キヴォトスに来たのが某レ◯レ◯プされる先生だった件について   作:パスタ〜マン

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こんちは〜、作者です。
いやぁ、先日は大変でしたね。その日あたりに投稿しようとしたらできなくて少し焦りました()
まぁ、その分内容を書き換えたりできたのでよしとしましょう。
あ、そうですそうです。御手洗くんのスペックをサラッと書いておきましょう。

"御手洗ノゾム(ミタライ ノゾム)"

年齢:17歳
身長:176cm
所属:連邦捜査部『シャーレ』
趣味:料理、武器の手入れ
嫌いなこと/人:裏切り、汚い大人、ベアトリーチェ
連邦捜査部シャーレに所属する男子生徒。みんなの頼れるお兄さん的存在。連邦生徒会に入るまでは普通の生徒だったが、シャーレに入る一年前に精力的に働くようになった。その姿から慕う生徒は数多にいるようだ………。
個人を大事にするが、それは決して贔屓をするためではなく彼の根幹にあるハッピーエンドを達成するために行っていること。誰とも付き合う気も縛られる気もなく、自由気ままに生きて全てが終わったら前提条件でキヴォトスを去ることすら計画しているようだが…………?
そんな彼は生徒から好意を向けられていることに気づいていないようだ…………。




第二話

「御手洗〜、この書類お願い〜」

 

 

「わかりました。あ、こっちの書類は終わりましたよ。サインをしておいてください。」

 

 

「ありがと〜。」

 

 

先生が来てから早数日は経過した。あの後は先生に部室の案内をして終了し、翌日から書類仕事をしていた。当番としてユウカ達も来てくれたので仕事は捗っている。

そんなこんなで今日は二人だけの日だ。やることは変わらず書類を裁き、休憩を挟みつつ日暮まで仕事を終わらせる。

 

 

「ん?この手紙は…………」

 

 

書類の束に一つ、手紙が紛れ込んでいた。その封筒に見覚えを感じつつ、封を解き中身を確認する。

 

 

「先生、これを。」

 

 

「手紙?わかった、読んでみるね。」

 

 

時系列的にはそろそろだと思っていたからな。一応武器弾薬の準備もできてるしアロナもいるし最悪の事態は避けられる。後は先生の判断で向かうか決めよう。

 

 

「………なるほど。アビドス廃校対策委員会、ね。」

 

 

ビンゴ。やっぱり対策委員会からか。ようやくスタート地点に来れたみたいだな。後は…………

 

 

「先生、どうせ向かうんだろ?」

 

 

「あはは、やっぱりわかっちゃう?」

 

 

「先生がどういう人間かは初日から嫌というほど思い知らされたんで、そりゃわかりますよ。」

 

 

と、あっさりとアビドス行きは決定した。その後、俺からアビドスの特徴と現状、持っていく装備品を説明して今日中に向かうことにした。

 

 

 

 

 

『次は〜アビドス自治区〜、アビドス自治区〜、お出口は右側です。』

 

 

無機質なアナウンス音を聞き、電車はアビドスに到着したことがわかる。

シャーレを出た後、すぐに電車へと乗り込み一日かけてアビドス自治区まで向かった。太陽はすっかりと顔を隠し、月が俺達を照らす。隣に立つ先生は少し眠そうに目をこする。

 

 

「先生、近くのビジネスホテルで休んでからアビドス高等学校に向かおう。こんな状況下での移動じゃ遭難して衰弱死が待ってる。」

 

 

「うーん、そうだn………って、相部屋とかだったりするの?」

 

 

心なしか上擦った声で俺を見上げる先生に俺は…………

 

 

「相部屋じゃなくて別で取ってありますよ。」

 

 

そう言った。だが、その後の先生はどこか不機嫌でそっぽを向いてしまった………なぜだ、女性と男性の相部屋はまずいでしょ………。

そんなこんなで、チェックインを済ませて夕食分を色々と買ってきて風呂に入ってゆっくりと夕食を楽しもうとしたが……………

 

 

「やっ、来ちゃった。」

 

 

「え、えぇ………?」

 

 

何してんだこの人………大人とは言え無防備が過ぎるんじゃ………?

