ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第五十話 騒がしい宴

グレモリー城の観光ツアーから帰り、士郎たちは列車で魔王領に向かっていた。現在いるのは、魔王領ルシファード、旧魔王がいたと言われている冥界の旧都市だ。ここは、冥界の都市部で、駅のホームも近代的だった。その中で士郎が驚いたのは、デザインは違うものの、自動販売機があったことだ。

「(自販機があるのか――)」

少しだけ驚きながらも歩いていく。ちなみに、みんな揃って駒王学園の制服だ

「このまま、地下鉄に乗り換えるよ。表から行くと騒ぎになるからね」

そういう木場。当然のことながら、冥界で人気だということはもうすでに分かっている。それに上級悪魔名門のグレモリー家次期当主ときたら――

「キャーッ!リアス姫様ぁぁぁぁぁぁ!!」

ご覧のように突然黄色い歓声が聞こえはじめる。見ればホームにいた悪魔の方々がこちらをみて憧れの眼差しを向けていた

 

そんな中

「あっ!?一番後ろにいる黒髪の長い子、あれって丹羽士郎じゃない!?」

「えっ、マジ!?今話題の男の娘じゃない!?それにライザーさまを一人でぶっ飛ばしたっていう」

「(ライザーは公開されていたとして、おい、俺の評判!?――俺の評判どうした!?いつの間にか、俺性別不明になってる!某○吉になりかけてるんだが!)」

心の中でツッコミを入れる士郎。

「キャー!丹羽様ぁぁあ!」

「(エェェェェェェェェェェェエエエエエエェェェェェエエエエェェェ!」

なぜか人気ものになっていた。

 

「部長は魔王の妹、しかも美しいのですから、下級、中級悪魔から憧れの的なのですよ?」

朱乃さんがそう説明するが当たり前だとしか感じない士郎

「それで、なぜ僕が?」

「さぁ、わかりませんわ」

「う~ん…」

少し考える士郎

 

「で、こういう時って手を振ったほうがいいんですかねぇ・・・?」

さりげなく士郎が聞くと

「えぇ、少しニッコリと笑ったり、手を振ったりしたほうが良いですよ、人気者みたいですし」

朱乃さんにそう言われる士郎、とりあえず、冥界での状況はそんな把握してないので

とりあえず、手を振る士郎

「――キャーッ!」

多分、収集できないであろう黄色い声

「…士郎君…自重しよ?」

「あぁ、うん」

木場に言われ、部長の後ろを付いていく

「しかし、困ったわね、騒ぎになる前に急いで地下の列車に乗りましょう。専用の列車は用意してあるのよね?」

部長がボディーガードの男性に聞くと

「はい。付いてきてください」

そして、地下鉄の列車へと移動する士郎たち

「リアス様ァァァ!」

男性から大人気

「士郎くぅぅぅぅぅううん!」

士郎も女性たちから大人気、二人とも苦笑しながら男性や女性の群れに手を振っていた

 

 

地下鉄に揺られ、さらに五分

着いたのは都市で一番大きい建物の地下にあるホームだった。冥界のお偉いさんが集まるという会場がこの建物にある。それから、ボディーガードを除き、士郎たちは広いエレベーターに乗り込む。

「皆、もう一度確認するのわ。何が起こっても平常心でいること。何言われても手を出さないこと。――上にいるのは将来私たちのライバル達よ。無様な姿は魅せられないわ」

 

いつもより言葉に気合が入っている部長、ちなみに、士郎は緊張のかけらもなく、いつも通りの平常心、ちなみに横にいるイッセーとアーシアは生唾飲んで気持ちを落ち着かせていた。そして、ライザーの時と同様に士郎は、厳重にロックされたところから弾倉を見つからないように取り出す、士郎はそれをワルサーWA2000(AN/PVS04暗視スコープとスペクターIR熱感知スコープを装着)及びキャリコM950、魔術礼装としてトンプソン・コンテンダーと少し改造した機関銃に装填する―これで有事の際の準備完了だ。

それから、エレベーターを降り

「ようこそ、グレモリーさま、こちらへどうぞ」

使用人の後に続く士郎たち、そんな中

「あぁ、すいませんが、少しおトイレに行ってきてもよろしいですか?」

「あら?えぇ、いいわ」

士郎は武装を整えるため一旦トイレに行った

 

 

 

「――これで…まぁ、なんとかなるだろう」

万が一のことも考え、準備を入念にする士郎、その目には一部の油断や隙もない。

 

相変わらずの黒いジャケットには重火器がごっそりと入っていた。

それから、ある程度身だしなみを整える士郎

そして、会場に戻ろうとしたとき

 

ドオォォォォォオオオォォン!

