超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第63話 太もも

全国中学生麻雀大会団体戦2回戦、千里山中学はトップを独走し副将の竜華の出番となる。ここで怜は幽体離脱を試みて……上手く行かない。

 

(どうやって原作怜ちゃんは竜華の元へ行ったんや!?)

『あれ全部竜華の幻覚説が出て来た……?

とりあえず、身体の操作を自分に任せてみてからやってみたら?』

(ええー?……ゆーはぶ)

『あいはぶ。

……あれ?怜の霊圧が消えた……?』

 

しかし怜が自身の人格を奥に引っ込める時のように離脱を試みると上手く行き、怜はそのまま竜華の元へと駆け寄る。半分黄泉の国へ足を突っ込んでいる技だが、これで怜は竜華に未来を見せることが出来る。

 

(ほんまに未来が視えたで……これが最高点?)

(せやな。視える道筋の中のベストがそれや。

まあ未来を捻じ曲げて来るような輩がいたらダメなんやけど……そういうのは小鍛治プロや白築プロレベルだけや)

 

竜華の元へ駆けつけた怜は、途中で息苦しくなり急いで元の身体へと戻る。長々とおしゃべりすることは出来ないと、怜自身は感じた。

 

『お帰り。上手いこと行ったか?』

(上手いこといったんやけど……抜け出した後は若干記憶があいまいになるのと、長く離脱したらしんどくなるからすぐに戻らんと天に召されそうや)

『あー、じゃあここで未来視てからそれを伝えるっていうのは難しいんか。竜華の太ももに蓄えたパワーを使うしかないんやな』

(それも、今は2回が限度っぽいわ。あと1回使ったらそれでおしまいやな)

 

怜はせっかく発現した力が微妙だと残念そうに脳内会議を続けるが、2回も対局者にその対局でのベストの上がりを指し示すだけでも相当強い力である。何より竜華は、対局数が増えていくと把握できる牌の数が増える。後半の方が強い雀士だ。

 

その分、スタートダッシュは超集中モードという切り札を切らない限り苦手な部類に入る。その苦手分野を怜の未来視でカバー出来れば、まともに戦える中学生は片手で数えられるほどの人数しかいない。

 

その後、すぐに竜華は怜を呼び出し連荘する。そこで超集中モードに入り、全牌把握をした竜華は……情け容赦なく最下位の学校を飛ばした。怜に出番が来ることなく、千里山中学は2回戦を1位で突破。

 

また、葉子とやり合える白水のいる生立ヶ里中学を危険視した竜華はきちんと生立ヶ里中学を3位に落としてから最下位の学校を飛ばしている。……全牌把握により、狙い撃ちが可能になったことによる芸当であり、生立ヶ里中学の副将は青い顔をしていた。

 

(……竜華が鬼強くなったせいでこれうちらの出番ないんとちゃう?)

『このまま準々決勝も準決勝も温存されたまま勝ち上がって、決勝で先鋒の葉子と交代はありやな。戒能さんは流石にうちらが潰さなあかんやろ』

(初手チャルチウトトリン……字一色七対子……うっ、頭が)

『無駄ツモなし改変不可の7巡目大七星は忘れたくても忘れられへんな。

……あいつ何個オカルト持ってんねん』

 

その後、怜の予想通りに準々決勝も準決勝も千里山中学は1位通過で副将戦までに試合を終えたため、怜の出番はずっとなかった。……先鋒の葉子、中堅のセーラ、副将の竜華の活躍は言わずもがなだが、次鋒に入っている曽根崎も決して悪い成績ではなかったことが大きかった。

 

『準々決勝では葉子が大勝ちしてくれたお陰で他3校が潰し合う展開になったからか+11000やし、準決勝も-1700なら健闘した方やろ』

(まあ基本準々決勝も準決勝も千里山中学のトップは止められないから、どこも2位狙いだったからこその成績やけどな)

『そんでまあ……葉子もセーラも竜華も全員ずっとプラス収支は強すぎるわ』

(特に竜華は3試合連続で対戦相手を飛ばして決着やし、えげつないわ)

 

決勝まで勝ち上がった千里山中学は、インターミドルで連覇がかかる大生院女子中学と対決することとなる。先鋒の戒能の調子を見て、葉子に任せてたら先鋒で何処かが飛ぶと判断した怜は、葉子とポジションを交代する。

 

ちなみにこのポジション間の交代はインターミドルまで可能で、インターハイからは不可能となる。インターハイは事前に登録したポジションで戦う必要があり、可能なのは補員からの交代だけとなる。

 

「やはり、来ましたか。

……まさか、あなたが先鋒でアピアーしてくるとは」

「あぴあー?」

「……国際試合にも出ているんですから、英語をもう少しはスタディしてみては?」

「自動翻訳の機械があるからそれでええやん」

 

世間的には長年のライバル、ということになっている怜と戒能だが、怜は基本毎回戒能をフルボッコにしている。しかし年々増え続けるオカルトの数々に、今年はそこいらのプロ雀士よりも遥かに上の圧をかけられ……怜はそろそろ勝つのがしんどくなりそうやとため息をついた。

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