超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第12話 プール

林間学校が終わり、夏休みが近くなった頃。麻雀部の活動が休みの平日に怜、竜華、野上、進士の4人は竜華の家に行くことになった。

 

「バスケ部が休みだからついて来たけど……プールって」

「もう暑い時期やし身体動かしたいなら丁度良いやろ?」

「竜華の家ってお金持ちなんやな……」

「なんや知らんかったん?」

「タワマンにプールは聞いてなかったわ……」

 

竜華の母親の家は、梅田にあるタワーマンションで施設にはサウナやプールがある。家の格差を思い知った怜は、麻雀でプロになってこれぐらいの家に住めるよう頑張ろうと決意し、水着に着替えようとしたところで、竜華がいつも着けているペンダントが落ちていることに気付いて拾い上げる。

 

『これ、はむむに食べさせていたひまわりの種が入ってるペンダントか』

(いつも肌身離さず持ち歩いているから大切なものなんやろうなぁ……あ、何かまたイメージが……)

 

怜がペンダントに触れた瞬間、本来の世界線の記憶が流入し、原作では怜がこのプールで遊ぶ姿を未来予知したこと、竜華が拾ったペンダントをひったくるように奪った後、まだ詳しくは話せないと告げたことを知る。

 

立ち眩みにも似た辛さを感じ、倒れそうになる怜だったが、その怜を竜華は抱き留める。自然と、竜華の胸の谷間に怜の頭が挟まる形となった。

 

(……え、これ今竜華の胸にやわらか!?)

『小5とは思えない発育の良さ。将来的にはかなり大きくなるしなあ』

「大丈夫?」

「ちょっと映像酔いというか……別世界線の映像見てただけやから……

あ、あとこれはむむの種」

「……教えてへんのに知られてるのは何か複雑や。

まあ後で話すわ。話さへんとタイムパラドックスって奴になるんとちゃう?」

「別世界線の記憶を見てるだけやからそういう複雑なことは考えんで良いでー」

 

怜はペンダントを竜華に返し、一緒に泳ぎ始める。なお怜は数分で疲れ果て、後はプカプカプールに浮いているだけだった。

 

「ふぁー、満喫したでー。しかし泳ぐと疲れるなあ」

「怜さんほとんど浮いているだけでしたけどね。というか本当に何であの泳ぎで勝負を挑んで来たんです……?」

「もうちょっと泳げるイメージがあったんや……まあ今日は調子悪かっただけや」

「……なあ怜、1回ちゃんと病院行った方がええんとちゃうか?」

「あれはただの立ち眩みやし……最近は慣れて来たから次は大丈夫や」

 

プールで遊んだ後、駅まで3人を送る竜華。その様子を、監視している者が居ると怜は気付き、数多の未来を確認する。

 

(……今は接触して来いひんみたいやけどあの車やな)

『竜華を見つめて来てたけど、全国大会に出るし有名になったせいか?あのフードの子、セーラに似てたけど誰やろ?』

(原作視た方がええか……?)

『それは今は止めとけ。意識的にやったらまた倒れるぞ』

 

残念ながら、今日は接触してこなかったが、近々接触してくる予感が怜にはあった。実際、原作ではこの数日後に監視している者が接触しに来るのだが……怜の存在と竜華の存在の変容のせいで、その接触は無くなった。

 

(あれえ……?何かイベント発生しそうな気がしたんやけどな)

『絶対これ何かスルーしたわ。え?でも誰と出会う予定やったんやろ?愛宕洋榎とか?』

(愛宕プロの娘さんなら監視する必要もなく接触しに来るやろ。あとは原作キャラで考えると……ふなQとか?)

『あー、あり得る。神戸の地区予選、今年は良いところまで勝ち上がっていたみたいだし来年あたり代表で出てきそうやしな』

 

的外れな検討を脳内でしながら、怜は夏休みを迎える。そしてその夏休みの早い時期に、東京への移動を開始した。この夏休みの間に、全国大会は小学生の団体戦、個人戦。中学生の団体戦、個人戦。高校生の団体戦、個人戦を順番にやっていくため、小学生の全国大会は必然的に早くなる。

 

(テレビ中継されるのは団体戦やと準決勝からやな。その準決勝も3つの卓が同時進行やし……1回戦はトーナメントのどこに入っても同じ日やで)

『全国放送されるとはいえ、小学生の大会はあんまり注目されへんもんな。個人戦もそんな感じやし』

(インターハイなら花形の団体戦は全部テレビ中継されるんやけど……)

『そもそもこんな大きな会場を夏休み期間丸々麻雀の大会で使われること自体がおかしい定期』

(毎回小学生の大会でも満員やしな。インターハイの観戦チケットやとプレミアついとる)

 

大阪から東京までリニアで移動し、会場近くのホテルまで移動する。この辺について怜は既に慣れており、怜の母親も今年で5回目のため慣れていた。個人戦にも出場する竜華と怜は親と一緒の個室を取り、残りの麻雀部の面子は大部屋を取っている。

 

「げっ」

「人の顔見るなりげって何?失礼だよ?」

「小鍛治プロ!?」

 

そのホテルの探索を、2人で始めた怜と竜華だったがバッタリすこやんこと小鍛治プロに出会う。怜と小鍛治プロは既に顔を合わせたことが2回あり、現時点で1勝1敗の戦績である。

 

怜は未来視を一時的に奪った小鍛治プロを蛇蝎のごとく嫌っているが、一方で小鍛治プロは怜のことを1人の雀士として認めており、ライバルの1人としてカウントしている。そして今回、小鍛治プロは怜にある話を持ち掛けようとこのホテルまで来ていた。

 

「元々怜ちゃんの部屋まで行こうと思っていたんだけど……これ、招待状だから部屋に帰ってお母さんと一緒に読んでね」

「……今ここで中身開けても大丈夫です?」

「うん」

 

怜が受け取った招待状。それはリオデジャネイロで開かれる世界大会、東風フリースタイルへの招待状だった。

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