建物が大きく揺れ、巨大な破砕音が聞こえた

「ちっ・・・めんどくせぇな…」

そう言いながら重火器の安全装置を全て外した

「(――アルトリア、すまんが、近接で応対できる面々にいつでも動けるように指示しとけ――)」

『(ハッ、了解しました)』

その念和の声にはどこか喜んでいる雰囲気があった

それから、士郎は大広間に向う途中でも、巨大な破砕音やなにやらが聞こえる

 

 

 

ギィィィン!

開かれた大広間の向こうには、破壊され尽くした大広間があった。テーブルも椅子も滅茶苦茶な状態だ

中央には両陣営に分かれた悪魔たちが、にらみ合っていた

武器を取り出したら、一触即発の雰囲気だ。一方は邪悪そうな雰囲気、もう一方は比較的普通そうな悪魔の一行さん

両チームとも、恐ろしいほどに冷たく殺意に満ちたオーラを放っている。しかし、広間の隅の方ではテーブルを無事に保ったまま、優しげな少年を筆頭に、優雅にしている眷属悪魔の人たちもいた。

「ゼファードル、こんなところで戦いを始めても、仕方はなくて?死ぬの?死にたいの?殺しても咎められないのかしら?」

ゼファードルと名乗った女性悪魔がクールに言う。

「ハッ!言ってろよ、クソアマッ!俺がせっかくそっちの個室で一発仕込んでやるって言ってやってんのによ!?ったく、魔王眷属の女共はどいつもこいつも処女臭くて敵わないぜ!」

言ったのは、まさにヤンキーを体現した悪魔

 

そんな何か、その両者の間を歩き、丁度その間の中央で止まる士郎

「オイッ!下級悪魔!テメェそこどけや!」

「えぇ、少しどいていただけるかしら?」

二人の殺気が士郎に突き刺さる、しかし表情一つ変えない士郎

「(まったく、普通のパーティーかと思ってたら、こんな野蛮連中が集まるなんてね)」

そこから沈黙を決め込む士郎

「巻き添えを食らわしてやる!このガキがぁっ!」

「問答無用よ!やっておしまい!」

 

 

「(――聞こえてるな?)」

『(はい、聞こえております――指示を、)』

応じたのはディルムッドだ。そして、士郎は問答無用でこう言った

「制圧しろ――」

その途端、士郎のまわりから物凄いスピードで何かが現れたと、同時に二つの眷属たち全ての喉元に武器が突きつけられた。

しかし、先程いたゼファードルとシークヴァイラ以外だが

そんな中、

「貴様ぁぁぁあ!」

眷属をこのようにされ、先程の二人が士郎に一気に襲いかかるが

 

「――させん!」

士郎は咄嗟にそれを感じていた。刹那、グラシャラボラス家のゼファードルのコメカミがグリッと硬い物に押された。コンテンダーカスタム・・・持ち主は勿論士郎だ。

「あまり暴れないでもらえるかな、グラシャラボラスさん?」

ゼファードルの顔からだらだらと汗が流れ出した。

まさに滝の如く。

自分の眷属にゼファードルが視線で助けを求めてくる。

 

その一方では、

「あまり、彼には手を出さないで欲しいな?お分かりかな、アガレスさん?」

太刀を突きつけていたのは、部長とは違った色の赤、それは血で染められたようなダークレッドの髪にキリッとした髪と同じ瞳、それに人間離れした美貌の持ち主で、ジーンズジャケットを羽織りに晒しを巻いたホットパンツの女性。そう、エルだった。

「おいおい、もう大丈夫なのかエル?」

「あぁ、問題ない、諸手続きは終わっているからな――」

「さすが、やることが早いねぇ」

と言葉を交わす二人。

 

 

ゼファードルとアガレス共に、かなりまずいレベルの危機感を感じているらしい。

まあ、ゼロ距離で銃弾を防ぐ、もしくはゼロ距離で剣戟を交わすような悪魔など早々ないから当然だろう。

個人的には良い気味だが、放っても置けない。ここは重要な会場なのだ。

そんな中

 

ギィィィイイイィィン!

