キヴォトスに来たのが某レ◯レ◯プされる先生だった件について 作:パスタ〜マン
いやぁ、急展開すぎましたかね()
トリニティ編まで大急ぎで行こうと思いながら書いてたらこんなことになってしまいました()
ちなみに、私はどちらかと言えば曇らせが好きですが嫌いでもあります(矛盾の塊)
まぁ、愉悦が好きな一個人として特大の爆弾を何個も仕込んでおきましょう(暗黒微笑)
私はね、覚悟決めて歩いている生徒や先生の脳を破壊するのが大好きなんですよ(外道)
ヘルメット団を蹴散らしたが、それでも敵の本隊を潰せていない以上何度でも攻撃してくる。じゃあ、どうするべきか?
キヴォトス流のオモテナシと言うやつさ!
「うわーっ!?こいつらすぐに攻めてきやがったぞ!?!??」
「あぁ、素敵だぁ……あなたはいつも私に新たな出会いをくれる。」
「一人壊れやがっt…………おわーっ!?人の話は最後まで聞け!!教わらなかったのか!?指導だ、指導!!」
「道義を知らないあんた達に言われたくないわよ!!」
うわ、ご友人にぶっ殺されて某第二隊長に再教育センター送りになる人がいるじゃんと思いつつ目の前の歌劇に笑みを浮かべる。そして、ヘルメット団の叫びに対しツッコミ返したセリカに御尤もと一同頷く。いやまぁ、実際不良でイメージ良くないし………本来なら連邦生徒会の管轄で対処する案件なんだけどね。主にピンクのカスとその取巻きが邪魔だからやろうとしてもできない…………あいつらの余罪、全て洗い出して豚箱にぶち込んでやる。
「ふぃ〜、なんとか追い出せたね〜」
「ん、これでしばらくは攻撃してこない、かな。」
「えぇ、そうだといいですね。」
屋外へと逃げ出す不良達をみながら、今後のことを組み立てる…………後ろの視線に気づかないふりをしながら。
「……………」
やっぱ、セリカよねぇ。そら疑い深くもなるわな。俺たちは素性が不明な上に今まで手を差し伸べなかった大人だし。
『御手洗、帰ったら会議があるみたいだからそこのところよろしくね。』
「あー、はい。わかりました。あと、この後暇ですか?」
「おっ、それはデートのお誘いかなぁ〜?おじさんも聞かせてよ〜」
「ん、私も興味がある。」
「ふふふっ、青春ですね⭐︎」
聞き耳を立てていたアビドス勢に聞かれてしまったが………まぁ、不純なものでもないし教えても大丈夫かな。
「あ〜、何。書類片付けて食事に行こうかな〜と。」
「いいね〜、それ。私達も連れて行ってよ。」
まぁ、親睦も深めたいこちらとしてはいい提案だしとりあえず先生に伝えよう。
「……だ、そうだ。先生、みんなも連れて行っていい?」
『…………わかったよ。じゃあ、準備をして待ってるね。』
少しの間を挟み、先生はそう言った。よし、んじゃあ俺たちもさっさと帰ろうと準備をしていたが、セリカだけはどうやら用事で抜けるようだ…………まぁ、柴関ラーメンのバイトだろうけど。
独白
「………わかった。じゃあ、準備して待ってるね。」
そう答えて、通信を切る。対策委員会の部室では私が一人、パイプ椅子にもたれ掛かっていた。アヤネは諸用で席を外し、完全に一人になっていた。
でもーーーーーー
「私は二人だけで行きたかったけどね。やっぱり魅力が足りないのかな……………」
自身の双丘を持ち上げながら一人ぼやく。身長は小さいけど、胸はそこそこある方だし顔もキヴォトス人に負けないくらい良いと思うんだけどなぁ。
栄養は不足しがちだったけど、どこに出しても負けない良いスタイルだと自負している。でもあの子は気づいていないのか、はたまた分かった上でそうしているのかわからないけどね……………
「やっぱり、御手洗ってクソボケじゃん。この前も私に"生徒との距離を〜"だとか"勘違いしちゃうような言動は〜"とか言ってたのに自分はするんだ……………」
ーーーーーーッ!!いけないいけない、古傷がちょっとだけ疼いちゃうよ。
自身の手首にある包帯の下から顔を覗かせる忌々しい跡を一瞥し、再度思考に潜る…………でもさぁ、重いしめんどくさい女みたいだけど御手洗だって悪くない?
