ハイスクールD×D/Re:Zext Night 作:有栖川アリシア
9月某日の休日
「…」
駒王のとある広場にある噴水で待ち合わせすることになっている士郎。
「(それにしても、この待つ時間がな・・・)」
心の中で少し考えごとをしている士郎。とりあえず、士郎は待ち合わせ場所にいるのだが――先ほどから若干の見世物状態になっている。無理も無い、士郎の顔や容姿は一般人から見てひときわ目を引くぐらいきれいなものなのだ。周りのカップルとかがひそひそでなにやら士郎のことを話していることが一発でわかる
――数刻後
ザワザワザワザワ…
「(騒がしいな・・・)」
北東の方から、人のヒソヒソと話す声が増えた。士郎はそっちのほうが気になり、そっちを見ると
ベレー帽に水色のシャツにベージュの半袖のジャケット、それにホットパンツに革らしいポーチの輝く金髪の美少女と白いシャツにジーンズとスーツジャケットを着た黒髪美少女が肩を並べてこちらに歩いてきた。二人の胸元に士郎の送ったペンダントが輝いていた。
「――///」
ふたりのその姿にボーッと見惚れてしまっていると
「お待たせ、士郎」
「待たせたわね、士郎」
凛とした二つの声と共に
「サツキ、アルビス」
間近で見るその姿に思わず息を呑む士郎。そして、二人は近寄って士郎の腕に自分たちの腕を絡めてくる。士郎はそれを見て顔が赤くなり、はずかしながらも言った。
「・・・その、よく似合ってる、というか、あまりに可愛くて驚いた」
「「・・・っ!?」」
ふたりの顔がカァッと真っ赤になる
「あ、ありがとう」
「う、うん、コメントとしては及第点ね」
顔を真っ赤にしながら言うふたり。
「さてと・・・んじゃあ、いきましょうか」
「そうね、時間はそんなに多くないからね」
二人に引張られるように歩き出した
駒王の商店街を歩く三人。道をすれ違う男性や女性たちが羨ましそうな視線を向けてくる。無理もないだろう、なにしろ、色々と羨ましい光景が広がっているのだから
「それで、宛はあるの?」
アルビスが聞いてくる。
「まぁ、おのぼりさんっぽくなるが、東京観光巡りとか?」
「いいわよ、あなたと一緒ならどこでも構わないわ」
「了解」
士郎はポケットから一枚のパンフレットを取り出す。それは冥界産の東京観光スポットマップだ
「あら、結構あるわね」
ひょいとパンフレットを覗き込んでくる二人。同時に、鼻先をくすぐるシャンプーのいい匂いに思わず心臓が跳ね、士郎の顔が赤くなる。
「あら、顔が赤いわよ?大丈夫?」
士郎の顔をサツキが覗き込んでくる。それが更に心拍数を加速させる。いくら一緒にいるからといって意識してしまうのは意識してしまうのだ。
「大丈夫だ」
平静を取り繕う士郎。それから、色々電車などに乗り、三人は東京に出た。
表参道――
周りの風景を眺める三人を風がゆっくりとなでている。わずかに揺れるアルビスの髪は陽の光を受けて金色に輝いていた。対照的に士郎の隣にいるサツキ、黒色の髪が日光を吸い込むように輝き、その場に妖艶な雰囲気を醸し出している。
「ね、ねぇ、あそこ見て、あの三人」
「うわ、すっごいキレ~」
「彼氏さんかな、めっちゃイケメンじゃない、モデルかしら?」
「そうなのかな?けど、にあっているわ~」
士郎たち三人に注目している女子高生グループが声のボリュームをおさえることなく騒いでいる。しかし、そんなことせず士郎達三人は歩いていく。そんな中
「どう回るの?士郎」
「うん、今見てる~」
雑誌やら何やらを取り出して色々と確認する士郎。そんな中
「もしかして、疎い?」
「レディースに関してはな」
「あらあら、ならここは、私に任せなさいな」
そういうと、アルビス先導でファッションショップの店の中に入っていく。それから、エレベータに乗ったりして5階につく
「んじゃあ、まずはここね」
