降谷さんの災難   作:千里亭希遊

46 / 61
38.転生者の策謀。

「まず一月(ひとつき)はここに閉じこもってもらいます。その間に情報交換と決断を済ませましょう」

「決断?」

 

 江戸川君が怪訝そうに首を傾げた。

 

「帰って周りを危険に晒すか、このまま隠れて安楽椅子探偵になるか、です」

「……一月もかける必要なくねーか」

「工藤君がいなくなってすぐ顔がまんまな江戸川君が現れたら怪しいが過ぎるでしょう。すぐに辿られますよ」

「……なる、ほど……」

「連絡も禁止です。これはお預かりします」

「うわ、俺のスマホ……いつの間に」

「江戸川君どれだけ意識なかったと思ってるんですか。心配したんですよ」

 

 じっと睨んでみる。私が走るのに疲れて足を止めるくらいには時間が経ってたんですよ。

 

「あの時もう取り上げてたとかどういうハラだよ……」

「怪しい奴らに殺されたはずが生き延びた、って時点でもう身を隠さなきゃいけないの確定ですからね」

「……まあ……そりゃそうか」

「音信不通で身の周りの人たちが必死に探してる様子を見れば、あいつらも『工藤新一は帰れてない』ことを認識するでしょう」

 

 原作でバーボンが赤井さんに化けてたことを薄っすら思い浮かべながら。

 

「……っ、心配させたくねーんだけど……!」

「もう遅いです。江戸川君は後戻りできません。それだけのことをしたんです。思い知って下さい」

 

 淡々と言うと、彼は絶句して、やがて俯いた。

 ああ、小さい子にこうさせている事実は胸にくるものですね。

 

「本当だったら、死んでたところです。……間に合わなくて、ごめんなさい」

 

 これは本当に、悔しい。私は予め知っていたはずなのに。

 

「……いや、それは……」

「そこは違うだろ。危ないことに首を突っ込んだのは彼自身だ。汀(みぎわ)さんが駆け付けたのは早かったよ。っていうか危なそうだったから追いかけたんだろ」

 

 私は眉根を寄せて目を伏せるに留める。

 この辺りは墓場まで持ってくって決めてるから、絶対に言わない。

 

「……なあ、二人はもしかして、あいつらのこと知ってるのか?」

「……知ってなかったら追いかけてないし、見つけてたとして匿わずに帰していたでしょう」

 

 江戸川君が息を飲んだ。

 

「後戻りできる機会は四回ありました。それでも江戸川君は私の手を取ってくれた。少し世間知らず(・・・・・)な部分もあると言わざるを得ませんが、」

 

 江戸川君は自嘲の苦笑を浮かべた。

 ……いけませんね。釘を刺しまくっても足りないかただってイメージがついちゃってるから、ついお節介言ってしまう……。

 

「あなたの手腕は信じています。だから、危険ですが明かせるだけ明かします。……そこからあなたが推測するのもとめません」

 

 彼はじっと真剣に聞いて、内容を噛み砕くような様子で目を伏せた。

 

「まず、諸伏さんは、江戸川君と同じです。彼らに殺されたはずの人、です」

「……!」

 

 江戸川くんがはっと顔を上げた。

 

「だから諸伏さんが生きてる情報が漏れたら、諸伏さんと、助けてくれた人と私は殺されます。そうなった時にはここは辿られてるでしょうから、白木原(しらきはら)さんたちも危ないでしょう」

 

 また江戸川君が息を飲んだ。

 

「そういう情報をこれから渡します。それだけの情報なんだとご理解下さい」

 

 江戸川君はこくりと唾を飲み込んだ。

 そしてやがて頷く。

 

「……わかった」

 

 素直で可愛くて良いですね。思わずにこっと笑う。

 けれど話が話だ。私はすぐに表情を引き締めてざっくりと組織の概要を口にする。

 

「世界規模の犯罪組織……ジンと、ウォッカ。絶対(ぜってー)忘れねー……」

 

 ぎゅっとこぶしを握り締めて表情を歪めてる姿に少し切なくなる。

 

「けど、そこまで分かってて逮捕とか家宅捜索とかに繋がってないんだな……」

「彼らは徹底的に痕跡を消します。直接手を下さなかったり、濡れ衣を着せてトンズラしたり、爆破したり……今回の薬みたいなのを作ったり……」

 

 開発者のシェリーが組織を離脱することで彼らの手元からなくなるはずが、そうならなくなってしまった。

 これは本当に由々しき事態。……原作だとメスカルみたいなの居なかったんだろうな……居たとしても、志保さん離脱時に責任を問われて処刑されたりしてたのかもしれない。何でそうならなかったのかは不明だけど。

 

「証拠が無ければ、警察は動けませんから」

 

 それには皆苦い顔をせざるを得ない。時にもどかしくてたまらないことをよく知ってる。

 

「なあ……諸伏さんはそこに潜入してた公安で、身バレしたってことか?」

 

 ばしんと私が台パンして腰を浮かせたので江戸川君がびくっと飛び上がった。

 

「……裏切り者がいたのよ……」

 

 あんなの諸伏さんのせいじゃないってことは分かっていてほしい。

 

