キヴォトスに来たのが某レ◯レ◯プされる先生だった件について   作:パスタ〜マン

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ども〜、作者です。
皆様、今年の夏は暑いですね。動いてないのに暑くて干からびてしまいそうです(トラウマプッシュ)
それはさておき、今年のブルアカハーフアニバーサリーを楽しんでいますでしょうか?
私も僭越ながら楽しんでいます。それにしてもアロナちゃんはかなり優しくしてくれて今の私は涙を流しまくりです。
あ、一部で独自の考えというか素人の考えがありますが読み飛ばしたり読者の皆様の脳内で保管しても結構です。私もしっかりとした考証を得られたわけでも考察班の人間でもないエンジョイ勢ですから所々可笑しな考証ですが、生暖かく見守って下さい。
それでは、また次の機会で。


第五話

「(………いやはや、狙撃があると想定しておけばよかったな)」

 

 

軋む身体に嫌気が差しつつも、思考を巡らせる。十中八九、カイザーの手先だろうが実力行使に出てくるのが早すぎる。

青白くなっていく顔部をひしひしと感じ、我ながら呑気なことを考えているな…………。

 

 

「御手洗、大丈夫。私が、私が絶対守るから。だから…………」

 

 

「あぁ、もうっ!先輩!?あとちょっとで病院なのに死んだら許さないからね!!」

 

 

………あ、頭に響くな、これ。

いや、ちょっと血が流れただけだからそんなに大声を出さないでくれ………頭が痛くなる………。

 

 

「………ぁ、ご、ごめんね、ぅ、うるさい、よね……そうだよね、ごめんね……」

 

 

「ちょっとぉ!?先生そんなにしっとりしないで!!」

 

 

あぁ、セリカがツッコミ役に………にしてもなぜ先生はそんなに重たくなっているんだ?

それに、先生の瞳から色が失われて…………あー!いけませんお客様!あー、居なくなられては困ります!

と、ふざけ散らかしているとようやく病院が見えてきた。

ある程度止血したとはいえ、やっぱり素人の処置。玄人の処置に比べれば数段見劣りしてしまうモノ。

足早に病院内へと歩を進めると、見知った人物を見た。

 

 

「ーーーーー!」

 

 

「ーーーーー」

 

 

アイコンタクトで全てを悟ったような表情をする彼女………ワカモには悪いことをしたな、と一抹の後悔が支配する。

後で話をつける事は確定しているが………やはり今は、血を流して注目を集めてしまっているこの現状をどうにかしよう。

 

 

 

 

 

 

 

「………キミねぇ、危ないよ?こんな事は。」

 

 

「は、はぃ………」

 

 

諸々の処置を終え、今は医師と共に座って居た。医師の手は壁に映し出される俺のX線検査画像に向けられている。

そして、右の肋骨(第10肋骨)にちょっと傷が付いていた。

…………やっべ、無茶しすぎたか。

 

 

「あのねぇ、キミ。神秘の量がかなり少ないんでしょ?それに比例して肉体強度も他の人とは違うって分かってる?」

 

 

「………はい」

 

 

「いや、マジで危険だよ?」

 

 

俺の体はヘイロー持ちではあるが…………欠陥がある。

それは、純正なキヴォトスの生徒に比べ圧倒的に神秘の量が少ない事だ。俺の体が下級の神だったのか、それとも神に成り損なったナニカなのかもわからない。だが、一つ言えるのは肉体の強度が圧倒的に低い。外にいる普通の人間と同程度………つまり、普通の人間レベルの強度だ。

………本来なら俺は前線に出るべきではない、がそれでも対策ができるのは俺か連邦生徒会長、先生くらいしかいなかった。だからこそ、ちょくちょく外部との関わりを持ちたかったんだけどねぇ。

思いの外、リンちゃんやらアオイに頼られたりそもそもの仕事が増えてでそんなに関わりを持てなかった。

 

 

「……あのぅ、もしかしてドクターストップ、とかあります?」

 

 

「あるに決まってるでしょう。しばらくは安静。けど、この位なら薬を処方して家の物陰で亀になってね。」

 

 

「何故そこで亀を………?」

 

 

「ん〜、まぁ………お気に入り、だからかな。」

 

 

「は、はぁ。」

 

 

………どこかの総長に影響でもされてんのか?

