超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第10話 クラブチーム

「ここにおるんか。日本一強い小学生が」

 

全国小学生麻雀大会大阪大会団体戦の決勝戦が始まろうとしていた頃、大阪に二つあるクラブチームの内、ヴァグラピードに所属している江口セーラが会場に到着した。元々ヴァグラピードに入ろうとしていた除ヶ口と江口は少し交流があり、石連寺小に園城寺怜がいることも把握していたため、この大会に怜が出て来るだろうという推測をしていた。

 

「決勝まで勝ち進んでるっちゅうことは園城寺怜以外にも強い打ち手がおったのか……園城寺が育て上げたかやな」

「先鋒は……清水谷竜華?園城寺じゃないんかい!?強い打ち手が先鋒やらん理由ないやろ!?」

 

観戦を始めると江口は怜が先鋒じゃないことに驚き、江口を会場まで連れて来たプロの愛宕雅枝は、決勝まで勝ち進んでいる石連寺小を見て怜以外に強い小学生が出て来たことを把握する。決勝戦まで勝ち進んでいるだけあって、先鋒戦の卓は竜華以外の面子も強い上、それなりに名前が通っている打ち手ばかりだった。しかしながら今までの試合で、対戦相手を飛ばして来た竜華は、この決勝戦で大阪の麻雀関係者にその名を刻んだ。

 

「リーチ一発ツモドラ2、一気通貫。6000オール」

 

開始早々、跳満をツモ上がりした竜華は、1本場で対面に3倍満を直撃させ、一気に点棒を削り切り飛ばした。僅か2局で試合が終わり、石連寺小がトップに躍り出ると、次鋒の知恵が序盤に上がった満貫分のリードをひたすら守り切って1位をキープ。2連勝で優勝に王手をかけた。

 

「このまま勝ってしまいそうやな……園城寺が出えへんなら来た意味ないでっていて」

「ちゃんと見いや。清水谷竜華。あれ、あんたらよりも強いで。今打っている双子も、危険牌を察知する力なら洋榎と変わらへん。

……あの子、随分な面子を集めたやん」

 

この時点で、他小学校は意気消沈していた。何せ石連寺小の大将には、化け物がいる。全国大会4連覇。小学生同士の試合であれば、ただの1度ですら1位じゃなかったことがない怜が居座っているのだ。

 

それでも何とか石連寺小の中堅を沈めるため、直撃を狙う3校だったが多恵が全て回避しながら上がりを続け、1位を奪取。結局、準決勝と決勝の両方で出番がなかった怜は少し不貞腐れ気味だった。

 

その後の表彰式では、準決勝で活躍を見せた部長の除ヶ口と、全試合で対戦相手を飛ばした竜華に取材陣が集まり、石連寺小の面々が注目される中、こっそり離脱した怜は会場で江口と愛宕プロに出会う。

 

「お、園城寺や!」

『げえ。さっき見た未来はここでの接触かよ』

(子供のセーラやな。何かめっちゃ男っぽいで)

「誰や?」

「昨年同じ大阪代表やった江口セーラや!?覚えられてないんか!?」

「あー……大阪代表って18人おるから全員の名前覚えてへんで。

何回戦までいったん?」

「……1回戦で負けたから初戦負けや」

 

セーラはてっきり怜に名前を覚えられていると思っていたが、同じ大阪代表とはいえ、地区の関係で18人もいる上、全国大会では見かけなかったためそういう仲間意識が怜にはなかった。

 

あとはまだ有名じゃないセーラの顔と名前を覚えていたら変かなと怜が考えたために知らないフリをしているが、現時点で既にセーラの名前は関西だと通っている方である。というより怜の対抗馬として関西では3、4番手の位置にはいる。

 

(あー、まあ運が悪いと1回戦で強い人同士が潰し合うこともあるしくじ運が悪かった可能性も……)

『原作で無能力者扱いされてたけど千里山女子の元エースが何も持ってないはずがなく……まあ去年はまだ小学生4年生やし、小4の時点で全国行けている時点で十分に上澄みやな』

 

ちなみに一応新聞でセーラの名前だけは知っていたため、全国大会の会場でバッタリ会わないか期待はしていた怜だが、チャンピオンは別行動、シード枠等々の特別扱いが多かったためにバッタリ会うことはなかった。

 

「で、そこにいるのは愛宕プロやないですか。クラブチームには入りませんよ」

「園城寺さんではなく、清水谷さんの方を誘いたいのですが……」

「あー……竜華はそういうの興味なさそうやけど一応伝えておきますわ」

 

そして愛宕プロと怜の方は、一度だけ面識がある。例の沖縄でのエキシビションマッチで、愛宕プロが呼ばれたのは一昨年のこと。その一昨年のエキシビションマッチの結果は、怜が勝利の報酬で自動卓を望んだことから分かるだろう。

 

「とーきー!スタッフさん怒ってるでー!」

「げっ、そろそろ戻らな不味そうなんで戻りますわ」

「忙しいところをすまなかった。団体戦優勝おめでとう」

「おおきに。江口セーラも名前覚えたから予選勝ち抜きや!」

 

その後、竜華に捕まった怜は竜華に引きずられて記者団の前に配置される。全国大会への意気込みを聞かれ、怜は「団体戦でもてっぺん目指す」と宣言した。

 

全国大会は夏休み期間中に行われるため、倉智姉妹が更に化ければ全国大会でも勝ち上がれるという算段である。団体戦が終わると、次は個人戦の地区予選。石連寺小の麻雀部面子は怜を除く全員が、地区予選を兼ねる吹田こども麻雀大会に参加した。

 

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