 

 

「まぁまぁ、一緒にご飯食べようよ!"みんなで食べるご飯"って美味しいんでしょ?」

 

 

「………っ、え、えぇ、そうですね。今日も一緒に食べましょうか。」

 

 

無意識なのだろうか、それとも…………いや、過去の詮索はなるべく止そう。先生にとっても辛いことなのかもしれない。

 

「(それにしてもーーーーー)」

 

 

「ん〜っ!!コンビニとはおもへないね!」

 

 

「あ〜、ほら口に含みながら喋らないでください。お行儀が悪いですよ。」

 

 

どこか暗い影………ある程度は前世の関係で把握してるけど、心の中まではわかんないからなぁ。これ以上は予想になってしまう…………。

それに、わざわざ俺が余計な詮索をして今後の未来に影響を出したく無いが、いつかは知らなくてはならないことだし…………

 

険しい顔つきで買ってきたおにぎりを頬張っていると、ふいに先生から頬を突かれる。

 

 

「………なんですか、先生。そんなにつんつんしてもいいことはありませんよ。」

 

 

「ん〜?なんか怖い顔してたからどうしたのかなぁ〜って。」

 

 

「ははは、大丈夫ですよ。そんなに心配しないでください。」

 

 

「…………ほんとにぃ?」

 

 

「ほんとですよ。」

 

 

ちょっとジト目気味で見つめてくるが、ポーカーフェイスで躱す。そうしていると、唐突に立ち上がり俺の隣に座る……………はぇ?

 

 

「せ、先生?す、少し近くないですか…………?」

 

 

「え〜?そんなことないよ〜。」

 

 

「え、いやあの、その、や、柔らかいものが…………」

 

 

「ん〜?聞こえな〜い。」

 

 

「あっ、はい………そうですね………」

 

 

もう言うまでもない。初めて会った時からだけどなんか距離近くない????

うーん、近い。近いぞこれ。でもなぁ、離れたら離れたでめっちゃ悲しそうに見てくるから困ったものよ……………。

 

 

「一応明日から全力で歩くんでそこのところはお願いします…………」

 

 

「わかってるよ。けど、君がいるから私は安心してるよ。」

 

 

どこか魅惑的な笑みと沈んでしまいそうな瞳が俺を導こうとしている。

これ無自覚でやってるってマ?こんなん襲われちゃうよ…………まったく、これは注意しておかないと後々食べられる(意味深)やつだ。

 

 

「先生、そう言うことは信用してる人間でも言っちゃダメですよ?」

 

 

少し草臥れて、煙草の臭いが纏わりつくような笑みで俺は言う。ここは襟を締めていかないと厳しい世界だから、手の隙間から希望が落ちて絶望に染まってしまう世界だから、罪なき無辜な人々が悲しむ、そんな世界だから………ここで今一度思い出さないと俺達すら飲みこんでしまう。

それは嫌だ。俺ならともかく、先生やリンちゃん達を巻き込むのは絶対に避けたい。

 

 

「…………信用してるからやってるんだけどなぁ。」

 

 

俺は気に留めておくべきことでもないだろう、と思いそれを聞き流す。その後、先生を部屋へ送り届け部屋の鍵を閉めた。

ーーーーーーさて、と。

 

 

「誰かいるんだろう?さっさと出てこい。」

 

 

俺と先生がアビドスに来た時から………いや、それ以前から視線と気配を感じた。どこの誰かはわからないが、ある程度気配は察知できていたからな。つけ回していることなんてお見通しだったよ。

 

 

「ーーーーーうふふっ、まさかバレていたとは思いませんでした。やはり、貴方様は本当に素晴らしい御仁ですわぁ…………」

 

 

「………何でいるんだ。狐坂ワカモ。」

 

 

