見てくれる人は…いるのだろうか?
再び戦場と化したアリーナ…
その中央に陣取るは例の
そして、周囲には何機ものISが取り囲んでいたが今となってはたったの三機のみ…
「セシリアちゃん、山田先生。まだ大丈夫かしら?」
一機は『IS学園の生徒最強』の称号を冠する『ロシア代表』の『更識 楯無』の愛機
「えぇ、多少のダメージはありますがまだまだいけますわ!」
もう一機はイギリスの『国家代表候補生』の『セシリア・オルコット』が操るBT兵器搭載機
「私も大丈夫ですが更識さんも無茶は禁物ですよ」
そして、最後の一機は『現IS学園一年一組副担任』で『元日本代表候補生』の『山田 麻耶』の使用している世界第三位のシェアを誇る、フランス『デュノア社』製の量産型第2世代型IS
しかし、この三機も全くダメージが無い訳ではなくある程度のダメージを受けていた。
そして、搭乗者たちも何度も繰り返されている攻防によって体力、精神ともに疲弊しており肩で息をしていた。
「---」
対する
「わかってますわ、山田先生。 さ~て、もう一度行きますよ!」
楯無の号令と共に再び三人は行動を開始した。
「行きますわよ!」
「撃ちますよ!」
セシリアはブルーティアーズのBT兵器を使い、多方向からレーザーを撃ち、山田教諭はライフルによる狙撃をするものの全てを
全て弾かれた二人に双刃を当てようと振りかぶると
「こんなにいいタイミング、逃がすわけないでしょう」
爆風による妨害に対して楯無の方に振り替えると楯無はあっけからんと言い放ち、ミストルティンを構えて突き出した。
しかし、
「小娘風情が・・・無駄な事を」
「無駄かどうかは・・・これを喰らってからにしなさい」
次の瞬間、ミストルティンから弾丸が発射され初めて
その弾丸の一部は頭部に被弾し、フェイスカバーのあちこちにヒビを入れた。
「・・・小癪な事を」
「あら、随分と可愛らしい声をしてるのね」
「!? 変声機能が!」
「さて、お顔をご拝見♪」
楯無の言葉に危険を察知した
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「ハァ・・・あの馬鹿が」
来賓室から様子を眺めていたベリアは苛々しく呟くとリベリオンを使い、ディスプレイを投影し、
「ヴィラニアス! 遊びすぎてこのザマとはどういう事だ!」
「陛下! 申し訳ありません! このヴィラニアス、少しばかり小娘達を軽視しておりました」
「御託はいい。それと、さっきの指示は取り消しだ」
「ハッ! このヴィラニアス、どんな処罰でも受ける覚悟でございます」
「そんなのはどうでもいい。ただ一つ・・・たった一つのシンプルな命令だ・・・」
そう言うとベリアは文字を打ち込み
「そこに書いてある通りだ・・・」
~ 三機全てを撃墜しろ ~
「その機体の
そうして、ベリアはヴィラニアスの返事を聞かずに回線を遮断した。
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「ふぅ・・・お姉さん、疲れちゃったわ」
「さて、操縦者の顔を見てみようかしら」
白煙が薄れていく中でそんな暢気な事を呟き、煙が霧散するのを待っていた。
そして、煙が晴れると視線の先に呆然と立っているだけの
「さて、侵入者さん。
ミストルティンを突きつける楯無とセシリアと真耶が二方向から何時でも撃てると言わんばかりに構えており、正に普通ならば
・・・『普通』、ならば
「フフ・・・フフフ・・・フフフフフフフ」
「何が可笑しいのかしら?」
「可笑しいも何も・・・これで
そう言うと
物静かなる『静』から・・・圧倒的な『動』へと
「!? 山田先生! セシリアちゃん!」
「わかってます!」
「わかってますわ!」
楯無の呼びかけに応じて二人はそれぞれの得物で
「キャァァッー!!」
「「楯無さん!」」
そして、二人の射撃を受けた楯無を投げ捨てると両腕の双刃を動揺する二人に全力で投擲した。
勿論、二人はそれを回避するが
