死にたくないから幼馴染に媚び売りまくった結果   作:ゲヘナクソザコクロモップ

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続いてしまった…
今回は先生とホシノ関連の話です
もしかしたら解釈違いとかあるかもだけどそこは許してください…ひぃん

あとこういうの書くの初めてなのでこういうタグつけたほうが良いよとかあったら是非言ってもらえると幸いです、感想の方も見させてもらってます


銃弾数発で死ぬ人間の何処が強いのだろうか

 

連邦捜査部S.C.H.A.L.E

その運営を行う先生にとって柊木タツヤという生徒は非常に癖の強い生徒だった

 

キヴォトス全土で見ても例のない『ヘイローを持つ男子生徒』でありながら身体能力は低く、自分よりも少し硬い程度の耐久力しかなかった

 

そのせいか、キヴォトスの外から来た自分と同じ様な価値観と倫理観を持ち合わせおり、ことある事に頼りになる存在だった

 

そんな彼との初対面は先生として活動するにあたっての最初の仕事だった

 

『ゲヘナ風紀委員会副委員長の柊木タツヤだ…言っとくが俺は周りの奴らみたいに強くねぇし、あんたのことを死んでも守るみたいな事は出来ないからあんま期待すんなよ』

 

今思えば彼らしい挨拶ではあったがあの時は大いに驚いた。後々聞けば彼はキヴォトスで類稀なる紙装甲であると聞き何となく分かってしまった

 

しかし、それでも頼もしい存在ではあった

 

『アンタ自衛用の武器は?…ハァ??無いだと?!おいどうなってんだよ行政官!撃てないにしても構えさせて相手をビビらせるくらいの効果はちゃんとあるだろ!?』

 

『一応聞いておくが持ち物は?財布にケータイ…ちょっと待ってお前防弾チョッキとか着てないのか?オイオイ、あの行政官正気か!?これから銃撃戦だってのに装備の1つもねぇとか鬼畜か!?クッソ…取り敢えず俺の奴を着ろ、サイズとか贅沢言うなよ?あぁん?受け取れねぇじゃねぇ!俺よりも死にやすい癖して何言ってんだてめぇ!』

 

『まぁ、あんたの指揮は頼りになったよ。ただ、これからは自分の身を守る事も考えてくれ。目の前で撃たれでもしたら普通はトラウマモンだぞ?自分の身を守る事も俺達生徒の為だって事忘れんなよ』

 

『よお、当番に来たぞ…ってお前何日寝てねぇんだよその隈。お前がぶっ倒れたら回復しつつあるキヴォトスの治安がもっと死ぬわ!ホラ、まずは寝ろ!それがお前が一番やるべき仕事だ!』

 

正直嬉しかった

キヴォトスに来た頃は何処か一人ぼっちの様な感覚がしばらくの間続いていた、でも彼の優しさと温かさのおかげでその寂しさもなんとか乗り越えることが出来た

 

『アビドスか…俺も行く。え?風紀委員会には季節外れのインフルエンザで自宅待機してますって言い訳しておくから大丈夫だよ、空崎にも口裏合わせてもらうからな』

 

『おい待て、そんな装備で砂漠なんて行くんじゃねぇ。アビドス砂漠は砂嵐とか色々あるせいで遭難しやすいんだよ!現にそこで目を泳がせてるユメさんもここにいる俺も死にかけた訳だからな』

 

あと純粋にキヴォトスにめっちゃ詳しいのは凄い助かった、でも遭難するのは聞いてないよ?

 

『よお、お前ら。元気にしてたか?え?あぁ、そういや話してなかったな。俺はアビドスの奴らとは顔馴染みなんだよ。どっかの干からび掛けた先輩のおかげでな』

 

『落ち着けよセリカちゃん、コイツを此処から追い出すのは簡単だ。だが見くびるなよ?先生は俺より柔らかい豆腐みたいな耐久力の癖して俺ら生徒と一緒に前線に出てくる馬鹿たれだぞ?俺は信用は出来なくとも信頼はできる』

 

『やっぱここのラーメン美味ぇ!こういうのでいいんだよ、こういうので。あ、先生これスタンプカードな。5個ずつでトッピング1品無料で10個で替え玉無料、30貯まれば柴関ラーメン特盛無料券になるから取っておけよ!』

