「……」
暗い部屋の中、一人の女性は目の前の画面を見つめていた。
その画面に映るのはどうやって撮影したのか分からない水色の機体と黒い機体の戦い。
女はその戦いでの黒い機体だけを見つめていた。
「……この姿……やはり」
見つめる女の目は熱に浮かされた様に蕩け、いつしか手を下の方へと動かし始める。
しばしの間、衣擦れと艶めかしい声が続いていたが身体を大きくしならせるとまた静寂が部屋を包んだ。
「……べリアル様…」
息絶え絶えに何故か普通には知られてない男の名を口にした。
「あら、お楽しみ中だったかしら」
「!?……なんの用だ、スコール」
意識の外から掛けられた声に驚きこそしたものの声の主はよく知った人物の為、別段向きはしなかった。
「身体のメンテナンスと……夜のお誘いかしらね」
「前者は了解したが後者はお断りだ……お前の可愛い可愛い子猫のオータムと盛りあっていれば良いだろうが」
「彼女は可愛く鳴いてくれるけど……オータムったら、最近はあの子との特訓にお熱なのよ」
「あの子……あぁ、例のマドカとか言う
「そう。戦力増強になるしあの二人も戦う事が楽しいみたいだからいいのだけど、夜は寂しいのよ……だから、慰めて」
金色の髪を靡かせながら流れるように服の中へと手を入れつつ、耳元で甘くねだるスコールを意にも介さずに言葉を続けた。
「寂しいのならば一人で何とかしたらどうだ? それかオータムとマドカとやらを同時に食べればいいだろう? 私は忙しいんだ、邪魔はしないでもらおう」
「あら。連れないわね。」
「なんとでも言え。ところでスコール、私が前に言った事を覚えているか?」
「勿論。『時が来たら私は抜ける。その時にスコール達はどうする?』って言ってたことよね?」
「あぁ。そろそろ答えを聞こうと思ってな」
「私は勿論、貴方に付くわ。
先程とは変わって何処か遠い彼方を見つめるスコールを女は優しく撫でた。
「ならば、私と共にべリア様に忠誠を誓おう……あの方なら今の世界とは別の世界を造ってくれる」
「あら、断言しちゃうのね。あんな子にそこまで心酔するなんて……覚えでもあるのかしら?」
「前世からあの方の事を忘れた事は無いさ。あの方は私を救ってくれた……」
「随分とロマンチックな事を言うのね。意外だわ」
「……まぁいい。ほら、メンテナンスを始めるぞ」
「えぇ。お願いするわ、リア博士」
ー海上ー
「陛下…本当にお会いになるのですか?」
「あぁ。もしもこれの送り主が敵になるなら潰す…そうじゃなければその時はその時だ」
「しかし、スライよ。何者なんだろうな、その手紙の『R』って奴はよ」
「陛下だけではなく……私達の事も知っていた」
「うぅむ。おまけに陛下のサインまで知っている…」
「ギョポポポポ。案外、我々のファンかも知れんな」
「「「「これだから蛸は」」」」
「ギョポー! お前たち…事あるごとに蛸蛸タコタコと…ムキー!」