ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第四十六話 決着、白龍皇戦

「――ここは…」

士郎の放った光に包まれ、ヴァーリはゆっくりと目を開くと、そこには無限とも言える広大な荒野が広がっていた。

「固有結界『無限の剣製(アンリミテッド・ブレード・ワークス)』…全てに絶望したとある英雄が・・・最後にたどり着いた場所だよ」

赤い外套を翻しながら言う士郎。

「小癪な真似を――」

士郎はゆっくりとヴァーリの方を向き、無銘の剣の刃先を向けると同時に

「ヴァーリ・ルシファー、今一度問おう…先ほどの発言撤回する気はあるか?」

低い声音でいう士郎に

「ないな…旧魔王の血族で白龍皇である俺が撤回をすると思うk――」

ジュンッ!!ズドオォォォォオンッ!!

「ッ!?」

ヴァーリも数秒の間、何が起きたのか理解できなかった。なぜなら、光速をも超える魔力砲が自身の頬をかすめたのだ。振り向けば後方の大地は溶解している。ヴァーリは再び士郎に視線を戻すと、ゆらりゆらりと彼の瞳に赤と黒で構成されたなにかがゆらめいているのを確認する。それを認識した次の瞬間

 

「――がはっ!?」

口から鮮血が飛び出し、ヴァーリの体は後方に吹き飛ばされ、地面に叩き付けられる。ヴァーリの顔が驚愕一色になる。その場から一歩も動いたとも思わせないその芸当にヴァーリは怒りを覚え

 

「――滅神龍皇…きさまぁぁぁあぁぁ!!」

『Half Dimension!!』

宝玉の音声とともに眩いオーラに包まれたヴァーリが士郎へ手を向けるが

 

ピカァンッ!!パリィンッ!!

「なに!?」

ヴァーリのバニシングドラゴンの効果が通用しない。

 

「なら――これなら!!」

数発の高威力の魔力玉を上空からブチ込んでくるが

ズドオォォォンッ!!

それが士郎に直撃し、爆煙を巻き上げる。そして、爆煙が止み

 

「――それだけか?」

ひどく恐ろしい声音がヴァーリの耳に聞こえた。

「なにっ!?」

いよいよ本格的に勝ち目がなくなってきているヴァーリ。そして

 

「――」

一瞬の静寂の後、士郎がヴァーリの目の前に現れ、紫電の如き斬撃を繰り出す、その際に刃から無数の黒い雷撃が放たれ、容赦なくヴァーリを襲う。

「なにっ!?」

ガスッ!!

吹き飛ばされ、体勢を立て直そうとしたヴァーリの顎に綺麗にサマーソルトキックが入り、ヴァーリの体が更に宙に浮き、そこめがけて豪炎をまとわせた剣による5連続突きからの斬り下ろし、斬り上げのコンボを食らわせる。そして、宙に浮き上がったヴァーリの腹部にめがけて、思いっきり叩きつけるように剣を振り下ろす。

ズガァァンッ!!

鈍い音と共に、ヴァーリがものすごい落下を始めるので

「おまけだ――!」

地面に向けて手を翳すと紫色の魔法陣とともに自分だけ影響を受けずに、相手に超重力を与えることが可能な魔法が発動し、ヴァーリの認識も操作して、体感重力を数倍に引き上げおまけに本当の重力も引き上げると

ズガアァンッ!!

「がはっ…」

その速度を上げ――ヴァーリのカラダはまるで隕石のように地面に激突した。

 