「『ガーラヴァーズ』……変わった名前だな」
「まぁね、けど、品揃えはいいわ、それにほら、女の子もいっぱいいるでしょ?しかもセール中でもあるし」
アルビスが言う。その証拠に中には、確かに女子高生や女子中学生が多かった。そのため、接客がおざなりになっているのがわかる。
「
店員の一人が、持っていた服を落とした。その店員の異変に気づいたほかの店員もその視線を追うと、一人の店員が呟いた
「お人形さんみたい・・・」
「何かの撮影……?」
「……ナツカ、お客さんお願い…」
店長と思われる人が、フラフラとこちらに歩み寄っていく。まるで
「どんな服をお探しで?」
思い切り緊張していることがわかる店員さん。それもあって、あんまりサマースーツが似合っていない。
「ん~そうね、可愛いのがいいわ、試着室で着てみたいのだけど、いいかしら?」
「えぇ、構いませんわ」
「んじゃあ、士郎――少し待ってなさい」
「そうね、んじゃあ、みましょうかね」
それから、数十分にわたって服を物色し始める。そして、試着室に入り込み――数分後着替えが終り試着室から出ると、店内の全員が息をのんだ。もちろん士郎も息をのんだ
サツキが着ているのは、薄手の白のカーディガンに、フリルにあしらわれた黒いワンピース。アルビスは、フリルのついたミニスカートに白にTシャツにしましまのニーソックスに黒のジャケットだった。大人っぽいサツキと明朗快活そうなアルビス
「うわ、すっごいキレイ…」
「妖精みたい」
まるで物語のワンシーンだった。そんなこともあり、あたりはしばし騒然となった
そして、小一時間後
「しっかし、思ったより時間かかったな」
「まぁね、ある程度予測はしてたけど、色々と罪ね」
サラッとそんなこと言うアルビス。
「気にしないがな」
コーヒーを飲みながら呟く士郎。ちなみに、アルビスは、日替わりランチ。サツキは日替わりピザを食べている。
「しっかし、着てくれば良かったじゃん」
「いいのよ、こういうのは特別な日ってものがあるでしょ?」
日替わりランチのパスタをくるくるとフォークで巻き取りながら言うアルビス。
「せっかくの東京だし、おもいっきって109でもいく?」
「サツキ、実際あそこは何もない」
「何もないってどういうことなの?」
突然のことに聞いてくるサツキ
「何もないっていうよりか、あそこには私たちの着るような服はないわ」
「あぁ~」
納得するアルビス。それから、ランチタイムを楽しんだ後、再び東京都内を歩き出した。
「(ま、とりま神宮方面まわってみるか)」
明治神宮に向けて歩いている士郎たち3人。そんな中
アセアセ・・・アセアセ…
天界の天使がこの人ごみが多いという中に、何やら焦っている様子であった。
「(何があったんだ?)」
士郎は、気に止めるものの、今はいまだと割り切って明治神宮に向かう。
それから、明治神宮を軽く見たあと、士郎たちは山手線に乗り込むと
「(えっ?)」
声には出さないものの、その異質な存在に士郎はいち早く気づいた。視線の先には、ウェーブ髪のおっとりした感じの柔和なすんごい美人のお姉さん
「――ふんふんふーん」
そして、やけに楽しそうに鼻歌を歌っている。士郎は知らないふりをして乗り込むと、こちらに彼女が気づき
「スイマセン、アキハバラニイキタインデス、ミチヲオシエテクダサーイ?」
片言の日本語でこちらに話しかけてくる彼女、その目は穏やかながらも色々と笑っており、色々と物語っていた。
「これで一本ですよ」
「アリガトウゴザイマース」
「ってか、知らないと思いました?」
「ナニガデスカ?」
「普通でいいですよ、ガブリエルさん」
士郎がそう言うと、ガブリエルさんは、ほっぺに手を当てて
「あらあら、バレちゃいましたね~」
普通の言葉に戻る二人
「バレるもなにも、認識阻害魔法かけてないと、いくらあなたでも問題になりますよ?」