 

そんな中、扉が開かれ中から部長たちと、大王家のバアルさんがあらわれた

 

 

 

side 兵藤

「まったく、ゼファードルとアガレスがやりあいを始めている」

心底嫌そうな顔をするイケメンもといバアルさん

「まったく、だから開始前の会合などいらないと進言したんだ」

サイラオーグさんは嘆息しながら、自分の眷属らしき者たちと部長のあとに続く

「それにしても、何故か静かになったな、決着でも付いたのか?開始前に、興ざめだな」

「えぇ、なにか静かになったわね」

「まぁ、大方にらみ合いでもしているのだろう、もしくは、ディオドラが動いたかな?」

「アスタロト家の次期当主が?」

「かもな、と言っているだけだ」

部長と、サイラオーグさんが話していた

それから、サイラオーグさんが扉を開けると

 

「――おや、珍しい客人だな」

リアスの視線の先、そこには、自分の眷属が両家を相手取って人質?みたいに喉元に剣を突きつけていた

「あっ、部長――どうしました?」

絶句したのであった。

 

side end

 

 

「あっ、部長――どうしました?」

何事もないように士郎はそういう

「――士郎・・・・・・」

部長も若干引き気味だ。もちろん、理由、状況を知ってるサイラオーグさんも少し引いていた

どこにあの一触即発の雰囲気の中で制圧する奴らがいるだろうか?

「まったく、噂には聞いていたが、規格外な奴だな。殺さずに制圧とは・・・面白いのやら、恐ろしいのやら」

当然のことながら、部員たちもドン引き

ちなみに、わかりやすく言うと、広間に入ったら、士郎の眷属たちが人質?感覚で喉元に剣を突きつけている。それにゼファードルに至っては重火器がこめかみに当てられている

一歩でも動いたら全員殺される状況だ

士郎の真向かいにいるエルに視線が行くが

 

「まったく――騒がしい連中だな――まぁ元凶はだいたい分かっているんだけどね?」

にっこりと士郎はゼファードルに向かって笑うと、尋常じゃない何かを察したのか、ゼファードルの顔が青ざめる

 

「まぁ、いいや――とりあえず」

そして、こめかみから銃を離した途端

「このガキっ――」

そう言い終わる前に、

ジャキッ!ゼファードルの首元に今後は剣が突きつけられる。その直後

 

 

 

「おとなしくしてもらえるかしら?ゆっくりお茶が飲めないわ」

 

 

士郎の耳元に聞きなれた女性の声が聞こえた。

声のした方に視線をやると、そこには青い長い髪を後ろで白いリボンで止めていた。いつもの姿のサファイアさんだった。

そして、ゼファードルに剣を突きつけたのは、レイとサツキとアルビスだった

 

「とりあえず、お仕置きだ――」

士郎は瞬間的に狂化で強化した拳をゼファードルの腹に叩き込んだ

その一撃で広間の壁に叩き飛ばされ、気絶した。そして、士郎はこう言い放った

 

 

「――ゼファードルの眷属よ、とりあえず、主の介抱ぐらいはしろ…それが最善策だ」

そう言い放つ、士郎、しかし

「下級悪魔め!」

「おのれ!」

ゼファードルの眷属悪魔が飛び出してきた。そんな中、士郎も飛び出していくと、二つの影が士郎の横を通り抜け

 

 

宵闇戦姫(サタン)!」

暁の聖域(セイント・キャッスル)!!」

次の瞬間、黒い刀と白い閃光がその場を駆け抜け、ゼファードルの眷属は制圧されていた。

 

「ということだ、あまり、いい状況じゃないぞ、もう一度言おう、グラシャラボラス家の眷属よ、主を介抱をしろ、それが貴様らのやるべきことだと思うが?それに、これから行事が始まるんだ。主をまずは回復させろ」