いや、好きなんだけどさ俺も。いや、それよりもとっととこの傷治さないとな………。

 

 

「あ、ちなみにお薬の方は………?」

 

 

「キミの先生に渡したよ。ほら、行った行った………あぁ、あと色々と気をつけてね?」

 

 

憐憫の視線が俺を貫く………はて、一体何のことだ?

うーん…………用心に越した事はない、か。

 

身に当たることがなかったため、俺にはその言葉の真意がわからない。

あ、そうだったそうだった。先生達を待たせてるんだ。行かなくちゃな。

 

 

 

 

 

カツ、カツ、カツ、カツ……………

 

静かな廊下に音が響く。目眩やら何やらの後遺症?なものもなく、一人で歩ける程度には回復していた。が、それでも激しい運動…………銃撃戦も含め、それらは禁止されている。

仕方のないことだがデスクワークオンリーの生活になるのか、と少しの不安が募る。

 

そうして、エントランスまで戻ってくるとソファーに座る一人の女性を見つけた。

 

 

「………ねぇ、お医者様から聞いたよ。御手洗って、体は強くないんでしょ?」

 

 

俺が戻ってくると同時に近づいてきた女性………先生は俯いたままそう言った。

心なしか言葉は震え、恐怖と後悔の色が強い。

まぁ、先生が言う事は事実だ…………だからこその心配から来ているのだろう。

 

 

「えぇ、まぁ。確かにキヴォトスの生徒の中では一番体は弱いですね。特に、銃弾あたりはめっぽう弱いです。その分、回復力はかなり強いですが。」

 

 

「つまり、さ。私と同じで当たりどころが悪かったり適切な処置ができなきゃ死んじゃうんだよ?」

 

 

「………?えぇ、そうですね。」

 

 

まぁ、当たり前のことなんですけどね…………ある程度の医療知識とか治療技術は持ち合わせてるんで即座に戦闘不能になったりはしませんけど。

 

 

「わかってるの?死んじゃうんだよ?」

 

 

「………あ、あはは、え、えぇ、それは重々理解しています。」

 

 

「……今はそれで許すよ。けど、今後もそんな無茶が続くようなら覚悟してね?」

 

 

「ッ!?………は、はい。」

 

 

な、なんだ?一瞬、先生の雰囲気が変わったのか…………?

最後の方は目が合ってたけど、何も写していない。言うなれば、深海のような光が届かないドン底みたいな瞳だったぞ…………

 

 

「……ふふっ、さーて。とりあえず対策委員会のみんなに謝りに行こっか?」

 

 

「……わ、わかり、ました。」

 

 

恐怖、それしか言えない。あの瞳はダメだ………うまく言えないが、人の狂気が極限まで達したとしか言いようのない瞳なんだ。

戦闘以外で肝が冷えたのなんていつぶりだろうか?リンちゃん達にガチギレされた時と似たような感じだ…………。

 

 

「じゃあ、行こっか?御手洗。」

 

 

「うぇ!?ちょ、先生なんで腕を組んで………」

 

 

「ん?何か問題があるの?」

 

 

……い、いや、あの……ゴ、ゴリ押しで通そうとしないでください………!?

まだ先生ガチ勢筆頭のメンバーが関わってないからいいんですけど、こんなところ写真に収められたら俺達死んじゃいますって!!

 

 

『あーっ!!!!先生ずるいです!!契約は守れって教わらなかったんですか!?指導です!指導!』

 

 

そしてなんで連邦生徒会長は当たり前のように声が聞こえてるんですかねぇ!?

しかも何で第七隊長(スウィンバーン)の………いやそれよりもマジで何で聞こえてんだ?

こっちから交信とかできるのかな…………。

 

 

「(おーい、アロカスぅ〜。聞こえてるか〜?)」

 

 

『はぁ?私はカスじゃありませぇん。出直してくださいこのクソボケ男!』

 

 

「(聞こえてんじゃねぇか………て言うか先生と話してたら耳鳴りが時々あったのってお前のせいかよ。こちとら病院に行く予約もしちまったじゃねぇかよオイ。)」

 

 

『そんなの知りませぇぇぇぇん!…………まったくぅ、この私がずっと話しかけてたのに無視するなんて………御手洗君ってほんとヘタレですよね。』

 

 