士郎はゆっくりと地面に降り立ち、ヴァーリを見下ろすように言う。

「まだ、やるか――」

「こうなったら――あれを…『我、目覚めるは、覇の理に――』」

『ヴァーリ!!自重しろ、我が力に翻弄される気か!?貴様の体がもたんぞ!?』

怒気を含んだアルビオンの声がヴァーリを静止させる。士郎は、固有結界を解き、ゆっくりと地面に降り立つと

「滅神龍皇――その力はなんだ?」

「・・・誰かを守るための力だよ」

ヴァーリに背中を向きながら答えを言う士郎。

「わからないな――」

「わからないなら、わからないままでいろ」

それから、少し経つと。月を背に三国志の武将が着ているような鎧を身に纏った爽やかそうな顔つきの男性が現れた。

「ヴァーリ、迎えに来たぜ」

気軽そうにヴァーリに話しかけるが

「おい、ヴァーリ!?」

ヴァーリの姿をみたその男性が駆け寄る

「どうしたその傷とやられよう!?」

「美猴か、どうした…?」

「相方がピンチだっつぅから、遠路はるばる、来たんだぜ、にしてもどうした!?」

ヴァーリがゆっくりとこっちを睨めつける。

「ヴァーリ・ルシファー、俺はお前やイッセーと違って力やおっぱいが好きなわけではない、俺が好きなのは家族だ」

「家族――あいつはお前の血族ではないはずだ」

「一応言っておくが、血の繋がりだけが家族じゃない」

「……綺麗事を」

「いくらでもいえ」

「・・・・・・そうだな」

張り詰めた雰囲気が漂う中――ヴァーリを助けに来たと思われる男性が睨めつける

「おまえが、ヴァーリを?」

闘気を漂わせるその男性だが

「やめろ、美猴――お前が戦っても瞬殺されるだけだ」

ヴァーリがゆっくりと立ち上がり美猴と呼ばれる男性を静止する。

「…瞬殺って、そんな奴が悪魔にいるだなんて…」

「赤龍帝と同じグレモリー眷属の兵士さ…その実力は、本気を出せば――悪魔・堕天使・天使を最悪一人で相手にできる、こっちから見ても化物だ」

「まさか、ヴァーリこいつと?」

「あぁ、瞬殺されかけたよ」

そういうと、美猴と呼ばれる男性は、態度を改め

「俺っちの名は孫悟空――よろしくな、滅神龍皇」

「あぁ、それにしても白龍皇共々『禍の団(カオス・ブリゲード)』入りとは世も末だな」

「俺っちは仏になった初代とはちがうんだぜぃ、まぁ、今後共よろしくな」

「次は容赦しない」

それだけいうと、地面に現れた闇により、その場から転移する二人であった。

 

 

その直後

「――!!」

突如、激しい疲労が士郎を襲った。

「(そりゃそうだな――)」

そう言いながら校庭に倒れ込もうとする士郎だが――

「お疲れ、大丈夫?」

「よくやったわね」

結界外で戦っていたサツキとアルビスが介抱してくる。しかし、ここで倒れているわけにはいかない

士郎はゆっくりとみんなの元に歩き始めた。そして士郎が足を踏み入れた時、三大勢力の軍勢が入ってきて、戦闘後の処理を行なっていた。サーゼクスが士郎を捉えると、手を上げた。それと同時に、アサゼルもだ

「――無事だったか、よかった――士郎くん、その傷は?」

士郎のズタボロの体を見て、サーゼクスさまがアーシアに手を向ける、アーシアがやってくるが少し静止する

 

「あぁ、ヴァーリとカテレアに少しやられた」

「そうか、おや、回復しないのかい?」

「あぁ、それよりも、どこかに魔力あるか?」

「おいおい、唐突な質問だが、幸いここいら辺にそんな都合のいいものはないよ」

いくら士郎でも流石に今回に関しては魔力が枯渇したみたいだ。

「そうだな、サーゼクス、すまないが、周りを警戒頼む」

「あぁ、いいだろう」

そういうと、士郎は、再びアーシアを手招きする

「士郎さん、大丈夫ですか?」

「あぁ、と言いたいところだが」

士郎は自分の体内に溶け込んでいた、聖剣の鞘を取り出し

「アーシア、スマンがそれを使ってくれないか?」

「これ?ですか?」

「あぁ、それは全て遠き理想郷(アヴァロン)だ。自分に施したいところだが、魔力が足りないものでね――PASSは通した、一回だけだがな、すまん、たのむ」

そういうと、アーシアはその鞘を大事そうに抱え持ち

「分かりました」

そして、アーシアが目をつぶると、周りに魔力が満ち初め、アーシア自身も緑色の魔力が包み込む

全て遠き理想郷(アヴァロン)!!」

アーシアが言うと同時に、士郎の周りに緑色の光が包み込むようにあらわれ、たちどころに士郎の傷が回復した。

「よっこらせ」

士郎は立ち上がる

「ありがとう、アーシア」

「これって、神器なんですか?」

「いや、宝具だ、だから、君の聖母の慈悲(トワイライト・ヒーリング)と併用できるのさ」

「便利道具ですねぇ」

感心するアーシア

「そうか?」

 

