降谷さんの災難   作:千里亭希遊

9 / 61
5.降谷さんの協力者になった、転生者の邂逅。

 降谷さんに呼び出されて彼の登庁について行くと、小さな会議室に通されました。もしかしたら私が最初に来たところなのかもしれない。

 少しして戻ってきた降谷さんは箱を抱えていた。私の向かいに座って、机に置いたその箱を私の方へついと押す。

 

「君の偽名ができたよ。『木暮(こぐれ)愛莉(あいり)』そしてスマホと各種証明書」

 

 私は目を丸くする。そんな融通まで利かせていただいたんだ。

 この偽名って……もしかしたら、苗字はコーデリア・グレイからで、名前はアイリーン・アドラーからなのかな。偶然だろうけど、原作で紹介のあった中でも響きが好きなお二人です。

 

「ありがとうございます」

 

 中を覗くと本当に色々なものが入っていた。スマホ、私本人が所持している各資格の免許証、保険証、いくつかの企業の社員証……あの、警察手帳までありますが……必要な所はバッジとかも……。

 

「……至れり尽くせりすぎて……これ、大変どころではなかったのではないでしょうか……?」

「データだけの登録は各地の協力者によってなされている。必要があれば状況を見て遠慮なく使うこと」

「……公安すごすぎませんか……」

「そういうものだ。国家を守る機関なんだからな」

 

 私はハハハと乾いた笑いを浮かべるしかできない。

 

「けれどこれではまるで潜入捜査官ですね……私は警察官でもないのに」

 

 なんだか不遜な気がする。

 

「……君は警察学校入学試験及び警察学校卒業試験に合格済だ。その様子じゃ知らされてないな」

「……はい?」

 

 降谷さんの口から爆弾発言が飛び出して私は固まった。

 

「協力者になる時に数日かけて色々とやらされただろう」

「……は、はい……え、でも、あれは……協力者になるのに必要だったのではなく……?」

「その他にも色々と受けさせられてるぞ。それを全部君はきちんと実力で突破している」

 

 降谷さんが冗談を仰ってるとは思えません。私はぽかんとするくらいしかできない。

 

「資格も能力もあれど、公安に協力するために敢えて民間人のままである者、として籍も実際にある。その手帳の通りのな」

 

 警視庁捜査一課強硬犯6係。警部補。

 

 頭が真っ白とはこのことです。

 

「ええと、いえ、でも……捜査権とかそのあたりが……」

 

 私のせいで犯人が無罪になったりとか嫌ですよ。

 

「公権力でなくともそれらを持ち合わせてる職があるだろう。そこに入ってる『第一種探偵業届出証明書』は公安委員会が出した本物だ」

 

 確かに、ありますけれども。

 櫛森(くしもり)名義のも同封されてる物がちらほらあるのはそのせいか……そういうのはあの時ほんとに取得したものたちですか……そうですか……。

 

 この世界の探偵って第一種と第二種があって、第一種は資格が必要とはいえ捜査権とか逮捕権とか持ってるんですよね。ご都合主義万歳。

 

 ただ、現場に居合わせたとして、公権力である警察が何事においても優先される。探偵は第一種であっても警察がいない場合だけ主体的に動くことができる。まあ普通は警察到着までの現場保全で終わるんだけど、あの名探偵君たちの場合は何故か交通が麻痺したりしてそうはいかないことでしょう。

 

 第一種探偵になったところで爆弾解体等々したければ個人で別の資格を取得する必要があって、もちろん拳銃所持なんてできない。普通に警察官になったほうが早いまである。

 それでも第一種探偵になる人が結構いるのは、ひとえにこの世界の犯罪率が高すぎる点に理由がある。しかも知能犯だらけっていう。

 警察よりも身軽でありたい者、この世情の中根強く流行るミステリの探偵に憧れる者、その他事情のある者、等の手を借りる必要が大いにあるのがこの世界だ。

 

「だから刑事のフリをしてる時に本当に捜査に加わらなければいけなくなっても問題はない。捜査情報を知る必要がある時にも堂々と潜り込める。6係で君の所属する班の班長もこれを受け入れてる人間だ。蜂郷(はちごう)(しげる)。覚えておけ」

「は、はい……!」

 

 目を回す私にその人物の名刺と写真が渡される。

 キリっとした強面の男性でした。伊達さんともまた違う力強さを感じる。警察手帳の写真っぽいですね。

 

「警察の中にも公安の協力者がいるっ、て感じですか……公安って何だか次元が違いそうですね」

 

 くらくらする。

 

 けれど降谷さんは不敵に笑った。

 

「君はその公安の協力者だぞ。我々は能力があるならその全てを利用する」

 

『能力がある』なんて。

 

「過大評価ではないですか」

「そう思うなら、自分で確信できるくらい実力を身につけろ。それが君の仕事だ」

「……! 肝に銘じます」

 

 ここまでしていただいているのだから。

 私も、大好きな人々がいるこの国が愛おしいのだから。

 

 降谷さんはまた不敵に笑いました。

 

「様々な身分証があるからこそ、状況を見極めろ。選択を誤れば道が狭まる。それは君自身が磨かなければいけない『眼』だ」

「承知しました」

 

 別の身分を使っているところを、その他の身分で接した人間に見られるとかも非常にマズイだろうし……慎重に頑張ろう。

 

「……君はもう少し自分に自信を持て。でなければ怪しまれる」

 

 降谷さんが真剣な様子で表情を歪めていた。

 私は似たような表情になった、と思う。

 

「肝に、銘じます……!」

 

 再びそう言う、くらいしか、できない。

 本当に、つまらない自己卑下なんてしてる場合じゃありません。

 性分というのはすぐには治らないかもしれませんが、重ね重ね気を付けてまいります。

 

