ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第三十二話 与えられた仕事

――数時間後・英国北部

 

「――ここか?」

士郎はアルビスからもらった地図とコピーした写真を見ながら、周囲を見渡している。周りは針葉樹林、そして目の前には雪山。一見してみれば、雄大な自然風景。だが、それも一般人からの見解だ。こちらから見れば、違和感全開のものだった。

 

「それにしても、やけに物々しいところだ…」

黒いダッフルコートが冷たい風になびく。

『士郎――下がってください、なにやら風王結界(インジビブル・エア)と似たようななにかの魔力反応があります』

「たしかに、波長は似ているが、所詮隠れ蓑にすぎないさ――投影・・・開始(トレース・オン)!」

アルトリアの警告を無視し、投影で機関銃を一丁出した

『機関銃…ですか?』

「そういうことだ」

直後、銃口が火を吹き

 

ズガガガッガガガガ!

ものすごい薬莢の音共に目の前にあった二本の木が蜂の巣にされた

なぜ撃ったか?そんなのは単純だ。それが魔術に関わっているものだからだ。先ほどあった木二つはアレが門としての役割を果たしていたからだ。

パッと見ただけでは普通の木にしか見えずとも、 実はそれが儀式場だったりするのがこちらの世界の常識だ。そんなところなのだ。

隠蔽(ステルス)ね・・・小癪なまねを」

そういいながらさらに奥に歩いていく、それと同時に次々と要所となる木を蜂の巣にしていくと

 

「(――狐か)」

感じると同時に、ものすごい速さで一本の剣を放った。

スカンッ!!

それは、肉を刺す音ではなく、木に刺さる虚し音だった。なにかがいた場所、なにかが背にしていた木に刺さる剣。今回使ったのは、【黒鍵】というもので、教会に所属する代行者というものが主に使う投擲武器だ。本来持ち運ぶときは柄の部分だけで、使用する際にはその刀身を魔力で半実体化させて投げつける武器だ。それ自体の切れ味は普通の刀剣類とそう変わらない。

「(――はずしたか)」

そう思いながら歩いていくと、途端雰囲気が張り詰めた糸のように変わった。

 

「(――ビンゴ、アジトだな)」

視界が開けると、そこには大きい湖があった。そして霧がかかっていて全貌までは見えないが、湖畔には西洋の城があった。士郎は写真を取り出して比較すると、写真と同じ城、そのものだった。

「(……剥がすか)」

そういうと、士郎の周りに暴風が渦巻く。士郎はその城に向かって手をまっすぐ伸ばし

「(風王結界(ストライク・エア)!!)」

手首の関節を曲げると、湖の水を巻き上げながら、城に暴風がぶつかるり、周りの霧を霧散させると思ったのだが

「(小癪な真似を・・・)」

もともとこの城は、重層の幻覚と魔術結界に守られた城だと聞いたことあるが、まさか、霧まで一部だということに士郎は純粋に驚いた。

その直後――

ズドドドドドドドォォンッ!!

まるで機関銃の嵐のように城から魔弾が飛んでくる。しかし、一発も士郎に当たることはない。どうやら、あちらはこちらに気づいたのだろう。無理もない、結界を引っペがそうとした人間だ、目立たないわけがない。士郎は、精霊の加護を使い、湖の上を歩いていく。その間にも絨毯爆撃のように、魔弾の嵐は止むことはない。そんな嵐の中を悠々と表情一つ変えずに歩いていく士郎。その姿はさながら化物だった。

『ば、化物おォォ!!』

「言ってろ、魔術師(ウィザード)

皮肉たっぷり言いながら士郎は歩いていく。そして、城門の手前まで到着すると

 

「なぁ、お前ら知っているか?」

まるで聞かせるようにいう士郎。思わずその言葉にその場にいた魔術師(ウィザード)が魔弾の精製を止める。そして、士郎は止むと同時に、そちらに顔を向け

「魔弾っていうのは、当たらなきゃ――ただのゴミなんだよ!!」

狂った様な顔を向けると同時に魔術師(ウィザード)の足元から炎を噴出し、炎を魔術師が包むと同時に

バキバキバキィィンッ!!