とまぁ、こんなことを言っているが内心はとても慌てていた。

いや、うん。なんで君いんの?ワカモとの戦闘なんて考慮してなかったんだが?まぁ、それでも負けるつもりは一切ないけどね。

 

 

「質問に答えろ。さもなくばここで拘束する。」

 

 

「いえいえ、私は貴方様と争う為に来たわけではありません。」

 

 

「…………かなり怪しいが、まぁいいだろう。それで、何の用だ?」

 

 

依然として、信用が置けるという訳ではない。ワカモを見据えながらホルスターに手をかける。やっぱりワカモがなぜここに来たのかは分かりかねるが、争うよりマシだと思いたい……………

 

 

「えぇ、言ってしまえば貴方様の事を守る為に来た………それだけです。」

 

 

「…………は?」

 

 

うん、何故だ。何故俺なんだ?あの時か?あの時に邂逅してしまったのが原因なのか…………。

けど、少し怪しい………様子見という事で側に置いておくべきか?

 

 

「貴方様からすれば、私は非常に怪しく危うい存在だと思います。ですが、私が貴方様や他の者に手を出す心配はしないでくださいませ。」

 

 

「………いや、君のことを信用しよう。しばらくの間手伝ってくれないか?」

 

 

「………っ、はいっ!!貴方様の為であればこのワカモ、全てを賭して見せましょう!!!!」

 

 

この子は盲目的で直線型過ぎるけど、その分その忠誠は信用に足りる。護衛が増えた分、素直に喜ぼう。

あ、でも流石に大っぴらにして動かすわけにもいかないなぁ。

 

 

「とりあえず、ありがとう。ワカモ。しばらくは、影から守ってくれ。」

 

 

「はいっ!お任せください!!必ずや貴方様に仇なすならず者を滅してみせます!!!!」

 

 

ちゅ、忠誠心たけぇ………こりゃ先生も手に余るわけだわ…………。

いやでも、これで先生を守る人が増えたんだ。後悔はしちゃダメでしょ。

 

 

「………これからよろしくね。」

 

 

「ふぇっ?あ、いやその、貴方様その、あ、ありがとうござひゅ……………」

 

 

自分を律し、目の前にいる特大級の狐爆弾の頭を撫でながら今後の計画を立てる。こんな別嬪さんも銃剣片手に戦闘を繰り広げるんだから末恐ろしいもんだねぇ。

 

ともあれ、初日からおかしなことが起きているけど私は元気です…………で、時間は進み翌日。

 

 

 

 

 

「先生、よく眠れましたか?」

 

 

「んーっ………うん、よく眠れたよ。」

 

 

「なら良かったです。これからかなり歩くんでお気をつけて。」

 

 

「わかってるよ。いざとなれば御手洗がいるからね」

 

 

「俺はそこまで有能じゃありませんよ…………」

 

 

「ふふっ、どうだろうね。」

 

 

朝っぱらから軽口を叩き、地面を焼くような日照りに曝されながらも目的地へと歩を進める。自治区の半分以上は砂に飲み込まれ、それでも果敢に学校を愛し守ろうと奮闘する彼女らには脱帽するよほんとに…………。

 

 

「…………にしても、どうしてアビドスはこんなことになったんだろうね。」

 

 

少し歩くと、周りの風景を見ながら先生はそう言った。まぁ、説明してもいいだろうと雑談がてら口を開く。

 

 

「昔のアビドス自治区はかなり力があったんですよ?けど、自然災害で自治区の半分は砂に埋もれ当時の生徒会は必死に改善しようとしましたが絶望的な状況で闇金に頼らざるを得ないほど困窮していたみたいです。」

 

 

「連邦生徒会は?助けなかったの?」

 

 

「さぁ。俺は当時の議事録等を詳しくは知らないのでそこまでは知らないです……………あぁ、でもやばいところから金を借りたらしいですよ。」

 

 

「やばいところ?」

 

 

「はい、カイザーグループってところが運営してるカイザーローンっていう銀行です。違法スレスレで連邦生徒会も手を焼いてましてね……………そういえば土地関係もこいつらが手を出してましたね。」

