超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第21話 オープンリーチ

リオデジャネイロ東風フリースタイル予選2日目。既に怜がオープンリーチをすると一発でツモるという噂は選手中に駆け巡っており、大会の注目選手の1人として常にカメラがついて回ることとなる。

 

『げ、すこやんと予選で当たるのか』

(まあ予選は完全に運やししゃーない。……2人がかりで抵抗しても能力半分持っていかれるのほんま癪やな)

『……オカルト麻雀でオカルト強奪出来るのチートってレベルじゃないやろ』

(世界ランク2位なのが妥当過ぎるで……相変わらず国内やと原点下回ることはないしな)

 

予選2日目も順調に1位を取り続ける最中、怜は小鍛治と同じ卓となる。同卓した瞬間に、自身の持つ力が奪われるような感覚に、必死に耐える怜は未来視で視える範囲が半分となる。分岐して視える未来も、一部が欠落しており非常に使い辛い。

 

『……半減したら10巡先とかは流石に見れんくなるか』

(すこやんも未来視使い慣れて来たんかな?最初に使った時、血を吐いてたけど)

『たぶん2巡先までぐらいで妥協して使ってるんやない?慣れんと無理やろ』

(……まあ、ツモ運とかも持ってかれてるやろうし……相変わらず無茶苦茶な人やな)

 

怜は小学2年生の時のエキシビションマッチで小鍛治と初対戦となり、能力をほぼ丸々奪われて無残に敗北した。その時に小鍛治側は未来視を使わず、他2人のオカルトを使用していたため、未来視の危険性を把握していなかった。

 

リベンジの機会は小学4年生の時。この時も7割ほどは持って行かれながらも、小鍛治側が未来視を使い、盛大に鼻血を出したり体調が悪化した末、怜が未来視合戦に勝利して対局を制した。

 

今回、怜は小鍛治に飛ばされる懸念からラス親となる北家を選び、対局開始。怜は数多に分岐する未来を視るが、その全てでブレが生じており、小鍛治側も未来を確認していることが伺える。

 

『すこやん配牌からタンヤオ三色一向聴は強すぎる。ドラ3やしダマでも跳満か』

(……上がらせへんルートがあるな。うちが2巡目で南ポンして8巡目に赤五筒を下家に鳴かせるルートで聴牌できひん)

『それすこやん側が4巡目に鳴いたら聴牌やで?』

(鳴かへんやろ。未来視あるんやったらオープンリーチで倍満まで狙う人やでこの人)

 

怜は小鍛治が鳴かないと決め打って打つが、4巡目に小鍛治は鳴き、三色タンヤオドラ3を聴牌。仕方なく打ちまわしを続けるが、どうやってもツモられる状況となり諦める。

 

『はー。本番じゃないし、当初の予定通り2位狙いで行こか』

(しゃーない。決勝トーナメントでいきなり当たらなくて良かったと思っとこうや。

さて次の配牌は……うん?)

『大三元セット来て草』

(うちに白2枚中2枚發3枚はあかんで。……すこやんも気付いたな)

 

諦めて東4局までひたすら2位確保をするためにゴミ手で上がったり振り込みを回避する麻雀をした所で、ラス親のサイコロ分岐で好配牌を引く未来を視る。中が重なり、白で上がれば大三元のオープンリーチを行う怜は、次巡のツモ牌の九筒で上がる。

 

「オープンリーチ一発ツモ。中、發、小三元、三暗刻、ドラ1。12000オールや」

 

結局大三元では上がれなかったが、三倍満を上がり小鍛治相手に逆転トップ。結局予選30局の内、小鍛治が2位だったのはこの1局だけであり……怜の東風30局の総合収支は+1370で初日と変わらず4位だった。

 

『能力を奪われへんようにトレーニングした結果、ツモ力というか雀力も奪われへんかったと思っとこ』

(1/11、というかサイコロで12を出したパターンやから1/36であの配牌があっただけやけどな。あれ、椋プロによると意思の力で跳ね返せるみたいやけど……白築プロは飛んで逃げてるよな?)

『初手テスカトリポカみたいなもんで飛べばエフェクトから逃れられるんじゃない?』

(……まあ2人分の意思の強さやと思っとこ)

 

この結果から、準決勝のトーナメントの位置も決まるが1位から順番に準決勝A卓、準決勝B卓……と割り振られるため、上位4人が準決勝で戦うことはない。

 

最終順位は小鍛治がトップで、白築が僅差の2位。3位以下は大きく離されており、優勝はこのどちらかだろうという見方が多い。予選を通過した怜は、準決勝を無事勝ち抜き、決勝卓へ。

 

……怜の予想通り、決勝卓の面子は予選順位1位2位3位4位だった。要するに3人が日本人である。残りの1人はブラジル代表の選手であり、予選では国士無双を何度も上がっていることを怜は把握している。

 

(1日1回は国士出せるとか強すぎひん?)

『たぶん配牌で11種11牌を強制させる能力じゃないか?国士上がった対局は全て配牌時点で11種11牌だったし』

(……サッカーの人数やん)

『……たぶん関係ありそうな無さそうな。

いやボウリングとか弓道とかすら関係してくるんだから関係してくるんやろな』

(まあでも、この対局で国士は上がられへんやろな。

……それでも狙って来るんやろか?白築プロに支配力で勝てるとは思えへんけど)

『そもそもすこやんに丸々能力奪われて何も出来ない可能性もあるな』

 

しかしながら、この決勝卓で国士無双をブラジル代表の選手が上がるとは怜は思っていない。何故ならこの卓には一索に限り強靭な支配力を発揮する選手が同卓しており、国士を上がるために必要な牌が欠けるためだ。

 

小鍛治が同卓し、座った瞬間に能力を半分以上奪われる怜は、残った未来視だけで何とか白築プロへのリベンジを果たすべく、勝利までの道筋を描いていく。

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