ハイスクールD×D/Re:Zext Night 作:有栖川アリシア
冥府――それは冥界,黄泉などともいい,英語のhellがこれに相当する。冥府観は,民族により,宗教によって多様であるが,古代中国においては,死者の霊魂の帰する所は〈黄泉〉〈九泉〉〈幽都〉などと呼ばれ,本来地下にあると考えられたが,後には北方幽暗の地にあるとする説も生じたところである。ちなみに、オリュンポスのハーデスが統治する世界である。
東京地下戦闘から数日経ったある日の丹羽邸宅
「久しぶりじゃな、この姿でお茶を飲むのは」
「まぁ、そうだな」
士郎の目の前でお茶を啜っているのは、白と青をベースとした神話に登場する女神や聖母マリアを思わせる神秘的かつ威風堂々としたなローブをまとい、ウェールを羽織った姿が特徴的の腰まである薄紫色の髪の少女――滅神龍皇ジルニトラだ。
「味を敏感に感じるが、この緑茶とやらは本当に落ち着くの」
「そりゃ、玉露とか入っている俺おすすめのだからな」
「ほぅ、そういえば、日本と言ったら日本神話に八岐大蛇がおっただろ」
「あぁ、日本神話に出てくるな」
「確か、通り名は
「まぁ、カッコいいからいいだろう」
「そういうもんなのか?」
「いちいちツッコんでいたら身が持たないってことだよ」
「ほぅ・・・」
それから士郎は、何かを察してティーカップを置くと
「察してくれて感謝するぞ」
「それでどうした?」
「あぁ、士郎――少し我が仲間を助けてほしい」
「仲間か、あぁ協力しよう」
そういうと、士郎はジルニトラから話を聞き、士郎は一人で某所に向かった。
冥界最下層冥府ハーデス神殿――
「ここか」
荒地を歩いていくと、その深奥に古代ギリシャ神殿が姿を見せる。この世界の中枢の『ハーデス神殿』だ。士郎は、神殿から出てくる死神の服を真似て尚且つ
『――・・・ゲオルグが………曹操も……だから、エデンの蛇……放つ』
「(ゲオルグ、曹操、エデンの蛇、放つ…どういうことだ?)」
士郎は気づかれない程度に、その話している死神の方に視線を巡らすが、黒いローブで口元が見えないため口唇術がつかえない。
それから、ゆっくりと士郎は神殿の中に足を進めていく。いくつもある、厳重なレベルにロックされた多階層構造の魔術ロックをいとも簡単に、それも警報を鳴らさずに解除し、元に戻し中を進んでいく。下に行けば行くほど、突き刺すような冷たい冷気と視線とあらゆる悪意に襲われる。そして、冥府最下層
『(ここじゃな――)』
「(ここか)」
士郎の目の前には巨大で魔術がかけられた頑丈な鉄格子が現れた。周囲は暗くあまり見えないものの、この鉄格子の向こうにはかなりヤバいものがいるのは嫌でもわかる。そんな中
『グオォォォォォン…』
何かの唸り声と共に、鉄格子の奥からは、濃厚すぎるくらいの突き刺すような悪意が士郎を射抜いてくる。
「(一体、何がいるというのだ――)」
若干、尻込みするが、直ぐさに気持ちを立てたおす士郎。視線の先には、十字架に貼り付けにされていて、体を強烈に拘束具によって締め付けられており、それに目のところの拘束からは血涙を流している何か。そして、上半身が堕天使、下半身がドラゴンという状態で、あらゆるところに突き刺さっているぶっとい釘は、見ているだけで痛々しい。
『(おぉ、まさか――我の旧友がこのような姿にとは…主)』
「(こいつが、お前の旧友なのか?)」
『(無論だ、士郎頼むぞ)』
「(あぁ、わかっている――
ジルニトラに、目の前の旧友を抑えてもらい
それから、最下層を離れ、神殿を出ようとすると
「おい、そこのお前」
「はい、なんでしょう?」
そんな中、一人の死神に声をかけられた。士郎は怪しまれないように応答する
「何している?」
「何をって、これから少しおよばれしたので、外に行こうかと」
「おぉ~宴会か?」
「まぁ、ちょっとした任務ですよ」
「わかった、いってらっしゃい」
「はい、行ってきます」
何事もないようにその場を通過し、周りに悟られないように周りに気を使いながらもハーデスの神殿を出て、冥界に戻り――そこから、グレモリー領の一角に向かった。
グレモリー領の一角ではグレイフィアさんが、待っていた。これもジルニトラと考えた手はずだ。
「すいません、グレイフィアさん、お世話になります」
「いえ、サーゼクス様もとい丹羽士郎様の御頼みとあればです、では、暇だったバハムートと炎駒に周囲を警戒させます」
「えぇ、お願いします」
そういうと、士郎はグレイフィアさんにを告げ、その場を後にし、並べく森の深くに入っていき、入念に人払いの魔術と結界を展開する。
「どうだ、ジルニトラ?」
『(周りに人はいなさそうじゃな――いけるな)』
「あぁ――
士郎の体内から、一つの黄金と碧で出来た鞘が現れる。それが小さいパーツになって、士郎の周りに展開されていき次の瞬間、自分たちのいる世界から転送された。
『グオォォォォオオオオン!グオォォォォオオオオン!!!』
目の前には、冥府の
『やはり、我が自らといったところか』
「何がさ?」
『まぁ、見ておれ、滅神の力というものを久々に見せてやるかとするかのう』
そういうと、士郎の中から、ジルニトラが現れる。同時にその龍の足元にいくつもの難しい魔法陣が現れる。それは神代の魔法陣と言っても過言ではない難解で複雑な魔法陣だった。
「やるのか?」
『まぁ、見ておれ』
ジルニトラはその龍に近づき、目の前で力を解放すると、魔法陣もそれに反応するように光り輝き始める。そして、難解な言語をつぶやき始める。そして、魔法陣からいくつもの言葉は空中にあふれ出し、それが膨大な構造式になっていく。同時にジルニトラ瞳には、巨大な門のような紋章が浮かびあがり、そこから、ありとあらゆる情報、それもウロボロスの紋章や、法の書の解読内容など、あらゆる者がその世界に展開され、実行されていく。
龍の拘束具を全て破壊、無力化し、その龍の意識を一時的に失わせたあと、傷の完全修復を行い、龍の体を一番いい状態に、作り替えていくジルニトラ。それから、龍の構成が変化していく。そして、肉の塊のようなものになった。
そんな中、一息つくジルニトラ
「おい、ジルニトラ、肉塊になったぞ?」
「問題ない、これは繭じゃ」
「と言われてもなぁ」
若干理解するのに無理があるものだ。そんな中
「意識は生きておったか――これはよかったものじゃ、士郎あとは任せたぞい」
「えっ!?」
そういうと、その場を立ち去るジルニトラ。そして数分後。
バクンッ!!ドロッ!!
