ハイスクールD×D/Re:Zext Night 作:有栖川アリシア
――テレビ取材の日
グレモリー眷属と一緒ではなく、仕事の関係上、遅れてスタジオに入ることになった士郎。
現在士郎がいるのは、冥界の都市部にある大きなビルの地下だった。
転移用魔方陣のスペースが設けられた場所で、そこに着くなり待機していたスタッフの人たちに暖かく迎え入れてもらった
「お待ちしておりました、丹羽士郎様――さぁ、こちらへどうぞ」
プロデューサーの人に連れられて、エレベーターを使って上層階へ。人間界とそんな変わらない作り物だ。廊下のポスターは、部長だった。紅髪の美少女が微笑むポスターもあれば、その隣には
「――(うわぁ…)」
サファイアさんが思いっきりドレスアップした写真もあった。そして、廊下の先から見知った人が十人引き連れてやってきた。
「サイラオーグさん」
そう、バアル家次期当主サイラオーグさんだ。貴族服を肩へ大胆に羽織り、ワイルドな様子は変わらないみたいだ。それでもって、こんな時でも一切隙が見つからない
「おや、士郎君もインタビューか?」
「えぇまぁ、そちらは、もう終わったところですか?」
「まぁ、これからだ――ん?もしかして」
「そんなところです」
「おやおや、頑張れよ、少年」
「はい、ありがとうございます」
そう言うと、士郎は一礼を告げ、その場を去った。
そこから、一度楽屋に通され、荷物はないのだがある程度は身軽にして、士郎はスタジオに向かった。
中に入ると
「――と、木場裕斗さんと姫島朱乃さんはいらっしゃいますか?」
「あ、僕です、僕が木場裕斗です」
「私が姫島朱乃ですわ」
グレモリー眷属が全員集合していた。見れば、木場と朱乃さんが呼ばれていて、二人とも手を上げる。
「おふたりに質問がそこそこ行くと思います、お二人共、人気上昇中ですから」
「マジっすか!」
イッセーが驚きの声を上げると、スタッフは頷く――といった感じで打ち合わせが行われていた
「えぇ、木場さんには女性ファンが、姫島さんには男性ファンが増えてきているのですよ」
まぁ、イケメンと美少女だから人気が出てもおかしくないなと納得する士郎
それから、イッセーが冥界でかなり人気になっていることを知る士郎
どうやら、シトリー戦でおっぱいおっぱい叫んでいたのが子供たちに受けて大ヒットしているらしい
「(『乳龍帝』か、面白いな)」
『(じゃな、まさか赤がこうも呼ばれているとはな――)』
と心の中で笑っている士郎。
「あの、丹羽士郎様いますか?」
そんな中、士郎は呼ばれ手を上げる
「あの、俺が『兵士』の丹羽士郎です」
「丹羽さんにはこのあと写真撮影や改めて取材もありますので、あなたも相当人気出てますよ」
そのことに自分自身も驚いている。それから、番組は始まった。基本的に部長への質問ばかりだった。シトリー戦はどうだったか?これからどうするのか?注目している若手はいるのか?その手の質問ばかりだ。しかし、笑顔で淡々と答え、高貴な振る舞いを忘れなかった。その後、木場に質問がいくと会場からは黄色い歓声、朱乃さんのときも男性のファンから黄色い声だ。そして、イッセーに至っては、「ちちりゅーてー!」「おっぱいドラゴン」って声をかけられる始末だった
「さて、丹羽士郎様は、このあと衣装に着替えてもらって撮影です」
「はい、わかりました」
そういうと、撮影スタジオに士郎は案内される。それから、楽屋で衣装に着替え士郎はスタジオに向かった。士郎の服は最近の渋谷に居そうなファッションではなく、いつも着ているごくごく普通のものだった。
スタジオの設備はやはり、人間界とそんなには変わらない設備だった。
「はーい、ではお願いします」
そして、写真撮影が始まる。
カシャ!!カシャ!!
