【完結済】死に戻りGANTZ   作:訥々

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Catastropheの果て

 

最終回なのに遅筆をかましてしまいました。

申し訳ないです。

 

※一人称視点のパートと三人称視点のパートが混じってしまいました。

少し読みにくいかもしれません·······(・・;)

 

────────────────────────

 

ガンツに転送された先は······広くて、高くて、まっさらな···殺風景な部屋。

周りには、ガンツスーツを着た人たちが大勢いる。

フリーライターの菊池さんたちもいるな。

そして、この部屋の中心に立つのは······巨人?

なんというか、前衛芸術のオブジェみたいな······正直、気持ち悪い見た目だ。

 

「何なんだ?ここは······」

「ここは······真理の部屋だよ」

「真理の······部屋?」

 

菊池さんが質問に答えてくれる。

 

「そう······この人······人?が、どんな質問にも答えてくれるんだ」

 

 

「なぜ人は他人の命を犠牲にしないと生きていけないのでしょうか?」

「人はそのような生き物だからだ」

「なぜ人と人との間に溝が生じるのでしょうか?」

「“同化”しないからだ。“個”として在り続けるからだ」

「なぜあなたは“そのようなモノ”という言葉を多用するのですか?」

「人類に限らず、全ての生物の本質だからだ」

 

 

「何でも······」

「じゃあ···これを聞いてみてください───今まで俺たちは何故、何のために、戦わされてきたのか!

 

「───君たちが何故今まで何度も部屋に呼ばれ、憎くもない敵と戦わされてきたのか答えよう」

 

 

◆◆

 

 

ある惑星系が消滅の危機にあッた。

 

地球が移住先に定められ、もう30年以上前から

 

少しずつ移住は始まッていた。

 

 

 

最後に来たのが、一番強力な種族だ。

 

文明レベルも高く、

 

戦力も遥かに地球を上回ッている。

 

 

 

私達は地球より前に移民先に選ばれた惑星の住人だ。

 

彼らは我々に撃退された。

 

次に彼らが選んだのが、地球だ。

 

 

 

私達は地球にある情報を送ッた。

 

彼らを撃退し得る最低限の軍事技術を、信号の形で。

 

ただし、私達が送ッたのは軍事技術だけだ。

 

それをゲームのように置換したのは地球人類だ。

 

 

 

ブラックボールの中に有る人間はただの通訳だ。

 

我々の言語を地球人類の言語に翻訳するためだけの、

 

ランダムに選ばれた死者の複製体にすぎない。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして······勘違いするな、傲慢な人類よ。

 

私達に、地球人類を救済する目的は無い。

 

私達が残す選択をしたのは地球そのもの、

 

そしてその秩序だ。

 

君達は地球人類は特別な存在であると考えているが、

 

それはとても傲慢な考えだ。

 

私達にとッては、地球人類の命は、

 

虫や微生物と変わらない。

 

チリやゴミと何ら変わらない。

 

君たちがすがる───神は存在しない。

 

 

 

玄野計·········お前の存在にも、

 

特別な価値などない。

 

ただ、物体が別空間に移動しただけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが·········

 

“人間独特の感情”というものは、

 

私にとっても全くの未知だ。

 

感情というものは、単なる微弱電気として

 

表せるものではない。

 

私達にも観測できない──

 

──“ナニカ”がある。

 

そのように、私の同胞に教わッた。

 

しかし、私にはまだ分からない。掴めない。

 

人の感情についてだけは。

 

 

 

これは推測かつ、私の個人的な意見だが···

 

やはり、人の命には価値がない。

 

だがおそらく、

 

人の“魂”には価値がある。

 

21グラムの情報体······

 

その正体、揺らぎ······

 

───真実を知ッたお前達の“魂”の揺らぎは 

 

·········なかなか興味深い。

 

 

 

観測させてもらッた礼というわけではないが···

 

あと一つ、教えておこう。

 

肉体が滅んだ魂はそれぞれ、

 

異なる次元の、異なる個体へと入る。

 

その個体が滅んだ後の魂も同じ様に、

 

異なる次元の、異なる個体へと入る。

 

そしてこの次元で関係のあッた者同士は、

 

永遠に関係が続いてゆく。

 

輪廻転生は実在するという事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

───これをもッて、全ての質問に対する回答を

 

終了とする。

 

この先我々が地球人類に干渉することはないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

死に戻り、GANTZの······世界の真実を知ッた。

 

何故、俺たちは戦い続けてきたのか。

 

人には価値があるのか。

 

これで、心置きなく戦える。

 

───さあ、最後の戦いへ征こう。

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【side[軍神]イヴァ・グーンド】

 

「Eeeeeeeeeee!!」

 

「たッた一人の巨人にアメリカチームが苦戦を強いられています!!あの巨人はッ!?何でしょうッ動きがッ目にも留まらぬ速度です!