「そうなのよね~」
「それで、なんでここに?」
「お忍びで、同人誌が欲しくて」
「そんなの使いに行かせれば」
「え~いやよ~だって、彼女たちそういう系の疎いし、初回特典とか予約特典とか、プロダクトナンバーとか知らないじゃない」
「・・・堕ちないんですか、あなた?」
「堕ちるわけないじゃな~い、だって四大セラフの一角ガブリエル様なんだも~ん」
腰に手を当てて、胸を堂々とはるガブリエル。色々と欠けていて"
「それで、護衛は?一応居たんでしょ?」
「えぇ、居たわ、けど、行くって言いだしたら、ダメっていったから」
そういって、指に人差し指を当てて
「巻いちゃった」
「(このクソやろォォォ!!関わらなけりゃよかったわぁぁ!!)」
心の中でいろいろと戦う士郎。そんな中、顔をズイっと寄せてくる。士郎の鼻腔にかぐわしい良い匂いが刺激すると同時に
「ねぇねぇ、一緒に来てよ、一人だとつまらないわ」
急転直下、思いっきり寒気がし始める。
「(護衛を置いてきた貴女が、何を今更…)」
と、思っていると
「いいんじゃない、道案内っていうのも」
「そうね、それもいいかもね」
アルビスとサツキのふたりが言う。
「まぁ、そういうことなんで、一緒に行きますか」
「んじゃあ、お願い、案内してね」
それから、秋葉原に向けて4人は再び電車に乗り込んだ。
秋葉原――
「到着っと」
電気街口から秋葉原に降り立つ面々。周りは、女性より男性の方が多かった。となると、必然的にサツキやアルビスに含めガブリエルさんが目立ってしまう。そして、大半の男性が前かがみ状態になっている。いろいろと蔑んだ目をするアルビスの一方で、なにやらある一点を見て、目を輝かせているサツキとまた違う方向に目を輝かせているガブリエルさん。ガブリエルさんの方の瞳には何やら燃えてはならない何かが燃え上がっている。
「(究極的に嫌な予感がするな・・・)」
主にサツキとガブリエルさん。そして
「士郎、行くよ!まずは、ソ○マップよ!」
「ちょ――」
右腕をサツキに引っ張られる士郎。そして、反対側から
「ゲー○ーズとアニ○イトととらの○なに行くに決まっているでしょ!どの店も特典が違うんだから、人手が足りないのよ、早く!!」
ガブリエルさんが引っ張ってくる。いわゆる引っ張りだこというやつだ。周りからの視線が痛い。
それから、士郎はふたりが納得できるようなプランと回り方を瞬時に計画する。
「あら、それがいいわね」
「いいじゃない、それで」
二人に納得してもらい、士郎たちは秋葉原を周り始めた。
数刻後――
「ふぃ~かったわね~」
「そうね~特典ものも手に入って満足だわ~」
サツキとガブリエルさんの両手にはたくさんの荷物。そして、満足げな表情。周りも色々と驚いている。それを躊躇うことなく
「士郎、開いて」
「・・・まぁ、わかっているけどさ」
周りに気づかれないように、
「んじゃあ、せっかくここまで来たし、あそこにでも見に行きますか?」
「あそこって?」
そういうとアルビスが指差す。その先にあるのは、地上約634 mの高さの建物
「あぁ~あそこか、いいね、行ってみましょうか」
三人とも納得し、それから電車に揺られたりし、そこに向かった。
スカイツリー地上
「おぉ~大きいわね~」
というのは、四大セラフの一人ガブリエルさん。下から天を仰ぐようにみる四人たち。少し太陽の光がまぶしい。
「展望フロアに行ってみるか」
「えっ、いいわよ、高いし、だったら、私たちが行ける一番高いところに行きましょうよ」
サツキが提案してくる。
「どこさ?」
「こっちよ」
そういうと、士郎の手を握って
「そういうことね」
シュタンッ!!
その意図を理解して、士郎も大空に向かって翔びだした
地上約450m天空回廊屋根上立ち入り禁止エリア
ビュオォォォォォオオオオ!!
