超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第52話 交代

副部長の間枝は、部内では昨年まで強い方だった。というより、部長の曽根崎を除けばトップ率は1位であり、放銃率は一番低い。しかし今年4人強い新入生が入り、レギュラーのポジションが一番心配だったのは彼女である。

 

……総当たり戦で、葉子が6位の理由は最終戦で怜と当たったためだった。曽根崎と間枝は共に怜が手を抜いている時に当たり、大いに稼いだのに対し、葉子は怜に狙われて集中砲火を浴びた。これは怜の想定以上に葉子が稼いでおり、直接対決で点棒を毟り取らなければ怜が1年生の中で4位になるためだった。

 

もし、葉子がここで怜に大きく削られなければ総当たり戦の結果は3位だっただろう。もしも本当の実力順でレギュラーを決めるのであれば、間枝は本来レギュラーに選ばれていなかった存在だ。

 

だからこそ気合を入れて試合に臨むが、現在トップを走る相手は優勝候補の桜花女子中学。本来、入るはずではなかった宥が加入しレギュラーを強奪したことで、桜花女子中学は原作より大幅に強化されている。……一番弱いレギュラーが、強い人間に置き換わっているのだから当然だ。結果的に間枝はここで、2万点ほどを失うこととなる。再度点差は開き、桜花女子中学との点差は約4万点差。

 

「……園城寺さんは準備していてください。東場が終わった段階で、点数状況がどうであろうと交代します」

「え?約束通り東場終了段階でトップとってたらそのままでええで?

最後まくられたらそれはそれでしゃーないし」

『まああの桜花女子中学の大将相手に4万点差をひっくり返す自信がないんやろな』

(それなら最初から交代すればええのに……。

まあ間枝先輩が天満西にも振り込んだから天満西が飛ばなくなったのはありがたい状況や)

 

始まった大将戦は、曽根崎が途中で満貫をツモ上がるものの、流局も多く桜花女子中学の大将も北野中から上がったために点差はほとんど詰まらない。そして東場が終わった時点で、曽根崎は腹痛のためトイレに行くと宣言し、補員との交代を申請する。

 

曽根崎と交代するのは、当然怜だ。突然の交代に会場中が騒めくが、過去にこういうことがなかったわけではない。体調不良による交代が認められているからこそ、補員という存在がある。

 

桜花女子中学校 153500点

千里山中学校 120900点

北野中学校 86300点

天満西中学校 39300点

 

曽根崎の満貫ツモのお陰で多少点差は詰まっているが、点差はまだ3万点差以上。桜花女子中学の大将はここで逆転されてたまるかと怜への警戒を強くするが……そのようなものは、怜に何も影響しなかった。

 

「……その九筒や。

ロン。純チャン三色一盃口。18000」

『配牌良かったのもあるけどリーチかけてへんからって無警戒過ぎるやろ』

(まあうちは大抵の場合、リーチかけるからな。

今回はリーチかけてたら上がられへんかったんやけど)

「さて……一本場や。この対局に南二局はないで」

 

南1局、親の跳満を桜花女子に振り込ませた怜は、交代早々に逆転に成功し、後はひたすらに突き放す。……南二局はないと宣言した後、連荘を重ねた怜は、4本場で天満西を飛ばして対局を終了させた。

 

それまでの逼迫した試合展開とは打って変わって、圧倒的な蹂躙劇。他3校も鳴いて仕掛けたり早上がりを目指したり、工夫を凝らすも全て跳ねのけた怜は決勝でも昨年優勝校である四天王社中学のエース愛流詩を飛ばして優勝を決めた。

 

『怜が大将で出るからわざわざ向こうは先鋒と大将を入れ替えたんやろうけど……もう大将で出るのが確定してるんやから副将までに削り切る方が勝ち目あったやろ』

(いうてそれも先鋒にセーラ、中堅に竜華がおるしなあ。……いざとなったら副将に葉子を出しとったし)

『……大阪府大会、全試合で収支マイナスだった間枝先輩は決勝戦、室戸先輩と交代した方が良かったと思うんやけど、3年生やし色々とあるんやろな』

 

大阪府大会が終わり、全国大会への出場が決まった千里山中学校は表彰式や取材が終わった後、締めのミーティングで曽根崎部長が全国大会のオーダーについて言及する。

 

「準決勝と決勝戦、プラス収支は江口さんと清水谷さんと園城寺さんで3年生は全員マイナス収支でした。

というよりここまで3年生達は足を引っ張っているだけでしたし、今日の試合で痛感したと思います。このまま3年生が意地を張って出続けても、全国ではもっとボロボロになると。

……ですよね?園城寺さん。」

「……正直に言えば、部長はまだ全国クラス相手でもギリギリ麻雀になると思います。今日の2回戦、桜花女子の大将との試合でも、決勝戦の四天王社の次鋒との試合でも、優勝候補相手に戦えてはいました」

「それでも、チームを勝たせる力になれたとは思っていません。

……インターミドルは、野上さんを含めた1年生4人を中心にオーダーを園城寺さんが組んで下さい」

 

そして曽根崎は、インターミドルでのレギュラー決めについて、怜に全権を丸投げした。……全国大会に出場することが出来たのは、紛れもなく怜の活躍によるものであり、今日の試合を見て文句を言う2年生3年生はいなかった。

 

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