「(ヘタレもクソもねぇんだよなぁ。)」

 

 

何の因果か、アロナになってた生徒会長様を見つけた。

とりあえずシッテムの箱に入ったらオマエコロス。

…………まぁ、今は旧友との再会です。この様な些事に目を向けるのはいいでしょう。

 

 

「………?アロナ、どうしちゃったんだろう。」

 

隣にいた先生がそう呟いた。

おそらく、先生にもアロナの声は聞こえている。一方的すぎてよく分かってはいないようだが……………

 

 

「…………へぇ〜〜〜、ほ〜〜〜ん?」

 

 

………あきらかに俺の方を見ているし、あからさまに不機嫌になってきている。

これ多分アロカスになんか吹き込まれたな?

よしあの超人一度しばく。何が何でもしばいてやる。

 

 

「御手洗って…………あぁ、でも君はそう言う人だったね」

 

 

「……は、はい?」

 

 

ま、全くもってわからないが、一人納得してくれたからいい、のか?

いやでも火種にならないのなら俺としては歓迎だ。

 

 

「…………やっぱり誑し込んでるんだぁ」

 

 

…………?なんて言ったんだ今。

まぁ、今は対策委員会のみんなにどう説明するかを考えなくては…………

 

 

「先生、とりあえず今は言い訳を考えておきましょう。叱られるのは確定してるんで…………」

 

 

「うぇ……やっぱり私も怒られちゃう?」

 

 

「いやぁ、俺の責任でもあるんで俺の方が叱られるかと…………」

 

 

「あ、あはは…………辛いね。」

 

 

今回は俺の無茶と油断が齎した結果だしなぁ…………仕方ない。甘んじて怒られよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………はぁ、何やってるんでしょうね。御手洗君って。」

 

 

「うーん………でも生徒のために身体を使ってるのは確かだと思うよ?」

 

 

崩れた教室の中で私達は話をしている。内容は勿論、あのクソボケ男こと御手洗についてだ。

彼は私が赴任するまで何人かの生徒を誑かしていたらしい。尤も、彼の言動や行動を見ていれば分かることだけど。

 

 

「………で、積もる話ばかりだけどなんで私を呼び出したのに失踪しちゃったの?」

 

 

「あ、あはは………いえ、そのぉ、色々と不運が重なったと言いますか何と言いますか………追々話していきます、はい。」

 

 

目の前の彼女………アロナはバツが悪そうに笑った。

この子にも問題があってそれを解決するために私を呼んだのは間違い無いんだろうけど…………。

いかんせん、私たちの問題がはっきりしていない以上、動こうにも動けない。

 

 

「あ、私の問題はキヴォトスでこれから起こる多数の悲劇………それの解決だけですよ?」

 

 

「ナチュラルに思考読むんだね君………」

 

 

「ま、まぁ、読心術は嗜んでいたので。」

 

 

普通、嗜むものかなかそれって…………ともかく、私の仕事はこのキヴォトスに於ける問題の解決なんだね。よく分かったよ。

 

 

「………では、私も先生と御手洗君のために力をお貸しします。本来の物語よりも歪み、捻れていますが最高のエンディングは必ず掴み取れるでしょう。」

 

 

「…うん、わかった。私もアロナに手を貸すよ。御手洗や他のみんなのためにも、ね。」

 

 

私は、生徒のためにこの身を使うよ。でも、一つだけ報酬は貰っていくよ?

みんなには渡さない。

 

 

「へぇ、先生も御手洗君が欲しいんですね?」

 

 

蒼は黒に沈み、写す瞳に光は無い。澱んで薄汚れた忌々しい瞳だ。

けど、こんな顔を見せてるアロナも欲しいんだね。

 

 

「うん、そうだよ。でも、アロナは私に協力してくれるんでしょ?なら山分けと行こうよ。」

 

 

「………非常に不服ですが、致し方ありません。けど、この事は他の生徒さんには言わないでくださいね?」

 

 

「あっはは、何を言ってるの?言うわけないじゃん。彼は私達のモノだから、ね。」

 

 

自分でも驚いてしまうほどに甘ったるく、どろりとした声が出た。けれども、それもこれも私やアロナを変えてしまった御手洗………君が悪いんだよ?