 降谷さんがふっと笑った。

 

「そこは敬礼でもしておけ」

 

 彼はそう言って実際にやって見せてくれた。

 緊張が積もりに積もってすっかり固くなっていたのが少し和らぐ。

 私はじっと観察させてもらって、そして、真似をする。

 

 けれど降谷さんは思いっきり噴き出すんです。

 

「まだまだすぎる」

 

 ウゥ……精進致します……。

 

 降谷さんがあちこち指導してくれたのですが、当然姿勢をかなりよくしてなきゃいけないから、それに後押しされて少しだけ胸を張っていられるような気がした。

 

 

 

 そしてその数日後、まさかそれ(・・)を初っ端から使うことになろうとは。加えて、あんな事態(・・・・・)が待ち受けているとは──露知らず。

 

-----------------------------------

 

 その日はたまたま夜遅くに小腹が空いてコンビニへ出かけました。私は見知らぬ他人が作った物でも平気で食べられますからね。自分で作るのが面倒なことはどうしてもあります。

 

 世の中物騒なのでちょっとした外出でも服と所持品は整えるようにしています。最近『木暮』の模索中なのもあり、一応伊達眼鏡なんてものも掛けてみたり。それが多少面倒ではありますが、お菓子作りよりは手間じゃない。それに、コンビニスイーツも結構好きなんですよ。夜中の甘い物への欲求というのは抑えがたいものです。

 

 これは、ヒトらしい『欲求』とみてもいいのかなあ……こんな力があるのが分かって以来必死になって鍛えてたらあっという間に一年以上過ぎてて、気付けばもうあんまり、『怖い』と思わなくはなってた。

 にしても、私が人間かどうか疑わしいのは変わらない。まあこのごろは、謎だろうが周りのお役に立てそうなら儲けものだって思い始めた現金な奴ですが。

 

 あの暁の、水晶の冒険者のように、『今の自分』を受け入れられたら、素敵なんだけれど。

【挿絵表示】

 

 

 ぼんやり陶酔めいたマイナス思考に陥りながらふらふらとスイーツコーナーに吸い寄せられると、ド直球に好みな生クリームたっぷりの抹茶シフォンケーキが目に留まりました。

 わああ最高、これに決まりです。

 

 レジに向かうと、見たことがあるようなお二人が……赤色と水色のお二人が……店長さんを交えて何事かお話しています。

【挿絵表示】

 

 ……ははははははは?(混乱)

 

 これ、プロローグの会話っぽい、なあ。

 

 ええ……? いや、色んなツールとかの名前があれだなあとは多分ぼんやり思っていましたけれども……。

 あのゲーム、もじりかたが面白くて。それが今現在実際に使用しているものなですよね。

 

 さっとやり取りできるのはFINEだし、私はアカウントなんて必要としていないボッチだけど世間で話題になるのはMytterだし、映えと無縁な人間だから見たことないけどきっとアレはフォースタなんだろうなあ。

 だったらきっとよく見たら歌舞伎町じゃなくて歌舞輝町なんでしょう。

 

 そういえばこのコンビニも。

 コナン世界でもあちらの世界からのもじりが色々あったしで「セ〇ンっぽい色なのかなあ」くらいに思っていただけだったけれど、よくよく思えばあのゲームの背景にあったそのものなような。

 背景、綺麗だったな。音楽も好きだった。

 

 そして思えば、一番街ってあのお部屋のすぐ近くで、まさに今居る所です。ここ、一番近いコンビニなんですよ? ……わぉ。

 ともかく。

 

 私は彼らが出て行ったすぐ後に会計を済ませて後を追います。こっそり襟元に赤バッジをつけて伊達眼鏡を外す。視力低いと警察官にはなれないからね。眼鏡やコンタクトつけて合格ラインなら大丈夫みたいですが、一応です。

 

 不審すぎるタイヤのスキール音がして……私はこっそりとホルスターのP7M8に手を伸ばします。

 その黒塗りのバンは歩道に乗り上げ、一人の女性──ああ、私も大好きなメイちゃんだ……!──に今にも突っ込むところでした。

【挿絵表示】

 

 

 鳴り響くクラクション──。

 

 ……目にしたからには何か関われってことだと私は決めている。だから、走る。

 

 メイちゃんは横道から飛び出してきた歩行者を突き飛ばしたことで、バンを完全には避け損ね、頭をぶつけてしまった。けれど彼女のこれからの幸せを奪うことは絶対にしたくないから、それを妨害することは、できない。そもそも目にしたのが遅すぎただろうけれど。

 そして倒れたメイちゃんを更に轢こうとバックする黒いバン。させるものか!

 

 私は銃を構えタイヤに一発撃ち込みます。それだけじゃ足りないから二発目。

 バンの軌道が怪しくなって速度も落ちる。

 

 赤色の結城さんがものすごい速さで私を追い抜いて行きます。私が足止めなんてしなくても助けてくれてた気はするけど、もし、この世界で降谷さんやコナン君たちと結城さんたちが結束出来たら? その打算で手の内のひとつを晒す。

 

 私はバンのタイヤを四つとも潰す気です。

 

 三つ目の銃声が響くのと、結城さんがメイちゃんを抱えて走り出したのはほぼ同時。タイヤ三つがダメになったバンは、車道側に並ぶ街灯のひとつに後ろから突っ込む。

 私は走り寄りながら残りひとつのタイヤが見えた時点でそれも撃ちました。結城さんはそのままそばの路地へ駆け込んで行きます。

 

 過去、父さんの車が首都高走行中にパンクしたことがあって(なかなか怖かった)、あの時のことを考えれば、タイヤ一個だけのパンクでは車がコントロールを失うまでにならない場合があると思っています。

