超強化怜(贋)   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第8局 団体戦

竜華の友達というだけで絡まれた結果、卓を囲むことになった怜はその後、上手く鳴きで上家に座る竜華のツモ順を飛ばしながら、初心者2人のサポートを行い、ツモ上がり出来るような助力をして点を均した後、きっちりオーラスで上がって1位を死守した。なお2位は竜華のため、初心者2人に花を持たせない経験者2人の図である。

 

「2人とも十分才能あるやん。これは期待の新入部員やな」

「まだ入るって言ってない」

「そうですよ!そもそも私、手芸部ですよ?」

「私バスケ部」

「……麻雀部は火、金なんやけど曜日被る?」

 

野上と進士を麻雀部に本格的に誘う怜だったが、2人とも別の部活動に参加していることを理由に断ろうとする。しかしながら、麻雀部の活動日が週2回であり、手芸部とバスケ部の活動日と被らないことを把握すると、一考の余地が出て来る。何よりこの世界は麻雀が流行っており、競技人口世界一の競技が麻雀である。

 

「今度の土日に大会あるし、竜華も出るから応援したってーな」

『竜華の友達で、これだけキャラが濃いなら原作キャラやろうし入ってくれるやろ』

(団体戦でうちの小学校が活躍したら入りたいって思ってくれるかもしれへんしな)

 

全国小学生麻雀大会大阪大会団体戦は、土曜日と日曜日の2日間で行われる。1回戦からトーナメント形式での1位のみ勝ち抜けのため、1回の試合が最大で半荘5回と長くても2日間で終わる。

 

 

大阪府の参加校数は162校。インターハイのように大阪府の二分割はされておらず、1位のみが全国大会へ出場する。初日の土曜日で162校⇒64校⇒16校と減り、日曜日で準決勝と決勝が行われる。要するに、5回勝ち抜けば優勝である。

 

先鋒:清水谷 竜華

次鋒:倉智 知恵

中堅:倉智 多恵

副将:除ヶ口 弥生

大将:園城寺 怜

 

「大将戦までに決着せーへんかったらうちが何とかしたる!」

 

大将戦まで回せば勝つと堂々と宣言する怜は、現在ベンチの上で竜華の膝枕を堪能しているため非常に締まらない。……怜は竜華によく膝枕をして貰っているが、これには深い理由がある。そうこうしているうちに組み合わせが決まったので、先鋒の竜華が対局室へと向かう。

 

『何で地区予選の1回戦なのに控室があるんや?』

(お兄さんの前世と色々ちゃうのはもう慣れーや。全国大会の時もホテルはええとこ泊まれたやろ)

『あっ、竜華が超集中モード入った』

(……こりゃどっか飛ばすで。この調子ならうちが出るまでもあらへんな)

 

開始早々、倍満をツモった竜華は次局の親で数え役満を下家にぶつけて飛ばした。団体戦は個人戦を5回行う形で、各対局は30000点スタートなので、あっという間にトビ終了となった。

 

次鋒と中堅の倉智姉妹は対局中、互いに控室からテレパシーを送るが効果があるのは振り込み防止のみ。ただ、この年代の子供で一切振り込まないというのはかなり強く、1位にはなれなかったものの点数を大きく減らすことはなかった。よって中堅戦終了時点で、怜のいる石連寺小学校は総合収支で僅差の1位である。

 

しかしながらその次鋒と中堅で連続1位を取った学校が出て来たため、副将戦の時点で総合得点では勝っているのに勝ち抜けのリーチをかけられた状況となる。そんな中、対局室へ向かう除ヶ口は、明確に自分の役割を理解していた。

 

『除ヶ口部長は、はっきり言ってしまうと地区大会初戦負けの小学生と何ら変わらんからなあ』

(ある程度の知識はあるんやけどな……クラブチームに落ちてる時点で正直なところ、才能は微妙や)

『ないとはっきり言わないのは逆に部長を傷つけるで。……まあ、弱い事を自覚しているからこそ出来る闘牌もあるやろ。特に、こういう場面やと』

 

1位を3回取った学校は、その時点で勝ち抜け。総合得点に関係なく、勝ち上がることが出来る。だからこそ、ここでの除ヶ口の役割は、死にに行くことだった。

 

「ああ、部長が振り込んだで……」

「……いや、あれ部長はわざと振り込んでるで。同じ学校に1位を3回取らせないために、自分が死んででも次に繋ぐつもりやろ」

 

竜華が下家に振り込んだ部長を心配するような声を出すが、下家に座る学校は中堅まで1度も1位を取れていない上に、総合点でも凹んでいる学校である。そして……。

 

「ロン、三色ドラ1で5200点や」

『おっしゃ2連続で1位取ったところに直撃はでかい』

(これで下家と上家の点差は19000点差やし一安心やな)

『……この対局で、トビに行くのか。覚悟決まってんな』

(なるべく総合得点で1位のところとの点差が大きくならないようにしてトビに行くの、地味に凄いな。飛んでるけど)

 

オーラスを前に、除ヶ口は対面と下家に差し込みを続け、無様に飛んだ。しかしながら、試合の決着はさせなかった。

 

「唯一の6年で部長が飛びって恥ずかしいやんな……。

……あとはお願いします」

「まかされたでー。

……普段から、あれぐらい覚悟決めてたらもうちょい和了率は上がるで」

 

控室から対局室への廊下で、除ヶ口は怜とすれ違う。あとを任された怜は、起家を選び、他3校を東1局7本場で全員一斉に飛ばした。

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