 

 

「…………そういう大人もいるんだね。」

 

 

「はははっ。みんながみんな、先生のような人であれば争いなんて起きませんよ。」

 

 

自嘲するような笑い声が漏れた。俺はわかっていながら助けられなかった。単純に能力が不足し時間も足りず、先生の到来を待つしかなかったと言い訳を口にする。

……………今でも、俺は思うんだ。もっと自分に能力があって全てを賭けられるような度胸があれば、と。そうすれば隙間からこぼれ落ちてしまう希望を助けられたかもしれない。

結果論ということはわかっている。けど、それでもやっぱり俺は考えてしまう。でも、今はーーーーーーー

 

 

「御手洗〜、この道どっちに曲がるんだっけ?」

 

 

ちょっと抜けてて愛らしい尊敬すべき先生に全てを託してみよう…………あと、地図が上下逆なんで目的地がとんでもないところになってますよ。

 

 

 

 

 

 

 

「(結局、遭難するのか…………)」

 

 

それから数日、俺達は見事に遭難していた。おかしいな、事前準備の段階から細心の注意を払ったのにどうしてこんなことに…………?

先程からずっと先生の足取りがおぼつかない上に、今にも倒れそうだったから背中に背負いながら歩いているけどやっぱり暑いな。

 

現状、ずっと続いているような一本道を歩いている。あとはここから数km歩いていけば着くんだけどやっぱり辛いな…………いや、待てあのシルエットはーーーーーー

 

 

「あの、大丈夫?」

 

 

「俺は大丈夫だけど、背負ってる人はもう限界でね。ダウンしちゃった。」

 

 

「ん、今日はすごく暑いから仕方ない。」

 

 

「確かに、暑いねぇ。ちなみに、アビドスの生徒さんかい?」

 

 

「ん、そうだよ。私は砂狼シロコ。よろしくね…………それで、貴方達は連邦生徒会の人?」

 

 

「あぁ、連邦生徒会の連邦捜査部"シャーレ"の部員、"御手洗 ノゾム"とシャーレ顧問の先生だよ。よろしくね。」

 

 

目の前の銀狼に目を向けた。その瞳の中にあるオッドアイはゲーム画面で見るよりも美しく、引き込まれるような感覚に陥る。

ようやく、始まるのか。だが、今は先生を連れてアビドスの臨時本校に向かわないとまずい。いつ熱中症でぶっ倒れるかわからんし脱水症状も心配だからな……………。

 

 

「そっか。貴方達がアヤネが言ってた人達なんだね。」

 

 

「うん、これからよろしくね。早速で悪いけど、ちょっと乗せていってくれないかな?」

 

 

「うーん、ロードバイクに三人も乗せられないし、これはここに停めて…………ん、アビドス高校はこっちだよ。」

 

 

「道案内もしてくれてありがとう。」

 

 

「ううん、先輩に人には親切にしてねって言われてるから…………」

 

 

「はははっ、いい先輩だな。」

 

 

「さっ、アビドスに行こう。すぐそこだから。」

 

 

シロコがいて助かったよマジで…………キヴォトス人と言えど俺はかなり弱い部類だから死んでた可能性もあるし。何はともあれ、疲れて眠っている先生を背負いながらアビドス高等学校へ向かう。

途中途中で雑談を挟みながらようやくお目当ての建物ーーーーーアビドス高等学校臨時本校が見えた。

 

 

 

 

 

 

「ただいま。」

 

 

「あっ。おかえり、シロコせんぱ……い………?」

 

 

「あら?そのお二人は…………」

 

 

「あの、お客さん……でしょうか?」

 

 

「うん、シャーレの顧問とその部員の人だよ。」

 

 

「それって………!!」

 

 

「良かったですね、アヤネちゃん!あの手紙が受理されたみたいです!!」

 

 

よしよし、流石に俺がいるから拉致られたと見られなかったな。この後はホシノを連れてきて、それでーーーーー

 

 

「………んぅ?あれ、御手洗?」

 

 