 ……周りに、片側二輪だけで走行しちゃう人々もいることですしね……。

 そして逃走妨害もしたかった。四弾命中。必中チートはこういう時ありがたすぎますね。

 

 乗っていた奴らが車を捨てて走り出した。更には直後に車内が燃え上がる。

 ちょっと! 証拠隠滅かなああ、危なすぎる! 下手したらガソリンに引火するでしょ!! 逃走妨害失敗です。さすがに私はスマホで警察に通報しました。

 

 電話を取って下さった警察のかたに、女性が狙われたフシがあることと突っ込んだ車が燃えていることをお伝えしながら、逃げた奴らを追う。

 しかしあんまり地の利がないのもあって走り去る奴らの姿はすぐに見失ってしまった。住んでる部屋が近いのにそう外を歩いたことがない。インドアすぎるのを反省します。後日少し歩いてみよう。

 コナン君めちゃめちゃ道とか交通事情知ってたよね……すごいよなあ、あれ……。

 

 私は今度は結城さんとメイちゃんを追って路地に入った。そして。

 

「あなたたち、大丈夫ですか!?」

 

 赤色を目に()めて声をかける。まだ足をとめてくれていて安心しました。これは、ここで少しメイちゃんが意識を取り戻して会話をしていた、ということのはず。

 結城さんがはっとして振り返った。

 

「……アンタか。随分物騒なモンぶっ放してたな」

「警視庁捜査一課強行犯6係、木暮です」

 

 私がニセモノ(何故五年後の佐藤さんと同じ警部補なんですかねほんと恐れ多い)の警察手帳を開いて、佐藤さんの口調をイメージしながら名乗ると、ひゅう、と結城さんが口笛を吹いた。

 しかし……こちらの偽装が春野さんたちの新宿署と違っていて良かったです。面識がなくても不思議じゃないだろうから。

 

 しかし、です。

 私の所属はネットで調べてみたら……もしかしたら実態が存在しないとかありませんか……? 蜂郷さんだけ特別にいらっしゃる? いや、いくら何でも悪目立ちです。

 

 ただ、コナンの警視庁はwikiにあった刑事部の構成とは違いそうな気はした。私が表記をきちんと解釈できていないだけの可能性も高いし、そもそもが地方によって違いがある物みたいだけれど。

 

 たしか佐藤さんたちが所属するのは、捜査一課の『強行犯3係』。

 

 wikiでは、刑事部捜査第一課第二強行犯捜査強行犯第3係は資料担当っぽい? そしてそちらに6係はないのです。

 第四強行犯捜査殺人犯捜査第3係なら佐藤さんたちに結構ピッタリそうだし7係まであるけど、こう名前が微妙に違う。

 

 一番可能性が高いのは省略箇所があるだけで佐藤さんたちは第四強行犯~のほう、ってことだと思う。

 

 しかし、安易に私がこうだろうなんて判断はしてはいけないんだと思う。何が今後に関わってくるか分からないのだから。

 

 こんなことになるなら早々に降谷さんに質問しておくんだった……言い訳だけれど、用意していただいた証明書は本当にたくさんあったから調べることが多くて多くて……。

 ただ、もし実態が無くてもデータは用意してある(警察ならなんとほぼ公式だし)みたいだから、結城さんがもし『捜査一課の木暮愛莉』を調べたら『実在する』って出るんだろうけれど。

 

 ……結城さんなら6係なんて存在しなかったとしたら調べた時すぐ分かるんじゃないだろうか……怖いデスネ。

 

「だがアンタ、これ、黙っててくれねぇか」

「え……?」

 

 理由は知っているけれど、大根役者は頑張ります。

 

「ワケありらしい」

「……」

 

 私は少しの間考え込む。見かけた時から色々考えてはいたんだよ。

 

「……そのほうが、このかたを守れるというのなら」

 

 私は眉間に皺を寄せて瞑目しながら言う。

 結城さんはニッと笑った。

 

「話が分かる奴は嫌いじゃないぜ」

「しかしバンの奴らは見失ってしまいました。刑事失格です」

 

 これは本当に悔しい失態。まあ、追えてしまっていたらメイちゃんと彼らの物語がどうなるか分からないから……良かったのかもしれないけれど……。

 ははっと結城さんは笑った。そして少し目を逸らして小さくポツリと呟く。

 

「……仕方ないさ」

「え?」

「んあ? 何か言ったか?」

「い、いえ……何でも」

 

 きっとメイちゃんのペンダントを見て何かを察しての言葉だよね。あれ一体何だったんだろうなあ。あのゲームは途中でサービス終了してしまったから、神のみぞご存知な謎がものすごくたくさんあるんです。

 私は時間が無さ過ぎて収集系は無理だったものが多いから余計に、知らないことが多いと思う。

 

「あの。黙っていてほしいということは、私はここで消えた方が良いですか? それとも何かできることはありますか?」

 

 できれば関りを持ちたい。彼らも私にとって眩しい人たちで、もし私なんかに何かできることがあったらご助力したいものです。そして、打算が、ある。

 ふっと結城さんが笑う。

 

「黙っとくのを了承してくれたなら、コイツの話し相手になってくれるか? 同性の知り合いっつのは何かと心強いもんだろ」

 

 結城さんがメイちゃんを抱えて歩き始めたので、その後に続きます。

 

「一般の方々の力になれるのなら、何でもやります」

 

 私が真剣にそう言うと、結城さんがまたふっと笑いました。

 

「大した性根だ」

 

 ぼそっと言われたそれは聞こえないふりをしました。

 

「ところで、明日非番か? こいつは今から病院に連れて行くが、目を覚ました時に側にいてくれたらコンタクト取りやすいだろ」

「残念ながら」

 

 私は眉尻を下げて微笑み、小さく首を振る。

 明日非番は都合が良すぎる気がした。

 

 警察官については、公安自体(ほぼ公式)が場合によっては名乗ることを認めてくれているようなものだから、必要があれば今の私が一番躊躇なく出せるニセモノです。だから警察手帳と赤バッジは常にカバンに入れているのだけれど、まさかこんなすぐにそれらを活躍させるはめになるなんて思ってなかったよ!