その言葉と共に、ゼファードルの眷属たちは、動きを止めて、倒れている主のもとへと駆け寄った

そして、士郎はもう一人の方に視線をやる

「――お化粧でも直してきたら?」

「――っ。わ、わかっています」

そう言うと、眷属と共にその場を後にする眷属たち

それから、士郎の元に、部長と、サファイアさんが同時にやってくる。

「制圧ご苦労さま、士郎」

最初に口を開いたのはサファイアさん、相変わらず手の甲に悪魔の羽の生えた六亡星の刺青+士郎の渡した令呪の跡があった

「さて、スタッフを呼んで、この広間のめちゃくちゃをどうにかしましょうかな?」

そういうと、サファイアさんは、レイに視線をやると、それを察知したレイが瞬間的に消えた。それかれ、駆けつけたスタッフの魔力によって復元されほぼ元に戻った

 

それから、駒王学園の制服に身を包んだ生徒会sもといシトリー眷属も集まった。

「私はシークヴァイラ・アガレス。大公アガレス家の次期当主です」

士郎たちは、アガレス家のお嬢様に挨拶を貰った。

改めて、若手悪魔が集まり、挨拶をかわす。ちなみに、さっきのヤンキーとその眷属を抜かしてだが

ちなみに、なぜか知らないが、士郎は某魔王サーゼクスさんの意向により、部長とサフィアさん両方の眷属に所属していることになっている

そして、もともといる英霊達も居るから――若干カオスになっているのである

部長――グレモリー眷属、会長――シトリー眷属、サイラオーグさん――バアル眷属

「ごきげんよう、私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主です」

「私はソーナ・シトリー。シトリー家次期当主です」

「私は、サファイア・ハインリッヒ・マルコシアス、番外悪魔(エキストラデーモン)マルコシアス家次期当主です」

部長と会長が立て続けに挨拶する。そして、堂々とした態度で

「俺は、サイラオーグ・バアル。大王バアル家の次期当主だ」

それから、先ほど悠々と茶を飲んでいたやさしげな雰囲気の少年も現れた

「僕は、ディオドラ・アスタロト。アスタロト家の次期当主です。皆さんよろしく」

次期当主達が挨拶を交わしている間。面々の眷属たちはというとイッセー達は、ソーナ会長たちと談笑している中、士郎はというと。

 

「士郎、久しぶり~」

「お久しぶりね、士郎」

「おう、久しぶりだな、アルビスは公務おつかれ」

「えぇ、ありがとう――にしてもなんで二人がここに?ってか、エルもだし」

「まぁ、サーゼクス様の意向でね、今はサファイアの眷属になっているのよ」

「マルコシアス家のご令嬢だからな、それで、エルは?」

「あぁ、士郎、すまない――話が遅れたな」

「あら?まだ言ってなかったのエル?」

「なんやかんやあってな――」

エルの方を見て話すサツキ

「ん?なんだ?」

「あぁ、この度私もラウンズに入った」

「えっ・・・!?どうして、なんで?」

「さぁな、スカウトというやつらしい」

とさりげなく士郎はサファイアさんの方を向く。そんな中、士郎の手とイグナの手が重なる。それに思わずドキリとする士郎。

「それにしても、士郎のこと色々と知っていたみたいだけど、士郎の知り合い?」

「まぁ、そんなところだ――」

アルビスとサツキにわかるように指サインで超機密級重要人物と送った。二人もそれをちゃんと受け取りかなり驚いる。そんな中

 

「――それにしても、士郎とサツキは驚く程似ているな」

唐突にエルにそんなことを言われ、顔を見合わせる二人、無理もない双子として扱われても全然問題ないレベルで二人は似ているのだ。強いて言うなら、サツキは女の子っぽい顔で士郎もそれなりに男っぽい顔だ。二人とも男女変換したらそうなるだろうという顔と体型だ

「「…」」

 

バッ

互いに恥ずかしくなり、お互い視線をそらす

「まぁ、そういわれるとそうね、エル。たしかに、二人は似てるわね」

二人の顔をまじまじと見ながら言うアルビス。

「髪の色、長さ、それに体型はまぁS字カーブがないまでマシか――ってか、士郎は童顔で線も細いから女装も似合うんじゃないの?」

士郎に爆弾が透投下される

「だって、サツキに前着せたメイド服似合ってたからいけるんじゃないかしら?」

「いや、それはおかしい」

全力で否定に入る士郎

「――ってか、振袖をイメージした上着に、袴の様なスカートに勿論ミニなのだったらいいんじゃないの?」

「ちょ・・・話を進めるな」

話が着々と進んでいく中

「大丈夫よ、士郎には素質あるから♪」

「(ぜんっぜん嬉しくねーー!!!)」

「主に女装…面白そうだな」

「でしょ――」

「(もうやめてくれー!)」

そして、ツッコミを入れると

「皆様、大変長らくお待ちいただきました――皆様がお待ちでございます」

そして、行事が始まった

 