 

『はー待て待てなーんにも分かってねーじゃん、頼むぜ先生。確かに誘拐されてピンチなのは分かるがまだ詰んでる状態でもねぇんだからまずは深呼吸だ、落ち着けよ?よし、ならやれる事から確認していこう。先生の権限ってどこまで出来るんだ?…マジかよそんな所まで行けるのか、じゃあそれで―――』

 

最初の頃はまだ不安もあった

自分の力の未熟さも、知らない事だらけだった。

それでも前に進めた、そう彼が居たから

 

『便利屋ァァ!お前何他校の生徒にまで迷惑をかけとるんだァァァ!お縄につけぇぇぇ!絶対に許さんぞ陸八魔アルぅぅぅぅ!』

 

『こんなとこで何してんだよヒフミ…ペロロの為とはいえこんな危ない真似しやがって。こんな悪い子には俺がプレゼントするつもりだったこの50体限定のペロログッズはやれないね。ははは、今更いい子ぶっても無理だよ。』

 

『オイオイ、仮にも治安維持組織のNO.2の前で堂々と銀行強盗するなんて言うことじゃねぇよ。…だがやはり銀行強盗か何時行く?俺も同行しよう』

 

だから―――

 

『イオリぃ!!何やってんだお前ェ!』

 

傷ついた彼を見る度に息が止まりそうになった

自分は死ぬつもりもないとあれだけ言っていた彼がいつの間にか自分よりも遥かに危険な道を歩いていた

 

『――んぁ?空崎?大丈夫って俺の傷…?―――そうじゃん!俺めっちゃ身体に風穴空いてんじゃん!あっやべぇ、アドレナリン切れてきた!痛ったぁ!?』

 

『お、先生じゃん。え?あぁ、俺どういう訳か傷の治りは他の奴らより速いんだよね。だからほら、風穴1つねぇよ』

 

『いや、死ぬつもりはねぇよ?別に俺だって好きで命捨てるつもりないよ。ずっと死ぬつもりもないし、生きるつもりで戦ってんだよ』

 

自惚れていた

自分なら生徒を――皆を守れるのだと

忘れかけていた当たり前の常識『銃で撃たれれば人は死ぬ』という現実に今更になって恐怖してしまった

 

『え?死ぬのが怖いか?舐めんなよ超怖ぇからな?だから俺だって催涙ガスで徹底的に相手の目潰してから戦ってんだよ、そんな事今更だろ』

 

『あ、さてはオメー俺がボロボロになってるの見て自分も死ぬんじゃないかって怖くなったんだろ?だろうな、でも安心しろ。それが普通、死ぬ事が怖くない奴なんて居ない…死ぬ恐怖を忘れる程に必死になることはあるかもしんないけどな』

 

『まぁ、俺の言葉なんて気休めになるのか分からないが…その為の俺達だよ先生。俺は守れるのか分からねぇけど弾丸と爆弾からは他の生徒に守ってもらえ、それは俺たちにしか出来ないことだ。だから、お前は先生として、大人として…お前にしかできない、俺達にはないやり方で俺たちのことを守ってくれよ』

 

でも、竦んでしまった自分の足を動かしてくれたのも彼だった。そして思い出した自分の『役割』、自分がやるべき事を。だから―――

 

 

 

 

私が大人としての『責任』を果たす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あ、おはようございます先生。ところで何でホシノが皆に囲まれて説教されてるんですか?…え?俺とホシノがボコボコになったクレーターまみれの校庭でぶっ倒れてた!?で、それをやったのが俺ぇ!?ウソだろ、俺勝ったのぉ!?いや出来るわけねーだろ…ホシノ、お前いくら校庭を元に戻すのが面倒くさいからって俺のせいにしなくてもいいだろ…』

 

『あー死ぬ!ホントに死ぬ!先生まだ走れそう!?と言うか俺なんでこんな血塗れで死にかけのはずなのに生きてんのぉ!?っていたァ!こっちだ便利屋!取り敢えず先生保護して!』

 

