ラドリーっていいよね   作:縮退回路

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仮想デュエルを書こうとして、双方のデッキ内容を把握しなければいけないというヤバさに気が付いて辞めました。
というわけで、生存報告代わりの投稿です。


7. ドラメデッキ(やっぱラドリーいないですね)

 

 

「──へぇ、小林さんに服をもらったんだ」

 

 

 後日雑談として滝谷先輩へ衣類を貰った事を話すと、どんな服だったとかラドリーはどんな反応だったとか、そういう話題でスムーズに会話が行えた。

 そうなんだよな。会話ってこういうのでいいんだ。複雑なこと考えずに言われたことへシンプルにそのまんま打ち返せばいいんさね。

 まぁこうして隙あらば自分語り的な事を考えちゃうんすけどね。ヘヘ……。

 

「お陰で恥を忍んで妹に頼らず済みました」

「それは、うん。危機一髪だったね……」

「はい……」

 

 いやホント、ラドリーのかわいさ抜きにしてあの物資支援はとにかく助かったよ。

 不審者となり買いに行く、或いは通販でそれっぽいのを賭けてみる、はたまた妹へ頼るとかしなくて済んだ。

 妹なら笑いながら状況を受け入れてくれるだろうけど、兄にもプライドといふものありける。

 

「それまではどうしてたの?」

「再召喚すれば汚れとかリセットされるみたいなんで、それで何とかしてました」

「そうなんだ。うーん、カードが一緒だから同一個体のままってことなのかな?」

「どうなんでしょう?」

「そっち方面は僕あまり詳しくないからなぁ」

 

 小林先輩の持ってきた衣類は本人に着方を覚えてもらうという名目で先輩とカンナさんに着替えを手伝ってもらい(当然俺は廊下で待機)、現在は指示すれば一人で着替えられるようになっている。ラドリーはかしこいのだ。

 かわいかったなぁラドリー。本人はデフォルトの和ロリに拘りはないようで、きょとんとしながら受け入れてたの。褒めたらメイトのくるっと回っててひっのポーズしてくれた。めっっっちゃくちゃかわいかった。

 可愛すぎたから耐えきれずに先輩方が帰った後にこっそり撮らせてもらった。一生分褒めたと思う。

 

 

「そうだ。翔太くんなら詳しいんじゃないかな」

「翔太くん?」

「こっちの世界に住んでる子なんだけど、魔法だとか召喚だとかに詳しいんだよ」

「そんな人が」

 

 口ぶりからして子供らしい。でも滝谷先輩が推薦するんだから信用できるんだろう。

 遊戯王のルールに則れば他にも色々できそうとはいえ、どこからどこまで再現されてしまうのか分からないこの力。念のためラドリーを再召喚する際も下手なことをせずにエア降参(サレンダー)からのエア決闘(デュエル)スタートでやり過ごしているが、デッキにラドリーが一枚しかない現状中々に手間なのだ。

 ラドリーを召喚するルートの途中で他のメイドやドラゴンを召喚しても困るゆえ、少しでも制御できるならしておきたい。

 あ、デッキを作るためにドラゴンメイド・トゥ・オーダーは追加で二つ注文してます。届くのが楽しみ。

 

「そしたらお願いします」

「分かった。じゃあ後で連絡取っておくね」

「ありがとうございます……」

 

 流石滝谷先輩、略してさたん!

 ……あ、これは口に出してないです。滝谷先輩ならワンチャン許してくれそうだけど、流石にはっちゃけてふざけたこと言うのはまだネ……。

 

「じゃあ残りやっちゃおっか」

「はい!」

 

 あ、ちなみに俺が仕事中で家を空けている間は小林先輩のお家にラドリーは預けてます。

 ある程度常識が身についてきたとはいえ、まだまだこの世を知り始めたばかり。

 トールさんならメイドとして予定に融通を利かせられるそうなので、ひとりで留守番ができるまでなら世話を見てくれるそう。

 まじありがてぇ。まじありがてぇけど、トールさんやカンナさんっていうドラゴン達を成り行きだけで手なずけてる小林さんまじで何者……?