思わせ振りな言動を控えろだなんて言う割には私にご飯作ったりお世話したり話を聞いたりしてくれて、それでいていっっっっっつも笑顔を振り撒いてるじゃん。えなに?この前だって"こんな顔見せるのは先生の前だけです"とか言ったり疲れた私を労って頭撫でてくれたじゃん。あれ嘘だったの?いや、いやいやいやいやいやいや、それは酷いよ。人としてダメだよ?そんな事しちゃうんだったらさ、それ相応の責任を取らないとダメじゃん。
「先生、戻りました。皆さんもそろそろ戻ってくると思うので準備をしましょう。」
「あ、うん。そうだね。じゃあ、行こっか?」
アヤネが戻ってきちゃった…………まぁ、彼を問い詰める時間はいくらでもあるし仕方ないけど今回は譲ってあげるよ。
ニコニコと笑いながらアヤネに返答しつつ、これからの事を考える。御手洗は気付いてるんだ、多分、ヘルメット団がアビドスを襲撃するのはもっと深い理由があるってことに…………裏にいる組織がある?じゃあ、なんでここを狙う?
でもそれ以前に狙ってくるとしたらーーーーーー
「…………カイザーか。」
「あの、先生。どうかされましたか?」
「あ、ごめんごめん。なんでもないよ。」
十中八九、黒に近いグレーだけど確実にカイザーが裏で糸を引いてる。でも、目的は何?こんな広大な砂漠で何をしようとしている?
「………あれ?この手紙なんだろ」
懐を除くと丁寧な封がされた白と黒の模様が入った封筒があった。受け取った覚えも入れた覚えもないのにどうしてここに…………。
若干の違和感を感じつつ、私は御手洗が言っていたお店まで向かう。
「それで謎の手紙を受け取った、と。」
目の前でラーメンを頬張る女性に目を向けつつ俺も箸を伸ばす。多分その送り主は黒服だろうなぁ…………彼方さんもたったの数日で自分達のことを朧げながらでも把握し出したんだから歓喜するわな。
いやぁ、俺も驚いてる。ほんとにカイザーが関係あるかもと匂わせただけでその関係を察知してるんだからね……………これもう超人じゃんね⭐︎
「でも、何があっても御手洗が守ってくれるでしょ?」
「そりゃ守りますよ。死なれたりしたら困ります。」
「……………私も君が死んだら困るんだけどね」
「先生、御手洗先輩、何の話をしてるんですか?」
先ほどまでセリカのことを揶揄っていたノノミが話に入ってくる。そのタイミングで俺は先生が何を言っていたか聞き逃してしまったが、まぁ大丈夫やろ。
…………けど、黒服ねぇ。このタイミングで会うとセリカ救出に影響がありそうだけど、大丈夫かな。日程指定なされてないなら今夜行ってみることを提案するか。
「………先生、今夜は暇ですか?」
「………!うん、暇だよ。」
「よかった…………じゃあ、その時にまた会いましょう。」
さぁ、こっからは大人のステージだ。舞台裏を覗いてやろう。
「うへぇ〜、なになに〜?御手洗君と先生だけでお話し合いかな〜?おじさんも混ぜてよ〜。」
未だ警戒の色が薄れないホシノも会話に混ざろうとする。後ろをチラリと覗くと、セリカはまだぷりぷり怒っている………まぁ、そりゃね。
けど、ホシノ含めてこれは俺と先生の問題だから連れて行くことはできないんだ……………。
「ごめんね、ホシノ。これは私の問題だから気にしないでね」
「あぁ、わざわざ生徒を巻き込むような案件でもない。気にせず借金のことに集中すればいいさ。」
「………ふ〜ん」
どこか探るような目をしているが、これ以上知られると非常にめんどくさい事になる…………子供を巻き込むなら、大人が責任を背負っていればいいからな。仮に、ホシノ達が逸脱してしまうと俺も先生も守りきれない。
「…………まっ、いいや。あ、もしかして先生達の奢りかな〜?」
「うぇっ!?わ、私今月金欠なんだよな〜」
そりゃ貴女が特撮モノのフィギュアに全額ぶち込んだからでしょうが、と声を大にして言いそうになったが口を紡ぐ。先生にも威厳があるわけで…………まぁ、その分もやし生活なんだけども。仕方ない、俺が払ってしまおう。
「先生は諸々の事情で今金欠なんだ。ここは俺の奢りだから好きなだけ食べていいからな。」
先生が目を見開いてこちらを向くがそんなもん知らん。先生のメンツを壊さなかっただけ有難いと思ってくださいよ?