風が吹き荒れていた。そよ風ではなく、荒々しい暴風だ。
「いや~高いわね~」
「そりゃ、450mちょいだもん」
腰に手を当てながら、眼下を見下ろしているアルビス。見ているのは、アリほどの大きさの人たちだった。
「そういえば、富士山はあっちかしら?」
「あ、あれじゃない?」
ガブリエルさんと一緒に富士山を探していたりしているサツキ。そして、士郎はというと座り込んで、黄昏ている。
そんな中、ガブリエルさんの顔が険しいものとなった、それは何かを心配するような目だった
「――やはり、ここであなたに話しておくべきですね…」
「ガブリエルさん・・・どういうことですか?」
「簡単な話です―御存知のとおり、あなたは今、天界冥界で一番重要視されています」
「赤龍帝よりですか?」
「えぇ」
「それはどういう意味で?」
「あなたは、今―自身の状況を理解できていますか?」
「状況って…… 一介の悪魔ですよね?」
「やはり、ですか、アサゼルやミカエル、それにサーゼクスからも知らされていないんですね」
「知らされてない――どういうことです?」
「では、よく聞いて下さいあなたは――」
といいかけた時、突風が吹き荒れたと同時に
ゴロロロロロ!!!
ものすごい轟雷が響いた
「――ガブリエルさん!!」
士郎は、ガブリエルさんの前に立ち――それを
「ほっほっほ、全く、北の国から遠路はるばる来たのだが…まったく、天使のお姉ちゃんは、過保護すぎるなぁ、それに応じるとは――その顔からして、まだ知らないか・・・それは良かった」
と眼帯の爺さんが現れた――その隣は、パンツスーツをはいた女性とが対の良い男性
「北欧主神――オーディン、それにバラキエルさん」
そう、護衛についていた一人はそう姫島朱乃さんの父さんだった
「ほっほっほっ、訪日したぞい――」
とあぁは言っているものの、対立的な意味で一触即発の雰囲気だ
「――オーディンさま、今は大切な話中よ、邪魔しないでもらえるかしら?」
「天使の姉ちゃんが一端の口を利くではないぞぃ」
「まだ、そう呼ぶのですか…」
今まさにアース神族と天界で戦争でも起きそうな雰囲気だ
「(一体、どういうことなんだ)」
自分自身がかなり気になる士郎
「――なぁ、天使の姉ちゃんよ、まだ小僧には早いとはおもわんかね」
「しかし、オーディン様――」
「大丈夫じゃろう、遅かれ早かれ気づくはずじゃ―それにまだ、憶測の域を脱しないからな」
「気づくって・・・あんまりうれしいものじゃないな」
「ほっほっほ、そりゃそうじゃい、まだ憶測段階じゃしな」
そういうと、オーディン様はおとなしくなったのか知らないがその一触即発の空気は無くなった
「まぁ、そうですわね――」
「それにじゃ、わかっておるのか?貴様らはまだ、年もいかないこの青年にその事実を知らせるのはあまりにも荷が重過ぎるじゃろ」
「―……それをいいますと…わかりました」
そういうと手元の何かをみたガブリエルさん
「士郎君」
そういうと、ガブリエルさんがこちらにやってきて
ボフッ!!
士郎は、ガブリエルさんの胸に顔をうずめることとなった。そして、ガブリエルさんの感触はまるで母親のようだ――さすが、聖書に聖母と記されているだけある
そして、彼女は、こういった
「――|If I do not lose sight of yourself even if you do not accept yourself.《もし、あなたが自分を受け入れられなくても自分を見失わないで》」
彼女はそういう。士郎の体の中になにかが入ってきた
「頑張って」
わが子を見るような目でこちらを見てくる彼女――士郎は、なにか勇気付けられた
そういうと、彼女はこちらに一瞥しその場から去っていった
「――ではな、せいぜい楽しむのじゃぞ小僧共」
そして、その場からオーディンたちも立ち去った
「ねぇ、士郎まさか」
サツキが心配そうな顔で士郎の顔を覗いてきたと同時に士郎の腕にしっかりと自分自身を絡めてきた
「あぁ、もしかしたらな」
サツキの反対側にはアルビスもいる――二人とも涙を流しそうだった
「なぁ、かりそめだが、楽しもうぜ」
「えぇ、楽しみましょうか」
それから、士郎たち3人は遊びに遊びまくった