 めんどくさいなーって顔だったトールさんが小林さんの「トールなら信用できるしさ」って言葉ひとつで快諾するのなんなん?

 

「んー。またこりゃ手間な仕事が……」

 

 ちらっと見た小林先輩はいつもの通り、死んだ顔でキーを叩いて仕事を進めていた。

 どこからどう見ても普通のSE。一般人で普通な人。ドラゴンが小突いたらすぐに死んでしまえるような、そういう人。

 

 

「小林さん! 寿司があるぞ!! ウニもだ!!!」

 

 

 ……そういえば上井さんも何で先輩にこんな懐いてるんだろう……?

 

 

 

 

 

「小林さーん♡」「くー!」

「トール」「ラドリー!」

 

 仕事が終わって職場を出たら、ラドリーを連れてトールさんが来ていた。

 

「おお、尻尾が隠れてる」

「ふふーん!」

 

 くるっと回ってドヤ顔をしたので撫でる。かわいい。

 ロングスカートの中に尻尾を仕舞っているのか見えないけど、これどうなってるんだろう。普通に街中歩けるなんて素晴らしく素晴らしいことじゃないか。

 

「認識阻害ですよ人間。感謝してさっさと小林さんから離れろ」

 

 隣にいる小林さんの腕へトールさんは抱き着き、見た目からは想像できないパワーではねのけられた。痛いです。

 それにしても認識阻害、一部の透明化というか非表示状態? あのもふもふラブリーな尻尾を隠してしまうのは悲しいけれど、ラドリーを表に出すためには確かに必要な技術かも知れない。俺も覚えておきたいなぁ。

 大人の事情に振り回し子供を軟禁して遊ばせないのは我が武士道に反する。そのような生活を続けるのならばまた切腹せざる得ない。子供に詫びるためなら何度でも腹を切るぞ。

 

「陽向殿も仕事は終わりか?」

「え? あ、はい」

 

 ひらひらと手を振りながらトールさんに引っ張られていく先輩を見送ると、上井さんが少し良いかと横へ並んだ。

 何用でござろうか。仕事終わりの男女が二人で帰るのは色々アレな絵面になるからちょっと、その……。

 

「くぅ?」

 

 ああごめん。ラドリーもいるね。

 って、そうではなく。

 

「えっと、何かありましたか?」

「折角だからな。私もその、ゆうぎおう? を知っておこうかと思ったのだ」

 

 なるほど……。

 といっても、俺はどうしたらいいんだろうか。

 素直に教えればいいとはいえ、自信はない。だって教えるの苦手というか、こういうの教えてもらった経験すらないし。

 あと出しゃばって色々喋っちゃう可能性あると思います。

 世の陰キャが消極的なのは相手の迷惑、自身が迷惑をかける可能性を考慮した配慮の結果なので皆さん優しく見守ってね。……なんの話だ?

 

 黙り込んだ俺を見て隣で上井さんが首をかしげている。

 そう、そうなんだよ。陰キャはこれだからうんちなんだ。

 

「遊戯王を教えるのはいいんですけど、自分で上手く教えられるか……」

「だいたいでいい。後は自分で覚えられる」

「流石です」

「ふふん、これでも巫女をしていたからな」

 

 それ巫女と関係ある……?

 

「くう!」

 

 隣でラドリーが同調するように手を上へ伸ばし、上井さんがその手を取ってなんか戯れる。

 やりとりはよく分からないけど、水とドラゴンで何かしらシナジーがあるのかも知れない。

 水属性指定とか、ドラゴン族指定とか。

 

「というわけだ。行こう」

「どこへ?」

「予約していたお店があるのだ。他の二人も誘いたかったが、それぞれの理由で断られてしまっているしな」

「なるほど」「ふぇーん」

 

 ではと上井さんは早く食事にありつきたいのか前を歩き、俺とラドリーはそれに続いていく。

 物理遊戯王は持ってきてないし、やるならマスターデュエルの方かな。

 

 

 

 

 

 

「もぐもぐ。それで、どうするのだ?」

「ドラゴンメイドなら教えられるので、まずそれを組みます」

「ふむ。やはり下準備が必要なのだな。んぐ」

 