「ありがとう、御手洗先輩。」
「うふふ、もし困ったら私のカードを使ってお会計を済ませるので安心してくださいね⭐︎」
「あ、ありがとうございます、御手洗先輩。何から何まで手伝っていただきなんとお礼をすれば…………」
「あぁ、いいのいいの。俺の独断でやってるから気にしないで。」
「あ、あんた、お財布とか大丈夫なの………?」
一部始終を聞いていたセリカはこちらを心配している。根は優しく、仲間思いな彼女だからこそ警戒していても相手を慮る心があるのだろう。
「これでもポケットマネーがかなりあるからな。生徒数人と先生分の奢りなんてどうって事ないぞ。」
「せ、先輩って、すごいのね…………」
そう、一応貯金自体はかなり有るのだ。それも、先生を養える程度には。まぁ、先生を養ったらそれはそれで問題だけど。あと裏で色々と手を回してた頃に集めた金も含めるとアビドスの借金も払えなくはない。まぁ、彼女達はそれを拒むだろうから最終手段として取っておくけど。
「……………」
談笑を続ける俺は気付かなかった。後ろのオッドアイは俺達を貫くほど鋭かった事に。
「…………ここ、みたいですね。」
「そうだね、行こう。ここに、黒幕がいる。」
夜も深く、あたりの電灯も徐々に落ち始めた頃、俺と先生は手紙に記されたビルの前にいた。
相手が選びそうな小綺麗なビルだな、と率直に思った。相手…………"黒服"はゲーム内だと研究者気質のおかしな奴だったが、少なくとも先生に敵意は向けていない。なんなら、敵意を向けていたベアトリーチェを咎める程にはこちらへの好意はある。それの根源がなんであれ、今の俺達は黒服へと話をつけに行った。
そして、ある部屋の前に立ち扉へと手をかける。
「…………先生、心の準備はいいですか?」
「もちろん。さぁ、黒幕さんに会いに行こう。」
扉を開けると、外と同じように薄暗く相手の存在を如実に示しているような空間だった。
目を凝らし見回すと、応接室のようにソファーと机その奥にクリアファイル等を仕舞う戸棚やデスクが置いてあった。そして、デスクチェアは後ろを向いていた……………やっぱりいるのか、黒服。
俺と先生が"そいつ"に気付くと、椅子が回転しこちらを向く。それと同時に電気が点いた。
「クックックッ、お待ちしておりました。先生…………そして、イレギュラーさん」
「私はゲマトリアという組織に所属しています。名前は………"黒服"、とお呼び下さい。私もこの名前を気に入っておりますので………」
「さて、早速で申し訳ないのですが本題へと移りましょう………先生、貴女は私とカイザーの関係を疑いここへ来た。えぇ、その推理眼には感服しました。先生と言えどもかなりの時間を要すると思っていましたが、まさか御手洗さんからの情報だけでカイザーの存在とそれと繋がる私の存在に気付くとは思いませんでした。」
「そして…………御手洗ノゾムさん。貴方は我々からしても貴方からしてもイレギュラー、そうでしょう?」
「あぁ、何も勘違いしないで下さい。私は貴方の実情を流布するつもりなぞ微塵もございません。ただただ、興味深いのです。キヴォトスにおいて逸脱した概念の"守護天使"………言うなれば、貴方の主人とは生徒の皆様ではなく、もっと別な存在なのではと我々は仮定しました。ですが、貴方は逸脱しているように見えて正道を歩き、正道を歩いているように見えて逸脱している…………我々も計りかねるほど奇妙な存在です。」
「私としても契約によって様々な調査をしたかったのですが……………それを見る限り不可能ですね。ですが、私個人としては貴方の行く末を非常に楽しみにしております。これ程までの僥倖にはそれ相応の対価が必要でしょう。」
「えぇ、先程も言いましたが先生の推察通りカイザーと我々には関係があります。そして、我々が操っている、と思っているのでしょう。ですが、半分正解で半分不正解の方が正しいです。私はカイザーを利用していますが、完全な統制下に置いているわけではありません。」
「故に、今の私にできることはカイザーとの関係を切りここから去ることしかできません…………が、それではあまりにも不釣り合いです。この契約書にサインして頂ければあなた方、ひいてはアビドス全体への利になるものをご用意させて頂きました。しかし、これにサインするかは御手洗ノゾムさん、貴方の意思です。」