「汀さん落ち着いて。……あと普段通りに呼んでくれない? 多分江戸川君の前だからそうしたんだろうけど、こうなったら関係性とかもある程度明かしていいよ」

「……はい」

 

 私は再びソファに腰を下ろした。

 

「でも今後のことを考えて碧(みどり)さんのほうで呼ばせてください。江戸川君、ヒロさんは今は『湯日川(ゆいかわ)碧』さんです」

「分かった。湯日川さんって呼ばせてもらう」

「よろしく」

 

 諸伏さんがにこっと笑うと、江戸川君もふっと笑った。

 そしてちらりと私に目線をくれる。

 

「……あんたは何て呼んだらいいんだ?」

「この顔の時は『櫛森(くしもり)汀』ですね。本名です」

「……そっちが本名なのかよ……あんたほんとに一体なんなんだ……?」

「さあ……最近ちょっと自分でも何なのか分からなくて……」

 

 私が目を泳がせると、江戸川君は「オイオイ……」と言って半眼になった。

 

「汀さんは汀さんだよ」

 

 諸伏さんはそう言ってふわっと笑って下さったんですけど、江戸川君に対しては、捜査一課に刑事モドキがいるのは曖昧にしてたほうがいいきがする。……その内つっこまれる気はするけど。

 だから苦く小さく笑うだけに留める。

 

 江戸川君が何故かげんなりしたふうにため息をついた。

 

「……けど、ここに一月ね……二人が恋人だったりしたら、俺邪魔になりたくないんだけど」

 

 私たちは二人してきょとんとしていた。どうしてそうなった状態。

 やがて諸伏さんがふふっと小さく吹き出すようにして笑う。

 

「そう見える?」

「……違うのか?」

「『湯日川碧』は『木暮愛莉』と恋人ってことになってはいる。連れ立ってる理由として一番簡単だからね」

「てことは、違うのか」

 

 江戸川君の表情が少し晴れた。

 

「第一、この部屋に住んでるのはオレ一人だ。安心して」

「そうか……」

 

 目に見えてほっとした様子の江戸川君になんだか和んだ。一緒に住んでると思っちゃってたのね。

 

「さて、今日のところは夕飯にしようか。汀さんも食べてく?」

「そうですね。作るんでしたらお手伝いさせて下さい。ああでも、江戸川君の入用なものあったら買ってきましょうか」

「消耗品もまだストックがあるし、ひとまずいいよ。何か要望があれば明日オレが買って来るから」

「その時は呼んで下さいね。お留守番します」

「え?」

「我々はまだ信頼を勝ち取ってるわけでもないので、江戸川君が逃げ出さない保証がありません。外からのロックなんてさすがにないでしょう?」

「……ここまでしてもらってさすがに逃げねーよ……」

 

 私はふふっと笑う。

 

「こちらの命もかかってるので、念のため、ですよ」

 

 江戸川君は小さくため息をつくと、投げ遣りそうに「はいはい……」と言った。

 

 意図的にわいわいしてみたり、江戸川君から質問受けたりした夕飯後、私はそろそろ帰るとなった時。

 

「そうそう。江戸川君、あなたの物語に私は居ましたか?」

 

 彼は何を言われてるのか分からない様子で、少しの間ぽかんとしていた。

 

「……何の話?」

「いえ。運命なんてクソ食らえってだけです」

「お、おう……?」

 

 やっぱり、彼に原作知識はないのでしょう。

 

-----------------------------------

 

「湯日川さんのお部屋にとある少年を匿っています。だから、あそこには帰らないで下さい」

 

 自分の部屋に帰ったあと、緊急だと留守電を残すと降谷さんは比較的すぐに折り返してくれた。

 

『……何事だ。少年?』

「ジンが工藤新一君を毒殺したのをご存知ですか?」

『……っ、何だって……!? 捜査一課にたびたび協力してるっていう高校生か……?』

 

 ご存知なかったのかあ。

 

「はい。それで……その件を知ってる子です」

『……あいつ、見られるようなヘマを……』

 

 ぼかすのは申し訳ないけど、今はまだ様子を見させてください。

 

「そしてその毒、どうも組織が開発した新薬のようなんです。『痕跡が残らない毒』というのが本当なら、厄介どころじゃありません」

『何だって……!?』

「あなたにはまだ情報が来てないんですね」

『……面目ない』

「そうじゃなくて、今までに人に使ったことはない、というのも本当かもしれないなって。あと……幹部皆に配られるような事態にもまだなってなさそうだなって……」

『……留意しておくよ』

「藪はつつかないでくださいね。ある程度予想はつけています。志保さんの研究を利用したメスカルの手によるものじゃないかと思っています」

『……っっっ!!』

 

 降谷さんにとっても許しがたいよね。

 

「即効性のようで摂取直後でしか解毒の見込みはなさそうですが、志保さんと私でなんとか解毒剤を作ってみます」

『それは……工藤君の遺体は、君たちのもとに……?』

「いいえ。彼の遺体はありません。だからこそ、です」

『……っ!』

 

 勘違いさせる気満々でごめんなさい。

 