一瞬にして、彼らは炎に包まれると同時に氷漬けにされた。

「・・・ということだ、中にいる諸君――準備はいいかな?」

そういうと、先程からこちらを一部始終を監視していたスフィアに向けて、うすら笑みを向ける士郎。

 

ズドオオォォォォォォン!

同時に、城の門をありったけの怪力で蹴り飛ばし中に侵入する。

「さぁ、ショーの始まりだ!」

士郎は、中に突入していく。そして、真ん中に向け一気に走り込み、玄関ホールの中心に陣取る。そして、その真ん中で

バリバリバリ!!

士郎の雷が周囲ドーム状に放出され

『いぎゃああぁぁぁぁっ!!』

悲鳴を叫びながらその場に倒れていく魔術師ウィザード達。士郎は、玄関ホールを制圧し、次のフロアに向かおうとしたとき

「・・・いや、まさかな」

倒れている魔術師(ウィザード)を数人見ると

「(――『禍の団(カオス・ブリゲード)』!?)」

渦中のテロ組織『禍の団(カオス・ブリゲード)』の構成員だった。

「(ここもあいつら関わっているのか・・・目的はなんだ・・・)」

士郎は考えながらも城の奥に向かって進んでいく。

 

 

――城の廊下

 

「なにものだ!?貴様!?」

目の前では、堕天使の『禍の団(カオス・ブリゲード)』の構成員とその他数名の魔術師(ウィザードが)いた。

「何者?そうだな、とりあえず、正義の味方(虐殺者)とでも名乗っておこうかね」

「正義の味方様が天下の『禍の団(カオス・ブリゲード)』に何用ですか?もしかして、正義の味方らしく倒しに来ちゃったわけ?」

挑発的に聞いてくる堕天使。

「おいおい、小物みたいな台詞を吐くなよ、天下の『禍の団(カオス・ブリゲード)』さん、それに知ってるか?最近の正義の味方は……」

そういうと、彼らの目の前から士郎が消えた

 

「なっ!どこいった!」

慌てふためく魔術師(ウィザード)

その直後

「ギィヤァァアアァァァァァッ!」

「倒す、っていう生ぬるいことはやらないんだよ…やるなら徹底的にな?」

直後、悲鳴と共に後の方の『禍の団』のメンバーの堕天使の羽根が?げ、血を流していた。見れば、正義の味方(虐殺者)の顔には返り血がついていて、ますますその不気味さ狂気さを引き立たせる。

 

 

「この程度、見切れないんじゃなぁ……貴様らの役目は、とうに終わっている」

そういうと、刃のない柄だけの剣が大量に彼らに向かって飛んでいく。

「――ふっ、刃のないものなど恐るに――」

"足りぬ"と、言おうとしたのだろう、魔術師達の期待は安々と裏切られ、魔術師達の肩や関節、体のいたるところに刃が突き刺さった。その光景は、まるで魔術師ウィザードが地面に縫い付けられているようだった。

 

「さあ、懺悔の時だ」

それと共に、地面に縫い付けられた『禍の団』のメンバーが一人ずつ、そう一人ずつ恐怖と苦悶、絶望、その他もろもろが混ざったような顔を浮かべ

異界文書(ザ・コード・オブ・アーカシャ)――極刑王(カズィクル・ベイ)!!」

地面から現れた大量の槍が問答無用で魔術師を突き刺した。そして、先ほどまで綺麗だった廊下は見るも無惨に血の沼と化した。

 

それから、廊下を進んでいくと、なにやら荘厳な部屋に到着した。あちらこちらに華美な装飾が施されているのをみると、さしずめ王の間といったところだった。

 