「あっ、先生。起きたんですね。」

 

 

さっきまでふらついて、背負ってから数分もせずに爆睡を決め込んだ先生だったがようやく起きたようだ。

眠そうに目を擦りながら辺りを見回す。すると、ここがどこか気付いたようでーーーーー

 

 

「……って、えぇっ!?もうアビドスに着いたの!?」

 

 

「まぁ、今し方に着きましたよ。」

 

 

「うっそ、もしかしてずっと背負っててくれたの……………?」

 

 

「先生を置いていける訳ないじゃないですか…………」

 

 

あんなところに女性を一人置いていける訳ないですよ…………死んじゃったら元も子もないです。それに、先生ってば成人女性にしては異常なまでに軽いから逆に怖いんだよね。

 

 

「あはは………何から何までごめん。」

 

 

「気にしないでください。とりあえず、アビドスの生徒さん達と話をつけましょう。」

 

 

「ととっ、そうだね。それじゃあ、改めまして私は連邦捜査部シャーレの顧問、先生だよ。よろしくね。」

 

 

途中で遭難しかけたが、とりあえずはアビドスまで来れた。俺たちが話していた間に、セリカはホシノを呼びに行き俺と先生は身なりを整えておいた…………いや、整えなくても良かったな。

 

 

"ダダダダダダダッ!!!!"

 

 

「じゅ、銃声!?」

 

 

「………手紙に書いてあった地元の暴力組織か。」

 

 

窓の外を覗くと、十数人ほどの不良達が校庭へと侵入している。その手には銃火器が握られており手当たり次第に乱射していた。まぁ、こうなることは予想していたからね。

 

 

「先生、弾薬を呼び出してくれ。」

 

 

「よ、呼び出す!?そ、そんな非現実的なk「はい、どーぞ。」……えぇ!?」

 

 

俺と先生を除いた他三人は目を見開いて驚いている。けれども、降ってきた僥倖を手繰り寄せない道理はない。驚きつつも、弾薬、医薬品を取りすぐに準備を始める。

 

 

「みんな!ホシノ先輩を連れてきたわよ!!ほら、先輩!寝ぼけてないで起きて!!」

 

 

「むにゃむにゃ、まだ起きる時間じゃないよ〜…………ふーん。ヘルメット団の子達、ね。」

 

 

「はい、すぐに迎撃の準備をお願いします!そして、今回弾薬等の支援をしてくださったシャーレのお二人です。」

 

 

「そっか、シャーレに…………まっ、おちおちお昼寝もできないね〜。とっとと終わらせよっか。」

 

 

小鳥遊ホシノ…………キヴォトス最高の神秘を持つ少女だったか。そのお手並み、拝見させてもらおう。

 

 

「俺も前線に出よう。先生、戦術指揮を頼めますか?」

 

 

「言われなくてもわかってるよ、対策委員会の子達にも情報の伝達をさせておくね。」

 

 

「ん、先生と御手洗先輩のお陰で補給はできた。さっさと潰そう。」

 

 

「はい〜。みんなで出撃です〜⭐︎」

 

 

「先生、こちらでサポートをお願いします。」

 

 

僅か三分足らずで準備を完了させ、出撃の準備は整った。あとはぶっ潰すだけだ。

 

 

 

 

 

 

最初の火蓋は誰が切ったのか。

カタカタヘルメット団の不良達は校内に侵入し、占領をしようとしたがーーーーー

 

 

「……へっ?うわっ!?」

 

 

突如として手榴弾が降ってきた。それ自体は驚きつつも後ろへ回避し、被害を抑えた。他のメンバーの元にも降っていたらしいが、同じようにまたは別の方法で爆風から逃れていた。

 

 

「………なっ!?今度はスモークだと!?あいつら一体どこからーーーー!!」

 

 

「くそッ!前が見えない!!全員、誤射に注意しろ!!」

 

 

手榴弾の歓迎から一変し、今度はスモークが辺りを包む。前方の視界は取れず、左右の視界も危うくなっている。

 

 

「………チッ、全員敵からの攻撃にty……ガハッ!?」

 

 

スモークの中から統率を取っていた人物が撃ち抜かれた。一瞬で昏倒し、各員に混乱が走る。

 

 

"タタタタタタタタッ!"

