超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第11話 個人戦

怜は予選を免除されているため、今年の吹田こども麻雀大会に石連寺小学校の面子で参加しているのは部長である除ヶ口と倉智姉妹、竜華の4人と、今はまだ麻雀部に未加入である野上の5人である。進士は参加せず、怜と一緒に竜華や野上の応援ということになった。

 

「しんちゃんは来年大会出たい?」

「しんちゃんはやめろ。

個人戦は出るつもりだけど……団体戦は枠もうないでしょ?」

「いやあたぶん倉智さん達の性格的に、来年は個人戦と団体戦で分かれたいと思うんや」

「何で?」

「見てたら分かるでー」

 

団体戦で優勝した石連寺小の面子への注目度は高く、注目選手として会場のモニターによく映る。しかしながら初戦で倉智姉妹と除ヶ口が最下位に沈み、3人が初戦敗退となった。

 

「あちゃー」

「……あの姉妹、団体戦の時は凄かったのに振り込みまくってたな」

「まあ互いにテレパシー出来ひん状態の素の力は初戦敗退レベルやししょうがないんやけどツキがなかったな」

「ああ、だから来年は個人戦と団体戦で1人ずつ、なのか。

……もし良いなら出てみたいなあ」

「今年の段階で既に補員なれるし、一緒に東京行こうや。ホテル代とか全部タダやで」

「え!?私も良いの!?」

「2人までなら補員で行けるで。レギュラーに万が一があったら試合にも出れるし」

 

小学生の団体戦は、補員という存在が認められている。これは中学、高校でも同じであり、レギュラー陣が倒れたり調子や相性が悪そうな場合、代わりに出場することも出来る。

 

原作で怜がインターハイ準決勝終了後に倒れた時もこの補員の存在が明らかになっており、そういうものなのだと怜も元から認識していた。この補員の人数は小学校だと2人。中学、高校では3人にまで増える。

 

3人が初戦敗退した一方で野上は初戦で2位をキープ。竜華も1位だったため、どんどん次の対局へと進んでいく。怜は若干予選のルールが変わっとるなーと思いながら観戦を続け、最終的に予選順位は竜華が1位。野上も9位とベスト16圏内に入り、2人は準決勝で戦うことになった。

 

「これ、どっちか1人しか勝ち上がれないんだよな……?」

「まあ最終的には1人しか残らんから……。

……野上はまたドラ待ちリーチやな」

「そう言えば多いな?何でだろう?」

「ドラ傍を意識的に保持する人は多いけど……野上はそれが顕著やからな。

で、しっかりツモるんか」

 

野上はわかりやすく強力なオカルトを保有しているわけではないが、現段階で何となく『ドラ待ちをした時に上がりやすい』『聴牌時にドラ待ちになりやすい』の二つを保有しているんじゃないかと怜は睨む。上がり時には比較的高い手になりやすく、一時的に竜華からリードを奪う姿を見て、オカルトが育てばもっと強力なプレイヤーになると怜は感じた。

 

しかしながら、集中モードに入らなくても竜華は強く、オーラス前にはトップに立つと、オーラスで大きい手を上がり余裕を持って1位となる。決勝ではその集中モードに入り、役満を2連続で上がって優勝を決めた。

 

(役満2連続は化けもんやでえ)

『誰も邪魔しなかったらああなるという良い例。

とにかくツモが強すぎるから全国大会でも良い所行くんじゃないかな』

(思ってたより早く公式戦で竜華と戦えそうやな)

 

これで怜と竜華は長期間の東京旅行が決まり、団体戦と個人戦の両方で全国大会に出場することになる。

 

「竜華、おめでとうやで。……あれだけの記者に囲まれるとは人気者になったなぁ」

「新聞とかにも載るんやろか?……お母さん見てくれるかなぁ」

(あ、そう言えば竜華のお母さんってはむむ殺したせいで竜華から避けとるんか。

麻雀で活躍したら構って貰えるようになるんかなあ)

『結構闇深そうな竜華の家庭。おばあさんの家から通ってるのとかもちょっとアレやしな』

 

全国大会について、団体戦の場合は顧問の先生が引率となるが、個人戦の場合は保護者が連れて行くのが基本となる。怜の場合は、いつも母親と一緒に全国大会の会場まで行っていた。今回は麻雀部の面子と、団体戦の後に個人戦があるため、怜の母親や竜華の保護者も一緒に東京へ行くこととなる。

 

「野上さん、進士さん、ようこそ麻雀部へ。入部おめでとう!」

「おめでとうやでー」

 

団体戦と個人戦の大会が終わった翌日。野上と進士の2人は麻雀部へと入部。わざわざクラッカーを用意した除ヶ口は一気に部員が増えたことに喜び、新入部員の野上、進士に加えて竜華の3人と卓を囲んで最下位に沈んだことに悲しんだ。

 

「部長は良いところ見せようとすればするほど何もかもが悪くなりますね」

「それは言わないで園城寺さん……」

『たぶんマイナス方向のオカルト持ちやろな。普段の練習とかの時は悪くはないし、知識もあるんやけど……』

(たまにおるからな。異様にツモが悪くなったり……注目されればされるほど弱くなる人もおるし)

『まあたぶんプレッシャーに弱いだけやと思うけど』

 

石連寺小の麻雀部員は7人となり、三麻と四麻を同時に出来るぐらいには人が増えた。自動卓は元々2つあり、如何に麻雀が普及しているのかよく分かる。

 

……除ヶ口より野上を入れた方が団体戦は勝ちやすそうやなという言葉を、怜はグッとこらえ、全国大会への短い期間で、怜は除ヶ口と倉智姉妹を中心に卓を囲み、地力の底上げを図る。3人とも今まで緩い活動だったとはいえ、弱小麻雀部で麻雀を続けるほどの麻雀好きであり、特に除ヶ口はクラブチームに入るための麻雀の勉強を重ねていたため、夏までに怜が思っていた以上に実力は伸びた。

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