案内されたのは、異様な雰囲気の漂う空間だ。かなり高いところに席が置かれており、そこに偉そうに座る悪魔たち、その上には魔王様方が座っていた。つまり、見下ろされているわけで、心底気分が悪かった。今、ここを吹き飛ばすレベルでだ。

そして、部長とサファイアさんの間の後ろで待機する士郎

 

「よく、集まってくれた。次世代を担う貴殿らの顔を改めて確認するため、集まってもらった、これは一定周期ごとにおこなう、若き悪魔を見定める会合でもある」

威厳満ちた声で初老の悪魔の男性がいう

「さっそく、やってくれたようだが……」

髭が濃い男性悪魔が皮肉げに言う――早速やった士郎が言える立場ではないが

「君たち、7名は家柄、実力共に申し分のない次世代の悪魔だ。だからこそ、デビュー前にお互いに競い合い、力を高めてもらおうと思う」

サーゼクスがそう言った。それは、レーティングゲームで遣り合えということだ。

「我々もいずれ『禍の団(カオス・ブリゲード)』との戦に投入されるのですね?」

そんな中、サイラオーグが直球的な事を聞いた。

「それはまだわからない――だが、できるだけ若い悪魔たちは投入したくはないと思っている」

しかし、サーゼクスの答えに納得できてないように見えるサイラオーグ

「なぜです?若いとはいえ、我らとて悪魔の一端を担います。この歳になるまで先人の方々からご厚意を受け――」

「サイラオーグ、その勇気は認めよう。しかし、無謀だ。なによりも成長途中のキミたちを戦場に送るのは避けたい。それに次世代の悪魔を失うのはあまりにも大きのだよ。理解して欲しい。キミ達はキミ達が思う以上我々にとって、宝なのだよ。だからこそ、大事に段階を踏んで成長して欲しいと思っている――あぁ、そうだ忘れてた」

サーゼクスが何かを忘れてたかように言った

「リアス・グレモリーの眷属悪魔丹羽士郎よ―― 一歩前に」

そう言うと、言われたとおり士郎は前に出る

「ここに、サーゼクス・ルシファーは、リアス・グレモリーの眷属悪魔丹羽士郎にレーティングゲームへの参加資格を与える――有意義に楽しみたまえ」

それは、思いもよらぬことだった。会場がどよめく。無理もない一般兵士に参加権など滅多なことがない限り与えられないからだ。

「――まさか、っていうことは…」

聡明な木場は状況を理解した、そしてゼノヴィアが言葉を続ける

「我々と士郎が直接対決する…」

「えぇ、そうなりますわ」

副部長の朱乃さんも心底驚いていた

「まさか――こんな始まり方になるなんて思いもよらなかったわ」

部長にも衝撃が走った。

 

「こっちもですよ――まさか、あなたと戦うことになるとはね…」

両者にらみ合う。

「――士郎・・・」

「存分にいい戦いをしましょう――お互いにね」

そう言う士郎だった

 

 

そして、儀式も佳境に差し掛かり

「最後にそれぞれの今後の目標に聞かせてもらえないだろうか?」

サーゼクスが問いかける

「俺は魔王になるのが夢です!」

サイラオーグが言いかける

『ほぅ…』お偉いさんから、迷いもなく言い切るサイラオーグに感嘆の息を漏らす

「大王家から魔王が出るとしたら、前代未聞だな」

お偉い悪魔が言う。そして、部長が言った。

「私は、グレモリー家の次期当主として、生き、そしてレーティングゲームの各大会で優勝することが近い将来の目標ですわ」

堅実らしい部長の夢だ、そして、ソーナ会長に移る

「冥界にレーティングゲームの学校を建てることです」

その発言に眉根をよせる

「レーティングゲームを学ぶところならば、既にあるはずだが?」

確認するかのように訊くお偉いさん

「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行くことが許されない学校のことです。私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔てのない学舎です」

匙も誇らしげに会長の話を聞いている中

『ハハハハハハハハハハハッ!』

お偉いさんが会長の夢を嘲笑う――士郎は今すぐにでも飛び出して首を撥ねたくなるがそれを押さえ込む

「それは無理だ!」

「これは傑作だ」

「なるほど!夢見る乙女というわけですな!」

どうも、この悪魔たちは古い習慣に慣れきっているらしい――ふとライザーの時のことが浮かぶ、あいつも差別的だった。そして、馬鹿にされている会長

「私は本気です」

その言葉にセラフォールさまは頷く

「ソーナ・シトリー殿。下級悪魔、転生悪魔は上級悪魔たる主に仕え、才能を見出されるのが常。そのような養成施設をつくっては伝統と誇りを重んじる旧家の顔を潰すこととなりますぞ?それに、いくらなんでも変えていいものと悪いものがありますぞ。たかが、下級悪魔に教えるなど……」

黙っていられなくなったのは匙だった

「黙ってきていれば、なんでそんなに会長の――ソーナさまの夢を馬鹿にするんすか!?」

叫ぶ匙

「口を慎め、転生悪魔の若者よ。ソーナ殿、下僕のしつけがなってませんな」

「申し訳ございません。あとで行って聞かせます」

会長が一切の表情を変えずに言う――それを見かねたセラフォール様が言った。

「ならなら!ウチのソーナちゃんがゲームで見事に勝っていけば文句もないでしょ!?ゲームで好成績を残せば叶えられるものも多いのだから――ってか、なんなのよ、おじさまたち!うちのソーナちゃんをよってたかっていじめるんだもん!私だって我慢の限界があるのよ!あんまりいじめると私がおじさま達をいじめちゃうんだよ!」

セラフォールが涙目で悪魔のお偉いさんに物申していた。そして

「――魔王、サーゼクス・ルシファーさま、私も物申して宜しいでしょうか…?」

静かながらその怒気のこもった声で言う士郎

「よかろう、なんなら、デモンストレーションでも行うがよい」

サーゼクスからも許可が出た。士郎は、静かながら悪魔のお偉いさんに言った

 

「あなたたちは、先程こういった、たかが、下級悪魔などと」

「あぁ、それがどうした!それがどうした!私の言うことは間違いではないだろう!」

その刹那、士郎の体から鬼神、闘神も逃げ出すほどの殺気、怒気を漂わせた。禍々しいいやもはや具現化していいだろうと言うレベルだ

「フハハハハ、貴様、無礼であるぞ!」

「無礼・・・申し訳ないな」

「では、その態度をあらためい!たかが、一人で何ができる――この下級悪魔の分際で」

ブチッン!

士郎の中で何かが切れた、

会議場がものすごく振動し始める――士郎の魔力を受けて神殿が震えだしたのだ。かなり頑強に作られたこの施設が悲鳴をあげ始めたのだ。そして、いたるところにヒビが入り始める。いや、これはこの地域まるごとだ

 

より一層、殺気が濃くなる――常人なら発狂して死に絶えているレベルだ。士郎の内側の魔力が荒立つ

 

「すまんな、俺もこの状態になったら、自生が聞かなくなるものでね・・・要求は二つ――オリエンテーションをおこなう付き合え、それと先ほどのソーナシトリーの発言を取り消してもらおう――非常に不愉快だ」

「な、貴様!この私に指示するのか!?無礼者!」

「よかろう――では、貴様らの意思に関係なくオリエンテーションをはじめよう――では一つ、貴様らは下級悪魔がもし軍隊をもったらどうする?」

「ふん、そんなの決まっているではないか、その主のものではないか!?」

「そうか。では、貴様らに見せてやろう――それをな」

「たかが、下級悪魔ごときの軍隊――児戯に等しいわ」

「ふん、貴様らは、これをみて児戯と言えるのかな――集え、我が名のもとに!」

士郎の魔力が急激に濃いものとなり始め、それがあらわれた。

 

広大な平野――そこにあらわれる無双の軍勢

征服王イスカンダルの率いるマケドニアの軍団、

圧倒的神性を持つ半神半人であり、最古にして最強、世界の全てを手中に収めた英雄王の軍団、

ブリテンの伝説的君主・アーサー王の軍団

 