 

「……ただお目覚めになるのがいつになるかは分かりませんから、明日の出勤までならご一緒します。今私一人引き上げても問題はないでしょう」

 

 言ってスマホを手に取る。

 

 勤務時間中の警視庁捜査一課の刑事が夜にこの歌舞輝町をうろついているとしたら、きっと単なる外回りじゃない。警視庁の担当は東京都全域とはいえ本庁があるのは新宿のお隣の区。新宿署との合同捜査が行われていそうな事件のものになると思う。そしてそういうものだと警視庁の刑事は単独でうろうろせずに新宿署のかたと一緒に行動してるんじゃないかな。

 だから、ちょっと一息と休憩で独りコンビニに寄ったら偶然轢き逃げを目撃した、という状況を装おうと思う。

 

 ゲームのメイちゃんが目を覚ました時はもう、背景が明るかった気がする。早い時間でありますように。

 

「はは。徹夜すんのか」

「慣れておりますので」

「ったく、警察官ってやつは……」

 

 結城さんが苦笑している。

 警察官扱いしてくれてるから、もし怪しまれていたとしても、メイちゃんのワケありを黙認したことで向こうも黙認してくれてたら……いいなあ……まあ、最悪、結城さんには公安の協力者だって明かしても問題ない気がするけれど、それにしても今じゃないと思う。

 

 そして「失礼します」なんて言いながらスマホ片手に少し離れて連絡を入れるフリをする。もちろん相手はいません。口調はやはり記憶の中の佐藤さんを必死でイメージします。

 

 私で通報済みなのは本当だし、それでもう少し轢き逃げ犯を探してから帰宅したいとかなんとか。

 そんな雰囲気で手短にやりとりをした風を装って、戻ります。

 

「ところで、あなたのお名前はお伺いしても良いことですか?」

「んなことまで気ぃ遣うな。結城怜二。探偵だ」

 

 しかし本当この世界は探偵さんで溢れかえっていますね……。

 こちらの人たちは表にバンバン出て行く系ではないからか新聞に出たりはしないけれど、優秀なのは確か。それだけ私の前世の世界よりも更に事件だらけってことになりそうだけれど……。

 

「結城さんですね、ありがとうございます。そのかたのお名前は?」

「分からねえ。色々聞く前に気ぃ失っちまったからな」

「そうですか……」

 

 怪我とかしてないっぽいけど心配だよね。頭を打ってしまったのは知ってるもの。

 

 そうこうしているうちに、とある病院についた。

 

 ──一番街医院。

 

 人脈によってはワケありでも深く探らずに診てくださるっぽい病院だ。

 私の打算のひとつ。

 

 静かに眠るメイちゃんの横で、クリームの溶けかけた抹茶シフォンをつつかせてもらった。少し走ったせいでちょっとヨレてもいたけど、それでもやっぱり美味しいです。

 また買おうと心に決める。

 

 そして早朝、私がいるうちにメイちゃんが目を覚ました。そして原作通りな会話が交わされる。メイちゃんはやっぱり記憶がなくて、本当の名前も分からないみたいだ。

 私は結城さんがメイちゃんをなだめるのに多少加勢します。そして原作通りに、メイちゃんはハロー探偵事務所へ。

 デフォルトの『七篠メイ』ちゃんなのか、何かオリジナルな名前がつくのか。少し楽しみですね。素敵なお名前が貴女に訪れますように。

 

 結城さんと、それから雪原先生とも連絡先を交換して、その日私は退散としました。

【挿絵表示】

 

 

 メイちゃんはこの時点ではスマホを持っていないみたい。

 

 降谷さんに発砲したことご連絡しなきゃ。

 怒られますよね、これ。

 

-----------------------------------

 

 部屋の鍵はかかってなくて明かりもついてなかったから何も考えていなかった私は、リビングに入った瞬間目を疑った。

 ソファでぐったりしている降谷さんの姿に思わず駆け寄る。帰ったら報告しなきゃと思ってたかたが何でこんなことに……!?

 既に日は出ているけれど、カーテンを閉めたままだからそこまで明るくない。どうしてこんな状態なんですか?

 

「ゼロさん、ゼロさん……!」

 

 恐る恐る、肩を揺すってみようと名を呼びかけながら手を伸ばし

 

 カッと目を開いた降谷さんに逮捕術で床に引き倒される。

 

「何をしていた」

「……恐らく犯罪組織。もしくは、カルト教団」

 

 私が誤魔化すこともなく切り出したせいで脈絡もないからか、降谷さんが眉をひそめた。

 

「ソレに狙われている女性がいます。黒塗りのバンに轢き逃げされそうになっていたので、タイヤを四つとも撃ちました。お店側に突っ込ませたくはありませんでしたし」

「……」

「かなりの速度で突っ込んだものの、かろうじて避けられ、失敗して殺し損ねたとみるや、バックで再度狙いました。殺意は明らかです」

「……」

「バンを乗り捨て、車内に放火し逃走したのは黒っぽい服装の三人でしたが、それぞれ別方向に走り去り、地の利のない私には追えませんでした。轢き逃げ犯の逃走と車内の出火については110番しました」