 

 

"ダダダダダダダダッ!"

 

 

「クッソ!応戦しろ、応戦!!」

 

 

「相手はどこから撃ってるんだ!?」

 

 

「敵が見えない!!どうなってんだ!?」

 

 

各個に応戦しているが、乱れ撃ちで威嚇としか言いようのない戦闘だった。相手は正確に撃ち抜き、こちらの弾に当たった感触はない。高を括って相手の実力を見誤った彼女達に、勝ち筋はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、熱線映像装置って便利だな〜」

 

 

アビドス校舎の屋上で愛銃片手に装置を覗く御手洗はかなり呑気に、だが確実に"処理"している。これもまたクラフトチェンバーから作った品で現代戦車等が装備する最新の熱線映像装置を小型化した物だった。

 

 

『すごい、先生の指揮でこんなに戦いやすくなるなんて…………』

 

 

『はい〜、いつもより戦いやすいですね。』

 

 

『うへぇ〜、これおじさんがいなくても先生とシロコちゃん達で戦えてたんじゃないの〜?』

 

 

無線からは思い思いの感想が漏れる。実際先生の指揮は軍隊式の訓練を受けたことがある人物なら舌を巻くほど正確で、状況に応じて柔軟に対応できる。シッテムの箱もそうだが、素の先生のスペックが高く統率のない不良程度なら一瞬で蹴散らせる。

こんな指揮で負ける方が恥と言えるほど、優秀な指揮官だった。

 

 

「でも、御手洗先輩の狙撃も正確。」

 

 

「ははは、教えてもらう機会があったからね。」

 

 

そう謙遜するが、御手洗自体の腕前も一流と評すべきところだ。スモーク越しからの一方的な狙撃で敵の瓦解に一役買っている。裏方で火力支援をし、的確に脅威を排除するその様は部隊において一番重要でその分こなすべきことも多い、いわゆるエリートだ。

 

ともあれ、御手洗のスタンスは生徒による自主自立。自分は手を貸しているに過ぎないと考えていた。ある意味で中心に最も近く、最も遠い………そのことに気づいていなかったが、それに気づくのは先のことである。

 

 

 

 

 

 

『ヘルメット団残党、撤退しています!』

 

 

「…………上出来だ。」

 

 

無線からの歓声を聞きつつ、自身の腕を評価する。率直なことを言うと、俺自身、接近戦となればキヴォトスの最高戦力達と渡り合うのは厳しい。

 

はぁ、もっと強くなりたいよ。そうしなきゃ色彩はおろか生徒にすら負けてしまう…………百合は嫌いじゃないけど不合意な上、拗らせまくったシチュなんて倫理観が許しちゃあくれないんだよなぁ。

 

 

『"御手洗、聞こえてる?"』

 

 

あれ?なぜわざわざ秘匿無線から………まぁ、いいや。とりあえず出てみよっと。

 

 

「はいはい、こちら御手洗です。何の異常もありませんよ。」

 

 

『"よかった。怪我とかはしてない?"』

 

 

「えぇ、問題はありませんが…………どうかしましたか?」

 

 

『"ん〜。色々と心配になったから、かな?ほら、早く戻ってきて。これから話し合いをするみたいだよ"』

 

 

「了解です。こちらも色々と情報を出してみましょう。」

 

 

さて、と。まぁ、今回のとこれから起こるほぼ全ての事象はカイザーとその裏にいる黒服関連だからね。連邦生徒会の権限でいくらでも後出しはできるんだよ。とっとと黒服達をここに引き摺り下ろしてやろう。相手が薄汚い大人ならその誠意に応えて俺も同じ手を使う………平等だろ?

 

ふと、空を見上げたらまだまだ陽は昇っている。




あ、多分今後はアンケートとかも使う可能性があるのでご了承ください。
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