超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

36 / 69
第35話 大将

全国小学生麻雀大会団体戦が始まり、石連寺小の1回戦は葉子と竜華が1位で勝ち、進士と知恵が2位でバトンを繋いだため、圧倒的なリードを保った状態で大将である怜に繋いだ。

 

……先に3勝すれば勝ち上がれる小学生の団体戦において、多くの学校は強い人から順番に先鋒を務めることが多いため、出番の少ない大将は大して強くないことも多い。しかし全国大会となると5人全員がそれなりの打ち手ということも多く、また先鋒次鋒に強い人が置かれることを見越して後ろ3人に強い人を置くチームもあるため、必ずしも大将が弱いというわけでもない。

 

決して弱くはないのだが……他校の大将にとって、あまりにも相手が悪すぎた。プロに交ざって打っていてもおかしくない、世界大会で優勝した選手。少なくとも、小学生の団体戦で出て来て良い選手ではない。

 

「ツモ。リーチ一発ツモタンヤオドラ3裏1。8800オール」

 

起家を選び、東1局から常に好配牌で早上がりを続ける怜は、8本場で倍満を上がって全員飛ばした。今大会において八連荘はないため、役満ではない。……他家はただひたすら怜が上がるのを止めることも出来ず、鳴いて仕掛けることすら出来なかった。

 

『1回戦、大将戦に魔物を置くチームはいなかったか』

(ころたんみたいな存在、そうそうおらへんやろ)

『小学生の団体戦に出ている原作キャラ本当におらんし……吉野山小学校はほぼ確定で上がってくるやろな』

(反則カード松実姉妹。分かりやすい強オカルト持ち2人とか組み合わせ次第では普通に負けそうや。

あれで確定2勝してるのおかしいで)

 

石連寺小が大将戦にまでもつれ込んで決着する一方で、吉野山小が3連勝での勝ち上がりを決める。昨年、個人戦で決勝卓まで勝ち上がって来た松実玄と、その玄を倒して今年の個人戦の奈良代表となった姉である松実宥。この化け物姉妹は全国大会1回戦、先鋒と次鋒の両方で相手を飛ばしての勝ち上がりである。

 

「怜……葉子ちゃんとうちのポジション変えてくれへん?」

「ああ、竜華の玄ちゃんへのリベンジチャンス、よー考えたらこの団体戦しかないんか。

んー、葉子が玄ちゃんとドラの奪い合いで戦う姿も見てみたいんやけど……というか部長は竜華なんやから竜華が決めてええで」

「……そういわれると怜の決めてくれたオーダーを変えたくないんや」

「心配しなくても、竜華の仇は討ちますわよ」

(行けると思う?)

『あの玄ちゃんからドラゴン一匹NTRするのはかなりキツそう』

 

石連寺小と吉野山小は互いに準決勝も楽に勝ち抜けし、迎えた決勝戦。怜と竜華と葉子はポジションについて相談を行う。そして竜華を先鋒へ、葉子を中堅へとポジションチェンジをするか迷う。小学生の団体戦は、登録していたポジションの変更を1試合につき1箇所だけ行うことが出来る。先鋒と副将を入れ替えたり、補員とレギュラー面子を入れ替えることはそれなりにある。

 

(向こうも決勝だから変えてきそうやし、ちょっと確認……向こうも先鋒と中堅変えてくるってことは玄ちゃん竜華と対戦希望かいな)

『……玄ちゃんが捨て駒ってことはないやろうから竜華に勝つ自信を持って中堅に行くつもりやな。それでも竜華が勝てるとは思うけど……ドラ爆は事故もあるし、相手の思惑通りにさせるかいな』

「よっしゃ、先鋒と中堅を入れ替えよか。竜華はリベンジ頑張るんやで」

 

なお怜は、竜華のリベンジよりも葉子と玄の激突に期待した。……竜華が戦って、勝てるとは断言できない相手。もしも負けた時はそれなりにトラウマも持つだろう。それよりも、ドラ待ち対決に期待した形だ。

 

「げっ、向こうも変えてくるんかいな」

「……怜、分かってて変えたやろ」

「いや、そんなに便利なものやないで。

……変えてくるとは思ってたけど」

「うちが、勝てへんから変えたんか?」

「竜華なら9割方勝てる。……でも、それ以上に見たいんや。葉子のドラに対する支配力を見るのに当たって、これ以上に便利な強敵はあらへん」

 

原作インターハイで決勝まで勝ち上がったチームが相手。確実に勝てるのは竜華と怜の2人で、葉子も相手を玄や宥にしなければ勝てると怜は読んでいる。

 

(だけど見たい。あの玄ちゃんからドラを奪えるなら、葉子しかおらんやろ)

『怜ちゃんも去年ドラを切らせて奪ってた気がするけど……』

(それはまあうちやし……今年は対策してくるやろ。

っと、竜華の応援しな)

『高鴨のことを睨み付ける竜華かわええ。

……何で殺意込めて睨み付けてるんやろ?』

(別世界線の電波受信してへんこれ?)

 

石連寺小が先鋒と中堅を変えたように、吉野山小も先鋒と中堅を変更したため、吉野山小は今まで中堅を務めていた高鴨穏乃を先鋒に据える。本来の世界線であればインターハイの準決勝大将戦で当たる2人が今、相対する。

 

そして竜華は、何故か高鴨を見てコイツに負けたくないと感じた。とばっちりの敵意を向けられた高鴨は、竜華の体躯の大きさと冷たすぎる視線に背筋が冷え、怖がりながら卓に座った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。