『……ひとまず、分かった。もし……もしそんな薬が幹部に渡されるようなことがあれば……君に預ける。解毒剤は、頼んだ……!』

「必ず」

 

 気を揉ませるようなことしか伝えてなくて、ごめんなさい。

 

 そして諸伏さんにメッセージを送る。

 

「降谷さんには江戸川君のことをまだ伏せさせて下さい。同時に、江戸川君には降谷さんの存在を伏せたいです」

 

 既読はすぐについた。

 

『そっか』

「昔のライの件と似たような感じです。明かすことで危険にならないかどうかの判断がつけられなくって」

 

 江戸川君がぽろっと降谷さんのことを他に話してしまう危険性はもちろんのこと、ですが。

 

 本来の物語で安室さんが赤井さんの生存情報を組織に売ろうとした点は、確執ありきのものかもしれないけれど。

 降谷さんは立場的に、そして使命のために、工藤君の情報を組織に売らざるをえなくなる可能性が、皆無じゃない。

 だから伝えないなんて言ったら、信用がないって思われかねないけれど。

 江戸川君が組織のモルモットになるなんて絶対嫌なのもあるけど、そうせざるをえなくなったら降谷さんご自身もつらいと思うから。

 

『なる程ね。分かったよ』

「よろしくお願いします」

 

-----------------------------------

 

「人の手が入らなくなった家というのはこうもあっさり荒れていくものか。まるで幽霊屋敷だ……こんなところに何度も入らされるのは気が滅入る」

 

 メスカルは心底面倒そうにぼやいた。

 

 庭の雑草がいい加減鬱陶しくなってきていた。

 家の中では埃が薄っすらと積もり始めている。足跡なども今侵入した自分たちの物以外ない。これについては後で掃除すべきだろう。

 物の移動も見られない。

 

 周囲には前回の記録と照らし合わせながらあちこち物色している黒服たちの姿がある。

 もちろん寸分も位置を移動させたりはしていない。彼らは痕跡を残さない。

 

「死体確認を怠ったジンの仕事だろうに。これだから殺すしか能の無い奴は……」

 

 大幹部のひとりへの中傷になどへたに反応しないよう黒服たちは気を揉む。

 

「周囲の人間の様子は?」

 

 どうせ変わらないだろうと、だるそうに彼女は聞く。

 

「高校は相変わらず無断欠席が続いているようです。世話になっていた毛利探偵事務所に出入りしている様子もありません。警察などの親しかった者たちは空元気を見せる事多々のようです。……海外暮らしの両親は何も動いていないようですが」

「薄情なことだ。まあ元々が一人息子を置いて行くような連中だ、逆に過信しているのかもしれないが。……生きてるって可能性はそいつらの態度だけか。……面倒臭い」

「アメリカの奴らに探らせますか」

「好きにしろ。そもそも追いかけて始末するのは私の仕事ではない。ここを探るのもうんざりだ。今後はお前たちに任せる」

「……は、はい……」

 

 そうやって何の収穫もないままターゲットの家を出ること数度、彼らは調査を打ち切ることにした。

 

(死体が出なかったのはアポトーシスが働きすぎて身体が消失した可能性もある、か……? それはそれで面倒だ)

 

 メスカルはこれ以上ない渋面を浮かべた。

 行方不明扱いにしかならないというのは時に邪魔にさえなる。

 

(使われたのがガキだったのも影響した、か……?)

 

 イライラのせいで研究も進まず、ろくなことがない。

 

(もっとテストを重ねなければ……全く、確実性のないうちに持ち出した上に死体確認もせず……本当に面倒臭いことをしてくれる。シェリー探しもいつまでもぐだぐだと……)

 

 そんな無駄のために日本での仕事を押し付けられてはたまったものではない。

 メスカルの中でジンへの不満が肥大化していく。

 

-----------------------------------

 

「俺はこのままここに居させてもらおうと思ってる。周りを巻き込みたくない」

 

 江戸川君に諸伏さんの部屋に潜伏してもらって、そろそろ一月(ひとつき)が過ぎようとしていた。

 つまり工藤君の誕生日である五月四日はここで過ごすことになってしまったから、蘭さんの気持ちを想像するとすごく苦しいけど……彼が江戸川君として戻るとしても必要な空白だとは思う。

 ちなみに森谷氏の事件は起きなかった。彼も工藤君の失踪を耳にして『今は意味がない』と思ったのかもしれません。

 

 私は無言で彼のスマホを差し出す。

 江戸川君は息を詰まらせた。

 

「今は電源切ってありますが、私のと同じ充電器でいけたので、バッテリーは満タンです」

「汀さん……」

 

 諸伏さんは渋い顔をしていた。

 彼としてはここに居てもらいたいみたいだから当然ですよね。

 

「それを見てもそう言えるようなら、私も今の意見を支持します。選択ってのはどっちを選んだところで後悔するものらしいですから、じっくり決めて下さい」

 

 江戸川君はしばし自身のスマホをじっと見つめていた。

 やがて彼は意を決したように電源を入れる。

 

「……っ!」

 

 当然、一気に大量の通知が入ってくる。

 

 それをしばらく目で追ったり、聞いたりした結果──。

 