ずっと、ずーっと、愛を知らなかった私に優しくして敬愛してくれてるのに惚れない訳ないじゃん。忌々しい虐待も辛い過去も忘れられる愛を無自覚に振り撒いてるんだから仕方ないよね。

 

 

「うっわぁ………先生も強欲ですね……まぁ、私も喜んで協力しちゃいますけど。」

 

 

「ふふふ………私もアロナも似たモノ同士だから、ね。」

 

 

いやぁ、楽しみだなぁ。アナタがどんな顔で私のモノになってくれるかが楽しみだなぁ…………。

 

 

「……あ、そろそろあっちのお説教も終わったみたい。」

 

 

「もうお時間でしたか………では、この話の続きはまた今度に」

 

 

アロナがそう口にすると、私の意識も徐々に闇に沈む。

便利なところだね、ここって。時間の流れも出入りも選ばれれば自由に使えるし、身体をここに取り込めたり、データとして意識も保存できるからある意味でチートだよねほんと…………。

ふへ、ふへへ、ここでイチャラブできちゃうんだ…………あぁ、楽しみだなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーだからぁ!!御手洗先輩はあぁ言うことしないでくださいよ!?」

 

 

「……は、はぃぃぃ」

 

 

今現在、俺は相当ご立腹なセリカと話を聞いた対策委員会の面々からお叱りを受けていた。

先生も一緒に叱られていたが、俺の方が怒られていた。なぜだ?

 

 

「ん、先輩がまさかそんなことするなんて思ってなかった。確かに先生も危なかったけど手繰り寄せたりすればよかったのに………」

 

 

「……はぃ、確かにそうでした」

 

 

やろうと思えば弾丸が到達する前に先生を手繰り寄せるくらいはできた。けれど、それよりも先に体が盾として動いていたんだか仕方がない。

 

 

「……で、何が仕方ないのかな?」

 

 

部屋の気温が下がった。比喩でもなんでもなくただただ冷気が溢れた。首が錆びついた機械の如く、ゆっくりと後ろを振り向く。

 

 

「ん〜?どういうことかなぁ?」

 

 

前門の先生、後門のホルスじゃないか………どうしろと言うんだ!?

あれ、なんで先生とホシノさんそんなしっとりしてるの?

しかも思考読み取られたかも………チッ、アロカスめ。

 

 

「………さぁ?俺には何もわかりませんねぇ。」

 

 

「ん……ホシノ先輩、セリカ、先生。御手洗先輩も反省してるみたいだよ?これ以上やめるべき。」

 

 

「………まぁ、私は後ででも言えるし一旦は引くよ。」

 

 

先生は大人しく引いたが、その目には不満とナニカが詰め込まれていた。見ているだけで沈む…………やっぱり苦手な目なのかもしれない。

 

 

「………うへぇ〜、私も言いたいことがあるんだけど〜?」

 

 

「ホシノ先輩、御手洗先輩も色々とあったんだよ。許してあげて?」

 

 

「私もシロコちゃんと同じです⭐︎

それに、先輩はさっきまで黙っていたのにどうしたんですか?」

 

 

「ん〜?おじさんも思うところがあったからかなぁ〜。色々と挟もうと思ったけど、セリカちゃんが捲し立ててたからねぇ〜」

 

 

いつも通りのふにゃふにゃな笑顔で俺たちに語り掛けるホシノだが、その顔の下は鋭い眼差しが俺を貫いている。

…………やっぱりユメ先輩なのか?対策委員会三章は見れなかったし詳しくは解りかねるが、うごあつがとんでもなく鋭いブラックジョークなのは把握している。

 

 

「まっ、私からはまた今度言っておこっかなぁ。けど、みんなを心配させちゃったんだから何か奢ったら〜?」

 

 

「………わかった。とりあえず、柴関あたりでいいか?」

 

 

「さんせ〜い」

 

 

「はい〜⭐︎私もそれでいいですよ〜」

 

 

「ん、私も。」

 

 

「ま、まぁ、先輩だって病み上がりだし………それでいいわよ!」

 

 

「え、えっと、ではお言葉に甘えさせてもらいます…………」

 

 

うまく纏まった、か。それでも先生は少しの不服を覗かせている。だが、それは俺にしかわからないほど小さく巧妙なモノだ。

 

 

「思考盗聴もしてきやがるとはな……………」

 

 

おそらく、特定の神秘への干渉か?

