超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

46 / 69
第45話 接触事故

「おいちび!もうちょっとで轢いてるとこやぞ!?」

「ああ!?うちが子供引っ張らんかったら子供を轢いてたんやで!?

……3人とも、無事そうやな」

 

怜と自転車に乗っているメイド服の女性が接触し、自転車側は少しよろけ、怜は転倒する。怜にかばわれた子供はもうちょっとで自転車に敷かれていたことにびっくりし……メイドの大声に驚いて逃げ出す。怜は子供が元気そうなことにホッとし、腕に切り傷が出来ていることに気付いた。

 

最初は喧嘩腰だったメイドはその後、怜の怪我に気付き、自転車にひょいと乗せる。自転車の後ろに乗せられた怜は、思わぬ展開に固まった。

 

(え?は?)

『強引な人やなってうわ今原作流れ込んで来るなや半分原作通りかい!?』

「飛ばすで」

「ちょっとまっ、てえええ!?」

(……原作は自転車にビビった怜が勝手にこけて、チョコが頬に付いただけとか微笑ましい事故やな。まあ怪我の手当てして貰えるなら黙ってついてこ)

『というかこのメイドさんよく見たらめっちゃ美人さんやな。手土産貰えて、家まで送って貰えるっぽいしラッキーや』

 

そのまま自転車はメイドが勤める『しめき食堂』まで超特急で向かい、怜は傷の手当てと絆創膏を貰う。その後、メイドからは謝罪を受け「また今度営業時間に来たら何かご馳走する」と言われた怜は、手土産に果物まで頂いた。

 

「はー、怜にもその子供にも大きな怪我がなくてよかったわ」

「ぶん投げたって言ってもうちの力やと単に振り回しただけやし、自分から転んだ感じやったな。

色々貰えたからむしろプラスやで」

「……あとでお母さんからしめき食堂へお礼の電話入れとくわ。

あ、そういえばしめき食堂になつちゃんいた?」

「なっちゃんって呼ばれてるメイドの人はおったで」

「数字の七五三に樹木の木で七五三木(しめき)なつちゃん。去年のインターミドルで準優勝してるで」

「ええ!?ということは戒能さんと戦っとるはずなんやけど……決勝卓にあんな怖い美人さんおったかなあ?」

 

家に送り届けられた怜は、母親と貰った果物を食べながらしめき食堂についてと七五三木なつについて聞く。気になった怜はスマホでポチポチと七五三木なつを検索し、確かにその風貌には見覚えがあったが、今日会ったメイドとは違っているように見えた。

 

『……まあ明日はしめき食堂行ったらただ飯食べられるし、しめき食堂に雀卓あるなら麻雀打ったら分かるやろ』

(竜華も連れて行きたいな。あのメイド服似合いそうやし着せたいわ)

「しめき食堂は昔デートにも何回か使わせてもろたことあるわあ。お父さんったらケーキ食べるのにあーんしろって煩くって」

「……仲ええな。

な、なんなんじっと見つめてきて」

「怜にもいつか恋人が出来て、デートしたりするんやろね」

「……まあいつかは結婚するやろな」

「ふーん?竜華ちゃんと?」

「突っ込まんといてーな」

「あ、そうそう。

明日竜華ちゃんとしめき食堂でデートするならふんわりパンケーキがおすすめやで」

 

怜の母親と父親の仲は非常に良く、怜が変に大人びているせいで惚気話は常日頃から聞かされているが、今日は一段と酷くこの後も延々としめき食堂の思い出話を聞かされた怜であった。……その話の最中に出てくる七五三木なつと、怜が今日会ったメイドのなっちゃんの姿がマッチングせず、違和感を覚える。

 

「しめき食堂?」

「うちんとこの奥の道上がって突き当りまでいったとこ」

「ああ、住宅街でちょっと賑やかなところやんな?」

「そうそう。今日部活ちょっと早く上がって寄り道せーへん?

メイドさんとも麻雀打てるみたいやし」

 

翌日。怜がしめき食堂の話をすると食いつく竜華は、葉子も誘って3人でメイドさんと打とうと提案し、しめき食堂へと向かう。そこで竜華と怜と葉子はメイドと会い、3人ともふんわりパンケーキを注文する。

 

「昨日は堪忍なあ。

それにしても、可愛いお友達を2人も連れてきてくれたんか。

サービスするしたくさん食べてや」

「怜、ほんまにうちらの分は奢りでええの?」

「問題あらへん。お金ならちゃんと持っとるしな。

……ちなみになっちゃんと麻雀を打つのって普通はいくらかかるん?」

「お、麻雀打ちたいんか?

普段なら料金もろとるけど、大サービスや。3人とも一緒に打とか」

 

そしてメイドの藤白七実と、怜達は麻雀を打つ。怜と藤白。互いに接待を始めた麻雀は、親が一周し南場へ入る頃には両者共にめちゃくちゃ手加減されていることを把握する。

 

「んー、なっちゃん本気出してーな。

……あれ、うちってそんなに知名度無い!?」

「そんなことあらへんと思うけど……メイドさん、園城寺怜って知ってます?」

「そりゃ麻雀打っとるから知っとるで。

東風フリースタイル2連覇!世界ランク18位!今年中学生になる天才小学生の……園城寺怜……園城寺怜ぃ!?」

『世界大会で世界の強豪を相手に小学生でありながら激闘を繰り広げた麻雀界の超新星園城寺怜と目の前にいるふわふわのパンケーキを頬張る園城寺怜がイコールで繋がってなかったのか』

(……まあまだ未来視も一巡先しか見てへんし、本気ちゃうし)

 

怜が自身の知名度のなさに、少しばかり落ち込み始めたところで竜華がフォローに入り、メイド側には目の前にいるちびっ子が、世界ランカーの園城寺怜であると認識することが出来た。

 

「ところで怜はなっちゃんさんが強いって思っとるの?」

「……お母さんからはインターミドル準優勝したって聞いたんやけど?七五三木なつさん?」

「はあ!?」

 

一方の怜は、目の前にいるメイドが七五三木なつであると勘違いしており……その勘違いを把握した藤白は最初驚いた声を出したが、すぐにニヤリと笑った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。