 彼は自身の身体を抱きしめるようにして縮こまった。

 

「……もう少し、考えさせて……下さい……」

 

 私は居たたまれない笑みを向けるくらいしかできない。

 

「大丈夫ですよ。一月って外に出るのにはまだ早いくらいだとは思ってますし」

 

 諸伏さんが江戸川君に向けていた視線を私に向けた。

 

「……オレは、彼が外に出るのはすすめない」

「そうでしょうね。でも、江戸川君にはちゃんと色々知った上で、自分で決めてほしいんです」

 

 諸伏さんは渋い顔のままふっと瞑目した。

 

「彼は自分で決められる人だと思っています。そのあたりを子供扱いする気はありません」

 

 原作では帰っておられたから大丈夫だろう、なんて楽観では決してない。

 私も本心を言えばここにいてほしい側ではあるのです。でも彼には自分で決められる環境をあげたい。自由意志の尊重も、信頼も込めて。

 

「……でも、身体が子供なんだ。トレーニングをみてはいるけど……どうしてもオレたちの居る場所では一人負けだ。ある程度自分の身を守れないと、守るほうとしても確約はできない」

 

 そこが一番のネックだっていうのは分かる。しかし。

 

「江戸川君の近くには、ある程度どうにかしてくれそうなかたがいらっしゃいますよね? ……その変声機だってその人が作ってるんですから」

 

 諸伏さんの首元を指さして言うと、諸伏さんは目を見張って、江戸川君ははっと顔を上げた。

 

「それってもしかして……阿笠博士の発明品、なのか?」

「そうです」

 

 これについては調べました。やっぱり阿笠博士が一時期医療用に販売していたものとのこと。

 

 諸伏さんは難しい顔で考え込んでいた。

 

「過剰に期待するのも申し訳ないですけど、私はあのかたの手腕はものすごいと思ってます」

「確かに……すごい人、だよ。いつもヘンテコなことばっかりしてるけど」

 

 江戸川君はそんな一言余計状態ですが、でもその表情は泣きそうな笑顔で、信頼の程が覗えた。

 

「だからって本当はあんまりおすすめはしませんけどね。私もここに残ってほしくはありますから」

「……そうなのか?」

 

 諸伏さんが胡乱な目を向けています。

 

「私は選択の幅を狭めたくないだけです」

「……そっか」

 

 諸伏さんがしょうがないなあ、って思ってそうな苦笑を浮かべた。

 

「……もし帰りたいと仰る場合は、碧さんたちだけじゃなくてゾロ目(われわれ)もつきます。そして、守られる準備があるかたでないと我々も護ると確約できません。だから、ご両親と、阿笠博士と、毛利探偵と、蘭さんには事情をある程度明かすことが条件です」

「……っ!」

 

 江戸川君も諸伏さんも瞠目した。

 

「何もあの組織について詳細にお伝えする必要はありませんからね。そうですね……最低限、江戸川君は工藤君であることと、命を狙われていることはお話して……それでも受け入れて下さるようなら、帰ることができると思います」

 

 江戸川君が息を詰まらせる。

 

 そしてやがて。

 

「しばらく考えてみようと思う。……色々譲歩してくれてるんだよな。ありがとう」

「いえいえ。全部奴らを追い詰めるためですから」

 

 にこっと笑うと、江戸川君は眉尻を下げた苦笑を浮かべた。

 私は一応と再び彼のスマホを預かった。

 

-----------------------------------

 

「敢えて江戸川君の前で報告するよ。汀さんの部屋に侵入した奴がやっと色々と吐いた。半年もよく続いたものだね」

 

 私は少し顔を引きつらせた。

 余談ですが、あれから私はあちらの部屋にはなるべく帰らず、なるべく重要な物を置かずで、職場に住所変更を届けはしない状態にしています。掃除等お手入れはするようにしていますが。

 危険かもしれない部屋を引き払って別の人が住むなんてことも避けたいので賃貸契約は続けてる。

 

 江戸川君も厳しい尋問を想像したのか顔が引きつってる。

 

「容易に侵入できるような部屋じゃなかったから、やっぱりそれなりの奴だったみたいだ。捕まえた時に身体検査したら奥歯に自決用の毒が仕込まれてたからね、漏らしちゃまずい情報を持ってるだろうことを予想してはいた」

 

 だから尋問し続けたんだろうな……。

 

「汀さんを探っていたのはあの組織のメスカルだ。どうも弱みを握って拐って、君に組織の思う研究をさせようとしてたみたいだ」

 

 江戸川君が硬直している。

 ああ、そんなことを考えてたのか。

 第二の志保さんのつもりですかね……懲りませんね……だいたい、私にはあんな薬作れる発想力ないですよ。

 

「あんな部屋に躍起になって侵入したくらいには弱みなんて握られなかったってことでしょうね。そういう部屋だった上に侵入した輩は捕まって帰ってこない……これで諦めてくれてればいいですけど」

「あとは研究室の人たちが心配ではあるから、人を回してる」

 

 私は頭を抱えた。ただでさえ人手不足でしょうに。

 