ある種の波形を出す神秘はシッテムの箱が吸収することができ、それを介して脳内に直接戦況を映し出す。これがこの遺物の原理だ、と推測している。だが、結局は推測。凡人には解りかねる。しかし、この仮説が正しいと今回の思考盗聴にも筋は通るはず。

先述の通り、神秘は波形を出している。その中には俺たちの脳と密接に関係していて思考の一部が染み込んでいる。そこを文章化すると朧げながら見えてしまう。

 

 

『あちゃ〜、御手洗くんにはバレちゃいましたかぁ。』

 

 

「(……………え、何マジなの?)」

 

 

『そうですよーっだ。にしても、分析力はほんとにずば抜けてますね………女の子が絡むと何もわからなくなりますけど』

 

 

「(先生がそれを使えるのは………お前が関係しているのか?)」

 

 

『あっははっ!いえいえ、流石の私も全部の権能をあげたわけじゃないですよ?勝手に使えてたので私も困ってるんです〜。』

 

 

「(……………は?)」

 

 

まるで、ムフ〜とでも言いたげなその声を引っ叩かなかった俺を褒めて欲しい。

アロナ、お前には何度もやられたなぁ?

人の金でスイーツを食い、お前と同じトンデモナイ量の仕事をぶん投げ、挙げ句の果てには彼女ヅラしやがったよなぁ?

そして、お前の実力を一番理解していたのは俺だったんだぞ?その癖して先生に権能の一部を奪取されただぁ?

 

 

『……あり?御手洗くん、どうしt「だまりなさい」………あっ』

 

 

「(そもそもお前、休日に俺の部屋でグータラして部屋を汚して周り腹が減れば飯をねだった挙句、俺にダル絡みしてきたよな?お前のおかげでこちとら色々と仕事が増えたんだが?)」

 

 

『い、いやぁ、御手洗くんのお部屋で過ごすのが落ち着きますので…………』

 

 

「(そのおかげで俺の書類が増えるわお前は俺にトンデモナイ量の仕事を渡すわで辛かったんだが?)」

 

 

あの頃は本当に辛かった。あの生徒会長様(笑)は仕事は完璧にこなし、超人を見せつけていたのに私生活はなぜかズボラで一時期は俺が飯から部屋の掃除、着替えまでをやっていたなぁ。

その時、こいつは何を狂ったか部屋を売り払い俺の部屋に転がり込んできやがったよコンチクショー。

 

 

『ひゃっ、ひゃぁぁぁぁぁ〜〜〜っ!!!ご、ごめんなさい〜!』

 

 

……………まぁ、だらしないところもあるけどその分優秀で頼れる女性ではあったな。

人一倍責任感が強くて、抱え込んで、嘘をついて疲れちゃってたけど。それについてはもう言わないさ……………けど、お前マジで俺の部屋に転がり込んだ時のこと忘れねぇからな?

 

 

『…………ふへ、やっぱりあなたは私のだぁいすきな人です。御手洗くん。』

 

 

最後に脳にそう響いた。いつもの事だ、と一蹴した……………が、悪い気はしなかった。

 

 

 

—————————

 

 

「ははは………まーた、ここにくるとは思わなかった。」

 

 

柴関のテーブル席でそう言う彼は、苦笑を漏らす。しかし、それが全くの本心と言うわけではなくその心のうちは他者愛に満ちていると思う。

私が敬愛している生徒会長…………ユメ先輩もそうだったが、先生と御手洗くんは基本的にお人好しで自分のことを鑑みない。

 

最初に……最初に彼らが撃たれた、と聞い時私の心は影で塗り潰された。

ユメ先輩を失ったあの時も、私は自分を恨み過去を悔やんだ。唯一の救いは先生の無事だろうか?

