超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第31話 部長

冬休みが終わり、短い3学期が終わると卒業式の季節。麻雀部で唯一の6年生だった除ヶ口が卒業となり、それを麻雀部の5年生面子が見送る。

 

「……あと1年生まれるのが遅かったら園城寺さんと同い年やったのになあ」

「そこは諦めてくださいもとぶちょー」

「今日までは部長や!

……あとのことは任せたで。清水谷さん」

「はい」

 

なお、石連寺小学校の麻雀部部長は怜ではなく竜華が務めることになり、また部員数が増えたために副部長の枠も作ったが、その副部長も野上が務めるため、怜はただの部員のままである。

 

「……何で怜が部長にならへんの?」

「一番強いやつが一番部長に向いてる、とは限らへんのや。

……竜華は部長向いてると思うで」

『千里山女子でも部長やったしな?』

(強豪校で部長任されるぐらいには色々としっかりしてるし大人びているから任せやすいで)

 

怜達は小学6年生となり、小学生最後の大会に挑む。まずは団体戦、先鋒は野上が務めることとなった。

 

先鋒:野上葉子

次鋒:進士あゆみ

中堅:清水谷竜華

副将:倉智 知恵

大将:園城寺 怜

 

倉智姉妹は知恵が団体戦に、多恵が個人戦に出場すると役割を分担することで両方での活躍を目指す。少なくとも竜華には出番が回ってくるため、どちらかというと後半で巻き返しを計る編成である。

 

(中堅に強いやつを置く姫松スタイルや!)

『他校視点次鋒までにリードとっておかないと後ろ3人がヤバすぎて絶対勝てないクソゲー』

(知恵はヤバすぎるってレベルじゃないやろ。あと、しんちゃんは結局あまり強くならへんかったな。流れとか魔物が出すオーラは感じ取れるのに)

『まあバスケの方が好きみたいやし、根っからのスポーツマンやからしゃーない。……場の雰囲気というか流れを感じ取れるだけ次鋒向きやと思うで?』

 

「リーチ!」

 

控室では、竜華に膝枕をして貰っている怜が考え事をしながらモニター画面を見る。そこでは野上が得意のドラ待ちリーチをしており、今回はカンチャン待ち。そして怜が未来を視るまでもなく、一発でツモる。

 

「リーチ一発ツモ發ドラ1。2000・4000。

……怜さんや竜華さんだけに注目していたら、足を掬われますわよ?」

 

『葉子はいつも通りやなあ。4巡目とはいえドラのカンチャン待ちでリーチ。それを一発ツモとか何か持ってるって言ってるようなもんやろ』

(まあでもああいうことはよくあることやし。愚形リーチが一発ツモとかあるあるやで)

『……普通は一発ツモって結構珍しいんやで?』

(それぐらいは分かっとるって)

 

怜のアドバイスにより、よりオカルトに特化してドラ待ちを意識するようになった葉子。聴牌速度は元から早かったが、目に見えて早くなり、一発で上がることも増えた。……なお怜が同卓している場合は容赦なくズラされて上がらせて貰えないが。

 

『両面待ちよりドラだけのペンチャン、カンチャンの方が上がりやすかったのはもうオカルトなんよ』

(あとは役無しで鳴いた時も、三元牌がドラとかだと片上がりにすれば上がりやすいとかあったな)

『とにかく、ドラだけ待つということが肝心っぽいからドラ単騎待ちが増えるんよな』

(……このまま成長したらインターミドル、インターハイとかでも活躍するんとちゃう?ただ対策はしやすいからなあ……)

 

先鋒を務めた葉子は、無事に1位で次鋒の進士にバトンを繋ぐ。1位を3回とれば総合収支に関係なく勝ち上がりが決まる全小において、葉子が1位を勝ち取った時点で怜は勝ち抜けを確信している状態である。

 

「しんちゃん怖い雰囲気作りは上手ですから……上手い具合に圧をかけていますね」

「初めて会った時もまあまあ怖かったわ。

相手小学生やしビビらせたら勝ちやな」

「リーチのみやのに親のリーチだからって全員が降りてるな……」

「まあ1回戦から相手の手が大きいか否か判別出来る相手と当たることはないで」

 

……進士は麻雀部とバスケ部の掛け持ちであり、特段麻雀に打ち込んだわけではないが……竜華よりも大きくなった体躯と、生来の口の悪さ、場の流れを読む力を掛け合わせて上手く相手を怖がらせていた。

 

「……早くしろよ」

「あっ、は、はい」

 

「こっわ。ヤンキーしんちゃんや」

「……あれで勝ってええの?」

「通用するうちは良いんとちゃう?

あれする時、自分が偉くなった強くなったと思い込むよう言っといたしな」

『オカルトは関係ないけど、麻雀はメンタル重要やからな』

(威圧ってよりかは怖がらせる方向性やけど……オカルト持ち相手でも一部には通用しそうやな)

 

自然と進士の相手は降りる機会が増え、勝手に進士へと点棒が集まる。1回戦は相手が弱かったこともあり、進士も1位となった。

 

そして中堅は、昨年の個人戦の全国大会で5位の竜華である。すでに対戦相手は全員諦めており……竜華は、そんな対戦相手を3人まとめて飛ばした。

 

石連寺小学校がストレートで2回戦進出を決めたのを見て、他の小学校の子供達は絶望し始める。……この先鋒次鋒中堅の後ろに、一切振り込まない副将と全国大会5連覇中の大将、園城寺怜がいるからだ。

 

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