「……お世話を、お掛けします……」

「ヒロキ君たちも心配ではあるけど、シンドラー社のセキュリティを前にしたら今の所心配なさそうだ」

「ああ……だったらいいなあ……もう、私の存在が申し訳ない……」

「そんなこと言うな。君はそうされてしかるべき働きをしてる。もっと優遇されるべきとすら思うよ」

「優遇って……いったいどんな……今だって充分以上ですよ」

 

 公安の協力者として危険に身を置くことで監禁を免れてるようなものだと思ってますし。そしてその中での違法行為も、その働きでやっと帳消しになってるようなものです。やってることは犯罪者と変わらないんですから。

 私は自ら進んでその中に居る。

 そうでなければきっと独りで突っ走ってやらかす。それが恐ろしいから手綱を握っていてほしいなんて頼り切ってるだけです。

 

 諸伏さんは微妙な表情で私をじっと見つめた。

 けれどそれ以上は何も仰いませんでした。……平行線になることは分かっておられるでしょうね。

 

「ひとまず、尋問お疲れ様でした。こちらにもご報告すべきことがあります」

 

 諸伏さんと江戸川君が真剣な顔でこちらを向く。

 

「……警視庁公安部には、組織に繋がってる人間がまだいる可能性が浮上しました。香月(こうづき)に不安を吹き込んだのも、今井を唆したのも、もともとはそいつだったのかもしれません」

「……!?」

 

 二人が驚愕の表情を浮かべた。

 香月はかつての諸伏さんの協力者で、今井はそいつから得たスコッチの情報を土産に組織に潜入しようとしてた奴です。

 

「あの人(・・・)からその懸念をお伝えいただいたため彼らについて再度調べていたところ、香月と今井の死亡が確認されました」

 

 多分『バーボン』に公安から漏れたと思われる情報が入って来たんだと思う。

 

 諸伏さんがこれ以上ない渋面を浮かべて少し俯いた。

 ……そりゃ、悔しいよね。

 

「ただ、碧さんが追われている様子がないことから、碧さんの生存を知ってる人間の中にそいつはいないと思われます。そして知ってる人たちも口が堅い証拠でしょうね」

 

 ありがたい話です。

 査問会に出席して事態を少し知ってるような人の中でも彼の生存を知ってる人は少ない。公安部の、諸伏さんの潜入を知ってたようなだいたいの人たちの中でも殉職したってことになってる。

 そんなふうに生存を知ってるかたは上層部にも数少ないというのにちらほらスカウトが来てるらしいから、諸伏さんは上から欲しがられるくらい本当優秀なんだなって改めて思う。今ある仮の警察手帳が特殊犯係っていうのもスカウトされた中の一つなんじゃないかな。SPとかからも来てるんじゃないかって気がすごくする。

 

「これに関しては引き続き調査していきます」

「……うん。頼んだよ」

 

 こればっかりは諸伏さんご本人が手を出すわけにはいかない。もどかしいだろうな……。

 

「そして、アメリカにいた幹部の一人が日本にやってくる情報が入ったため、FBIやCIAの人たちが一部こちらにいらっしゃるようです」

 

 アメリカの機関が出てきたからでしょう、江戸川君が目を丸くした。

 

 ベルモットが女優の仕事でしばらく来日するとのこと。

 

 こうして海外勢の情報がきちんと公安に入って来るのが心強い。

 けどベルモットが帰ってくるからには、アメリカで赤井さんとやり合ったり志保さんたちを探したりしてた連中が日本に帰ってくるってことかもしれないから……忙しくなりそうです。

 

「へえ……心強いな」

 

 諸伏さんの表情が少し和らいだ。

 私は江戸川君ににっと笑ってみせた。

 

「捜査は段違いに進むと思うんです。だから……その時(・・・)までに、必ず、解毒剤を完成させます」

「……!」

 

 江戸川君は瞳を揺らし、そしてこくりと頷いた。

 

「ありがとう……!」

 

-----------------------------------

 

 六月のとある日。江戸川君は帰ることを希望した。

 私と諸伏さんで色々と警察庁の公安に便宜を図れないか依頼した。ほぼほぼ許可が下りそうだった。

 万が一を考えて降谷さんにお伝えしないことも了承して下さった。

 ありがたいことです。

 

 工藤邸や警視庁は念のために避けることにして、工藤夫妻と、阿笠博士と、毛利探偵と蘭さんに集まっていただきたい旨ご連絡して日程調整を行い、私と唯川さんと風見さんとフードを深くかぶった江戸川君とで、毛利探偵事務所にお邪魔しました。

 

 まず工藤君の生存と、彼が小さくなってしまったことを伝える。

 信じがたくて当たり前で、始めは皆さん動揺してた。江戸川君をまじまじと見つめるだけでいっぱいいっぱいなご様子。

 けれど、工藤君でなければ知ってるはずのないことの大暴露大会が始まって、一部悲鳴が上がって、そして無事と再会を喜ぶ皆さんで暖かかったり、厳しかったりする展開が続く。

 

 そして。

 

「工藤君は殺されかけてこうなっています。相手は工藤君は死んだと思っています。だからこの江戸川コナン君が工藤君だと知られると再び殺そうと狙ってくると思います」

「……!」

 