開幕早々、そんなことを言われ時折質問を挟みつつも最後にはこの契約書を渡された……………なるほど、俺の身体検査を対価にアビドスの借金を半分肩代わりする、か。
ふむ、黒服が出してくるモノの中では良い部類なのか?だとすればこりゃーーーーー
「………わかった、うk「ちょっと待って。」……せ、先生?」
「まずまず、相手はよくわからない組織にいる存在なんだよ?いくらでも御手洗のことを殺せるかもしれないのにノコノコと行かせられる訳ないよ。」
「クックックッ、私のことを信用ならないのはわかります………が、私のポリシーは契約の忠実な履行です。その点に於いてはご安心を」
「黒服も言う通り、あっちは契約自体は守るし逸脱した行為はしない。それに、条件を追加して動きを縛れたりする、そうだろ?」
「ご名答。確かに、御手洗さんが望むのであればいくらでも条件を追加しても構いません。それによって私の行動がある程度縛られても問題はないでしょう。簡単な身体検査をする程度であれば誤差の範疇です。」
「だってさ、先生。相手の腹の中は読み切れないけど、一応は信用しても良いと思う。」
それに、ベアトリーチェを殺す可能性もあるから迷惑もかけちゃうしある程度の譲歩はしなきゃね…………。
「それでも私は先生だよ?生徒を得体の知れない存在に預けられる訳がないよ。」
「だったら、先生監督の元でやる………それで良いんじゃないか?」
「で、でも「あと先生、最近食生活とか乱れてるし人間ドック行った方がいいんじゃない?」………ギクっ!」
図星と言わんばかりに動きは止まり、真剣な大人の雰囲気は霧散した。いや、この前給料が出てなかったのに"フィギュアがーーーーっ!!!"とか叫んで食費に手を出して極貧食生活送ってるの知らない訳ないでしょ……………。
もうこの際ついでだ。巻き込んで健康診断してもらおう。
「黒服、ついでに健康診断とかできる?」
「えぇ、一応設備はありますね。先生を受け入れる準備を整えておきましょう。」
「助かる…………ほら、先生。健康診断行くよ。」
「い、いやだぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!!」
はいはい、黙って検査しようか。栄養の偏りはダメだからね、大人だからそこら辺もしっかりしておこうよ。
「一つ、よろしいですか?」
検査を終え、ひと足先に先程の部屋で結果を待っていると黒服はそう言ってきた。その顔は何処となく不思議そうで奇怪なものを見るような目だった。
「何か問題でもあったのか?」
「いえ、そう言うことではなくなぜ私を信用したのか少し気になっただけです。」
「あぁ、そう言うことか……………まぁ、端的に言ってしまえばなんの面白みもない勘とかそんなモノの類だよ」
「………ふむ、そう言うことにしておきましょう。」
「そうしてくれると助かる。」
「それと、もう一つ。先生の診断結果ですが、普通の成人女性と比べあらゆる面での栄養が足りないとの結果が出ました」
………最悪の読みが当たっちまったか?いや、とりあえずは黒服から話を聞かないとダメだな。
にしても栄養不足、ね。育児放棄やらしない限りそうそうなるもんじゃないだろ…………
「…………続けてくれ。」
「はい、詳しいことはある程度機材を大きくしない限りわかりませんが、幼少期から栄養の偏りがなければ先生の体はあのような形はなりません。従って、過去に栄養の偏りが継続的にあったと見るべきかと。」
「そうか…………」
漠然的にだが、先生の過去が見えてきている…………やはり児童虐待か?それともネグレクトの可能性もある。どちらにしろ、その関係で酷い栄養失調が続いていた、と。
これは専門医に任せるべき案件だ………ズブの素人が足を突っ込める訳がない。
「それともう一点。肉体の所々に所謂リストカットや虐待痕がありました。幸いにして、日常生活に支障をきたすことはないと見ていいでしょう。」
……………スゥー、マジかよ。やっぱり児童虐待かよ。どうしようこれ。あ、いや待て。黒服に色々と栄養剤を手配して貰えばいいのでは?