「ちょっ!?ジルニトラ!?えっ!?」
突如肉塊が裂け、中から自分と同じくらいの少女が現れた。士郎は急いで駆け寄って彼女を抱きとめる。そして、腕の中には部長とは違った色の赤、それは血で染められたような少し禍々しさのある赤色の長い髪の人間離れした美貌とスタイルの持ち主を抱き留める。
「(――女の子…なんだけどな)」
一波乱起きそうだなと思いながらいる士郎。そんな中
「・・・んっ・・・ここは?」
ゆっくりと瞳を開く彼女。見ると、髪と同じ深紅の瞳がこちらを映していた。見れば見るほど、その美しさに見惚れてしまいそうになるが、意識をつなぎとめる士郎。
「おはよう」
士郎は声をかけてやると
「私は一体、ここは
周りを見わたす彼女。ちなみに周囲は先ほどから花の咲き誇る場所となっていた。そんな中
「お前、名前は?」
「俺の名前は丹羽士郎だ、あんたの名前は?」
「私は…サマエル」
「サマエル…!?」
驚きを隠せない士郎。無理もないサマエルと言ったら該当するのは一つしかない
サマエル、それは、蛇とドラゴンを嫌った神の呪いを一身に受けた天使でありドラゴンだ。士郎が驚いている中ジルニトラが現れた。
「新しい身体はどうじゃ、サマエル?」
「この声は、ジルニトラか?」
サマエルが振り向くと、そこにジルニトラがいた。
「如何にもじゃ、久しいの」
「久しぶりだな」
軽く言葉を交わすサマエル。
「早速だが、ここはどこなんだ?」
「特殊な結界空間じゃ、それと付け足すとすればサマエル――少しお前の身体をいじらせてもらったぞ」
「人間の身体に作り替えたのか?」
「あぁ、とはいえ、拘束されていた傷が回復したら普通にツバサなどは生やせる」
「そうか、感謝する我が旧友よ」
「困ったときはお互いさまじゃ」
そういうと、ジルニトラは士郎の中に戻っていく。それから、サマエルと士郎の間で沈黙が流れていく。そして
「そういえば、私は今後どうすればいいのだ?」
「まぁ、俺のところに住むか?」
やれやれといった表情で言う士郎。
「いいのか?」
「もう住人が二人いるしな、一人増えても大して変わらんよ」
「そうか、ではお邪魔させてもらおう――そういえば、名前は?」
「俺の名前は丹羽士郎だ、呼び方は何でも構わない」
「そうか、丹羽士郎か、覚えたぞ――そういえば、私は名乗る名前がないな」
「そうだな…なら、エルでいいんじゃないのか?」
「シンプルだな――それに覚えやすいな」
「なら、今日からエルな、よろしく頼むぞエル」
「あぁ、士郎」
そういうと、軽く握手を交わす士郎。そして、手ごろな服(半袖のコートと紅いTシャツと長袖のジーンズを着せはじめる、とはいえ、色々とドギマギすることはあったが、無事服を着させることが出来た。そんな中、彼女は女の子らしく士郎に胸を押し付け抱きついていた。いくら元龍とはいえ、女の子は女の子だ。布一枚を隔てて押し付けられているので、士郎の心拍数が上がる。そんな中、士郎はゆっくりと彼女のその長い髪をなでてやると
「ふぁっ・・・」
猫のように可愛い声を出し、顔を赤らめる。それから、数分間彼女の髪を撫でてやっていた。それから、彼女は士郎のに体を預けるように眠ってしまった。
「・・・う、あ」
エルが目を覚ました
「おはよう」
「そうか・・・眠ってしまったのか」
瞳をこすりながらいうエル。
「よく眠れたか?」
「あぁ、おかげさまでな――久しぶり、いや数百年ぶりのいい眠りだったよ」
「それはよかった」
「それで、これから、どうするんだい?」
「世界を見てみたいとも思ったのだがな、どうやらそれより面白いものができたよ」
「ん?なんだい?」
そういうと、士郎の顔の方をじっと見て
「君といるのが一番よさそうだ」
ゆっくりと立ち上がるエル。
「そっか――」
士郎は立ち上がって彼女の実力を見る――と同時に、魔力で彼女の服を生成してやる
「おぉ?これが現代か、昔とはかなり違うな」
「まぁね――」
「それと、護身用にな」
士郎は、手元から二本の刀を取り出して、それを渡してやった。
「あとは、キミに任せるよ」
「あぁ、ありがとう」
それを腰に差すエルであった。