 これも当たり前だけど皆青ざめた。

 

「だから江戸川君が皆さんの元に帰るとかなり危険なことになる可能性は否めません。ただ……あいつらをどうにかするためには時間がかかります。このまま離れるのと、江戸川君が監禁状態になるのはかなりつらいことになると思います。もし皆さんがご協力いただけるのであれば、ですが……帰ることを、許していただけませんか? もちろんその場合、我々を含め数名が側につきます」

「迷惑どころじゃない、ですよね……皆に少しでも不安があれば俺は勝手をするつもりはありませんから……」

 

 工藤君はしゅんとした様子で俯いた。

 

 皆しばらく考え込んでいた。

 

 やがて。

 

「……工藤邸(おまえんち)に戻すのはナシとして……阿笠博士んとこも隣なんだろ、まだ不安だ。かといってアメリカじゃあ、日本の公安警察なんかろくに動けねえ。だから、帰ってくるとしたらウチが最適だろうな」

 

 毛利探偵が表情を変えず、淡々と言った。

 

「……俺は娘を危険に晒す気はない。だがな、お前が一人で抱え込むのもいけすかねえ。蘭は新一が生きてたのは知れただろ。あとは英理の所に行ってくれねえか。その場合、今ここに英理も呼ばせてくれ」

 

 江戸川君ががばっと顔を上げた。

 

「……! そんなことまでは……!」

「……お父さん、私がこのタイミングでそんな動きしたら怪しいよ。それに、私、もっと強くなるから……!」

 

 蘭さんが江戸川君に歩み寄って彼に視線を合わせてしゃがみ、その手を握った。江戸川君が息を詰まらせ、顔をくしゃりと歪めた。

 

 その様子に毛利探偵は口をへの字に曲げた。

 しかしやがてへっと鼻を鳴らして腕を組み、明後日の方向に視線を泳がす。

 

「……ったく。尋常じゃねえんだぞ、わかってんのか」

「どれだけ構えたって足りないくらいのことだと思うよ。だから……櫛森さんたちもご教授をお願いします。護身もだけど、心構えとか……」

 

 そう言ってぺこりと頭を下げる蘭さんがすごく健気だ……。

 

「もう、小五郎さんにかっこいいとこ取られちゃったわ」

 

 ぷうっと少しだけ口を尖らせて有希子さんが言った。

 

「……新ちゃん、私たちがほったらかしてる間に、随分大変な目に遭ったのね」

 

 有希子さんが江戸川君に歩み寄って、小さな体をきゅっと抱きしめた。

 

「……ごめんね、ごめんね」

「……っ!」

 

 江戸川君が息を詰まらせている。

 

「全く、もう少し厳しく育てるべきだったかな」

 

 優作さんが小さなため息をつきながら、江戸川君の頭にぽんと手のひらを置いた。

 

「本当、しょうがないやつだ」

 

 江戸川君はやがて、ほろりほろりと、涙を流し始める。

 

「ごめん……ごめんなさい……ごめん……っ」

 

 毛利探偵がため息をついた。

 

「……殺されそうになって、と思ったらもっとわけのわからんことになって、充分懲りたか? ……まあ、命があるだけまだましだ。これから俺も厳しく鍛え直してやる」

「……!」

 

 江戸川君がしゃくりあげ始めた。

 

 工藤夫妻が立ち上がり毛利探偵に向きなおる。

 そして、深い深いお辞儀をした。

 

「ご迷惑をおかけしてすみません。我々も帰国して家に戻り、できるだけのことをします」

「やめとけやめとけ、あんたらがウチの周りうろつきだしたら怪しすぎるぜ」

「……っ、しかし……!」

 

 優作さんがたじたじとする。

 

「それに二人が日本に居たら、捜索願出したり探し回ったりしてなきゃ不自然だろ。そうなると世間も大騒ぎになるぜ。めんどくせえだろ」

「で、でも……」

 

 有希子さんもたじたじしてる。

 

「どうしてもあんたらの力が必要ってなったらちゃんと呼ぶからよ。いつも通りにしてろ」

 

 工藤夫妻が困り顔で顔を見合わせる。

 

 毛利探偵がまたため息をついた。

 

「有希子ちゃんとは同級生だし新一も蘭の小せえ頃からの付き合いだ。水臭くせえこと考えんな」

 

 じっと考え込む工藤夫妻。

 

 そして。

 

「……せめて、新ちゃんの生活費くらいは受け取ってください。余ったらお好きにしていただいて構いません。危険を冒して預かっていただくんですもの。……本当、ここまでして頂いて……ありがとうございます、すみません」

「だーかーら、水臭えっての! ……まあ、金については俺も見栄を張れんから、生活費くらいはもらっとくよ」

 

 毛利探偵がふんと鼻を鳴らす。

 

「では、こちらからも少々」

 

 風見さんがそう言って取り出したものは。

 

「うわ、保険証にパスポート? 『江戸川コナン』名義かよ、用意周到だな。そもそも公文書偽造じゃねーか」

「いえ、『江戸川コナン』君はここに確かに存在してる日本国民です。氏名変更しただけのようなものです」

 