「セシリアさん! 私が囮になりますからその間に!」
「了解しましたわ!」
山田先生が囮となり、セシリアが
そして、完全に意識が自分から外れたと思ったセシリアは空中で急停止し、スターライトMkⅢを展開し狙いを定めようとしたが・・・
「い・・・いない!?」
そこに
一向に動かずに双刃を操作していたことにより、セシリアは標的である
「くっ・・・いったい何処に行きましたの!」
周囲を見渡すセシリアだが
ーバキバキッ!ー
音は、セシリアの背後から聞こえた。
それに気づいたセシリアが後ろを振り向くと彼女は息を飲んだ。
何もない空間に入ったヒビ…そして、ヒビが割れた向こうに見える赤い空…全てが全て…常識を逸脱した景色だった。
「そんな・・・空が・・・割れて・・・」
突如として虚空に空いた赤い空に動揺を隠せないセシリアはその赤い空の向こうから迫る存在に気付けなかった。
そして・・・赤い空の向こうからの攻撃に反応も出きずにセシリアと彼女の駆るブルーティアーズは地に墜ち・・・戦えなくなった。
地に墜ちるその時に彼女がセンサー越しに捉えたのは赤い空からの襲撃者の正体である
「・・・あと二人」
「・・・」
「そう簡単にやらせません!」
最後の一撃を振り下ろさんとする
「はぁ……はぁ……」
爆煙の向こうの標的に絶えず警戒を続ける山田教諭に残っているのは手に持っている二丁の《ガルム》のみ……
これで決める…彼女がそう決意して引鉄を引こうとした時に…何かを感じ取った。
「…風が…吹いている…?」
普段、アリーナには防護シールドが常に展開されている事によって無風を保っているので中で風を感じるのは飛行の際や高速で地表に激突した時の風圧くらいしかない。
しかし、確かに今は風が山田教諭の頬を撫でている。
そして…その風が行く末は爆煙の中央…あの
-我は刻む…この足で-
-我は描く…この腕で-
-狂いに狂ったこの世界-
-更に更に狂わせよう-
-狂え狂え狂い咲け-
「うっ…ぎっ…か…体が!」
-狂った先に待つものは-
-今より更なる混沌か-
-それとも一つの救済か-
-それを知るのはまだ遠く-
-また等しく近いだろう-
「…狂い咲け…
宣言と共に双刃は妖しい紫の光を帯び始め、二が四に、四が八に、八が十六にまで増えていき山田教諭の周りを緩やかに通り過ぎていった。
「……(今なら……いけます!)」
武装が無く隙だらけにしか見えない敵を見て山田教諭はありったけの弾丸を撃ち込もうと構えた瞬間に背中を大きな衝撃が襲い、大きく前のめりなった。
そして…最初の衝撃から連続してまるで砲弾でもぶつかった様な衝撃が襲いかかった。
「あっ……がっ……」
そして、地に墜ちた山田教諭も戦闘不能になりアリーナで動く影は二つになった。
(…これはちとやり過ぎたかもしれんな)
目の前に浮かぶミステリアス・レイディの下に転がる多くの量産機を見ながら考えたものの気に留める事をやめた。
(軽くあの姉弟達をあしらって撤退の予定だったのだからな…我輩、悪くない。それに我輩の慢心で陛下がご立腹だから満足するような結果を見せねば…)
「行かせない…貴方にはなんとしても所属と目的を聞かせて貰うから…」
(満身創痍でそんな事を言えるとは…中々に肝が据わっておるな。でも、もう終わらてやろう)
「何か言ったらどうなn……ぐっ!?」
「ガタガタ五月蝿いぞ小娘。 私の目的はあの無人機の破壊のみ、お前達が攻撃しなければ目的完遂の時点で退いておったわ」
「ど……どうかしらね…」
「所属…
「超越…世代」
「後は自分で探すんだな…小娘」
そう言うと地面に叩きつけてミステリアス・レイディを機能停止に追いやりダークキラーは空を割り、赤い空間の中に消えていった。
しばらくして、何事も無いように元に戻った青空の下には…多くの量産機と二機の専用機が転がっていた。
そんなこんなで無人機襲撃戦終了でございます。
次回は原作1巻ラストから原作二巻への橋渡しをしようと思っております。
では、次回をお楽しみに!