『あ、もしもし先生?今アリウスの奴らに頼まれて一緒に仲間助けに行ってくれって言われたんだがどうすればいい?いや、別に俺としては助けに行くのはアリなんだが助けたあとどうしようかなって…え、俺の意見?俺としてはアリウスのボス倒した手柄と私達は洗脳されてたんです!って言い張れば充分減刑受けられるだろうし、自首させるのがいいんじゃねーの?』

 

『クッソ…よく分からんワープホールに飲み込まれたとも思いきや相手が平行世界の先生とシロコちゃんって…マジかよ、え?これ同じ人間が接触したら身体が崩壊するとかそういうルールあったりしないよな!?え?ない?あ、すいませんご丁寧に教えて頂いて。』

 

でもなんで君はいつもトラブルの渦中に居るのかなぁ!?*1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この俺柊木タツヤはいわゆる風紀委員会副委員長のレッテルを貼られている

 

規則違反者共に必要以上に鉛玉をぶち込んで*2今でも話しかけるとビビって相手にしねぇヤツもいる

 

言い掛かりだけで仕事を押し付ける能無しなんで押し付けられた仕事を鉛玉と一緒に送り返してやったマコト(バカ)は二度と文句を言わなくなった

 

店を爆破して腹を空かせた美食研究会の牢屋の前で空崎と一緒に炭火焼肉をするなんてしょっちゅーだ

 

だが、こんな俺にも納得の行かねぇことがある

それは―――

 

 

 

 

「俺の強さって何かビビる程過大評価されてるけど正直どう思う?」

 

「そういうのっておじさんに聞くの?」

 

いやーやっぱり俺の強さの振れ幅をよく知っているホシノに評価してもらうに限るでしょ

 

「いやータツヤ君ってそういうのって先生とかに聞くイメージあるけど…」

 

「残念だけどユメさんにゲヘナ(ウチ)の行政官とお散歩プレイしてたのとゲヘナ(ウチ)の医療部と混浴してるのがバレたんだよね」

 

「え?…あっ*3

 

「つまりそういう事だ」

 

さらば友よ…せめて骨は拾ってやる

いや、流石に腹上死はないだろうがおそらくごっそり搾られたことでしょう。もしかしたら子持ちの家族になるかもな

 

「まぁ、話を戻すが俺って正直弱くない?」

 

「うーんそんな事はないよ?と言うか仮にもおじさんタツヤ君に()()()()()()?」

 

「アレはほぼラッキーパンチだろ?」

 

あんな死にかけの状態だから強くなるみたいな限定的な状態で勝ってもラッキーパンチも良いところだ。俺が評価したいのは通常時の強さだ

 

「正直な話だ、俺の身体能力はキヴォトスの中だとマジで下だろ?」

 

「いやまぁ…でも流石にアヤネちゃん相手に腕相撲で負けるのは流石に弱いね」

 

「だろ?」

 

そう、仮にも治安維持組織のNo.2として働く男だがあろう事か腕相撲では後方支援中心のアヤネちゃんにすら劣る始末。実践だとある程度やりようはあるがこれはとんでもないデメリットでもある。単純な腕力だけでもこのキヴォトスにおいては扱う武器が制限されるという事でしかない

 

「そして極めつけにこの耐久性…ヤバくない?」

 

「でもそれを持って余りある射撃能力と精神性…特にその精神性はおじさん以上だよ?」

 

「精神性って…それが違うのはむしろ当たり前の話だろ?」

 

俺にとって日常的に行われているソレが自分の首元にナイフを押し当てる行為に何ら変わらない、ゾウの上でアリがタップダンスしているとよく言うがさながら俺はアリ、必死な人間と遊んでいるつもりの人間の精神性が同じワケがない

 

「あとその卑劣戦術?だっけ…正直中々強いと思うけど」

 

「いや、強くないわけないんだよ。パッと見弱い言ってしまえば村人Aがデバフかけまくって殺しに来る訳だからな」

 

俺の戦い方は自分にバフをかけたりステータスのゴリ押しをするやり方ではなく相手のステータスを徹底的に落として攻撃するタイプなので言ってしまえば俺自身にそこまでの強さはいらない

 

必要なのは状況を作り出す事と相手の裏をかく心理学的な技能、ここまで刺さっているのはこのキヴォトスではそんな回りくどいやり方をしてまで相手に勝つ必要がある奴が居ないのが1番大きい

 