総勢ざっと300万くらいだ

「そんな…バカな・・・」

そして、ダイレクトに殺気が当てられる

「見よ我が無双の軍勢を!肉体は滅び、その魂は英霊として『世界』に召し上げられて、それでもな滅神龍皇に忠義する伝説の勇者たち。 時空を越えて我が召喚に応じる永遠の朋友たち。 彼らの絆こそ我が至宝!!我が王道!! この(オレ)が誇る最強宝具の一角!『龍皇の軍勢(ジルニトラヘタイロイ)』なり!」

『オォォォォォォォオオォ!』

ものすごい声が空間にこだまする

 

「どうだ――これが、私の力だ。それでもまだ、私に何か言いたいことがあるなら――言うがいい」

鬼神の如き殺気を纏わせながらいう士郎。どうやら、あまりのことに満足に声も出せないみたいだ。それから、固有結界を解き、冥界に戻ると

 

「ふむ、どうだったかね士郎くん?」

サーゼクスが少し皮肉を込めて言う

「えぇ、滞りなく終わりましたよ」

「よろしい――」

帰った時には部長と会長が勝負することが決まっていた

決戦日は人間界時間8月20日――それまで修行が行われるようになった

 

それから、グレモリー邸に戻った士郎達。グレモリーに先にいたのは顧問のアサゼル先生だった。そして、先ほどの会合の顛末を話すと

「人間界の時間で現在7月28日。対戦日まで約二十日間か」

先生はなにやら計算し始める

「修行ですか?」

イッセーがアサゼル先生に聞いた。それに頷くアサゼル

「当然だ。明日から開始予定。すでに各自のトレーニングメニューは考えてある」

「でも、俺たちだけ堕天使総督のアドバイス受けてていいのかな?反則じゃないんですか?」

それには士郎も思う節はある

「別に、問題無いさ、副総督のシェムハザも各家にアドバイスを与えているから問題無いさ」

若干、不安気味になる士郎達

「まぁ、いい。明日の朝、庭に集合。そこで各自の修行方法を教える。覚悟しろよ」

『はい!』

なにはともあれゲームは決まってしまった。それに向けて頑張るしかないということは明白だ

「皆様、温泉のご用意ができました」

グレイフィアさんが教えてくれる。それはありがたいことだった。

そして士郎たちはグレモリー家の一角にぽっつりろ存在している和風の温泉に向かった。

 

「ふぃ~」

あまりの心地よさに顔がにやける。あいかわらず、イッセーははしゃいでいる

その犠牲として、ギャスパーが

「いやぁぁぁぁぁん!あっついよぉぉぉぉぉぉ!とけちゃうよおぉぉぉぉぉ!イッセー先輩のエッチィィィ!」

ギャスパーの絶叫が温泉に木霊する

「おい、イッセーあんまり後輩いびるなよ」

『そうよ、イッセー、ギャスパーにセクハラしちゃダメよ?』

部長と士郎でイッセーをからかう。それから、とにかくつまらないであろう会話をすっ飛ばし

 

ぶぅぅぅううん!

「ちょ!アサゼル先生!何やってるんすか!?」

あまりのことにかなり驚いている士郎、それもそうだ、イッセーの腕をつかんで投げ飛ばしたのだから

「アッハッハ!別にいいいじゃねぇか、こういうスキンシップも必要だぜ?なんなら、お前も行くか?」

「全力で遠慮します」

士郎は思いっきり遠慮する。ちなみに、イッセーは相変らずキャッハハウフフな展開になっていく。士郎は、木場とギャスパーから離れ、少しアサゼル先生に近づく。

「なんだ?」

「ちょっとね」

そういうと、士郎はアサゼル先生だけに聞こえる程度の声音で話し出す。

「アサゼル先生、少し話があるんですけど、いいですか?」

「なんだレーティングゲームのことか?」

あちらもこちらに気付いたのか、同程度の声音で話してくる。

「直接的にってことじゃないですが、小猫のことどう見ていますか?」

「小猫か、たぶんあれは自分の存在に向かいあうってところじゃないのか?」

「自分の存在ですか――」

「猫又だからな、そこいら辺はシビアなんだろうな」

「そうですか……」

「今すぐにアクションを起こす程度ではないと思うが、気に掛けといてくれ」

「えぇ、わかりました」

それから、再び士郎はアサゼルから距離を取るのであった。

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