 私がしれっと言うと毛利探偵は肩をすくめた。

 公安がここまでしてくれるとは思ってなかったから一番街医院を工藤君にご紹介したわけなんですけど……公にできない怪我とかはしてほしくないですが、現状を思えばそういう時に頼れる余地があるのは大切なのかもしれない。

 

「っはは、そういうことにしとくか……で、これだと年はいくつだよ」

「今年七歳ということになっています」

「ほー……戸籍はどうなってる」

「どなたかの養子になさるか、親戚の子を引き取ったことになさるか……その他、お決めになられたら後はこちらで」

 

 風見さんが仰ると、また毛利探偵がふんと鼻を鳴らした。

 

「んじゃ俺の養子にでもしといてくれ。あと小学校に入れとくか」

「えっ!?」

 

 江戸川君がぎょっとした。

 

「お前が学校に行かずにチョロチョロしててみろ、俺が何か言われる」

「……そ、そうですよね……」

 

 江戸川君が肩を落としている。

 

「しっかし、公安もたった一人の坊主のために良くやるな。給料があがる訳でもあるめーし」

「いえ、それ以上の価値があると思ってます」

「……なんだと……?」

 

 私はにっこり笑う。

 そして真面目な顔に戻した。

 

「江戸川君の探偵としての技量を腐らせるほうがこの国のためになりません。その上、奴らの存在を知ってしまいました。そして毛利探偵事務所に帰るからには……もし、探偵事務所に怪し気な組織に関わっていそうな依頼が舞い込んだ場合、公安にも情報をいただきたいのです」

「……守秘義務ってもんがあるんだが」

 

 私はまたにこっと笑った。

 

「もちろん、特段の必要がなければご依頼人の情報は伏せていただいて構いませんよ」

 

 毛利探偵がまた口をへの字に曲げた。ジト目だ。

 

「……『奴ら』、『怪し気な組織』……ほんと、どんなもんに首突っ込んでんだ、お前は」

 

 毛利探偵がつんと江戸川君の額をつついた。

 

「……すみません」

 

 しゅんとする工藤君。

 

「加えまして阿笠博士。江戸川君や皆さんが身を守れるようなものを開発してほしいのです。他にも防犯グッズ等、警察にご協力いただければ。もちろんその場合依頼料をお払いします」

「……! それはこちらとしても願ったり叶ったりじゃ。是非引き受けさせていただきたい」

 

 博士はきりっとした表情で力強く頷いてくれました。

 

「そして問題の相手についてですが、かなり厄介な犯罪組織です」

 

 私は工藤君にしたのと同様の説明をしました。

 

「……くれぐれも、身の安全を第一にお願いします。我々もできるだけのことをします。……命に代えても」

 

 毛利探偵がげんなりした顔をした。

 

「あんたらのそれは冗談にならねえんだよ……」

「ええ。しかし私多分初めて使いましたこんな言葉。それだけ真剣に全力でやらせていただきます」

 

 口に出したことは本当に無いと思う。降谷さんに無茶したら後を追うなんて言ったことはあるけど……。

 

「ったく……」

 

 工藤夫妻には、できるだけ江戸川君のために工藤君の持ち物を持ち出すのは控えてほしい旨だけはお伝えしておきましょう。

 

 一応念のためと、江戸川君の髪型を工藤君とは違う感じに整えることを提案してみたり。

 すると変装する関係で私や諸伏さんがカットできることを知ってる江戸川君は我々に頼んできたので諸伏さんが切ってあげたり。

 体毛の色が少し明るくなるだけの無害なお薬を志保さんたちの変装の関係で作ってあるので、それもすすめましたら少し考えた後受け取ってくれました。というわけでハーフ設定に。彼は外国語色々ペラペラだしその設定でちょうどいいのかもしれない。定期的に飲まなきゃいけないからまとめてお渡ししておきます。

 原作とちょっと違う江戸川君になっちゃうけど、用心を重ねるに越したことはない。

 

 そんな江戸川君は今日から早速探偵事務所にお世話になることになった。多分皆、やっと会えた今、離れたくないんだと思う。

 

 工藤夫妻は後日生活費のための口座を作ってくるって仰ってた。今日はもう銀行の窓口は閉まってますしすね。

 

 そしてしばし細々したお知らせや挨拶とか雑談とかが続いて。

 

「では、何かありましたらお気軽にこちらにご連絡下さい」

 

 私は捜査一課の名刺に、諸伏さんは特殊犯係の名刺に、携帯の連絡先を追記したものを皆さんにお渡しする。

 風見さんは飛田さんのになってた。

 

「……なあ。名前違わねーか」

 

 毛利探偵がげんなりした様子で仰る。

 私はにこっと笑う。

 

「本名を形に残すわけにはいかなくて。申し訳ありません」

 