───アメリカチームは、マンツーマンではなく全員でかかるようです!!」

 

「足を狙えッ!」

「動きを封じるぞッ!」

 

 

 

 

 

ドンッ ドドンッ

 

 

 

 

 

 

────有象無象共に、興味は無い。

 

 

 

クロノケイ。

 

私の弟を単独で殺し、最新鋭の生物兵器軍を殲滅した地球人族の戦士たちを率いる者。

弟の敵にして、高潔なる小さき戦士。

······戦いたい。

侵略者としてではなく、一人の戦士として。

 

 

 

「クロノケイ······私と、戦え······」

 

「ああ、分かッてる。こっちも元からそのつもりだッた。───ただし、条件がある。俺が······いや、俺たちが勝ったら、地球以外の···どこか無人の惑星を探して、そこに移住してほしい。それと、宇宙船の自爆とか······一般人を巻き込むような“終わり方”はしないでくれ

 

 

◆◆

 

 

【side玄野計】

 

二度目の軍神との戦い。

前回とは違い、俺は装備を万全にした状態だ。

しかも、前回よりも更に多くの仲間達がいる。

 

俺が撃ったXガンを避ければ、岡の拳。

稲葉のXショットガンを避けた先では、“もう一人の俺”がガンツソードを振るう。

連携は完璧。一つ一つの攻撃が持つ殺傷力も上等だ。

 

コイツの攻撃力は異様に高い。

素手でもガンツスーツの耐久を貫通する攻撃をしてきやがる。

だから、できるだけ攻撃はさせない。

暇を与えないッ!

 

 

 

───ッ、イヴァが俺達から距離を取った。

 

「さすがだ、クロノケイ······そしてその複製体や、仲間達······よく分かッた······。私が[戦神]である限りは、命を捨てずに居続ける限りは、私はお前達に勝てない······」

 

「お前に戦いを挑んだ時から捨てていた命だ······なればこそ、禁忌を犯そう······これで最期だ。

 

そう言うと、イヴァは腕時計のようなモノを操作し······変貌した。

額から生えた、一本の角。

筋肉は二回りほど膨らみ、スマートだった肉体は圧倒力な「暴」を体現する体へと変化。

 

───潜在能力の強制解放。

一時的にパワーやスピードが著しく上昇するが、解放後は無条件で絶命するという禁忌の業。

極めて高度な科学技術力により、「生」という鎖から解き放たれる圧倒的な「力」。

───巨人族はこれを······[鬼神]と呼んだ。

 

「征くぞ···クロノケイ」

 

 

◆◆

 

 

「当初は優勢だッた日本チームが!押されています!鬼のような姿へと変貌した巨人族の英雄が!───あッまた一人吹き飛んで行きました!大丈夫か!?」

 

まさか、こんな隠し玉を持っていたとは······。

なまじっか追い詰めすぎた弊害か?

このままだと死ぬヤツが出てくる。

───仕方ない。

 

「みんなッ!後は俺と!“もう一人の俺”がコイツをやる!!みんなは下がッててくれッ!!」

「計ちゃんッ!!俺たちも戦う───」

 

「いや······待つんだ、加藤くん」

「ッ、何でだよ関根さん、あいつは全員でかからないと倒せないだろ!?」

「いや······逆だ。今は多分、僕たちが逆に足手まといになッてる。味方への誤射なんかを気にしてる状態じゃ、彼らはのびのび戦えない······。その点、彼らは殆ど同一人物だ。連携も容易だろう。だからここは、彼らに任せるべきだ」

「·········クッソ······計ちゃんッ······!」

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「くそッ!!アイツの動きは何なんだ!?疾すぎる!人間の論理が通じないッ!!」

 

「「ふーッ、ふーッ······」」

 

イヴァが右手に持ったトンファーブレードを玄野へ振るう。

先程までの戦いの焼き直し。

しかし、速度が違う。威力が違う。

 

「速え───んだよッ!!」

 

それを紙一重で避ける玄野。

 

「ちッくしょうッ!!」

 

