超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第47話 バーベキュー

千里山中学が区大会を優勝し、大阪府大会出場を決めたことを祝うため、怜と竜華の家が合同でバーベキューを行う。セーラと葉子に、泉も参加したバーベキュー。もきゅもきゅと肉を頬張る怜は、締めのローストチキンを腹に詰め込み、動けなくなった。

 

「お腹いっぱいやでー……」

「全部食べんでも良かったやん。

……怜はそれだけようけ食べて太らへんの何で?」

「未来視るのでカロリー使っとるからなあ。

体温も高い方やろ?」

「高い方って言うても平熱36.8℃程度やろ?結構おるでそういう人」

「……今うちの体温何℃?」

「脇に挟むタイプやったら36.9℃やろな」

 

満腹で動けなくなった怜は、竜華に膝枕されてごろんとなる。何気ない会話の中で、体温計が無くても正確に体温を把握してくる竜華に怜は恐怖した。……自分の体温ですら何となくの把握は難しいから体温計が世には存在しているのに、竜華にはそれが必要ない。

 

「……泉は髪短いのも似合うなあ」

(何となく原作の面影出て来たで)

『最初に会った時はマジで同姓同名の別人かと思ったわ』

「怜は伸ばし始めたんやね。ロングも似合うと思うで」

「……何か頭撫でられてると、本当に竜華がお母さんに見えてまうわ」

「怜のお母さんならそこにおるやん!?」

 

怜は阿知賀編のアニメの描写で、少し髪の長い時期があったことを思い出し、ちょっと伸ばしてみようかなと思って髪を伸ばし始めている。そんな怜の髪の毛をすくように撫でる竜華と、気持ち良さで寝そうになっている怜の前に、セーラと1人の少女が現れた。

 

(ん?誰や?)

『あー、ふなきゅー?』

「あれ?セーラの友達?」

「船久保浩子。神戸に住んどる洋榎の従妹や」

「ということは……愛宕プロの姪?」

「ええ。母が愛宕プロの妹なんですよ」

 

竜華がセーラに声をかけて謎の少女について聞くと、セーラは愛宕洋榎の従妹である船久保を紹介する。うとうとしている怜は船久保を見て、思わず「背たっか」と呟く。

 

「……タッパと麻雀の腕が比例したらええんですけどね」

「麻雀やるんや?」

「竜華、この子去年全国大会で見かけたで。というか神戸地区の代表選手や。たしか1つ下やな」

「ええ!?じゃあ今小学6年生?」

「……園城寺怜に知って貰えてたとは嬉しいですね」

「うちのこと知っとるんや?」

「当たり前です!」

 

竜華に膝枕されながら会話に参加する怜は、ここで原作が流れ込み、この船久保に「園城寺怜には選手として特記すべき事項なし」と言われたシーンを垣間見る。……怜は竜華に膝枕されながら原作を意図的に視る訓練をしていたからか、膝枕時に原作が流れ込んでくることは結構多い。

 

「園城寺怜。千里山中1年。世界ランク18位。ツモ牌を知っているとしか思えない異様な聴牌率の高さと、対戦相手のツモ上がりをズラして防ぐことから『未来を識る者』と呼ばれる正真正銘世代の化け物を知らないわけないでしょう」

「おー。知られてるのって嬉しいわ」

「データオタクやんな?変わってへんなあそのスタイル」

「じゃあうちのことも知っとる?」

「当然です。

清水谷竜華。昨年度の全国小学生麻雀大会準優勝者を知らない人が居たら素人ですよ」

 

未来を識る者と言われ、怜は頭の中では「フューチャリスティックプレイヤー」というフレーズがリフレインし、船久保は小学生の頃からデータオタクなんやなという感想を抱く。また清水谷竜華について、どういう聴牌が多いのか、超集中モードや癖まで語り出す船久保について、良く見ていると評価した。

 

「ところで神戸からわざわざ大阪まで来たのは何でや?怜達に会うためか?」

「それもありますけど、本命はこちらです。

……藤白七実のデータ、買うてくれます?」

(あー、これうちらが藤白についてセーラに教えなくて良かったな)

『間違いなく原作イベントや。どんなデータが入っているかは気になるな』

 

船久保がここに来た理由は、愛宕洋榎に頼まれて集めた藤白七実のデータを渡すため。そのデータが入っているUSBを見て、怜と竜華は顔を見合わせる。この2人、先日しめき食堂で藤白七実と打っているからだ。そして藤白がインターミドルに出てくることをまだ、セーラには伝えていない、

 

どんな情報でも欲しいセーラは、ポケットを漁り……全財産である300円を渡して買い取ろうとするが拒否される。そもそもUSB(64GB)だけで1000円程度する上、神戸からの電車賃も含めればそれなりにお金はかかっているため、流石に図々しいわと船久保は突っ込む。

 

その後は泉がセーラのためにブラックカードを取り出したり、怜が万札を取り出して「貸したろか~?」とセーラの目の前でひらひらさせる光景を見て、船久保はため息を1つ吐き、セーラに要望を告げる。

 

「金じゃ売りませんよ……。言ったでしょ?私データオタクなんで。

あなた達のデータでお支払いいただきましょうか」

 

その一言で、怜は船久保が麻雀を打ちに来たことを察し、せっかくだからと賛同する。バーベキューが終わった後、怜達は泉の親が経営する雀荘に向かうことにした。

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