そう言いながら立ち上がろうとすると

「カテレアに関してはこちらに問題があった。先ほどの傷に関しては・・・」

士郎は何かの形で償う言葉を言おうとしたのだが、士郎は手で制して、「いらない」と意志を見せた

そして、アサゼルは

「――俺も、ヴァーリが迷惑かけた」

「裏切りか、しかし、まぁ、無理もないだろう、あやつは元々、力のみに興味があったやつだからな結果論としては納得がいくさ」

士郎がそういう。そのアサゼルの瞳は寂しげだ

「さて、私は一度天界に戻り、和平の件と『禍の団』の対策を講じてきます」

「すまないな、このようなことになって、申し訳ない」

「いいえ、サーゼクス、三大勢力が平和の道を共に歩めることになったのです、これで無益な争いも減りますよ」

「ま、納得できないはいかも出るだろうがな」

皮肉をいうサーゼクスに

「まぁ、仕方ないだろ、長年憎みあってきたのだからな――少しずつかわりゃいいさ、問題は『禍の団』だがな」

「それについては、今後話し合っていきましょうお互いに」

ミカエルの案にサーゼクス、アサゼルは頷く

「では、私は一

度天界に帰ります。すぐ戻ってきますので、そのとき正式な和平協定を結びましょう」

と、この場を後にしようとするミカエルさん

「ミカエル、ヴァルハラへの説明任せたぞ、あと須弥山にもな」

「えぇ、わかりました。『神』への報告は慣れていますから」

 

「あぁ、そのまえにミカエルとサーゼクス、本当に三大勢力でいいのかよく考えとけ」

「えぇ」

「あぁ」

そして、大勢の部下をつれ帰っていくミカエル

「俺は和平を結ぶ。堕天使は今後一切天使と悪魔とは争わない。不服な奴は去ってもいい。だが、次に会うときは遠慮なく殺す。ついてきたい者だけ俺についてこい!」

『我らが命、滅びのその時までアサゼル総督のためにッッ!』

アサゼルの怒号が堕天使の軍勢に響き渡った。

――そして、オカルト部は、ほとんどの面々がイッセーの家に住まうことになった。ちなみに、士郎はというと

 

ピンポーン

早朝、宿題をやっていた士郎は来訪者に驚くこともなく淡々と玄関に向かう。

「はーい」

そういって、ドアを開けると

「やっほー」

「・・・えっ?」

目の前にいた人物に驚く。ちなみに、目の前にいるのは正真正銘の王女様で、その近くにはどうにもかくにも嫌な気配しかしないキャリーケース。

「えっ、ってなによ、まぁそれに、にしても」

一旦士郎に顔を近づけたのち、彼女は丹羽邸宅を見上げる。

「一般家庭にしては、大きいわね」

「どうも、せっかく来たんだし入るか」

「えぇ、そうさせてもらうわ?」

そういって家の中に入っていくアルビス。そして、士郎がリビングに案内する

「あ、アルビス!?」

「あら、同棲してたんだ」

「言ってなかったっけ?」

「まぁ、いいけど」

手ごろな椅子を見つけて座るアルビス。

「それでアルビスどうしたんだ?」

「本題ってこと?」

「そういうことだ、追い出す気はないが――いろいろ気になってな」

士郎は、視線を少しだけ横のキャリーケースに動かすと

「あら、もうわかっているんじゃないのかしら?」

「いんや、さっぱりだな」

とアルビスに聞かれるものの、知らぬふりをする士郎。とはいえ、ある程度予測はつくが現状もっとも回避せざるを得ない状況でもある。ちなみに、その当の本人は優雅に紅茶を飲んでいる。

「さてと、まどろっこしいのもなしで言わせてもらうわ」

そして、紅茶のカップを置いて

「私、ここで今日から住むから」

「「――!?」」

士郎の表情というよりかその部屋の時間が一瞬止まる。見れば、サツキもかなり動揺しているみたいだ。

「ちなみに、なんで?」

「なんでって言われてもね、理由必要かしら?」

といたずらっぽく聞いてくるアルビス。しかも、何処か含んだことがあるみたいだ。

「無論だ、高校生の男女が同棲生活といったら、色々とあるだろ?」

「まぁ、わかるわね――実際なことをいうと、留学みたいでホームステイなものよ」

「事情は理解した、サツキどうする?」

「ここの家の家主は士郎なんだから、士郎が決めなさい」

「そうか、わかった」

そういって、少し考える士郎。とはいえ、ここで断るわけにもいかないというか、断ってはならないと自分の直感が告げるので。

「アルビス、まぁ、よろしくな――」

「えぇ、よろしく」

二人で握手を交わす。そして、また、丹羽邸にもう一人住人が増えたのであった。結果的に丹羽邸宅に、アルビスとサツキ、そして士郎という三人住まいになり、激動の夏休みを迎えるのであった。

 

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