「と言うか上澄みには通用しないよ、この戦術は…実際ホシノにはまるで効果ない訳だからな」

 

「いやぁ…あれに対応できるの正直片手で数えられる程度しかおじさん知らないけど…」

 

「しかも上澄み以外にもある程度タネを知られてる相手にも通用しないし」

 

「その割には苦戦とかしてないよね?」

 

「そういう奴相手にする時には空崎とかイオリとか…俺以外にある程度実力のあるやつと戦うとか、そもそも講じられる対策自体が自分の首絞める奴とかが大半だからな」

 

「何そのクソゲー」

 

例を挙げると催涙ガスの奴とかな

たまーに温泉開発部がささやかな抵抗としてガスマスク用意するんだがそれならそれで好都合。

 

催涙ガス…に見せかけたただの煙幕で偽装して俺はサーモグラフィー機能付きのゴーグルで戦う。俺の催涙ガスは目と鼻の両方を守る必要があるんだがそういうタイプのガスマスクって実はかなり視界が狭まる上に呼吸もキツイ。俺の場合はガスマスクの方にもサーモグラフィー機能が付いてるし呼吸の方は肺活量を鍛えてるからそれでも視野はまあまあ狭い。

 

「要は俺の強さは()()()()()だ、強い戦術なんて正しく使えば誰だって強い。ただ皆それを俺の強さと思い込んでるんだよな」

 

「そうかなぁ?それでもおじさんはそういうのを正しく使える技能も強さの1つとしてカウントできると思うけど?」

 

「どうだか…それでも真っ当な強さを持ってるイオリより強い扱いされてるのは納得いかないけどな」

 

と言うか普通にイオリは強いだろ

聞いた話だと柴関ラーメン吹っ飛ばした時も俺が来るまではホシノ抜きとはいえ対策委員会の奴らを1人で相手してたわけだし、俺でも同じ芸当はふつーに無理

 

「…それにしても今更だが2年前と大分変えたな、口調とか」

 

「別に変えてませんよ、()()()()呼びは皆の前だけなので」

 

「…それ、対策委員会の皆は知ってんのか?」

 

「ええ、勿論。…でも、偶に癖で今みたいでちゃうんですよ」

 

「そうか?俺はそっちの方も好きだぞ?」

 

「…罪な男だなぁ

 

「?何か言ったか?」

 

「別に?何でもないですよーだ」

 

何だよこいつ…にしても丸くなったよな、先生とアビドスに来た時は何処と無く一人ぼっち感がある奴だったが今はちゃんと皆と居るんだよな。俺とのタイマン以来、正直いい意味で変わったと感じる

 

「…にしても黒服の奴今どこに居るんだ?癪ではあるが助けられた身として一度顔を会わせておきたいんだが―――」

 

「助けられた?」

 

「…あ」

 

ヤバい…ちゃうんすよホシノさん

あの、だから…その殺気をお鎮めください

ってホントに待て、目から光が消えてるんですが?!

 

「詳しく」

 

「ほ、ホシノさん?」

 

「説明してください」

 

「いや、ちょ―――」

 

「今、私は冷静さを欠こうとしています」

 

「分かりました、教えるんで命は勘弁してください」

 

ひぇえ…ホシノが怖いよぉ、ユメさん助けてぇ…アンタよくホシノに怒られてたしこの状況を切り抜ける方法くらいは知ってるでしょ?*4

 

「えっと、まず前提としてプレナパテスとの戦いで俺が1人だけ拉致られた時があったの覚えてるよな?」

 

「ええ、流石にあの時はビビりましたよ。気が付いたら居なくなってましたからね」

 

「でまぁ、流石にシロコ*テラーとプレナパテス相手に1人は普通に勝てないんですよ。それで奥の手として黒服から貰ってた注射器を使いまして…」

 

「人からもらったよく分からないものを自分の体の中に注射するとか馬鹿なんですか?」

 

「いやもう全くもって…仰る通りです…」

 

流石に死にたくない一心とはいえ今思えば大分やばいことしてるな俺…あんな奴の注射とか使ったらとんでもない化け物みたいになりそうだけど…

 

「…で、どうなったの?」

 