 毛利探偵はジト目でじーっと我々を見つめた後、はぁ、と溜息をついた。「ったく、これだから公安はよぉー……」なんて仰ってる。ハハハ。




/

転生者
 諸伏さんはスコッチだったとか、自分は幹部(潜入捜査官)の手駒をしてるとか、宮野姉妹のことについてとか、ジンとウォッカ以外の幹部についてなどは江戸川君に話してない。
 そして相変わらず自己評価が低い。もう面倒な程。
 アナタの能力も充分化け物です。メスゴリラの自覚して。狙われる程な研究者なのも自覚して。してくれない。
 公安が好き勝手をすんなり許してくれてちょっとびびった。アナタ自分が思ってるより重宝されてるんですよ多分その見返りみたいなものですよ。

降谷さん
 転生者が意図的に誤解を招く言葉を選んだせいで工藤君がジンに殺されたと思っててSAN値直葬。
 警視庁公安部に組織の手の者がいる可能性を察知した件については瞳孔かっ開いて血眼。
 阿笠博士については公安の協力者として紹介されている。結果を評価して泡雪ちゃんについてOKを出した。
 しばらく経つと自分にだけ何か隠されてることに薄っすら気づき始めるけど、まさか工藤君が云々なんてとても思わない。
 江戸川君が帰ったその日に諸伏さんからもう大丈夫だよと言われ、保護が比較的早く解かれたくらいには目撃少年()の身の危険はなくなったのだろうとみる。
 帰れば「お帰り」と迎えくれる幼馴染の笑顔は彼の数少ない癒やしの一つ。

諸伏さん
『あなたの物語に私はいましたか』……? 汀さんは何を聞きたかったんだ……?
 いつか恋人になれたらとは思ってるけど……汀さんは……(先入観)。
 工藤君に色々釘を刺しはしたけど別に本心からこき下ろしてる訳じゃない。
 必要と言ったら出来る限り買ってきてくれるし、かなり甲斐甲斐しく面倒をみてくれて、怖い奴認定してた江戸川君は宇宙猫になる。
「小さい子がどこまでやっていいか分からないけど」、とか言いながら室内でできるトレーニングをみてくれたりもしてる。
 時間がある時はよく推理小説を読むらしく、部屋にいっぱいあって江戸川君はきらっきらしてる。うわー父さんの新刊もあんぞ!!
 ほんと汀さんって茨の途を平気な顔して進むよね……。
 江戸川君の周りの人たち精神強いなあ……絶対護るからね。
 転生者の恋人ポジなことが多くなってちょっと嬉しい。
 蘭さんまで強い(物理)とは思ってなくてちょっとびっくりする。

赤井さん
 日本側からシンドラー氏とヒロキ君について気に掛けていてほしいと頼まれている。
 組織がプログラマーの獲得に躍起になってるふしがあるのは承知しているので快諾した。
 ベルモット来日についても情報共有。日本でもそのうち報道があるだろうけど一応と律義に伝えた。

江戸川君
 ……湯日川さんヤベー組織に潜入してたのが信じられないくらい善人じゃねーか……キツかっただろうな……。
 いや、シメるとこはきちんとシメる人だし(震え)、信念で走ってた強い人なんだろうな。
 それを……裏切ったやつがいたのか……。
 比較的すぐに信頼度が上がっていった。
 櫛森さんは……マジなんなんだろこの人……公安が偽名で捜査一課に入ってて、本名で東都大薬学部に潜入してる……?
 ……いや、公安が用意した湯日川さんの協力者か?
 一月以上は存外こたえた。帰った日は涙べしょべしょ。そのことで末永くいじられる。

蘭ちゃん
 もう、ばかばかばかばか……!
 ……生きてた、良かった……また会えたぁ、会えたよ、新一……。
 もりもり強くなる。

毛利探偵
 馬鹿野郎が。
 弟子に取ったからには、しっかり責任持って面倒みてやるからな。
 工藤君の推理をずっと側で見てきてるのもあって、目暮警部に迷宮入り量産機扱いされてた頃より核心に迫ることができてる模様。単独で解決することもしばしば。
 身内が関わると鬼強い点、工藤君をその身内に含めてるのをきっちり自認しているため、それもあるかもしれない。
 ……櫛森さん、美しい……。(様式美)

工藤夫妻
 色んな意味で泣きたい。
 皆ありがとうございます……。

阿笠博士
 とんでもないことになった。江戸川君が心配すぎる。
 彼のためならというのと腕がなるのとで警察への協力を惜しまず、はりきっていっぱい道具を作る。

ゾロ目さんたち
 嬉々としてアップを始めました。

メスカル
 右腕的存在も帰ってこないしくっそイライラ。ジン大っ嫌い。
 試薬を提出する前に志保さんが離脱していた場合、製薬会社ごと消されてた。
 アメリカで転生者が研究を手伝ってなかった場合知識もちょっとくらい足りなかったかもしれない。
 組織のプログラマー獲得がかなり強引になっていたのはナノマシンに関する諸々のためでもある。
 鼠が捕えられまでした現在、拠点を移動している。かなり焦っている。
 この鼠はRUMで例えればキュラソーやピンガのような存在だけど、幹部ではない。
 そんな者が捕えられるような環境に居る転生者については諦めかけている。

鼠
 まだ色々隠してるけど諸伏さん(女装のすがた)に散々尋問()されて心が折れていってる。
 全て吐くまで時間の問題……?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。