黒騎士、エルデの地の紀行 作:ゆでエビ
どうあがいても間に合わないのおもしろすぎる
次の目的地は地図を眺めて決めた。
祝福の導きは砦の先を示していたが、時間に追われている立場でもない。
祝福の導く通りにしか行動してはならないわけでもないのだから、もう少し気ままに旅をしてもよいだろう。
当面の目標は、やはり第三マリカ教会を見つけ出すことだ。
経験上、教会であれば道がつながっている場所にあるはず。それと、霧の教会の北にあるんだったか。
とはいえ、手がかりはあってないようなもの。まずは街道沿いに歩いてみることにした。
そういれば、メリナから金の指輪を託された。
トレントという馬の霊を呼べる指笛だそうだ。
どういう縁か、そのトレントが自ら私を選んだという。私を乗せることにも抵抗がない様子だった。
トレントがいかなる理由で私を気に入ったのか、まったく心当たりがない。
思わぬ形で、旅の連れがまた増えたものだ。
そういえばメリナだが、直接私の後についてくるわけではなかった。
彼女は私の触れた祝福を辿り、祝福から祝福へ渡ってこれるそうだ。
驚くべきことに、それは私もできるらしい。一度見つけた祝福ならば、転移ができるのだと。
あとで試してみようと思う。
砦に背を向ける形で街道を進むと、すぐに新たな祝福が見つかった。
流石に休息はしなかったが、触れておくほうがよいとメリナに聞いたので触っておいた。
その近くでは、小さな猿のような男が助けを求めてきた。
小さな木が助けを求めていたので、変身の魔法だとあたりをつけて衝撃を与えてやれば、無事真の姿を表した。
事情を聴くと同族にいやがらせを受けたらしい。そして海岸に洞窟がある、とも。
妙に衣類が高等なのが目についたが、これがいやがらせを受けた原因だろうか?
助けた礼にと、小さなキノコを両手いっぱいに渡された。
不要にも思えたが、購入した製法書の材料にキノコがあったことを思い出し、受け取った。
このキノコは燃えやすいスポンジのような性質があるらしい。役には立ちそうだ。
その後、橋の上で黒い甲冑の騎兵が襲い掛かってきた。
誰も彼も、私を見つけると問答無用で襲い掛かってくる。この境遇にもすっかり慣れてしまったな。
騎兵は強敵でこそあったものの、黄金の重戦士と比べればいくらか練度が劣っていた。
とはいえ楽勝ではなかった。戦士の中では、上澄みといえるだろう。私も聖杯の雫の力にも頼ってしまったしな。
そのまま街道歩いていると、巨人が鋼鉄の荷車を引いているのとすれ違った。
物珍しさから眺めていたのだが、護衛の兵が私を見つけると、案の定襲われた。
賊と間違われたのかとも思ったが、妙に好戦的。私の身ぐるみを剥がすのが目的だと気づき、遠慮なく蹴散らした。
湖が一望できる場所まで来ると、ちょうど祝福が見つかったのでそこで休息を取った。
もう本当に、この地の世界の荒れようは甚だしい。