その隙を突いて、もう一人の玄野がガンツソードを振り上げる。

スーツの人工筋肉を励起させての一閃。

直撃すれば[鬼神]イヴァ・グーンドも絶命するだろう、必殺の意志を込めた攻撃は······彼の顔に浅い切り傷を与えるにとどまった。

 

その後も繰り広げられる攻防。

ガンツソードとトンファーブレード(希望と滅亡)の応酬。

イヴァが地を抉り、2人の玄野が[鬼神]へ僅かな裂傷を刻む。

イヴァは天性のフィジカルで押し、玄野たちはカラダに刻まれた経験で耐え凌ぐ。

 

そう······耐えているだけだ。

優位はイヴァにある。

このままでは二人共押し切られる。

しかし。その不利を打開するきっかけは······玄野たちやイヴァの、意識の外から作られた。

 

───岸本とレイカが、Zガンを持ってイヴァへ特攻を仕掛けたのだ。

 

 

 

「「あぁあああァァアアアあァア!!!」」

 

 

 

───2人の狙いは、Zガンによる圧殺。

 

だが、Zガンには僅かながらも発射から重圧発生までのラグが存在するため、イヴァならば避けられる。

それどころか最悪の場合、敵ではなく味方を潰してしまうことだって、十分にあり得る。

故に、ここにいる全員がZガンを使うという選択肢を意識の外へ追いやっていた。

岸本とレイカの二人を除いて。

 

 

 

───2人の狙いは、Zガンによる相討ち。

 

確かに、零距離射撃ならば命中率は100%だ。

命中すればイヴァすらも即死する。

だが、自らも重圧を負い───圧死する。

それでも2人は、この選択をした。

2人の狂気すら孕んだ“愛”が、その選択をさせた。

 

 

 

かくして、2人は示し合わせての特攻を敢行。

どちらか一人がイヴァの足下に辿り着き、引き金を引ければそれで勝負は決まる。

 

 

((玄野くんは!死なせないッ!!))

 

 

彼が[戦神]のままであったならば、これで終わりだ。

だが、玄野にとって幸か不幸か、今の彼は[鬼神]───生を捨て去り、敵を滅することに特化した形態であった。

 

2人が足下にしがみつく───その直前に気付き、両手を地面に付けて地を這うような──カポエラという格闘技の蹴りに似た一撃を見舞う。

 

2人は大きく飛ばされ───スーツの耐久値も0となった。スーツなしの彼女たちでは、イヴァに近づくことすら不可能だろう。

 

 

 

しかし───これが隙となった。

意識外からの特攻に意識が向いた瞬間。

反撃の機会が訪れた。

[軍神]を越えし、[鬼神]を倒すための千載一遇の好機。

 

 

地を大きく砕くほど強く踏み込み、2人の戦士(玄野計)が駆け出す。ガンツソードを構えた2人が狙うは、イヴァの両足。

 

イヴァと玄野がすれ違う瞬間─────イヴァの両足が、膝から切り落とされた。

 

「グッ·········最早これまでか······。クロノケイ······小さく、強き戦士たちよ······さらばだ」

 

 

 

─────[鬼神]イヴァ・グーンド、自刃。

 

カタストロフィが終結した瞬間であった。

 

 

 

◆◆

 

 

 

残された巨人族の兵士たちは、イヴァと玄野の約束を守り、地球から全面撤退した。

与えられた被害があまりに甚大であったため、継戦が殆ど不可能であるという事情もあっただろうが。

 

 

玄野を含め、巨人族の母船に残った戦士達は皆、ブラックボールによって各々の住む場所へと転送されていった。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

ジジジ───

 

 

 

二度目のカタストロフィ。

異星人───巨人族による地球侵攻。

数多の犠牲の果てに乗り越えた。

 

「玄野ーーーッ!」

「ありがとーーーッ!」

 

「玄野ーーーッ!ありがとーーーッ!!」

 

民間の人達は、たくさん死んだだろう。

復興するにも、長い時間がかかるだろう。

 

それでも。

岸本······たえちゃん······おッちゃん·······

北条······レイカ······坂田······桜井······

稲葉······

 

みんな、生き残った。

 

俺にとっての「完璧なハッピーエンド」に大きく近づけた。

······ようやく、ここまで辿り着けた·········。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「玄野ーーーッ!おめでとーーーッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

───たとえ明日この世界が滅びることを知っていても、彼はリンゴの若木を植える(希望を創り最期まで生き抜く)だろう。

 

 

◇◇

 

 

───おわり。

 

 

 

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