 

 降谷さんは体勢を解くこともなく何も仰らないので、そのまま私は話を続けます。

 

「被害者は一瞬意識を取り戻しましたが、警察と救急を拒む意思を示しただけで再び失神。次に目覚めた時には記憶喪失、です。ぼそりと口にした言葉が、『私たちは役に立たなければ意味がない』」

 

 前世の記憶チートです。

 まずそれだけでマインドコントロールの類が疑われるあの一節は印象が強い。サ終のおかげで何が何だか分からないままなんですけれどね。

 

「で、その被害者はどこだ」

 

 無表情な降谷さんの声からは感情が読み取れない。

 

「一番街医院にて身体に問題はないとの診断がされました。彼女の引き取り手はハロー探偵事務所の結城怜二さんです」

 

 降谷さんが目を見開いた。私の拘束がやっと解かれる。

 

「彼らか……ということは歌舞輝町か……」

 

 降谷さんの声には疲れの色が見えた。

 

「面倒なかたがたなんですか?」

「有能という意味でな」

最悪(さいこう)ですね」

「本当だよ」

 

 降谷さんが肩をすくめて苦笑する。

 

「……しかし……君、痛くなかったのか?」

「それどころではありません。発砲の件についてはどう処理していただけば?」

 

 降谷さんに締められて痛くない奴なんていると思いますか?

 

「その仕事根性だけは評価しているよ。どうせ結城怜二と雪原医師に接触しているだろう」

 

 降谷さんがソファに座り直して、君も座れ、な目をくれたので、お言葉(目ver.)に甘えました。

 

「仰る通りです」

「どう装った? 発砲したなら警察手帳を出したんだな?」

「はい」

 

 目を眇めた降谷さんは不機嫌そうですが、多分内心平静なんだと思う。

 私が無鉄砲なのを諫めたいだけな気がする。

 

「……それで?」

「勤務中の『警視庁』一課強行犯6係が『歌舞輝町で』発砲するということは合同捜査中で、一人で轢き逃げ現場にいたのは休憩で、という態で、轢き逃げ犯をもう少し探したいから引き続き外す、と建前をつけたふうにして一番街医院について行きました」

 

 降谷さんの目が怖い。

 でも怒らなきゃいけない時にはきちんと怒ろうと思って下さってるのを知ってるから、真摯に受け止めたい。

 ……自重するかどうかはまた別のお話です。降谷さんちょっと身内に甘いと思うのです。

 

「新宿区に警視庁の刑事がいても不自然ではない案件は私の分かる範囲内では三つあります。区をまたいだ例の殺人事件、麻薬密売人の潜伏情報、中国系マフィアの拳銃取引」

 

 私はふう、と小さく息をついた。

 

「……しかし私にはやり易さが分かりません。降谷さんに、お任せしてもいい部分ですか?」

「任されても困るなんて返ってきたらどうする気だったんだ?」

「面倒だって言われてもお願いする気でした。……そもそも駄目かもしれないなんて思ってませんでした……」

「甘いと言いたいが、できる。だが安易にできると思ってもらったら困る」

「撃たなければいけないと思いました」

 

 私が撃たなくても結城さんがメイちゃんを助けてくれていたはずです。けれど私の目的はバンをとめることの他に、新宿の彼らと関わりを持つこと、がありました。

 発砲までしたら、特対の皆さんの目にも留まるはず。

 

「私は駆け付けられる距離にいませんでしたから」

「周りに人は?」

「偶然巻き込まれかけたらしき歩行者──ええと、彼は被害者に助けられたんたですけど、あと遠巻きに見守る人はいましたが、それだけでした。私が撃ったあとに走り出したかたはいて、それが結城さんです。もしかしたら彼も何か投げようとしていたためにスタートが遅れたのかもしれませんが」

「探偵は拳銃なんて持ってない……投げたとしても手持ちの何かだろうしそれでバンなんかがとまるとは……君の判断も0点とは言えない、と?」

「分かりません。ただ、被害者である彼女については調べなければいけないことだと思っています」

「……何らかの組織に狙われている、と?」

「ええ。初めは彼女がバンの奴らについて何か知ってしまったからだと思っていましたが……」

 

 降谷さんには、私自身のことを重ねたとかを、想像していただけていたらと思います。

 

「結城さんによれば、彼女は救急と警察はダメだと言っていたらしいです。そして病室に付き添っていた間、私は意識のない彼女のうわごとを聞きました」

 

 本当は前世の記憶チートなのできちんと聞いたわけではありません。結城さんと雪原先生が席を外していたことがあったため、その間に起きた事態と言い張れる可能性があるからこういうことにします。

 

「『私たちは役に立たなければ意味がない』か」

「何らかのマインドコントロールを疑います。しかし、意識を取り戻した彼女は記憶を失っていました」

「さっき言っていたな」

「一番小さい範囲だとあのバンの連中と彼女だけ、の間の問題ですが……それよりも規模が大きい場合、この日本の内からの脅威になり得るかと」

「……」

 

 瞑目して降谷さんは一瞬考え込んだけれど。

 

「……ひとまず君の発砲を処理しておく」

 

 スマホを手に取ってリビングを出て行きました。

 部屋の一つに消えていく降谷さんをぼんやり見送る。

 

 

 

 眠い、なあ。ここのところ眠る気にならなくて──というより眠れなくて、最近の私にしては珍しく夜遅くまで起きていることが多かった。

 だから、眠い。徹夜だったから、尚更眠い。……独りぼーっとしていると、余計に眠い。

 

 けれど。

 

 今日は、七日なんですよ。

 

 

 

「……ええ。そちらの研究員の櫛森についてです。……そうです、今月も駄目なようです。余程ショックが長引いているようだ。休ませても? ……はい。ありがとうございます」

