超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

21 / 69
第20話 自動翻訳

[はい、怜。聞こえているかな?]

「聞こえてます。これって関西弁も対応してますか?」

[はは、一応対応しているが標準語で喋ってくれ。たぶん翻訳が若干変になる]

「わかりやした」

 

ブラジルの地に渡り、リオデジャネイロ東風フリースタイルの予選開始日の前日。怜は大会で使用する翻訳機を借りて会場スタッフのブラジル人のお姉さんと会話する。渡された自動翻訳機を耳に付けることで、怜としては日本語を喋っている感覚で外国の人と会話が出来ている。

 

[チーやポン、ロンやツモはそのまま発声して大丈夫だよ。

あとこの大会で、標準的なルールからはかけ離れたルールが1つあるんだけど知っているかな?]

「オープンリーチやな。手牌は全部公開した方がええです?」

[待ちが分かる部分だけでも構わないが、全部公開した方が盛り上がるね]

「なら全部オープンでリーチするのがええんやな」

 

ブラジル人って背が高いんやなーという感想を抱いた怜は、ルールやオープンリーチに関するアレコレについて確認した後、麻雀牌を触る。……日本で触るものと、大差はなかった。

 

『日本の麻雀が世界で流行っていることへの違和感をどうしたら良い?』

(お兄さんの胸の中に仕舞っとくんやで。

にしてもオープンリーチって手牌全部公開するのが推奨されるんやな)

『振り込んだ時点で役満やから、手牌公開して良いんじゃない?』

(……積極的に鳴くのはちょっと勇気要りそうや。手牌が少なくなったらどれを切ってもオープンリーチに振り込むってパターンもありそうやし)

 

脳内で会話しながら、ホテルへと戻る怜。初めてブラジルの地に着いた時は、移動の疲れで観光どころではなかったが、予選開始日までには時差に合わせて生活出来るようになっていた。

 

(太平洋渡っていくのかと思ったらドバイ経由だった時は驚いたわ)

『まあ日本の反対側やし西回りも東周りもそんなに変わらへんやろ。たぶんドバイの方がアクセスええんやろうし』

(偏西風とかで変わるんとちゃうん?)

『わっかんねー。結局送られてきたチケットがドバイ経由だっただけで他に何も調べてへんしな』

 

ホテルでの生活も慣れ、現地で土産物を買い漁る怜。大会の日時は、予選だと現地時間で朝10時から夕方17時頃まで。つまり、日本側だと夜の10時から明け方5時頃である。小学生が起きている時間帯ではない。

 

東風戦を10局×3日間行い、ウマ10-30で25000点持ちの30000点返しを30局分行った時の収支で予選順位を決定する。……本大会に出場するのは、各国の代表達や地元の強豪達。計500人。その中で予選通過のためにベスト16へ入ろうとするなら、全試合で1位を取っていく気概が必要になる。

 

(……白築プロやすこやんほど強そうな人はおらなさそうやな)

『最近はあのレベルがゴロゴロいてたまるかってなった。というかあの人達が今の世界ランク1位2位やからなあ……』

(世界ランク3位のニーマンって人が最近全然試合に出てへんのやろ?次の欧州選手権では出るそうやけど)

『……あー、観戦チケットやっぱり欲しかったな。白築プロにお願いしたら貰えへんやろか』

(決勝卓とかで当たったらおねだりしてみよか)

 

さて。怜は今まで同年代相手に負けたことがない。その最大の理由は未来視による振り込み防止と裏目回避。未来が視えれば聴牌速度が早くなる上に、リーチをかければ確実に一発がつく。

 

これらは全て1回限りの勝負でも強力な能力ではあるが、どちらかと言うと怜は、アベレージで稼ぐ方が得意である。

 

(ウマ10-30で常時1位、時々2位なら軽々予選突破出来そうやな)

『1日目終了時点で4位か。16位まで結構差が出来たし、強い人と当たらん限りは余裕やな』

(そんなこと言ってると当たりそうで嫌やで。……1位はすこやんやな)

『抵抗力がなかったらツモ運とか能力とか全部吸収されるからしゃーない。原作でグランドマスターと呼ばれた世界ランク2位は伊達じゃないで』

(本編時代にはおもしろアラフォーやのに……)

 

初日の10局を終えて、1位9回に2位は1回。予選順位は今のところ総合4位につけており、悪くないどころか非常に良い位置に居た。これより上は全ての卓で1位を取り続けているような猛者ばかりであり、1位には怜をこの大会に誘った小鍛治プロの名前があった。

 

……この世界の麻雀の打ち手は、みんな大なり小なり普通の人よりか運が良い。そんなオカルト要素を全て吸引するのが小鍛治であり、麻雀を始めて1年も経たずにインターハイで全国制覇した力でもある。

 

『うちらの東風10局で+510もそれなりにおかしいんやけどすこやんの+768は化け物やろ。全試合で飛ばさな無理ちゃう?』

(2位の白築プロですら+626やから、まあ頭おかしいな。

……あれ?何で白築プロって得意の南3局南4局がないのにこの収支なん?)

『オカルト幾つも持ってるからやで。注目されればされるほど強くなるらしいし』

(大きい大会やと無条件で強くなる奴やんけ!?)

 

牌譜を見ると怜の予想通り、小鍛治は全対局で対戦相手を複数飛ばしており、トラウマ製造機と化していた。……予選はあと2日間あり、総合収支上位16人が決勝トーナメントへと進む。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。