「えっと…薬の効果が俺の神秘を引き出すみたいな効果で、平たく言えばホシノと戦った時のあれよりちょっと弱い位の状態に一時的にパワーアップして何とかなったな」

 

「本当にバカ…普段あれだけ死にたくないとか言ってる癖に何でここぞという時にはあっさりと命賭けちゃうんですか?」

 

「いや、俺が命を賭けるのは必ず勝つ時だけって決めてるからな?大丈夫、俺の回復力なら後遺症とかも残らないし」

 

「変な覚悟決めないでください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「足痛てぇ…ホシノの奴、何も正座させてまで説教しなくてもいいだろ…」

 

別に俺だって好きで命賭けてるわけじゃないんだよ!賭けないと死ぬ状況が多すぎるキヴォトスが悪いんだよ!

 

お説教のおかげでもうすっかり真っ暗だよ…あーもう夜道とか怖ぇよ!

 

「で、誰だよ?さっきから付けて来てるのはよ。ストーカーならお断りだぜ?」

 

「へへへ、バレてんのかよ。流石ゲヘナ風紀委員会の副委員長だ」

 

そう言うと物陰から不良どもが5人、12人、23人…隠れてるやつ含めて30人か?…これヤバくね?

 

「オイオイ、こんなか弱い男を寄って集ってリンチかよ…人の心とかないんか?」

 

「何言ってんだ、アンタ程のレベルの奴じゃ30人でも心細いぜ?」

 

30か、ありがとうな態々教えてくれて

それにしてもどうしようかね…装備的にガスマスクはないっぽいから催涙ガスでやるのにするか

 

「はぁ、分かった。でもまず初対面の奴にやる事は1つ…自己紹介がまだだったな」

 

「…自己紹介?」

 

「ああ、実は俺は―――こういうモンだ」

 

すかさず歩いてた時から手を掛けていたリボルバー6発を目の前の不良共の頭に叩き込む

 

「がっ!?」

 

「あぐっ!?」

 

「なっ!?テメェ―――」

 

倒れる不良に周りの目が向いたほんの一瞬…普段は俺の背中に、風紀委員会のコートに隠し持っているグレネードランチャーで催涙ガスの煙幕を張る。この時ガスマスクを着けるのをお忘れなく

 

「な、ぐぁぁ…目が痛い…」

 

「クッソォ!何処だ!どこに行きやがった!」

 

「馬鹿やめろ!味方に当たるだろ!」

 

そう、これこそが催涙戦術の真骨頂

視覚という人間の知覚の8割を占める感覚器を封じればどうなるか?当然パニックになり、相手も途端に恐怖を感じるようになる

 

その上、不用意に乱射しようものなら味方同士で相討ちが起こる為、仮に俺の存在を微かに認識したとしても確信を得られるまでは不用意に撃つことすらできないし、流れ弾に当たったとしても俺の風紀委員会の制服の一つでもあるコートは特注の防弾繊維で作られている上、スーツの下には防弾チョッキを羽織る二重の装甲。仮に当たっても痛みこそあれど大したダメージにはなり得ない

 

そして、この混乱の中俺だけは平常時と同じ様な動きが出来る。つまり、圧倒的に優位なのだ

 

「悪いね、失礼するよ」

 

「な、あばばばばばば!?」

 

「へ?お、おいぎぎぎぎぎ!?」

 

「大丈夫かお前ら!?おい!返事しろよ!」

 

しかし、慢心はしない

銃を使えばマズルフラッシュと音で俺の位置を探られる。だからこそ、音が無く、発光も少ないスタンバトンで丁寧に気絶させる

 

「なぁ!?どこにいるんだぐがががが!?」

 

「き、聞いてないぞこんなのは!?」

 

集団戦でこそ、この戦術は光る

周りで何が起こっているのか分からずに、何時どこから襲い掛かるかも分からないこの状況

 

人はその待つ時間に恐怖する

それはキヴォトス人とて例外ではない

 

「あ…ぁ…」

 

「あら?ガスが散ったか…でも、あと一人」

 

あっという間に不良共は気を失い、残りは1人

所詮数で物を言わせて調子に乗っていた連中でしかない以上、残りの1人も腰が抜けて動けていない

 

「な…んで、ここまでやるだよぉ…」

 