 

 そんな降谷さんの声が聞こえた気がしました。

 

 ああ……降谷さんは私の心療内科の主治医という設定でしたっけ。この連絡をするための声だけだけれど。

 もしかしたらお忙しいのにこれのためにこの部屋に来てくださっていたのでしょうか。

 それなのに私がいなかったから怒っておられるのかもしれません。申し訳ないです。

 ……それだけでなくやらかしてきたのですから。

 

 徹夜になって眠らなくていいだろうと、嬉々とした部分がなかったとは、言えない。

 

 昨年十一月七日、私は爆弾事件で大怪我を負いました。負いはしたけれども。

 あれ以来、毎月七日は調子が悪い──というより……。

 

 眠れば夢を見てしまうのです。

 ──あの爆発で萩原さんが亡くなる場面を。

 何の因果かは分かりません。単に私の恐れが招いているだけのモノかもしれない。この世界では萩原さんは生きている。それなのに怖がってしまう私の弱さが招いているだけなのかもしれない。

 

 けれど、過去や未来を改変することを悪とする物語では、『運命』のようなものが、死を回避した人をその後も執拗に殺そうとするようなものが少なくありません。

 これはそれを暗示しているのだろうか。

 ──……怖すぎます。絶対にそうなってほしくありません。

 だから不吉すぎる夢なんて見たくない。

 それなのに、眠い。

 

「……眠れ、(みぎわ)

 

 いつの間にか側に来てくれていたのか、私の目を降谷さんの手のひらが塞いでいるようでした。

 

「……嫌です」

「うなされるようなら起こしてやる。手も握っていてやる。だから、眠れ」

「……降谷さんお忙しいでしょう」

「君の手を握ったままでもできる仕事はたくさんあるんだ」

「……」

 

 できれば夢自体を見たくないのですが。

 

『体調を整え、常に最悪のケースを想定するのは、我々の最低限の仕事だろう』

 

 睡眠と食事をさぼっていた右腕さんが降谷さんに怒られていましたね。今の時期彼はもう降谷さんのそばにいらっしゃるのかな。

 

 そんなことを思いながらうとうとしていた私は。

 

『……なにっ』

 

 タイマーが動き出したことに気づいた萩原さんが焦る。

 

『皆、逃げろ!!!』

 

 周りに居た機動隊の方々は彼の声で走り出して階段へ向かう。

 今世で目にしたとおりに彼らは間に合います。萩原さんが頼んでいた通りに人数が減らされていたから、階段でドミノ倒しになることもありません。

 やはり機動隊のかたがたなら6秒もあれば50m程を走り切ることができるのでしょう。今多少モヤシを脱した私でさえ50mの最高記録は七秒二なくらいですから。

 けれど萩原さんは爆弾を解体するために座っていました。

 座っている状態からの、加えて振り返ってのダッシュはどうしても遅れます。そういうスタートダッシュの練習もあったりなんたり。

 

 だから。

 ────だから。

 

 閃光と爆音と。

 その後には。

 無惨に、

 

「──……っああああああああああああ!!!!!」

 

 飛び起きたら降谷さんが手を握っていてくれたようだったけれど、私は再びソファに背中から沈んで、頭を抱えているようでした。

 ……そんな自分を外から眺めているような妙な、感覚。

 

「……やはりこうなるのか」

 

 降谷さんの呟きが聞こえた気がしました。

 

 口に突っ込まれて水で流し込まれたのは多分精神安定剤か何かなんだと思います。

 夢の内容を言ったことはないから、大怪我した程の爆発を思い出して怖がっていると判断していらっしゃる、ような気がします。

 

 ……また、うとうとして。

 

 嫌な夢を見て、飛び起きる。それが何度繰り返されたのでしょうか。

 途中泣きながら謝ったりしていたような気がします。

 

 

 

 多分私は日付を越えたら普通に眠ったのでしょう。

 ……ああ、迷惑をかけてばかりだ……。

 

-----------------------------------

 

 ──新宿警察署、歌舞輝町特別対策課。

 

「燃えたバンのタイヤに残っていた弾については本庁から連絡が来た。たまたま通りかかった警視庁の刑事が、被害者を狙ってバックしたところに撃ち込んだらしい。故意の轢き逃げだったという我々の見解とも一致する」

 

 電話を置いたあとにそんなことを言う春野警部補はいつも通り淡々としていたが、夏井巡査部長は眉をひそめた。

 

「本庁の刑事がたまたま通りかかった、ですか」

「各区と共同で捜査をしている例の連続殺人事件に関する見回りだそうだ。交代してひと息つくのにコンビニに寄ったらしいが、休憩にならなかったことだろう」

「それはご愁傷様ですね。にしても連絡はもっと早くしてほしいものです」

 

 夏井が肩をすくめる。と言っても時間は午前7時前。発生時間を思えばかなり経っているが、何らかの処理等を考えれば早い方なのかもしれなかった。どうかしたら向こうも徹夜である。

 夏井が本庁の刑事を邪険に扱う内心は自身の売上云々、とも取れる振る舞いだが、この今に関しては己のキャラを演じているだけの部分が大きいだろう。

 

「そして被害者は何者かに連れ去られたと発言しているそうだ。恐らく保護だと思われる、とは言っているようだが」

「つまり、本庁の刑事はその何者かも轢き逃げ犯も取り逃がしたということですね」

「ああ。被害者を抱えて去った人物については『赤かった』印象があるとは言っているそうだ」

 

 夏井の嫌味っぽい物言いをあっさりスルーして春野は話を続ける。

 

「……なるほど。防犯カメラと、一致しますね」

 