「化物が――」

王の間には、堕天使が一人、その場に佇んでいた。今までの所業を見ていたはずなのだが士郎に臆することなく言葉を吐き捨てる堕天使。

「化物か・・・まぁ、人間じゃないっていうところだと、お互い様だろ?」

いつでも飛び出せるように準備しながら、皮肉を込めて堕天使にいう士郎。

「はっ、人間と比べるな悪魔のガキが」

「癪に障るな――おい、『禍の団(カオス・ブリゲード)』の堕天使、なぜこんなことをする」

「邪魔だったから、ただそれだけだ」

「道理が通っててクソッタレだな――依頼者(クライアント)は、誰だ?」

「言う訳無いだろ、敵の目の前だからな」

そういうと、士郎はあらかじめ貯めておいた足元の風王結界(ストライク・エア)を爆発させ、一気に風圧による推進力で堕天使に迫り

「なら、力尽くまでよ!!」

ありったけの怪力と拳に魔力で焔を纏わせ敵とすれ違い様に拳を一閃すると

ズガァァンッ!!

瞬間的によけられ、拳は宙を切り、地面に衝突し、地面に巨大なクレーターを作り出した。

「(――よけられた!?)」

只者じゃないと感じるが、偶々ということもあるだろうと割り切り、士郎はその場で体勢を立て直し堕天使に飛び込んでいく。

「悪魔なら――これでお相手しよう!」

そういうと、光の槍を携えてあちらも飛び出してくる。士郎は、絶世の名剣(デュランダル)を持ち

ギィィンッ!!

ジェットエンジンのような爆音と共に 赤い光芒の魔力と共に剣による強力な突きを繰り出す。そこから、剣で満月を描くようにして動き、その満月を両断するかのようにして 剣を振るう。槍と剣がぶつかり火花を散らす。

「ッ!さすがだとでも言うべきか!!」

「さぁな――!!」

挑発している堕天使に向けて、隙の少ない3連撃を加えた直後に剣を左から右へ、右から左へ素早く水平に連続で振るう。

スカカカカカァンッ!!

士郎の攻撃を、堕天使は光の槍を高速で連続で伸縮させながら突きを繰り出す攻撃で相殺する。負けじと士郎は、相手の堕天使と距離をとって、すかさず方向を変え堕天使に向かって絶世の名剣(デュランダル)で一閃し、その際に刃から無数の黒い雷撃を放つ

バリバリバリバリ!!

「ヌゥゥンッ!!」

それを光の槍で受け止めようとするが、その馬鹿げた威力に、後方に吹き飛ばされる堕天使。堕天使は、空中で体勢を変え、こちらに数

発のガンドを放ってくる。

熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)!!」

難なくそれを防ぎ、投影で作り出した色が反転した絶世の名剣デュランダルを持ち、懐に飛び込み、堕天使の死角から魔力を乗せた絶世の名剣デュランダルで紫電の如き斬撃を繰り出す。

バサッ!!ズシャッ!!

堕天使の肩から血が流れる。

「――クッ…!!」

士郎は、二本の絶世の名剣(デュランダル)で舞うように連続で振るって攻撃する。そして、士郎の周囲に巨大な魔法陣が展開される。

「こ、ここまでか・・・」

堕天使が苦々しく吐き捨てるように言うと同時に

 

ギュオォォオオォォォンッ!!!

士郎の魔法から伝説にある『セントジョージのドラゴン』の一撃とほぼ同義の光の粒子が集まった巨大な柱が放出され、それが安々と堕天使の体を消滅させた。

 

「・・・こんなところか」

士郎は地面に降り立つ。そして、周りを見渡す。周りは、戦闘でその装飾は一部は完全に崩壊しそれ以外のところは、ところどころ壊れれいた。そんな中

ヒュ~ルルルル・・・

風が士郎の頬を撫でた。壊れた壁の一部から葉っぱが一枚、玉座の真下に落ちた。士郎は、その葉っぱの機会な動きを見過ごさなかった。なぜなら、葉っぱは地面に吸い付くように落ちたからだ。

「(これは・・・)」

玉座の前に到着し、士郎は手をかざすと、風を感じた。士郎は、その床に手をつけ、ゆっくりと魔力を流すと

ゴゴゴゴゴ・・・ガチャン!!ギィィィィイイ・・・

何かが合わさる音がした。士郎は、音がどこからか調べると、この部屋の近くからだった。

 