 居酒屋にて上井さんのスマホへマスターデュエルをインストール。

 無事完了したので、これからようやくデッキを組んで教えていこうという所だ。

 

 遊戯王といえば原作にて有名な《ブラック・マジシャン》、或いは《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》だけども俺にそれらのデッキの知識経験はない。

 というか初心者に渡しておいそれと使えそうな気がしない。フリーデュエルでも明らかに振り回されて自滅していく対戦相手を見る。

 

「ドラゴンメイド・トゥ・オーダーを3つ交換して、今回はこれだけで組めるデッキを作ります」

「そこも私がやった方がよいのでは?」

「遊戯王ってゲームのルールとはこのへんあんまり関係ないから、ひとまずスルーでいいかなって……」

「ひとまずはか」

 

 まずい、陰キャ特有のくそムーブ出てしまったか……?

 上井さんは串焼きを両手にスマホの画面を見ている。

 

「初心者でも扱いやすく、事故が少なく、ルールや単語に触れられる。そんなデッキを用意させて頂きますね」

「あ!」

 

 画面を横から見ていたラドリーが声を上げた。

 どうしたのかと思うと、画面に映っている《ドラゴンメイド・ラドリー》を指して何か言いたげな様子。

 

「そうか。それがその子の媒体となった元のカードなのだな」

「です」

「くぅー?」

 

 家に置いてあるカードには反応してなかったし、マスターデュエルとは別モノだからって感じなのかな?

 それからしばらくくるくる言っていたラドリーはやがて飽きたのか、上井さんの持っている串揚げに目移りして分けて貰っていた。

 小皿にうずらのフライが並び、丁寧にフォークで一つずつ食べていく。おいしいのが勿体のか、ちまちまと食べてて可愛い。

 

 視線を画面へ戻し、デッキ編集。

 まずドラゴンメイド・トゥ・オーダー内になぜか存在している邪魔なドラゴン達をどけます。

 そして重要かつメインであるドラゴンメイド関連カードの枚数を増やし、完了です。

 ただ全員をフル投入しては事故が多発するので、パック内にあった汎用札を採用しておきます。

 

 ドラゴンメイド・トゥ・オーダーは、プラスでドラゴン族汎用カードも入ってるからね。

 

「できたのか?」

「はい。これで無難に扱えるはずです」

「……その幼竜、ラドリーか。ラドリーが一枚しか入ってないように見えるのだが」

「あとはそのデッキを自分なりにアレンジしていって、同じテーマでも個人個人それぞれのデッキを作ってくのが遊戯王なんです」

「ラドリーが一枚しか入っていない理由は……?」

 

 そのデッキを触っていけば分かります。なぜラドリーの枚数が最低限なのか。

 デッキのアレンジやカード枚数の調整も学べる状態とさせて頂いております。

 

「くー?」

 

 何も知らないラドリーがうずらを食べ終え、ジュースを飲んで満足している。

 よし。じゃあとりあえずやってみましょう上井さん。専門用語が所々出てきますので、分からない所があればその度に解説していきますね。

 

「なんか納得いかないが、まぁやってみた方が早そうだな……」

 

 では、デュエル!

 

「くぅーっ!」

 

 





作中の通りドラメのストラク3つで作成できるデッキがこちら!


メイン
ナサリー ×2 ラドリー ×1 ティルル ×3
パルラ  ×3 チェイム ×3 エルデ  ×1
フルス  ×1 フランメ ×2 ルフト  ×1
ダークメタルドラゴン   ×1 龍の鏡  ×1
復活の福音×2 お心づくし×3 お召し替え×1
お出迎え ×3 竜の闘志 ×1 お見送り ×3
お片付け ×2 リザクレーション ×1
崩界の守護竜 ×2 巨神竜の遺跡 ×1

EX
ハスキー ×3 シュトラール×3 天球の聖刻印 ×3


初心者が迷わずに使えるよう、余計なカードは省いてシンプルにしました。
なお仮想デュエルは試しに書こうとしましたが、難し過ぎてやめました……。
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