「何でって…決まってるだろ?俺は弱いんだ、だから襲ってくるのならば老若男女どんな奴も全力で倒す。死にたくはないんでね」

 

生殺与奪の権利

それを握ろうとしているのにいざ相手に握られれば頭を下げて涙ながらに命乞いをする何て都合のいい考えが許されるはずがない、例えそれが無自覚での行動だったとしても

 

「そういう訳だ、俺は死にたくないんだ。だから――」

 

「ヒッ!」

 

残りの1人の額にリボルバーの銃口を押し付けて引き金に指をかける…そして

 

「死んでくれ」

 

引き金を引く

 

 

 

 

 

 

カチン

 

 

 

 

 

しかし、銃弾が放たれることは無く、虚しい撃鉄の金属音だけが辺りに響き渡る。当然だ、俺はとうの昔に弾切れだったんだ

 

「はあぁぁぁ…あっぶねぇ、ギリギリじゃん」

 

「――ぁ…ぁ…」

 

不良は本気で殺されると思ったのか恐怖で気絶、最悪残り少ない充電にかけてスタンバトンでやってやろうかと思ったがハッタリが効いてくれて助かった。

 

やはりハッタリは全てを解決する…!

某人類最強の男もハッタリ1つで戦況をひっくり返したのを忘れてはいけない*5

 

「こんな事ならアビドスで補給してこれば良かったよ…今度からホシノに盾の使い方教えて貰う時には残弾管理も気をつけねーとな」

 

今日アビドスに行ったのはホシノから盾の使用法をレクチャーしてもらう為、態々足を運んだのだ。遮蔽物を必要としない戦闘法は確実に俺の生存率をはね上げてくれる、そういうの見込みでだ

 

「ホントに疲れた…これだから強いみたいな噂を流されるのは困るんだよなぁ…にしてもコイツら何で俺を狙いに来たんだ?」

 

あからさまに張っていた訳だし偶然ではない…もしかしてだけど、俺って命狙われてる?

 

 

*1
この小説の主人公だから

*2
死んだフリで奇襲されないように

*3
察し

*4
ここまで来るとユメ先輩もお手上げ

*5
心音は普通





・実は色んな人の脳を焼いている主人公
自分は死にたくないと考えてはいるが逆に死なないと確信が持てる時や命賭けないと死ぬみたいな状況だとアクセル全快で突っ込む、実は精神年齢アラフォーのマジのおじさんだったりする

主人公の強さは振れ幅が非常に大きく、死にかけないと本領発揮が出来ず、評価が難しいがだいたいこんな感じ

主人公(覚醒)≧ホシノ(フルアーマー&ホルス)>空崎ヒナ(つよつよメンタル)>各学園最強格>越えられない壁>主人公(通常時)≧イオリetc…
みたいな感じ

・ヒナちゃん並に変化した小鳥遊ホシノ
本編とは違い、ユメ先輩の生存と主人公に「1人になるな」や「みんなを頼れ」「置いていくな」と言われた事で皆を頼るようになった。その為、某最強の青春執着おじさんと違って一人ではなくなった。

実はくっ付け隊に加入しているが主人公に恋心(自覚済み)を持っている。ただ、タツヤにはヒナちゃんがいると考え、自分では相応しくない、勝てないと思っているので一応は諦めを付けているがもしかしたら再燃するかもしれない。

・主人公によって本編以上に覚悟の決まった先生
元々先生メンタルではあったが主人公がボロボロになっていく過程でかなり揺らいでしまう。しかし、主人公に諭された結果自身の役割と役目という何処かの部品みたいな考えを持ってしまうことになった

本編より自分の命を軽く思うことはなくなったが慎重さが出るようになり、結果的にはかなりプラスになった

・今回特に出番のなかった空崎ヒナ
幼馴染枠なのに出番ないとかマジすか?
小鳥遊ホシノが恋心を持っていることは知っているが負けるつもりはないし、負けるとも思ってない

・何気に関係を匂わせたみんなの黒服
実はゲヘナ入学時から絡まれており、血液などのデータを採取していた。その結果、主人公の神秘を活性化させる薬を作成、後遺症もないゲマトリア印の特効薬である

実はこの人が居なければプレ先生とクロコに殺されていた、全部黒服さんがいたからじゃないか…!(ガチ)

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