スタッフの言われたとおりポージングする士郎。
上から見上げる目線とか、もういろいろだ。それから、撮影していると
「――如月さんとクロイツェフさんはいりまーす」
「「よろしくお願いしまーす」」
と言うスタッフの言葉とともにサツキとアルビスがやってきた。周りの男性たちが、二人に熱っぽい視線を送る。ちなみに、予想外の出来事で士郎は目を丸くしている。
「おぉ~」
士郎も、そのあまりの綺麗さとにに驚き見とれる。サツキはホットパンツに、白いシャツに黒い袖なしの短いパーカー、アルビスは、イタリアの時の服装と髪型でだ。それから、士郎に駆け寄る二人
「どうかしら、士郎?」
とサツキがもじもじしながら聞いてくる
「あぁ、ものすごく似合ってるよ、サツキも、アルビスも」
というと、二人とも顔を赤らめる
それから、サツキと士郎の全身ツーショット写真や士郎とアルビスのツーショット写真――それから3人まとめてのスリーショット写真も撮った。
「イェーイ!!」
とかノリノリなアルビス。
二人が一人の時は、若干色気を使ったポーズとかもして、終始士郎もドキドキしている。しかも、三人並んで撮った時はかなり緊張というか女子二人にはさまれドキドキした。それから、少し3人と談笑し、士郎はグレモリーの楽屋に戻った。
「(――うわぁ・・・)」
叫ばなかった士郎だが、その光景はすごかったものだった。なにせ、みんなぐったりしていたのだからだ。
「あぁ、お疲れ~」
「お疲れです――部長」
「えぇ、士郎も大変ねぇ」
アーシアも小猫も、朱乃さんも、木場も、ゼノヴィアも、緊張からか全員ぐったりしていた
とりあえず、士郎も撮影で疲れたせいか、椅子に座って少し休むことにした
「士郎先輩お疲れです」
「あぁ、お疲れ」
隣に小猫が士郎にもたれかかる。
そして、そんな体勢で過ごしながらいると、数分後
トントン……
「は~い、どうぞ~」
「失礼しま~す」
入ってきたのは、士郎の写真を撮ったスタッフの人だった
「丹羽士郎様、現像が終わりましたのでお持ちしました」
「あぁ、どうも~」
「よく撮れてますよ」
「ハハハ・・・」
と苦笑いする士郎。とりあえず、写真の入った封筒をもらう
「ありがとうございます」
「いえいえ」
とりあえず中の構成を把握する士郎。中に入っているのは、士郎のソロ写真とツーショットとスリーショット写真がいくつか入っていた。ツーショットとスリーショット写真は、バレないように封筒の裏に貼り付けといて、士郎は自分の写真を取り出した。
「おぉ・・・ハハハ」
と士郎は、自分の写真を見ながら苦笑いする。無理もない、そこには上目遣いいたずらっぽい笑でこちらを見ている士郎の写真。その写真を一目みようと部員たちが駆け寄ってくる
「おっ、士郎君の写真ですわ、どれどれ・・・」
「朱乃、私にも見せて」
見始める部長と朱乃さん。それから、周りに廻ってその上目遣いの写真が部員たちの下に行った
「「「「「「……えっ」」」」」」
みんなが恐ろしいくらいに声を合わせてそう言った。因みに、士郎は恥ずかしすぎて悶死しそうだ
「あの、これ、士郎君?」
木場が聞いてくる
コクリと頷く士郎
「…これ士郎?女の子じゃない、完全に」
グサリ!!士郎の心に何かが突き刺さる
「可愛らしいですね~士郎先輩」
アーシアが無邪気そうにいうが
グサリ!!
再び士郎の心に槍が突き刺さる。イッセーに至っては、先程から士郎と写真を何回も交互に見て、自分の目が壊れてないか確かめていた。
「――士郎…」
部長がいい。
「士郎先輩」
小猫がいい。
「士郎さん――」
アーシアがいい。
「士郎…」
ゼノヴィアがいい。
「士郎君…」
朱乃さんまでもいう。女性陣はなにやら言いたいそうだ。それも口を揃えて
「「「「かわいいじゃないですか――この写真」」」」
グハッ!!グサグサグサグサ!!
その言葉と共に、士郎のLPがものすごく削られていった
その言葉を聞いて、完全沈黙する士郎。なんであの時あんな写真を撮ってしまったのかが気になる。そして、ものすごく後悔する士郎だった。