ハイスクールD×D/Re:Zext Night 作:有栖川アリシア
京都
ガヤガヤガヤガヤ――
降り立った周囲は人の声やアナウンスで騒がしかった。降り立ったのは京都駅烏丸口だった。
「とまぁ、来てみたのだが――さてと、どうしようかな・・・」
士郎は途方にくれていた。無理もない、玉藻前に断りも入れずに来たのだから。士郎は何か手がかりはないかと歩き始めようとしたとき
「あら、あなたね」
後ろから声がかけられた。士郎は振り向くと其処には、漆黒のセーラー服とストッキングに身を包み、黒髪ロングに少しハイライトの入った瞳のまさしく黒の学生がそこにいた。
「あの、どちら様で?」
「私?私は八雲よ」
「いや、全然わからないわからない」
「はぁ、まぁそうだろうね・・・コレを見せればわかるかしら?」
そういうと八雲と名乗る彼女は、自分の人差し指に狐火を灯す
「――へぇ・・・」
士郎は、それがどういうものか理解する。
「信じてくれた?」
「えぇ」
「そう、確か丹羽士郎君でいいのよね?」
「はい」
「んじゃあ、姉さんも呼んでるみたいだし、少し付いてらっしゃい」
パシッ
士郎は、彼女に手首を掴まれて歩き出すのであった。
「へぇ~君、高校二年生なんだ」
「はい、高校二年生です」
「あら、同い年ね」
「おや、そっちも?」
「えぇ、私もよ」
そういいながら士郎は一方的に手をつながれながら歩いている。
「そういや、京都の裏名所とか知ってる?」
「あぁ、知らないです」
「あら~なら、これが終わったら一緒に見に行く?」
「せっかくなのですが、大丈夫ですよ、数日後に修学旅行でここにきますから」
「修学旅行ここなんだ」
「えぇ、二泊三日で回る予定です」
「あら~なら、私もお邪魔しちゃおうかな?」
「来るんですか?」
「京都の案内なら、このお姉さんに任せなさい!」
ビシッ!!
胸に手を当てて、自信アリげにいう彼女
「まぁ、それならお任せしますわ」
そういう士郎だった。しかし、これが後々面白い自体を引き起こすとはこの時知る由もなかった。
そして、京都駅からざっとあるいて一時間後――金閣寺の裏から妖の住む通称"妖界隈"を抜けると、一際大きな屋敷が見えてきた。その入口のところには
「お、来たか!!士郎!!とそれに姉上も」
獣耳に綺麗な金髪に金色の双眸にもふもふとしたしっぽそして巫女服の小さな女の子――九重がそこにいた。
「やっほ~九重」
「ただいま~」
これじゃあまるで、引っ掛けられてきたみたいな感じがするがそこは、気にしないでおこう、多分気にしたら負けだと思われるからだ。
そして、こっちに駆け寄ってくる九重、士郎に飛びついてきたので、士郎は抱っこしてやる
「おぉ~」
その慣れた手つき?に驚く八雲
「そうじゃ、母上がおよびじゃ」
「ん?お母さんが?」
「おぅ、なにやらお礼がしたいと」
「そう、んじゃあ、行きますか」
「あら、宴の準備でもしておこうかしら?」
「いや八雲、大丈夫だよ、そうだな、そうだな、緑茶と団子を用意してくれるとありがたいな」
「あら慎ましやかね、わかったわ」
そういうと、その場から離れていく八雲。士郎は、九重の母親である八坂さんのところに向かっていた。
そして、廊下を歩いていくこと数分――目の前には大きな障子扉が現れた
「では、母上がこの先にいる――行って参れ」
「ん」
そういうと士郎は中に向かうため、正座しながら障子を開けた
「お初にお目にかかります、九尾の御大将、八坂様」
士郎は深々と頭を下げながらいう。
「おぉ、丹羽士郎殿か――頭を上げてくれ、申し訳が立たないからな、ほれ、ちこう寄れ」
「はい」
正座状態に態勢を戻し、そこから立ち上がり、八坂さんに近寄り再び正座する
「遠路はるばる、ようこそ京都へ滅神龍帝殿、此度の一件誠に感謝する」
「ありがたき言葉、恐悦至極でございます」
そんな中、少し何かを感じたのか
「お主、もう少しラフになれんか?」
「・・・?」
唐突的なことを言われ、士郎は言われたとおり、楽な体勢をする。
「まぁ、それでよいそれでよい、ほんと、ありがとう」
「いえいえ、そこまでたいそれたことはしていませんよ」
謙虚な態度でいう士郎
「まぁ、そう謙虚に並んでも――そうじゃ、お主に着てもらいたいものがあるんじゃが」
「着てもらいたいもの?」
「そうじゃ」
そういうと、袖の方から巫女服姿の女性が着物三点をもってやってきた。
「こちらは?」
「おぅ、我が仲間いったんもめんがつくった着物三点だ」
見れば、瑠璃色と青丹と
「これは、上質なものですね」
「おぅ、お主審美眼でもあるのか、そのとおりじゃ、いったんもめんの作るのは天下一品と言われておるからな」
士郎は、どこかで聞いたことのある噂を思い出す。京都に世界で類を見ないくらいすごい着物を作る職人がいると
「これは、頂いてもよろしいのですか?」
あまりにも値が高そうで思わずそんな言葉が漏れてしまう
「いいのじゃ、九重を救ったお礼じゃ、ためらわずに受け取てくれ」
「はい、ありがとうございます」
士郎は頭を下げてお礼をいう。
「そうじゃ、お主――このあと用とかはあるのか?」
「えぇ、少ししたら、富山に行かないといけないので」
「おやおや、その少しの間、宴でもしていくか?」
「いえ」
言葉を続けようとしたとき
「おねえちゃん、その子は私と一緒にお団子食べるんだから、とらないでよね」
「おや八雲、帰っておったのか」
「えぇ、というかここに連れてきたの私よ?」
「そうだったか、感謝するぞ八雲」
八雲の手には、お団子三人分と、湯呑に入れられた緑茶
「ほぉ、わかっておるな」
「そりゃどうも」
団子と緑茶が並べられ、たわいもない談話が始まった。そんな中、不意に士郎の携帯がなった。そこには、サツキから富山に来てとのメールだった。士郎は、キリのいいところで切り上げ、富山へ普通の電車で向かっていった。
電車の中
「(また、あの夢か……)」
士郎はまた夢を見ていた。満月の夜空の下、誰かと話している夢だ。長い白い髪に不気味な雰囲気の女性。顔は見たいが、顔が見えない。そんな夢だ。
「(一体、彼女は誰なんだ…)」
顔を観ようとすると、その頬には紅い入れ墨。しかも肌も異常に白い。だが、その白さはどこか不健康さを思わせない不気味な白だ。そんな中、不意に背丈がサツキに似ていることを感じる士郎。
「(えっ?)」
次の瞬間、目の前の人物の口元が見える。そして、少し口角をあげた感じがしたと同時に、士郎の意識は暗転した。