 意味深なふうにゆったりと言った夏井のセリフは十中八九、『被害者を保護したのは結城さんである』という確信のほうに向けられたものだ。

 

「さて、どうしたものか」

「ハロー探偵事務所に遊びに行きましょう!」

「お前ね……」

 

 横から元気よく言い放った秋元巡査に、ペアの夏井は渋面を浮かべる。

 

「結城さんは被害者について何か知ってるってことでしょう? それに」

「……それに?」

 

 春野は秋元に胡乱な視線を向ける。

 

「閉店してたとはいえ、お店じゃなく街灯にバンを突っ込ませた刑事に興味があります!」

「偶然じゃないのか?」

「俺、防カメガン見してましたからね! 弾が当たった順番は、左前輪左後輪を次々と、右前輪を街灯に突っ込む直前、バンを回り込んだ後右後輪に一発、です。その後バンは車内から炎上しました」

「!」

 

 前輪は操舵、後輪は駆動。

 

 付近のコンビニから出たのちというなら、車線を無視して歩道に乗り上げ突っ込んだバンの正面方向にいたことになる。

 バックで被害者を轢こうとしたなら、犯人はハンドルを右に切ろうとしたはずだ。それを危惧した発砲者は左にハンドルが取られることと推進力が落ちることを狙ってその順番で撃っていったのだろう。

 そしてタイミングを考えれば、右前輪は被害者にバンが向かわないと確信できてからの発砲で、とどめとばかりに右後輪にも撃ち込んだのはおそらく逃走の足を完全に潰すため。

 

 もし発砲者がバンを背面方向から見ていたなら、左前輪左後輪右後輪を連続で撃ち、右前輪は視界に収まった時に、となったのだろう。

 

「空薬莢のフルート痕からしてH&KP7系という話だろう。次々と、か。随分腕が良いようだな」

「通話してなかったら犯人を捕まえられてたのかもしれませんね」

「通話……?」

「あのバン燃えたじゃないですか。それからスマホを取り出して走ってったから、多分張り込み仲間に伝えたか、110番通報者の一人だったんでしょう」

 

 にこにこと言う秋元に、春野と夏井はふむとなにごとか思案する。

 防犯カメラはもちろん意図してバンに向けられていたものではないから、周囲の状況も映っているわけで。

 

「彼女犯人を追おうとして見失った後、結城さんも追いかけたみたいでした」

「何?」

「だけど結城さんにはまかれちゃったんですね」

 

 さすが結城さん、と秋元は笑っているけれど。

 

(……結城先輩は、その『彼女』とも話したんじゃないか?)

 

 春野はそう疑い、夏井も。

 

(きっと結城さんと話した『彼女』は、被害者について口を噤んだ)

 

 その『彼女』を追い込んでやるか、情報共有を求めるか──。

 

「しかしハロー探偵事務所に突撃するのはやめろ、最悪隠される」

 

 夏井は呆れたような苦笑を浮かべながら秋本に言う。

 

「えー! 気にならないんですんか?」

「探る方法は選べよ。刑事なんだから」

「探りはするんですね!」

「被害者が結城先輩の所にいるのは、確実とみていいだろう」

 

 春野がぽつりと言う。

 

「だが、事務所にいるとも限らない。くれぐれも迷惑のないように」

 

 やるなら慎重に、だ。

 

「優秀な彼らと対立するのは、避けたいですからね」

 

 夏井も薄っすらと笑いながら頷いた。

 

「分かりました! 慎重に行きます!」

 

 にこっと笑う秋元に、春野と夏井は本当に分かっているのかと不安になる。

 いつもの光景だった。

 

 そしてこの様子でも秋元がおかしなことはしないのを、春野も夏井も知っている。




/

クロスオーバー先のひとつ、FF14の大型拡張パッケージがやって参りましたが、引き続き毎日更新頑張ります!
初っ端からオリキャラ幹部のコードネームに使ってるお酒が出てきたりもしまして、にまにましております。

自分でも一応見直したりと誤字確認を心がけているのですが、やはりどうにも漏れが生じてまして、ご指摘本当にありがとうございます!! めちゃめちゃ助かっております!!