士郎はその部屋を出て城の中を駆け巡ると

「(・・・うわぁ)」

城のある一角にある扉が半開きになっており、そこから白く冷たい霧が漏れていた。士郎は、重火器を構えその中に入っていく。しかし、思った以上の暗さだったので、士郎は、スフィアを燃え上がらせる。しかし、霧がその光が進むことを遮る。

「・・・しゃあない」

そういうと、風王結界(ストライク・エア)で、周りの霧を吹き飛ばすと

「巧妙だな――」

部屋の先にひとつの鏡のようなものがあった。そこが半開きしており、その先に階段が見えた。そこから、冷たい風が絶え間なく吹いている。

「(行ってみるか・・・)」

士郎は、階段を降り始めていった。

 

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ…

階段を気をつけながら降りていく。どこに続くかわからない階段を一歩ずつ一歩ずつ降りていく。それから、数分もかからずに視界は開け、そこに巨大な空洞が現れた。見渡すとぶっといパイプのようなものが、ビッシリと埋め尽くして、一箇所に集まるように配置されていた。

「(生体実験施設か・・・)」

士郎は、洞窟の中をパイプに沿って歩いていく。

 

すると――

『ゴォオォォン・・・ドギャアァァァアアアアアアン!!』

唸り声が咆哮に変わった。士郎は身構えると同時に一気駆け出す。それから、数分後

 

「なっ・・・!?おいおい、やべぇぞこれ!!」

 

士郎は自分の目を疑った。なぜなら、目の前にいるのは、蛇のしっぽにライオンの頭、それに羊のからだに天使と堕天使の翼。そこには、合成魔獣(キマイラ)がいたのだ。合成魔獣(キマイラ)の足元には粉々に砕けたガラス片。それに空洞内に充満し始めている薬品臭。

 

『グルルルル…グギャオガァァァアンッ!!』

そんなことを気にせず、こちらに剥き出しの敵意を向ける合成魔獣(キマイラ)。そして、臆することなく一気に動き始める

ドガンッ!!ドガンッ!!

ものすごい地響きと共にこちらに駆けてくる合成魔獣(キマイラ)。そんな中、士郎は拳を構える

『グギャオォォガァァアッ!!』

合成魔獣キマイラが飛びついて喰いかかってくる、そして、士郎と合成魔獣(キマイラ)と接敵した瞬間

『ギャウンッ!?』

合成魔獣(キマイラ)の顎の部分に向けて、士郎は強烈なアッパーを叩き込む。とんでもない怪力に思わず合成魔獣(キマイラ)の体が宙に浮き、士郎はすかさずそこに向けて

「おらおらおらおらおら~~~~ッ!!!」

と叫びながら連続で殴りまくった後、今度は上空から合成魔獣(キマイラ)に向けてサマーソルトキックを食らわせる。地面に叩きつけられる合成魔獣(キマイラ)。そして、士郎が次のコンボに繋げ攻撃すると、急所にヒットしその場に倒れこむ。

「終わったか――」

それから、奥の部屋に進んでいく士郎。すると、そこそこ小さな小部屋にたどり着いた。見ればいくつかの書類の束とノートパソコンとデスクトップ型のパソコンがあった。幸い、データは維持されているみたいだ。

「(持っていくところにもっていけば何とかなりそうだな)」

ゆっくりと電源を抜き、それを持ってきたバックの中に入れる。それから、近くの椅子に座り込み書類の束をめくる。そこに係れているのは、夥しい数の生体兵器の実験報告書。

「(塩基配列に個体情報…いよいよ、ヤバそうなものが現れてきたぞ…)」

某ア〇ブ〇ラ社をほうふつとさせる実験に思わず寒気を感じる士郎。

「(とはいえ、あとは上の人間が決めるという――)」

そういって士郎はその書類の束をもって外に出た。外に出ると、そこには馴染みの気配がする。

 

「終わった?」

湖畔には冬服を着たアルビスが退屈そうに腰に手を当てて、偉そうに立っていた。

「あぁ、終わったぞ、ってか公務は?」

「今日の分は終わったのよ、とりあえずおつかれ、戻って今日は休みなさい」

「了解」

そういうと、そこから士郎とアルビスは、帰路についた。

 

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