合宿が終わり、1学期の終業式後にインターミドルのレギュラーを決めるための総当たり戦を実施する。最低1回は全員と卓を囲むように組み合わせを決め、順番に対局を消化していくと当然ながら怜が断トツで1位となるが……2位を確保したのは竜華ではなく葉子だった。3位に竜華、4位にセーラと続き、5位は曽根崎が確保する。2年生3年生部員の中で、一番強いのは部長だった。
この結果から、怜は団体戦のオーダーを組む。府大会後、インターミドルでのレギュラーについては全権を任されているため、怜は上位から順番に5人をレギュラーとしてチームを編成した。
先鋒:野上葉子
次鋒:曽根崎リネ
中堅:江口セーラ
副将:清水谷 竜華
大将:園城寺怜
『……パターンが決まってるオカルトは、嵌った時にとんでもない火力になるな』
(ドラ待ち聴牌をしやすい、ドラ待ちにしたらドラを自模りやすくなる。ただそれだけやのに何だかんだで小学生の頃から一番伸びたのは間違いなく葉子や)
怜を除いて一番強いのは葉子ということになったため、葉子がエース区間の先鋒を受け持つ。そこから先は、総当たり戦の成績が低い者から順番に並べた。比較的シンプルな編成であり、敵チームからすれば逆転するのが至難だと感じる編成だった。
ちなみに総当たり戦で6位になったのは室戸だったが、7位に石連寺小の元部長である除ヶ口弥生が入って補員となった。府大会でレギュラーだった室戸に、副部長の間枝と部長の曽根崎は3年生のため、このインターミドルが終われば一気に除ヶ口はレギュラー候補となる。
「竜華は先鋒の方が良かった?」
「んー……先鋒で強い人と戦いたいっていう気持ちもあるんやけど、それよりかは怜にバトン渡す副将ってポジションの方があってそうな気がしてきたわ!」
「それなら良かったわ。うちも竜華が副将なら出番の直前に慌てなくて済みそうやし」
「というか怜はやっぱり大将やりたいんやな。小学生の頃から変わらへんやん」
「チームによっては先鋒より大将にエース出るところもあるし……何より先鋒で大量に点棒稼いでも、集中狙いで落とされていくのを眺めるのは嫌やし」
怜が竜華に副将を任せることを伝えると、竜華も副将で怜にバトンを繋ぎたいと言い、ついでに大将をやりたがる件について言及される。怜が大将をやりたがるのは大将に強い人を据えるチームも多いことや、怜自身逆転負けが嫌いなこと等色々とあるが……一番は、先鋒で稼いだ後に集中狙いされて後ろのチームメンバーがボロボロになる姿を見たくないというものだった。
『+96200、-8800、-10300、-59400、-18200……うっ、頭が』
(最終的な順位が決まる決勝戦とかで後ろのメンバーが集中狙いされたらうち以外やと負ける可能性普通にあるからな。
……-59400は、決勝戦どうなったんやろ?)
『咲の原作の続きは全然視れへんし……【怜-Toki-】の方も最近は視なくなったから【怜-Toki-】は時間飛んでるんやろな。やっぱ千里山女子入ってからが本番やろ』
(空白期ってやつやな。小学6年生の時もあまり視なかったし。
……そういえば藤白さん、千里山女子に行くらしいんやけどあれが3年生の先輩になるんかいな)
『愛宕プロが目を付けたらしいから千里山女子に行くんやろな。
大方、城坂さんに注目してたら掘り出し物見つけた感じちゃうか?これが原作通りなのかは分からへんけど……』
怜が見当違いの妄想を膨らませながら、インターミドルの準備を進めていると今年もリオデジャネイロ東風フリースタイルの招待状が届く。……既に東風フリースタイルでは長い歴史の中でも4人しか達成していない連覇を成し遂げているため、日本代表とは別枠での招待である。
(あれ?今年って9月の全米オープンも出るんやんな?)
『年齢制限クリアしたから出るというか半強制的に連行されるやろな。
で、リオデジャネイロ東風フリースタイルが終わったら欧州選手権大会の流れや。
……2学期ほとんど学校来れへんのとちゃうか』
(……来年は追加で世界選手権の団体、個人に出るやろうから2学期全部なくなるで)
『世界ジュニア選手権じゃなくて、世界選手権に出るって時点で滅茶苦茶注目されそうや』
8月のインターミドルから、ほとんど麻雀しかしないスケジュールになっていることにびっくりしながら、怜はスケジュールを見直し……秋の団体戦に、怜は出場できないことを悟る。
「竜華。うち、秋の大会は出れなさそうや」
「秋は府大会の方がリオデジャネイロ東風フリースタイルと日程被っとるもんな。
……来年のシードがかかっとるけど、そこまで心配せんでもええんとちゃう?最悪、府大会はシードじゃなくても大丈夫やしな」
秋の大会は来年のシード校を決める戦いで、千里山中学が区大会を勝ち進めば大阪府大会、関西地区大会と進み、冬休み期間に各地区の優勝校が集まって全国大会という流れになる。日程的に、大阪府大会と関西地区大会に出られない怜は、竜華に後を任せる旨を伝えた。