「黒服、頼みg「何してるのかな?」………あ、ぁ、せ、先生………!!」
う、迂闊だった………先生が真後ろに立っている。けど、いつも見たいな笑みを浮かべているのに何処か恐ろしく、深淵の様な表情だ。
本当にいつもの先生かと疑ってしまうほどの恐怖が俺を支配している。おかしいな、これでも俺キヴォトス人やぞーーーー?
「御手洗、私言ったよね?得体の知れない存在は信用しちゃダメって。でもなんでまた取引しようとしてるの?しかも私の知らないところで何してるの?私のことは信用ならないの?だったら、先生がっかりだなぁ〜。信頼している大切な生徒に裏切られたと思って自傷s「わ、わかった!!俺が悪かったから落ち着いてくれ先生!!」………それでいいんだよ、それで。」
…………これは決して、鼻先まで近づいていた先生に恐れ慄いたから行った訳じゃない、そう決して目の色がなくなった先生が怖くて言った訳じゃない。
せ、先生、ハイライトオフなんてことできるのか…………にしても重い、重くない?
「それで、先生に内緒で何してたの?」
「あの、えっと、せ、先生の診断結果を聞いてました……………」
「ーーーーーーふーん。うら若き乙女の秘密を知ったんだ?」
「いや、あの、ほんとにすいませんでした………」
実際先生の秘密を知ってしまった訳だし何も言えない。あと、先生がハイライトオフで近づいて来るの怖い………無茶なこと言われなければ良いんだけどね。
「…………はぁ、いつかは言おうと思ってたけどまさかこんなに早く来るとは思わなかったよ。多分、御手洗のご想像通り一時期の私はかなり精神的に参ってたよ?今では多少は落ち着いたけどね。」
「…………原因はやっぱり、その、虐待なんですか?」
「ご明察。親に虐待されて傷物にされる前に警察が踏み込んでくれてね。今でも私はこうして居るんだよ。」
「そ、そんな過去が…………」
「いやぁ、あの時は終わったって思ってたよ。けどまぁ、ネグレクト虐待のオンパレードだったクソ親から逃げられて結果的には万々歳だよ。」
そう言ってヘラヘラと笑っているけど、何処となく寂しそうで哀しそうで孤独に苛まれて居る様な感じがしていた。
そうして俺はーーーーーーー。
「よく、頑張りましたね。」
いつの間にか頭を撫でていた。黒服も察してか先ほどから席を外し、この空間には俺と先生だけしかいない。
どんな人間であれ、愛に飢える。人は孤独の中で生きていくのは難しい。だからこそ、他者に頼り助け愛を育まんとする。友愛、親愛、盲愛…………形がどうであれ人は愛を欲して与える。それこそが人間の形だと思う。
先生も結局は人間で、超人やら何やらと持て囃されても愛に飢えている。だからこそ、俺がそれを埋めればいい…………そうすれば、せめて先生の孤独を埋められるから。
「ぇ、あ、そ、その………ど、どうしてそんなことをしてくれるの………?」
「先生が頑張っているからです。これから辛いことが起きるのに頑張って前に向かって歩いているからです。」
「わ、私なんか、何もできない弱っちい先生だよ…………?」
「弱いけど、生徒のために命を張れるじゃないですか。充分素敵でかっこいい理想的な人間ですよ。」
「け、けど、私なんか……………」
あとひと押しでどうにかなりそうだな…………心の傷を埋めるには少し短いけど、まだまだ未来がある。その未来で、傷を埋めきれればいい。
……………まぁ、生徒の邪魔がなければの話だけど。
「俺は、そんな先生のことが大好きです。ご自身のことをそんなに卑下しないで下さい。大丈夫、俺や生徒達がいます。もう、無理はしなくて良いんですよ。」
