超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第6話 麻雀部

結局怜が学校を休んだのは1日だけで、始業式の翌々日から普通に登校を始めた怜の隣には、常に竜華がいるようになった。そして怜は竜華と一緒に、石連寺小学校の麻雀部の部室へとお邪魔する。

 

「お、お……」

「お?」

「園城寺怜が来たああああ!」

「な、なんか賑やかな人やな。怜ちゃんってやっぱ有名人?」

「麻雀では一応……有名人やな」

「有名ってレベルじゃないでしょ!?何で今になって来てくれたん!?」

 

そこで待っていたのは、石連寺小学校麻雀部の部長である除ヶ口弥生であり、当然のことながら怜のことを知っていた。というより、麻雀をしている小学生で怜の名前を知らない方が珍しい。

 

「園城寺さん弱小麻雀部になんて入らない人だと思ってた……」

「そんなことあらへん!それに、うちがいるだけで全国有数の超強豪麻雀部やで。

竜華もおるしな」

「そっちの子も麻雀強いの?」

「うちはあんまり……」

「竜華は全国大会に出られるぐらいの強さや。そこら辺の人とは違うでー」

 

石連寺小学校麻雀部は部長の除ヶ口と双子である倉智知恵、倉智多恵の計3人しかおらず、これに怜と竜華を加えても5人。あまりの少なさに少し心配になる怜だったが、しかし5人いれば、団体戦に参加出来る。

 

「団体戦、出てくれるんか!?」

「大将でなら、やけどな。あと団体戦のルール的に、1人強い人がおってもどうしようもあれへんやろ」

「他で3勝されたらね……。

個人戦の方は、予選免除だっけ?」

「一昨年から『全国大会の優勝者は翌年の予選を免除する』ルールになったから予選免除や」

 

怜は団体戦に出ても良いと言い、除ヶ口は飛び上がって怜の両手を握りブンブン上下へ振る。その後、麻雀を打つ流れになったため、竜華と倉智姉妹、そして除ヶ口で卓を囲む。

 

この倉智姉妹は、双子という理由から互いに考えていること、そして麻雀の手牌を互いに把握している。通しに似たような打ちまわしが得意であり、1人ではそこまで強くないものの、2人そろった時の強さは並大抵のものではない。

 

「通しは良くないと思うで。

ロン、タンヤオピンフドラ3。8000」

「うあちゃー」

 

しかしながら、通しで鳴いた後の防御が薄くなったところを竜華に討ち取られる。……双子で通じ合っている姿を見て、怜はこの2人がこれから化ける可能性を感じた。

 

「知恵ちゃん、多恵ちゃんは互いに通じ合ってるんか?」

「うちらは何もしなくても通じ合いますねん」

「通しちゃうでー」

「……離れてても、通じ合えるんか?」

「それは試してみたことないですけどー」

「流石に無理やと思いますよー?」

 

この世界には、オカルトというものが存在している。確率の壁を超えて嶺上開花をしまくる人や、全てのドラが集まる人。その中に、2人組での能力というものも存在している。

 

「もし離れたところからテレパシーみたいなもんを飛ばせるなら、控室から『それ切ったらあかん!』って言葉も伝えられるんちゃう?」

 

そして怜の提案を、最初は否定していた倉智姉妹だったが、次局で知恵が抜け、怜が入ると、多恵の振り込み回数は明らかに減った。

 

「知恵、私の後ろにいる時に何かサインとか出してへんよな?」

「部長の後ろにいる時でもサインとかは出してへんですよー」

「流石に同じ部屋にいると何となくこの牌はあかんって伝わって来ますー」

「ほんまに!?知恵ちゃん多恵ちゃん凄いなあ」

「見抜いたうちが一番凄いでー」

 

次は別室に移動させて念を送らせてみたい怜だったが、流石にカメラが4つもなく、別室から4人分の手牌を見ることは出来ないため能力開発の練習は中断せざるを得なかった。しかしながら、団体戦は基本的に控室で中継が映る。遅延等はないため、テレパシーが使えるのであれば2人は絶対に振り込まない存在となる。

 

「一応、通信機器とかで控室から対局室に教える行為は全て反則なんやけど……」

「テレパシーなら証拠とか残らんからなあ。

あ、全国やとこのレベルの理不尽な能力持っとるのは基本やと考えといて下さい。そこにいる竜華も温度変化が目で視えるし」

「うちは集中せんと見えへんけどな」

 

基本的には、倉智姉妹が入れ替わりで交代を続け、テレパシーを送り合う。当然、上手く行かないこともあるが、流石は元から通じ合っていた双子なだけあって、互いに姿が視えている場合は危険牌を察知できるようになり……。

 

この日の一番最後の対局では、対局者である知恵の後ろに立つ多恵から、『その牌を切ったらダメ』という念を受け取り、見事に振り込みを回避した。怜はこの成功を見て、上手く成長すれば全国でも屈指の守備型の選手が2人出来上がると期待を膨らませた。

 

(まあこれが出来るようになってようやく全国クラスの守備があるだけで、その他諸々の底上げは必須やな)

『そもそも全国クラスの選手だと直感で大体は他人の上がり牌分かるからな。化け物クラスだと手の大きさまで分かっとるし……竜華も、今日1回も振り込まんかったな』

(なんやかんやで全国までは行けそうやなあ。相当強いやろ?)

『分からんで。小学生の団体戦は個人で3勝した場合その時点で勝ち抜けやし、いくら強い人が1人おっても勝ち抜けへん』

 

全国小学生麻雀大会大阪大会団体戦のルールは、5人一組で1位を3回取った学校が出るとその時点でその学校が勝ち抜け。大将戦終了時に1位を3回取った学校がなかった場合は、総合得点で勝敗が決まる。

 

今日の倉智姉妹の様子を見て、怜は団体戦の方でも全国に行けそうだと考えた。

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