ハイスクールD×D/Re:Zext Night 作:有栖川アリシア
――シンガポール
「ここが、シンガポールか――」
真夏の強い日差しが照り付ける中、シンガポールに降り立った士郎。その手には、スポーツバックがあり、かなりラフな格好だ。
そして、カバンから取り出したタオルで少し、汗を拭う。
ちなみに、士郎の現在の服装は、白のTシャツに黒の半袖なしパーカーにジーンズズボンという身軽な格好だった。遠くには集合場所となるホテルが見える。
「(あれが、集合場所のマリーナ・べイ・サンズ・ホテル)」
大きな3棟のホテルにはるか上に見える大きな横長い庭のようなものがある。そんな中だった。
『士郎、流石にその格好で、あのホテルに行かれるのは些かかと思われます』
「流石に、この服じゃきついか…」
『ですね』
アルトリアの忠告に従い、怪しまれない黒いコートを着た姿になる。それから、街中を通っていき。何事もなくホテルの正面玄関に到着し、エントランスに入る。やはり、中は豪華絢爛な作りだった。
「(流石、有名な施設だけあるな)」
そう思いながら周りを気にせず歩いていく士郎。周りには、いろいろな外国人たちがなにやら楽しそうに話したりしている。そんな中を、士郎はホテル受付に向かって歩いていく。その姿に違和感はなく、ただのビジネス客として見られているみたいだ。そう、ただの少し幼いビジネス客としてだ。そして、受付に到着し
「ようこそ、マリーナ・べイ・サンズ・ホテルへ、宿泊でしょうか?」
そう聞くと、徐に胸ポケットからチケットを取り出し
「―――コレを」
そういうと、サーゼクスから貰ったチケットを見せる士郎
受付嬢は何も言わずに、士郎のチケットの手続きをする
「えぇ?と、丹羽士郎様ですね、お部屋が大部屋になっていまして、代表者様が鍵をお持ちですがどうされますか?」
「大部屋?すまない、何人部屋だ?それと、そこに何人泊まることになっている?」
「3人部屋が2つで、6人様が泊まることになっております」
「――(サーゼクス…やってくれるねぇ)分かった、何か言伝は?」
「えぇと」
そう言いかけたとき、その受付嬢がなにか暗示にかかったように
そして、口元が動き出し
「――スカイパークにいるわ」
そう告げた直後、すぐに意識が戻る受付嬢
「こちらが部屋の番号でございます」
部屋の番号が渡されたカードを渡される、番号は481103だ
「どうも」
「では、ごゆっくりお楽しみください」
「わかった――」
そういうと、その場から立ち去る士郎
それから、最上階のスカイパークに向けて歩き出す士郎
エレベーターに乗り、地上200mにあるプールに向かう。しかし、エレベーター内でここにきて気づいたことがある
「――アッ、水着…」
完全に水着を忘れた感があるが
「そういや、
そういうと、中を手探りで探すと案の定水着があった。そのまま、スカイパークの入口に向かって歩いていく士郎
「チケットのご提示を」
「コレかな?」
そう言うと胸ポケットからチケットを取り出し見せる士郎
「ご提示ありがとうございます」
そう言うと、その券を半分にする受付員。それを受け取り、近くの更衣室に向かう士郎
それから更衣室の個室にはいり、取られないように荷物を
「(おぉ~)」
更衣室から出ると、目の前には眺めのいい景色、さすがは地上200mといったところだ
そのまま、周りを見渡していると、端の方に一際目立つ集団がいた。といっても、見知った顔の連中だが、これはこれでまた違った雰囲気を出していた。
「(――うわぁ、絶対関わりたくねぇ…)」
見れば周囲の男性の一部が彼女たちに熱っぽい視線を送っている。それから、こうしてても状況は一向に改善されないと悟った士郎は、ゆっくりと彼女らに近寄ろうとすると
「(あっ・・・)」
偶然、こちらを向いたアルビスとサツキの両名と目があった。次の瞬間――
「お~い、士郎~」
満面の笑みでこちらに手を振ってくるサツキ。そして、周囲にいた男性の視線が一気に士郎に注がれる。その視線はすべて刺し貫くレベルの嫉妬だ。というものの、その理由がわかってしまう士郎。それほどまでに彼女たちの水着姿は注目を集めるに値するものだ。とてもじゃないが一介の高校生とは思えない二人には納得する。それから、士郎は自分の中で自己完結したのち、彼女たちに近寄る
「すいません、遅れました」
「大丈夫よ、それにしても、結構いいところね」
「えぇ、そうですね」
近くに腰掛ける士郎。そんな中
「ちょっと、こっちにいらっしゃい」
サフィアさんが士郎を手招きをし
ガシッ!