「ぁ、あ、ほ、ほんとう?本当に私を愛してくれるの…………?」
「えぇ。絶対に、です。」
「あは、あははははは、嬉しいなぁ……………ちょっとこのままでいいかな、ちょっとだけねる、か……も………」
…………眠ったかな?うん、寝てる。黒服まだ居るかなぁ。
「………そろそろと思い戻ってきましたが、どうやらちょうど良かった様ですね。」
「あ〜、ナイスタイミング〜。それで、だ。さっきの話の続きをしても良いか?」
「えぇ、勿論ですとも。おそらく、医薬品や栄養剤を集めて欲しい、と言うことでしょう?」
「察しが良くて助かる。それで、あったりする?」
「現状はありませんが、数日もすれば届くと思います。それまでは如何なさいますか?」
そこは黒服、察しがいい上に準備もいい。だからこそ、色々と助かることも多いし頼っていくことになるんだろうなぁ……………。
「それと、もしお泊まりになるのでしたら上階を使って下さい。居住区の様なものなのである程度は揃っています。」
「………え?マジ?何から何まで有難いけどこんなの契約に無かったはずじゃ………?」
「…………口から砂糖を吐き出してしまうような劇を見させてもらいましたから。」
「……アッ」
わかった何も言うな。全てを察した。それとほんとにすまん黒服………この埋め合わせは必ずしよう。
そうして、すりすりと胸板に頭を擦り付けている先生を撫でながら、黒服に謝罪の念を送っていたのであったーーーーーーー。
薄暗い部屋の中で、一つの音が響く。その部屋には数人の女生徒がいるが顔は見えない。そうして、デスクに座っている少女がアンティークの受話器をとり、電話に出ている。
「ーーーーーはい、こちら便利屋68……陸八魔です。」
陸八魔と名乗った少女は先方と話をつけているようだ。口角は上がり、気品に溢れる座り方をしながらお嬢様のように話をしている。その周りには、応接用の机や椅子が置いてあり残りの少女達が自身の愛銃の手入れをする。一人は少しばかり険しい表情をしながら陸八魔を見据え、一人はオドオドと忙しなく目を動かし、もう一人は面白いものを見ている様な目を向ける。
そうこうしていると、話をつけ終えた陸八魔は彼女にとっての仲間…………社員へと内容を伝える。
「カイザーからの依頼よ。アビドスっていう学校を攻め落として欲しいそうだわ。」
「くっふふふ〜、面白そうだねぇアルちゃん。」
「ムツキ、一応社長と呼びなさい。」
「それで、社長。いつ行くの?」
「えぇ、カイザーからはどんな手段を使っても構わないと言う話だったけど、万全を期して傭兵を使って攻めるわ。」
「…………それ、資金足りるの?ただでさえここの家賃でお金は飛んでるのに。」
「問題ないわ。前払い金で一応は足りる計算よ。」
少女達ーーーー便利屋68は依頼を受ければ全てをこなし、受けた依頼は必ず達成するアウトロー集団である。
如何なる犠牲を払ってでも依頼を完遂するかっこいいアウトロー集団………と社長の陸八魔アルは思っているが、実際はポンコツ社長が思い描く夢物語だ。しかし、それでも付き従う者達はいる。
幼馴染の浅黄ムツキ、鬼方カヨコ、伊草ハルカ………面白いと思いつつも信頼し、アルが持つカリスマ性に心を打たれその後に続くアウトロー集団は、御手洗達にどの様な運命を齎すのか?
だが、無事を祈らずには居られない。彼らの道筋が災難に続かぬことを今は祈ろう。
多分今後はこんな感じでちょっとしたストーリーを挟みつつやるのでご了承を〜。