。しかし、男が死ぬ時には煙の様に居なくなっていた。まさに悪女だった。

名前は、少し悩んだ。何せ、今まで名前はなかった上に、人間の名前に詳しくないから。考えた末に「金糸雀(カナリア)」の読みを変えて「金糸すずめ(かねいとすずめ)」にした。芸名みたいだけど、アイドルになるんだから、問題ない。

でも、名前は誰かにつけて欲しかった。

 

怪鳥から小鳥のような愛され少女になったボクは、「金糸すずめ」を捏造する所から始めた。

「田舎から出てきたアイドルを夢見て出てきた女の子」という事にした。

学歴とかの経歴は、殺した人間の経歴を借りた。一族郎党みな居なくなったのだ。誰も気づかない。

特技は、歌う事に場を和ませられる事。場を和ませた事なんかなかったけど、これくらいしなきゃいけない。

アイドルになりたい動機は...嫉妬って書きたかったが、目立ちたいと書いた。嫉妬なんて書いたら見る目が変わってしまう。誰も素直に愛でてくれなくなる。

ボクは、これをハガキに書いて送った。送り主の住所は、アイドルの存在を教えてくれた男の家にした。

 

次は二次選考で見せる芸を考えた。勿論歌にした。その時流行っている歌はどれも気に入らない、明るい、青春の恋愛の歌ばかりだった。何故なら、共感が出来ないから、そんな明るい経験は今までなかった。けど、それは「カナリア」の自分であって、「金糸すずめ」ではない。明るく、目立ちたがりな女の子に合う、一番キャッチーな曲にした。

ボクもいつか分かる時が来るのかな?

 

ーーー ーーー ーーー

 

1ヶ月後、書類選考が通った通知が届いた。嘘で塗り固められた、自分勝手な経歴がバレることはなかったみたいだ。

届いた書類には、一次審査の場所や日時などが書かれてあった。どこか冷たく感じた。でも、これで「金糸すずめ」を人目に出す機会を得られたのだ。ボクは喜んだが、鏡に写っているボクの笑顔はぎこちなかった。

 

一次選考は、大きなビルで行われた。ボクと同じように集まった女の子はたくさんいた。思った以上に多かったし、相応しくないんじゃないかって思ってしまう子が多かった。この感じだとハガキを送ったら通ってそうだ。アイドルは外見第一だと思っていた。

面接の前に全体で説明があった。けど、説明している人のやる気をあまり感じられなかった。

面接も、どこか仕方なくやってる感じがした。

拍子抜けした。

 

ーーー ーーー ーーー

 

一次選考は、合格した。違和感を感じたけど、受かったからには二次選考も受けなければならない。楽にアイドルになれるなら、それに越した事はない。

ボクは、書類に載ってた場所へ向かった。

 

二次選考も同じ場所だった。集まってた女の子は一次の時よりも数は4分の1くらいになっていた。それでも数は多かった。

面接は3人1組で行われた。ボクと一緒だった女の子は、披露した芸は拙いものだったが、何故かボクよりキラキラして見えた。今まで愛されて生きてきたんだろう。

 

ーーー ーーー ーーー

 

ボクは、アイドルになる事が出来た。そして、二次選考に来てた子もほとんどアイドルになっていた。ほとんど、顔だけで選んでたみたいだ。

アイドルは外見第一だけど、本当に外見しか見てなかったのには驚いた。こんな事なら無理してあんまり好きな歌を練習する必要はなかった。

 

アイドルになって、歌と踊りの指導を受けた。しかし、その指導はどこか人間扱いをしてないのではと思わせるような指導だった。

ボクは、炭鉱で働かされていた人間を思い出した。でも、これに耐えれば輝かしい未来が待っていると思って耐えた。

日を重ねる毎に、メンバーは減っていった。練習に耐えきれなかったのだろう。その時は、ライバルが減って都合がいいとしか考えてなかった。

最終的に、半分しか残らなかった。それでも50人くらいいたが。

 

ボクを含めた、練習に耐えた精鋭達は、デビューを果たした。

これで報われると思っていたが、そんな事はなかった。

 

ボクはいつまで経っても目立つ所に立たせてくれなかった。決まった子ばかり前に立っていた。センター張っている子よりもボクは歌が上手いのに、歌も全然歌わせてくれず、いつまでもバックダンサーだった。何度か、上に掛け合ってみた。けど、取り合ってくれなかった。

勿論、人気になる事は無かった。ちょっと存在を知られた位だ。背景として。

ボクは、このグループに居ても、いつまでも背景のままだと悟り、早々に去った。

後に、そのグループは解散した。人気メンバーの枕営業など、色々問題が明るみに出た。あのセンターは、実力とは違うもので勝ち取った物だったとその時知った。

 




実は、すずめちゃんは出すつもりの無かったヒロインなんです。友人のネーミングセンスが良すぎて急遽作り出したキャラなんです。

「以津真天」ってワンピースに出てたらしい。お叱りを受けなければいいけど...
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