本当は警視庁が「本部」警察庁が「本庁」みたいなんですけど、刑事ドラマで警視庁を「本庁」って呼んでるイメージが強いのもあってこうなってます。

警察官を騙るのは本来犯罪なのと、個人的にこの世界の探偵には捜査権があってほしいので、色々非現実的な設定を盛りました。

転生者
 6係、省略の問題なだけだから普通に実態があります。wikiの刑事部のページよりこの世界の警視庁の強行犯係が多いだけ。地域差があるそうですからリアルの警視庁も多いのかな? 田舎者には分かりません!
 転生者がぐるぐる考えてるのはちょろっと調べただけじゃ分かりづらくて、それを反映させてみました。コナンの知識ありきで警察について調べようとしたら躓いた、っていうのをそのまま放り込んであります。
 東都大学の所在は文京区なのかなあと想定。警視庁は千代田区ですよネ。
 新宿はお隣なので、お部屋が歌舞輝町に近いのはあり得るかもと思いました。
 実は元の転生者のお部屋は引き払わされています。無茶ばかりな協力者の監視は厳しい。
 ただし様々な過保護にかなりキていた転生者にメチャクチャ強情に主張されて家賃は彼女が払うことになりました。降谷さんの唯一の対転生者敗退かもしれない。
 お酒を飲むことが多かった転生者にはあまり使われていなかった可哀そうな愛車はミラジーノ(手入れするのは好きらしいのが救い?)。もちろん一緒に連れてこられました。某取り引き時に愛車を使って向かわなかったのは万が一にも傷ついたりさせたくなかったから。これから活躍してくれるかもしれない。
 転生者がお酒を求めて夜うろついてたのは歌舞輝町みたいなトコって想定ではありました。ほんと危なっかしいですね。
 また、もし今後転生者に恋愛展開が起こるとしてもアンゼロのかたがたとはそうなる予定はありません。あくまで協力できたら面白そう&強そうだなっていうだけです。もし彼らの色恋について書くことがあるとしたらメイちゃんとのほんわか展開だけだと思います。
 七日の夢については単に転生者個人に対する事実を変えた代償なので、特に萩原さんが何度も危機に見舞われることはありません。けれど転生者は知る由もないので不安でたまらない。
 今後救済に成功したら見る内容が増える。原作で警察学校組が亡くなるのは毎回七日なので七日が鬼門になる。加えて彼女の両親の命日は十月七日。前世の彼女が死んだのは九月七日(覚えてない)。
 七日が恐ろしいってことにある程度耐性ができて、前日までをきちんと睡眠時間を確保して過ごせてれば、通常の睡眠時に見るだけで済むようになる。
 何か対価がないとだめかなあ、という書いた人の浅い考えでこうなりました。可哀想。
 発砲に関しては転生チートのマスケットを使えば薬莢なんて残らないのですが、目立ちすぎるのは本当だし、拳銃を持たせるなんて融通まできかせてもらった手前、きちんとあちらの使用は控えるようです。
 ただし拳銃だと様々あるスキルが使えないため、必要な場合はあちらがでてきます。
◯彼女の偽名に関する言い訳
 これをかいた当時『灰原哀』ちゃんの名前がV・I・ウォーショースキーだけでなくアイリーン・アドラーからもって原作者さんが言ってたっていうのを知りませんでした。被りすぎィ!
 コーデリア・グレイは巻末の探偵名鑑(14巻)、アイリーン・アドラーはホームズフリーク殺人事件(12-13巻)で何となく響きが好きだなってなった物です。哀ちゃんの登場は18巻なのですが、そういえばちょっと羨んだのを思い出しました(赤っ恥)。
 なんとアドラーがホームズの愛した女性っていうのも覚えてなかったニワカっぷりです。
 pixiv版では『小暮』ですが何となく『木暮』に変えてます。

降谷さん
 降谷さんと諸伏さんが必死に手を回してくれたのはあるけれど、実際に目にしたあとの裏理事官がこいつは使えると考えて転生者をかなり優遇している。降谷さん個人の協力者で留める気が無いのもあって大盤振る舞い。今後に期待しているよ『木暮君』。2222は順繰りじゃなかった可能性……?
 降谷さんは薄々気づいてて少し警戒している。多少は表で潜入ちっく(少し覗いてくる程度。社員として潜り込むとかは専門の者ではないから力不足だと考えている)なことはさせる可能性があるけど、さすがに裏社会には行かせないと思ってる。……ハニトラとか絶対させないからな? 保護者頑張る。
 努力を重ね日々着実に成長している転生者への態度が多少和らいできている。『仕事上厳しく接するべき』というものから、同期の皆さんに接するのと似たような口調になってきているかも。二人称が『君』になった。彼女は彼にとってあくまで民間、一般人なのです。
 ちょっと疲れながらも、手のかかる協力者の様子を見に某セーフハウスに帰ってみたけど、いなかった。何をしている。
 発砲については頭が痛いけれど、七日については心配してくれています。
 無謀ではあったけれど萩原さんが救われたのも事実、とか苦々しく思ってる。
 発砲の処理については高速で済ませました。有能。
 おかげで新宿署には七時前に連絡が行った。

結城さん
 所属関係なく普通に怪しい奴だなとは思ってる。けどそれ以上におもしれーと思った。
 のちのち立場について理解し合う時が来るかもしれない。

雪原先生
 同じく怪しい奴だと思ったから彼のほうから連絡先を一応交換した。そのせいで、多少打ち解けた時期くらいから結構利用される羽目になる。
 多分よく怪我する&怪我人を運んでくる奴ということで、連絡先を交換しておいて良かったかもしれないと思われはする。見知らぬ人間だとしても、傷病者を放っておくことができない人。
 同じくのちのち立場について理解し合う時が来るかもしれない。
「君、タカをくくって怪我してくるわけじゃないだろうな?」
「まさか。世の中物騒ですから、最低でも怪我した五十倍は事件に向き合っておりますよ」
「……」
 納得できてしまう世界が怖いと思ったりしたかもしれない。
 彼も進んでワケ有を診てあげたりしないんですが、転生者には「メイちゃんのことを黙っててもらっている」と思ってる(本人にその意識はない。自ら進んでそうした)ためあまり「断りたくない」ようです。前述の性分もある。
 アンゼロとのクロスオーバーを決めたのはこのかたの存在も大きいです。
 並行して原作開始時のを浮かんだ分だけメモみたいに書いてたんですが、そこで『裏社会の医者』的なものを登場させようとしたら設定考えすぎてややこしいことになったという経緯があり、色々考えて好きだったサ終モノを持ってきました。

水色くん
 両者この件で大立ち回りをしたにしろ、転生者にはそう興味を持たずにメイちゃん一筋です。

メイちゃん
 ※画像は、事故前なのでもしかしたら表情(感情)ありかもというのと、事故当日の服はストーリー中と同じこれなのか不明です。
 ゲーム中に彼女の姿は出てこないので私は公式サイトでしか見たことがなかったりします。
 転生者とお友達になっていきます。海の家の後転生者は彼女にそう認識してもらえる。やったね。
 もし無理やり繋げられたら某組織と宗教っぽいこちらに何かしらの繋がりがあることにしてみたかったりなんたり……?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。