超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第42話 中学入学式

季節はあっという間に過ぎて、怜は中学生となる。小学生の全国大会の団体戦、個人戦で両方優勝してから中学生になるまでの間、リオデジャネイロ東風フリースタイルで連覇を達成したり、欧州選手権に特例で出場し準々決勝で小鍛治プロに負けてベスト16止まりで涙を流したりと色々とあったが、中学生となる。入る中学校は、千里山中学校。

 

区大会では勝ち上がれるものの、府大会で準決勝や決勝まで勝ち上がることは稀。決して強豪校ではない、中堅校の1つ。怜は小学生時代の実績から、色んな所から声をかけられたが、結局地元の千里山中学校に決めた。

 

「葉子ちゃんやしんちゃん、多恵ちゃんや知恵ちゃんとはバラバラになってもうたけど怜とは同じクラスや」

「んー、しんちゃんはバスケ部入るそうやけど葉子は麻雀部やろうし、別々のクラスなのは寂しいで。

多恵知恵コンビは麻雀部入るんかなあ」

『原作視たら卓球部やったな』

(テレパシーで常に一心同体のダブルスとかチートやろ)

 

中学1年生のクラス分けでは、竜華と一緒のクラスとなったが葉子や進士とは別のクラスとなる。残念やなあと怜はクラス分けの表を見てると、自分の1つ上に江口セーラという名前があるのを見つける。

 

「江口さんも千里山中学校来たんか!?」

「ええ!?それじゃあ千里山中学に去年の全小トップ3がおるってこと!?」

「……葉子も全国ベスト8やし1年生から団体戦でもインターミドル制覇出来るんとちゃうか」

 

昨年度の全国大会3位、江口セーラ。決勝卓では怜が化け物過ぎて見せ場がなかったが、準決勝までの勝ちっぷりと決勝卓でも高い手を聴牌し、逆転への可能性を残していたことは世間から高く評価されている。そして怜は、唐突に腕を掴まれる未来を視たので避けようとするが、間に合わずにガシッと掴まれる。

 

「園城寺怜!探したぞ!

もうお前しかおらん……俺と付き合ってくれ!」

「なんや!?

えっとその、ごめんなさい?」

「江口さん、いきなり怜に何言うてるんですか?」

「……というか名簿うちの1つ前やったら式典で見てるはずなんやけど、いなかったって遅刻?」

「あー、遅刻や」

 

噂をしていた江口に腕を掴まれ、唐突に告白紛いのことをされた怜はすんなりと断る。そして若干竜華の声は怒気を含んでおり、その迫力に江口は気圧された。

 

「……怜、お前の麻雀の腕が必要なんや」

「あ、そっちか」

「江口さん、いきなり告白みたいなことしたらあかんで」

「告白じゃないわ!

怜はこの後時間あるか?」

「麻雀部行く予定やけど、そこで打ちながら話す?」

 

入学式が終わり、HR等が終わった後、怜は竜華と江口を連れて麻雀部へと向かう。千里山中学校の麻雀部はそれなりに設備が整っており、自動卓の数も多い。麻雀部の部室前には約束通り葉子も立っており、4人で一緒に麻雀部の部室へと足を踏み入れる。

 

『さあて。1年坊主をいきなり試合に出してくれるかな?』

(少なくともうちを出さへんのはありえへんやろ。マスコミから批判されるわ)

「たのもう!」

「ちょ、怜!?」

「……ようこそ千里山中学麻雀部へ。

部長の曽根崎です」

「初めまして。園城寺怜です」

「清水谷竜華です」

「江口セーラや」

「野上葉子です」

 

勢いよく扉を開け、中へ入る怜達に対し、応対するのは部長の曽根崎。そしてその曽根崎の後ろから、ワイワイと先輩部員達が集まってくる。

 

「昨年度の全小トップ勢が全員うちに来た!?」

「絶対後で怜ちゃんのサイン貰う!」

「除ヶ口さん小学生の時怜ちゃんの先輩だったんだよね?怜ちゃんって普段どんな感じなの?」

「……あ、元部長もおるで」

「元気にしてそうやなあ。あとここでは普通に除ヶ口先輩やで」

 

全国小学生麻雀大会を荒らしに荒らし、世界大会の1つを連覇している怜は一際有名であり、当然のように先輩部員達に囲まれ……一段落したところで、部長の曽根崎がパンパンと手を鳴らしたことで曽根崎に注目が集まる。

 

「さて……新入部員も増え歓迎会を開きたいところですが区大会が目前です。

分かっていると思いますが、今までのレギュラーは一旦全て白紙に戻します」

(お、分かっとるやん)

『……いや待て、あの部長、うちら全員をレギュラーに入れるつもりないで』

(そうか。2人までか)

「1年生も当然ですが、レギュラーになれるチャンスはあります。しかし、1年生レギュラーの人数は2人までとさせて頂きます」

「なん」

「何でや!?」

 

曽根崎が切り出したことは、区大会の面子について。……千里山中学校の麻雀部はそれなりに人も多く、元々レギュラー陣と呼ばれる面子が決まっていた。団体戦のレギュラーは5人であり……そのほとんどを入ったばかりの1年生に乗っ取られることについて、良く思わない3年生は少なからずいる。

 

だから曽根崎は1年生の人数について、2人までという制限を述べた。そのことに噛み付こうとした怜は、すぐ隣にいた江口が叫んだことに驚き、言葉を引っ込めてしまう。

 

『ここからうちら1年生4人が団体戦に出れるルートは……』

(交渉&交渉で上手く行かんかったら全員出られなさそうやな。

はー。スパッと実力順で決めたらええのに。まあ所詮は学校の部活動やからしょうがないんやけど)

 

江口は怜の思った実力順でレギュラーを決めろという台詞を吐き、場の空気を重くする。それに対し、曽根崎が告げたことは「自分たちが1年生の時は1年生が1人までだった」という過去の因縁。……現状、団体戦のレギュラーについては曽根崎が決める権利を持っており、怜達は本来口出し出来る立場ではない。

 

しかしそれでも怜は、少しでも可能性を上げるため、曽根崎との交渉に入る。まず怜が切り込んだのは、補員に関してだった。

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