超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

5 / 69
第4話 三麻

(あっかーん!6巡目緑一色って三麻とはいえヤバすぎやろ!?)

『なんかいきなり眼がやばい事なってるしサーモグラフィー発動してそう』

(……対戦相手の体温感知して何になるんやろ?)

『まあ動揺とか見抜けるし悪い能力やないやろ?』

 

「それポンや!」

 

(よし、改変完了や……少なくとも9巡目までツモ上がりはあらへん)

『っと、10巡目におばあさんの方が上がるな。中々この人も強いわ』

 

清水谷の家で行われる三麻で、清水谷のおばあさんと清水谷を抑えながら1人上がり続ける怜だったが、内心はわりと冷や汗ものだった。

 

(この2人強すぎひんか!?)

『あー、どうやっても今回は上がられるな。3巡目で清一色とかどうやって防ぐねん』

(まーた原作で言うゾーンに入ってるっぽいし、たぶん相当必死に打ってるんやな)

 

三麻は基本、高い手で上がりやすい。萬子の2から8までがないため、手牌が染まりやすく、字牌の割合が高くなる。その上、四麻と違って三麻の方が選択肢は少ないため、怜にとっては改変が難しく、苦手な分野となる。

 

「一気通貫清一色ドラ2、倍満。4000、8000」

『……リアルで同年代に倍満上がられたの初めてじゃね?』

(そもそもリアルの三麻自体あまりやってなかったからなあ)

「強いんやな。今まで同い年の子に倍満を上がられたことなかったわ」

「……えっ?」

「ほんまやでー。倍満以上は全部潰して来た怜ちゃんから倍満上がったんやから誇ってええでー」

 

半荘で2回トップを取った怜だったが、3局目の中盤でとうとう清水谷に上がられ、点差を縮められる。しかしそれでもその後怜は安手で流し、トップをキープしたため、怜は3戦連続で1位となる。

 

「園城寺さん、ほんまに強いんやな……」

「これでも全国4連覇中やからなー。でも竜華ちゃんも、全国クラスの腕前あるで」

「……そういえば、何でうちの名前知っとったん?クラス別やで?」

「竜華が未来のお嫁さんやからかなー。竜華はうちの大切な人になるんやって」

 

怜が竜華に対し、大切な人と言った瞬間に、竜華はとても寂しそうな顔をして怜は地雷を踏んだことを察する。空気が死んだことで今日はお開きとなり、怜は逃げるように竜華の家を出た。

 

(な、何であんな顔になったん!?やっぱ未来のお嫁さんとか言ったらあかんかったんか!?)

『いやたぶん何かの地雷踏んでる。恐らく怜が主人公のスピンオフ関係の話かな』

(あー……何でお兄さん怜ちゃんが主人公のスピンオフ読んでへんの!)

『いやだって最後阿知賀に負けてバッドエンド確定しちゃってるじゃん……別世界線の話で、千里山女子が決勝行く話だとかは聞かなかったし』

 

それ以来、特に怜と竜華は関わることなく、5年生への進級を果たす。そしてその時のクラス替えで、怜は竜華と同じクラスになった。

 

『これ【怜-Toki-】の原作開始は5年生だー!?』

(ど、どこから原作変わってるんやろ?少なくとも、竜華と本来のうちが出会うのはこのクラス替えやんな?)

『……まあもう怜が小学生チャンピオンになってる時点で崩壊しまくってるし別にええか。これからこれから』

(……なんか竜華がめっちゃ冷たい目でこっちを貫いて来てるで)

 

その後の班決めで竜華が班長を希望し、怜を班員に指名する。一応、嫌われてるわけではないと怜はホッとした。

 

「いきなりごめんな。誰かと一緒に班なろーって約束とかしてた?」

「特にそんな話はなかったけど……何で班員にしたん?」

「……はむむに似てたから」

「はむむ?」

 

そしてはむむ?と怜が口に出した途端、怜の脳内に溢れた存在しない記憶。竜華が甲斐甲斐しくペットのハムスターを世話する日々や、竜華の母親が窓を開けっ放しにしたせいでそのペットのハムスターが死に、非常に落ち込んで過ごしていた日々。そして、竜華が寝ている怜と出会った日。具体的には【怜-Toki-】の第5巻で収録されている竜華の過去編4話分を改変無しで視た。

 

(あれ……あの時、起きたら竜華ちゃんが目の前にいたから話したんやけど本来は竜華ちゃん隠れるんかいな)

『その後、三麻もすることなくこのクラス替えで出会ったのが怜と竜華の初対面なのかな?それにしても……原作視れるんやな』

(未来だけじゃなく並行世界まで視れるようになったとはうちも進化が止まらへん、な……)

『あ、めっちゃ身体熱い。今のシーンだけでどれだけ消耗したんだこれ……』

「園城寺さん!?大丈夫!?滅茶苦茶身体が熱いんやけど!?」

「大丈夫大丈夫。仮病やから……はむむのことは、残念やったな……」

「えっ」

 

元より未来は視えていたし、頑張れば過去に起きたことも視えていた怜は、今回並行世界の映像を見れたことで非常に満足しながら意識を失った。なお、担任の東梅田は始業式から怜がぶっ倒れたことで心労が絶えなかったという。

 

(大切なものを作らなかったらもう悲しむこともないって感じやから相当はむむがトラウマなんやろうなあ)

『一部で竜華がヤンデレ扱いされてたけどまあ納得。にしてもこれもう少し早く知りたかったわ』

「ほんまに大丈夫?凄い熱やで?」

「……今さっき、竜華がハムスターのお世話してる姿を見てん。それで力使い過ぎただけやって」

「……はむむのことも、わかるん?」

「怜ちゃんは何でも知ってるでー」

「こらそこ病人と喋らない!怜さんは安静にして!」

 

保健室に連れられ、ベッドで横たわる怜の息づかいは荒い。そんな怜を放置して教室に戻るのも気が引ける竜華だったが、保健室の先生に注意され追い出される。その後、一時的に保健室の先生も保健室から出たため、怜は1人になった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。