私のせいでまた他人を殺す………口にするだけでも恐ろしい事実は私に微笑みかけている。

誰も救えなかった出来損ないはチャンスを与えない。私は………クズだ。先輩を救わず、アビドスを救えず、今度は無関係の先生達を危険に晒した。

みっともない………みっともない醜態をいつまでも晒す出来損ないだよ。

 

 

だから、さ———

 

 

 

「ぷっ、あっはははっ!確かに面白いな。なっ?ホシノ。」

 

 

 

そんな顔を向けないで。

 

 

 

 

 

 

「何だこれ、ンマいなァ………」

 

小声でどっかのシャボン玉を使う系の主人公のセリフを漏らす。その先にはやはり柴関のラーメン。

体に悪いのは重々承知で箸を運び、シロコ達と雑談を話しながら時間は過ぎた。

すると、入り口から一人の少女が顔を覗かせる。

 

 

「あ……あのう」

 

 

「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

 

 

………しまった。彼女達が来るってことはあの人も来るじゃん。

持ち込んでいたサングラスを掛け何事もないように振る舞う。視線の先にはセリカと便利屋68の平社員こと"伊草ハルカ"がいた。

 

柴関ラーメンで食事を摂ることを決めた彼女ら………便利屋68はいつも通りの金欠っぷりだ。

また高い事務所を構えてお高い傭兵連中を雇ったことだろう。前準備をしっかりとするのは評価するが、流石に食費を極限まで削るのはどうかと思うぞ。

案の定、一つのラーメンを四頭分しようとした所、不憫に思った柴大将とセリカの機転で大盛りのラーメンを通常価格で販売してもらったらしい。

助け合えるその姿は、やはり美しいと感じた。

…………その中に混じる大人びた女性、"鬼方カヨコ"が俺を凝視してるのには目を背けて。

 

 

「———、———。」

 

 

口パクで、俺に何かを伝えたカヨコ先輩はすぐに目線を便利屋へと向ける。

 

———"あとで会おう"か。俺なんかに未練はないと思っていたが、どうやら違ったらしい。

もう何年も前の話か………カヨコ先輩と出会ったのは。あの頃は色々とあった……本当に、いろいろと。

 

そう言えば、と気になり先生の方に顔を———

 

 

「……ッ!?」

 

 

向けた。だが、いつもの優しい笑みはなくただ無感情に俺のことをじっと見つめている。何も映っていないし何も感じ取れない………ある筈のない虚無が俺を睨みつけていた。

 

 

「………ふふふっ、◼️◼️◼️◼️」

 

 

笑みと共に漏れた言葉を俺は拾えなかった。いや、拾わなかった。俺の脳は今の先生を拒絶した………それだけはわかる。

 

 

「あ、あの、先生———?」

 

 

埒が開かない、と判断し愚直に先生へと声を掛ける。

 

 

「ん〜?なぁに?」

 

 

すると、いつものように優しい笑みを浮かべながら俺に微笑みかける。俺達がみているいつもの先生だ。

じゃあ、さっきのは一体———?

一抹の不安と困惑が喉を通り、俺の体へと広がる。しかし、見間違えだろうと割り切り俺の頭はその事実を片隅に追いやった。




以下、どうでもいいこと。

先生よかったねぇ、幸せだねぇ。
イチャラブも出来そうだねぇ。



まぁそう簡単にさせるわけねぇけどさ。俺はね、目先の事から目を離した隙にとんでもないラッキーパンチを喰らうシーンが好きなんだよ。
勝ったと思ったその時、敗者は誰か分かるようにぶっ殺すと思ったその時行動が終わっているように、余裕綽々で勝てると思ったら絶望に叩き落とされるのが好きなんだよ。
今は笑えばいいさ。俺はそれを咎めない。けど、楽園の名の下に彼は"ソレ"を使うよ?楽しみだね、アナタがどんな顔で打ちひしがれるか、どんな顔になって死んでいくか楽しみだッ!!
アロナァ、お前には何度もやられたなぁ?俺ん中にも大勢いるぜ……お前にやられた残り滓が。
先に地獄で泣いてろ。すぐに彼女も送ってやるからよ。

けどよかったね、君たちが溺愛してるあの子はたとえ自分が死んでもプランを用意して彼なりに足掻くみたいだよ。やったね、かっこいい姿見放題だね(暗黒微笑)
安心しなよ、最悪彼にも最後のプランがあるしその準備も入りかけている……最高のエンディングは守られちゃうね!!!!

彼は自分の燃え殻にすら火をつけちゃうし意志を完遂しちゃうからね。その点で言えば先生達を上回っているのかな?
そのうち"黒い鳥"は何をするんだろうね?
彼の放つ光は……何色なんだろう?

赤?青?それとも———白?

だったら、面白いね。破滅の光が絶望に希望を照らすんだから。
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