超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第49話 大阪府大会

セーラが藤白のデータを手に入れてから数日。怜は結構な頻度でしめき食堂に通ったが、藤白相手にセーラが喧嘩を吹っ掛けてくる感じはなかった。しかしセーラがリベンジを決意し、怜達と藤白のデータを確認した時。藤白が北野中の部長であり、区大会を勝ち上がっていることが判明する。

 

「これって……うちらも区大会勝ち上がってるから試合出来ひんやん。

あ、やから怜はこの前しめき食堂に行ったとき、藤白さんと打たへんかったんか」

「……どういう、ことや?怜は藤白のこと知ってて黙ってたんか!?」

「いやまあ知ってたんやけど……北野中も千里山中も区大会を勝ち上がってるから府大会が終わるまでは打つことが出来ひん。だから大阪府大会で決着つけろ言うたんや」

「……なるほどな」

 

このUSBデータを手に入れた時点で、怜達と藤白は大会の規定により打つことが出来なくなっていた。両者ともに区大会を勝ち上がり、大阪府大会に出る選手同士。インターハイ同様、練習試合は禁止される。

 

結局セーラは、リベンジの機会を大阪府大会まで封じられる。そしてそうこうしているうちに、団体戦の大阪府大会が始まった。

 

先鋒:江口セーラ

次鋒:室戸風子

中堅:清水谷 竜華

副将:間枝寿寿

大将:曽根崎リネ

 

メンバーは区大会の時と同じで、怜は補員のままである。副将の間枝寿寿は副部長、大将の曽根崎リネは部長であり、共に3年生。総当たり戦の結果、曽根崎は3位で間枝は4位だった。

 

先鋒と中堅がセーラと竜華で埋まり、区大会とは違ってセーラが先鋒を務めているのは藤白へのリベンジのためだった。間に入る次鋒は総当たり戦の結果7位だった室戸風子。……5位が怜で6位が葉子のため、繰り上がりでレギュラーに選ばれている。

 

「部長、分かってますよね?」

「……ええ。もちろん」

 

中学生の団体戦のルールは小学生の時とは違い、インターハイに準拠した10万点持ちスタート。その点数を繋いでいき、大将戦終了時に一番点数の高い中学校が勝ち抜ける。もちろん、0点を下回る中学校が出ればそこで飛び終了だ。

 

この中学生の団体戦にも補員があり、試合前は登録したメンバーについて1箇所だけ入れ替えることが出来る。……そして試合開始後も、緊急時であればレギュラー面子と補員の入れ替えは可能だ。

 

これは試合中に選手が食中毒で倒れたり、何故か意識不明の重体に陥った際、試合を中断させないための措置だ。そしてこれを応用すれば、怜は不味くなったタイミングでレギュラー陣と入れ替わることが出来る。怜が曽根崎に確認したのは、試合中下痢を訴えて補員と交代する演技が出来るかどうかだった。

 

「……というより、私への批判が凄いのだけど?」

「そりゃあうちを補員のまま区大会を勝ち上がるのはまだ分かるんやけど、府大会でまで温存するとか意味不明やからな。区大会決勝、間枝先輩はマイナス収支やったし。

これで負けたら凄いことなるでー」

『実際勝つだけやったら怜が先鋒やったら全部飛ばせるけど、それやと逆に叩かれそうやからなあ』

(CMとかも出るようになったしイメージは大切に、やで)

 

試合中、唐突な生理現象による中断時間は一応設けられているが、あまりにも長いと補員との交代指示が出る。怜はそれを最大限利用するつもりであり、曽根崎の胃はキリキリし始めていた。元はと言えば、曽根崎自身が『1年生レギュラーは2人まで』という制約を作ったからなのだが。

 

「部長が心配せんでも、うちらでケリをつけてきます」

「そーやそーや!中堅の竜華までに飛ばせば試合は終わるからな」

 

なお、1年生レギュラーになった竜華とセーラは元気である。区大会で大暴れした昨年度全小2位3位は当然ながらメディアが注目しており、千里山中は一気に優勝候補と呼ばれるようになった。

 

(まあ府大会にもなると結構ヤバいのが出てくるんやけど……一番ヤバそうなのは桜花女子中学校やろうな)

『シード校やからメンバー全員強いってのもあるけど……宥姉が次鋒ってことは先鋒の城坂さんがエースのままやから相当強そうや』

(過去の牌譜見たらオカルト丸わかりやけどな。リーチ後、安い手を見逃したら高い手でツモ上がりしやすくなる。こう聞くと単純なんやけど……)

『安い手の方を掴ませやすくする能力、それを見逃すことで高い方をツモる能力。……上がり牌によって点数が変わる聴牌をしやすくなる能力もあるなこれ』

 

それに対抗してくるのは、昨年度優勝校の四天王社中学と準優勝校の桜花女子中学。加えて、藤白のいる北野中も勝ち上がるやろなあと考えながら、怜は控え室で1回戦の様子を見守る。

 

「ツモ!リーチ、ツモ、清一色、一通、ドラ3で16100オールや」

『弱い人相手だとセーラでもアホほど稼ぐな』

(何であの配牌から清一色狙っとるんやろ。……先鋒で10万点差はもう勝負あったな)

 

先鋒戦はセーラが大きく稼ぎ、他3校を仲良く7万点以下に抑え込みながら、自身は最終196000点と9万点以上稼いだ。次鋒戦では大して千里山中の点数が変わらなかったが、他3校の中で点数移動があり、中堅の竜華がキッチリ最下位に沈んでいた中学校を狙い撃ちして1万点以下にまで削った。

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