士郎の手を掴んで、思いっきり引っ張った
「――ッ!」
その拍子で、サフィアさんの上に倒れこんでしまう士郎。まず感じたのは、とても柔らかく、幸せな気持ちにさせるものと言うことだった。ぶっちゃけたこと言うと、サフィアさんの豊かなおっぱいに顔をうずめた状態になったのだ。
柔らかい感覚が、コンマ100で士郎の理性を削っていく
「あっ、ちょっとサファイアさん!?」
隣からは、黒髪の可愛い美少女兼幼馴染であるサツキがこっちを見てほっぺを膨らましていた。なんとも可愛いものだが、一見してみれば、というかこちらから見れば修羅場になりかねない状況なのである。しかも、士郎はこの状況下で断ったり、また、離れたりすることもできなく現在系でサフィアさんの豊かな胸の中に顔をうずめており、その上、頭を撫でてもらっているという、周りの男性から見れば"うらやまけしからん、すぐにでも爆発 ゲフンゲフン"という状況なのである
そんな中、遠くからサツキもやってあげたそうな雰囲気になっている。とはいえ、相変わらず、倒れ込んだところでナデナデしてもらっている士郎その手つきはまるで母親のように、まるで愛しい子猫を可愛がるような手つきだ
「ウフフ、猫みたいね、士郎」
抵抗しようとしても、なぜか本能がそうさせないのだ。
「少し、こうさせなさい、士郎」
その甘く意識をもってかれそうな声が士郎の耳に入る。そうすると士郎の体から一気に力が抜けた。
「(やっぱり、この人には勝てないや――)」
そういうと、ゆっくりと目をとじようと思ったとき
「もういいわ、ありがとう士郎」
その一言で一気に目が覚める士郎。その隣では、サツキが何かを欲しそうに見ている。その視線は、何かを欲し狙っているような目あるいは、野原の中でうさぎを見つけたライオンのような目だ。そんな中
「それで、サファイアさんどうするんですか?」
「夕食の席で話すわ、それまで寛いでいなさい」
「わかりました」
いくつか言葉を交わし終わると
「お話、終わったかしら?」
「ん?あぁ、終わったぞ」
後ろから話しかけられる。振り返るとそこにはリクライニングチェアに座ったサツキとアルビスがいた。そして、案の定こっちに手招きをするサツキ。アルビスに至ってはなにか手をわしゃわしゃと動かしており不気味だ。
士郎は彼女の下にいくと
「まぁ、座りなさい」
「おう」
そういって彼女の近くに座り込む。すると
「――ッ!?!」
突如両方向から士郎は抱き付かれる。士郎は驚く。見れば左右それぞれから二人に抱き付かれていた。二人のサツキの柔らかい何かが士郎の背中に水着越しだが思いっきり押し当てられている。サツキに至っては士郎のほっぺに自分のほっぺを当て、猫のように夢中に頬ずりしてくる。そして二人とも、お気に入りのぬいぐるみを抱くように、体全身で士郎を感じるように抱きしめる
「サツキ!?アルビス!?」
「いいのよ、これくらい、士郎は――」
そういうと、サツキが唇を士郎に近づけてきて
「ゆっくりと楽にしてて」
囁くような声に思わず意識が飛びそうになる。とはいえ、ぎりぎりのラインでゆっくりする士郎。
同時並行的に嫉妬の籠った視線が殺意を持った視線に変わる。それから、いくらか彼女らに身を任せる。それから、
「せっかくだし、泳ぎましょうか」
「そうだな」
そういって泳ぎだす士郎とアルビスとサツキ。2時間ほど泳ぎ終わりプールから上がる士郎
ゆっくりとビーチサイドのリクライニングチェアに再び腰掛ける。
「久しぶりだな、プールも」
「おい、そんなことで大丈夫か?」
リアナに声をかけられる士郎。
「まぁ、日頃鍛えてるから問題ないさ」
「なにか、飲み物でも飲むか?」
「ん?いや、自分で買うさ、にしても、どこにある?」
「右の方にある」
「どうも、何か買ってくるか?」
「士郎に任せる」
「了解、では、買いに行ってくる。」
そういうと、リクライニングチェアから立ち上がり、プールサイドを歩いて飲み物を買いにいく士郎。
特に何事も無く店の前に到着する士郎。そして、メニューを見る。
「いらっしゃいませ~」
「ブルーハワイドリンクと、お茶を一杯」
「かしこまりました。ブルーハワイドリンクは、グラスに致しますか?カップに致しますか?」
「グラスで」
そう言うと、すぐに頼んだものが出てきた。お金を渡し、商品を受け取る士郎
「ありがとうございました~」
それから、リアナのところに戻ろうと歩いてたとき
「士郎、飲み物買ってたの?しかも、二つって?どうしたの?」
向かいの方向から、レイがやってきた。
「ん?あぁ、方っぽはリアナの方だ」
「…へぇ~」
ジト目でこちらを見るレイ
「――気づけよ、鈍感」
ストレートにひどいことを言われる士郎、一瞬何言われたのか理解できなかったのは言うまでもないことだが
「少しはお礼というものを考えなきゃ」
その言葉で彼女が何を言いたかったか分かった
そういうと、その場を去っていく二人
「お礼――か」
そういうと、今歩いていた方と反対の方向。つまり、さっきの店の方に再び歩きだした
「(そういや、サツキは炭酸が苦手だったんだよな、んじゃあ、スポドリか何かでいいか)」
そう、頭の中で考えながら歩いていく士郎だった
「いらっしゃいませ?」
「スポーツドリンク3つ」
「かしこまりました」
そう言うと、すぐに頼んだものが出てきた。再び、お金を渡し、商品を受け取る士郎
「ありがとうございました?」
再び来た道を戻っていく士郎だった
さっきの場所に戻り
「はい、リアナ、飲み物だ」
「ありがとう」
そういって彼女に渡す士郎。
それから、その近くにいたサファイアさんに
「飲み物買ってきたんですけど飲みます?」
「えぇ、いただくわ」
「はい」
そういうと、サファイアさんの手元にドリンクを置く
「ありがとう、士郎」
「いえいえ」
そしてサツキとアルビスには――
「お~い、二人とも、飲み物買ってきたよ」
「ナイスね士郎」
水面から上がるアルビス
「ありがと、士郎」
少し後にプールから上がるサツキ。そして二人にペットボトルのスポーツドリンクを渡す。
「にしても、気が利くじゃない」
「どうも」
アルビスから褒められるといっても、気づいたのはレイであるが。そんな中
「そうね、次はビーチバレーでもやる?」
「ボールもあるしやってみましょうか」
「おう、だな」
そういうと、三人だけのビーチバレーが始まったのであった。