超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第3話 出会い

日本代表を交えたエキシビションマッチはそれなりに話題となり、小学1年生での全国小学生麻雀大会優勝と合わせて怜の名前は麻雀界に広く知れ渡ることとなる。当然、夏休みが明けた後、久しぶりの小学校への登校時には怜の周りに人だかりが出来、あれこれ聞かれるようになるが怜の一言で解散となる。

 

「あれ同姓同名の別人やでー」

『テレビ中継された全国小学生麻雀大会、その決勝卓で他者を威圧し圧倒的実力差でねじ伏せた麻雀界の超新星園城寺怜と、いつもボーっとしていて運動神経が壊滅的な要介護系小学生怜ちゃんは別人』

「そっかー。違う人なんだー」

(嘘やろ通じたで!?)

 

同姓同名という苦し過ぎる嘘は、純真な小学1年生達の間で広まり、季節が過ぎると次第に誰も麻雀のことを話題にしなくなった。怜が吹田こども麻雀大会から繋がる全国大会以外には大会に参加せず、特に日常で麻雀を打っている素振りも見せないためだった。

 

 

 

 

 

 

そして怜が小学4年生となり、全国小学生麻雀大会で4連覇を果たした頃。怜は同じ小学校に通う清水谷竜華と出会った。

 

(……あれ?うち寝とった?)

『……完全に寝てた。というか外で寝たらあかんって前にうわあ清水谷竜華だあ!』

(うわ、出会ってもーた!?高校上がるまで出会わへん予定やったのに!?)

「……あっ、えっと、大丈夫?」

「大丈夫やでー。ちょっとお昼寝してただけや」

『昨日ネット麻雀し過ぎたなー。流石に夜中の3時まで起きるんは翌日が辛い』

(でもネット麻雀で強い人らその辺の時間帯にならんと湧いてこーへんやん)

 

外のベンチで昼寝をし、起きたら目の前に清水谷竜華がいるという状況。驚き身体が硬直してしまった怜は思わず会話をしてしまう。

 

「園城寺怜さんやんな?あの全国小学生麻雀大会で4連覇した?」

「そ、それは同姓同名の別人やでー」

 

あいも変わらず下手な嘘をつくが、よく考えてみたらここは校外で、自身の名前を知っていることから下手すれば清水谷竜華が園城寺怜のファンになっている可能性すらある、と考えてしまった怜は「じゃ、じゃあ」と言って走り逃げる。

 

「園城寺さーん!園城寺さーん!」

(ひぃ、ストーカーや!全然振り払えへん)

『竜華の足が速いというよりかは怜の運動神経がダメダメ過ぎるわ』

 

その怜を、追いかける清水谷。運動神経が良いどころか、クラスでトップクラスの清水谷にクラスでワースト3に入る足の遅さの怜が逃げ切れるわけがなく、あっさりと捕まる。

 

「ぜえ……はあ……」

「園城寺さんって足おそい?」

「ひぃ!?」

(い、息切れさえしてへん!?)

『これが原作の初対面じゃないとは思うけどめっちゃ怖いわこの子』

 

ガシっと清水谷に抱きしめられた怜は、肉食動物に捕食される小動物の気持ちを味わう。清水谷が同い年であること、同じ小学校であることは把握していた怜だが、未来視を使ってまでばったりと出会うのは避けて来た。

 

「あ、あの……おばあちゃんが園城寺さんのファンだからサイン貰って良い……?」

「……ええよ。未来のお嫁さんの頼みや。そのぐらい聞いたるで。清水谷竜華さん」

「えっ?うち、自己紹介してた?」

『怜ちゃん女の子に未来の嫁とか言っちゃうオリ主ムーブしないで』

(元はと言えばお兄さんのせいなんよなああ!というか未来のうちはこんな発育のええ子の膝枕を毎日堪能しとるんか)

 

本来であれば、5年生のクラス替えで同クラスになり、清水谷竜華から積極的に園城寺怜へアプローチを仕掛けることで『友達ごっこ』を始めた2人。その歴史は木端微塵となり、原作の出会いからは少し早い4年生の2月。怜は清水谷のおばあさんにサインを書く名目で、清水谷の家へと向かう。

 

「おばあちゃんただいまー」

「おかえり竜ちゃん。その子はともだ……ち……?」

『もう出会っただけで洗濯物を落とすレベルで衝撃受ける有名人なのか……』

(伊達に麻雀界の超新星やってへんけど大袈裟やなあ)

「園城寺怜ちゃん!?竜ちゃんどうしたの!?」

「捕まえてきたでー」

「捕まえられたでー。

……初めまして。園城寺怜です。サインが欲しいと竜華ちゃんから頼まれまして、今日はお邪魔します」

「テレビで見るのと随分印象変わってしっかりしてやんなぁ」

 

比較的大きな家に招かれた怜は、清水谷のおばあさんと顔を合わせ、サインを色紙に書く。ちなみに既にサインは書き慣れたものであり、怜はいつもサインペンを持ち歩いていた。

 

そして当然のように、清水谷の家に置かれている自動卓で三麻をする流れに。怜も小学3年生の時、プロ相手にエキシビションマッチで勝利した際、自動卓をおねだりしてテレビ局に賞品として買って貰っているが、麻雀が普及した世界でも一般家庭で自動卓が置かれているのは稀である。

 

「お金持ち……?」

「そうでもないけど前にお母さんに買って貰ったんや」

(うちの買って貰った時って20万ぐらいしたやろ?)

『うちにあるのとは違う機種やけど……これも15万ぐらいはする奴やな』

 

何となく家庭の格差が垣間見えた怜は、清水谷からのお願いで卓を囲むことにする。小学生の清水谷の実力がどれぐらいか、ワクワクしながら理牌し……いつものように、5巡先を見始めた。

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