超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第50話 北野中

「ただいま怜ー」

「おかえり竜華ー。もうこれで100%安全圏やな」

 

千里山中の1回戦、中堅戦が終わり、帰って来た竜華に膝枕されながら怜はモニター画面に映る副将戦を見守る。点差は既に、酷いことになっていた。

 

千里山中学校 285600点

三ッ島中学校 55000点

富田森中学校 51700点

彩都中学校 7700点

 

1校が既にトビ寸前であり、千里山中以外の2校は迂闊にツモ上がりが出来ない状況。一方千里山中の副将である間枝はのびのびと打牌することが出来、振り込んだりツモ上がりしたりとわりと自由に打った。

 

『ああ……原作流れ込んで来たけど本来は竜華でも試合に出れてへんのか。圧倒的に強いって感じやのに』

(うちも部長には負けたけど他の3年生レギュラー陣ぶっ飛ばしてるのにレギュラーなれへんってなるとまあ……最初から2人まで認めて貰えていたのが奇跡やな)

 

「1回戦は大丈夫そやな」

「いつも問題は2回戦からなのよ」

「シード校が出てくるからか。

……にしても、桜花女子や北野中と2回戦で当たるとはなあ」

「……北野中?

あそこは特に強いところじゃないけど……知り合いでもいるの?」

 

何故か既に部内で一番偉そうにしている怜は、曽根崎と会話しながら組み合わせ表を見て眉をひそめる。優勝候補である桜花女子が、2回戦で当たるためだ。

 

「半年前、北野中の先鋒にセーラがボロ負けしたらしいで」

「ボロ負けじゃ……いや、ボロ負けや」

「江口さんが!?」

 

そして2回戦では、セーラをボロボロにした藤白が先鋒を務める北野中もいる。……10万点を一気に削り取るような存在ではないが、現状セーラが藤白に勝てるかは怪しい。

 

(……不味いやん、竜華に宥姉ぶつけに来るで)

『うわ、バケモンにはバケモンをぶつけんだよ戦法やん。……中堅で点の取り合いなるなら、セーラには勝って欲しいところなんやけど……』

(一度負けてトラウマ持ちやし、葉子の方がまだええかもしれん。いや葉子もデータが少ない中で攻略されかけとったから藤白やっぱ化け物やで)

『……先鋒戦の結果次第で、準備しといた方がええな』

 

1回戦はこの後、曽根崎が残り1000点となっていた彩都中学校を飛ばして勝利。既にマスコミは千里山中に怜が入学している情報を掴んでおり……当然ながら、怜がレギュラーじゃないことについて曽根崎は質問攻めをされた。

 

「つ、疲れたわ……結局私自身への取材は一切ないし」

「……もっとはっきり1年生は2人までだからって言えばよかったやん」

「言えるわけないでしょう!?」

「うちとしては良い塩梅やと思うけどな。2人までってなると3人は先輩のチームになるやん。

まあこの後の2回戦、大将戦開始時点で2位以下やったら南場入った辺りで交代してや。親番1回は残してくれな逆転不可やで」

 

1回戦が終われば、すぐに2回戦が始まる。怜と曽根崎の会話を聞きながら、やっぱり実力順で決めなかったことに納得していないセーラは、モヤモヤした気持ちを抱えながら先鋒戦に向かう。2回戦先鋒戦の面子は桜花女子の城坂、北野中の藤白、天満西中の菅原と千里山中のセーラだ。

 

その開幕は、城坂の連続和了から始まった。城坂の起家で始まった東1局。満貫、倍満、跳満と3連続でツモ上がりし、一気に他家と点差を離す。

 

桜花女子中学校 154900点

千里山中学校 81700点

北野中学校 81700点

天満西中学校 81700点

 

『バケモンで草。そりゃ宥姉がエースの座を奪い取れないわけだ』

(先鋒戦、藤白もおるし先鋒戦だけで決着することはあらへんやろうけど……まあ化け物やな)

 

東1局の時点で、7万点以上も差を付けた城坂。このまま行けば、先鋒戦が終了する頃にはとんでもない点差になってそうやと思った怜は、未来を確認し……城坂が、藤白に壊されるところまで視た。

 

「藤白が城坂を止めるから、その隙をセーラは突けるかやな」

「……なっちゃんさんが止められるの?」

「止めるで。どうやらなっちゃん先輩が能力を封じるためには、ちゃんと情報を集めなあかんらしいな」

 

城坂の生い立ちまで突き止めている藤白は、東1局3本場で城坂を完全に理解し、城坂の能力自体を封じる。それだけではなく、セーラや菅原も藤白の術中に嵌った。

 

『あかん、セーラは露出が多いからデータが集まりやすい方や。

ただでさえ、半年前にデータがない状態でボロ負けしたんや。そこからセーラも成長しとるけど、藤白も成長しとる。これ、相当毟り取られるで!?』

(……幸い、火力が低い上に桜花女子集中狙いやから被害は少ないけどな。

これ、リベンジは無理そうやけど、一発かましたることぐらいは出来んか?)

『セーラの一撃は重いから、入れば点差は大きく詰まる。

……まあ、まだ折れてへんからセーラ次第やな』

 

城坂がリーチをかけ、低い方の上がりを見逃してから、高い手でツモる前に藤白が城坂から上がる。または、藤白自身がツモ上がることで城坂のオカルト自体を破壊しに行く。……これが3回続いたことで、城坂は完全に勢いを失い、目からは光が消えた。

 

東場の藤白の親番では4本場まで藤白が上がり続け、そこでセーラが速度を取り藤白から2500点の上がりを見せた。しかし藤白の勢いは止まらず、南場の親番で桜花女子をトップから引きずり落とすと、今度はセーラを狙い撃ちする。オーラス時、セーラの点数は61300点にまで減っていた。

 

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