異能力x貞操逆転x白一点   作:ヒゲクマ

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これにて完結です。


28.「安閑恬静」

(────ん)

 

 体内時計では恐らく早朝五時半ほど、ボクは覚醒した意識と共に、瞼をゆっくり開く

 この身体の子供体温よりも低めな体温の持ち主に抱えられるように、丸まって寝ていたことを。耳から伝う心音と、頭上からの規則正しい呼吸で知覚する

 椿さんが珍しく早くに帰宅し、夕食の後に共に入浴。そのまま談笑しつつ、布団の中でお互いに寝入った──誓って言うが、椿さんもボクも、入浴時に興奮などは催さなかったし、至って健全な親子の一幕だった──

 

 椿さんを起こさぬよう影だけをまずベッドから伸ばし、置換を始め、伸びた先でボクの形を作った影がボクに、椿さんに抱えられていたボクが影となる

 椿さんが起きるまでは抱き枕になっておいてと命令を下し、歩く床に影を這わせ、音もなくキッチンまで移動し、ケトルの電源を入れ、IHを起動する

 なんてことは無い、ただ朝食の準備に取り掛かるだけの話だ。

 

「ふんふん……んんー……ふふーん」

 

 平坦なテンションでの鼻唄を鳴らしながら、料理中に思い返す

 あの日から二週間ほどが経過した。その後に行われた会議の結果として、ボクが椿さんの息子として黒薔薇団の構成員に通達することは一致。ただし、異能生命であることは伏せ、また、楸さんとの関係も、幹部間だけの秘密とすることも一致した

 

 幹部の誰もが別段そんな様子が無いため失念されやすいが、黒薔薇団の多くは基本的に持った異能によって大小あれど、我々は死なず。忘れず。血は血で贖う(あんな物騒な合言葉)なんかを採用する程度には、思うところある人たちの集いだ

 それに古参ほど白騎士団(ふるす)への激情がある。明け透けにしても大した得もないと判断された

 

 そうして身内への対応はそれで良しとなり、次いで出たのは、楸さんとボクとの時間の確保はどうするかという問題

 親子関係がはっきりした今、椿さんとは会おうと思えば堂々と会える、だが、もう一人の母とは立場上にも様々な懸念があるのだ、椿さんとの過去であったり、組織上の対立であったり……

 

「っとと」

 

 危うく焦がしかけた目玉焼きを皿に盛りつけ、思考を再開する

 とにかく、両親の精神衛生上──周囲としては子供のボクのためなのだろうけれど──、長期に渡って逢えもしなければ、逢えても人目を気にしなければならないというのは大変よろしくない。

 かと言って関係性を秘密にしたうえで、彼方の本部に行ったり、未だ発見されていない地下(うち)にやってこられてはどういうことだとなる

 

『ほんじゃ、予定早めてアレ進めていく?色々内容は改ざんしなきゃだけど』

『そうなるだろうな。綾野、施工の日程と人員だが──』

 

 そこで会議中綾野さんが提言した、ダミーの本部をいくつか作っておき、何らかの撤収作業や陽動作戦に用いる計画──基地の隠蔽機能が万全の為、急ぐ必要も無かったらしい──を、秘密裏に出会える場に修正する案が進められた。そして現在

 

「……よし。みんなを起こしてきて」

 

 わらわらと影を分離させ、創り出した分身に全員を起こす命令を下す

 全員とは、現在この仮拠点──椿さんがいくつか隠し持っている、セーフハウスの内の一つだ──の一つ屋根の下に暮らす、黒薔薇団幹部三名と椿さんのことだ

 そう。本部とは別の拠点を作成するにあたり、それも地下であると探知されてしまう懸念と、ここなら確かに見つからなくても不思議ではないというスポットを自分たちで探すため

 ……といいつつ、息子(ボク)と改めて一つ屋根の下で暮らす体験を堪能したかったであろう──更に、それを楸さんに報告する約束でもあったのかもしれない──椿さんと、異性と同棲したい深見さんと綾野さん、二人と万が一のボスのやらかしに備えての。一緒がいいとボクが言ったから来てくれた篠崎さん──ボスに真剣に関係を問われたり、二人に好感度レースとか人気投票だの言われてたのは申し訳ないが、正直一番対応が安心できる人は欲しかった──によるホームドラマが始まったわけである

 

「ンホホホ、ショタのモーニングコールから始まる最強感よ。お目目ギンギンお腹きゅんきゅん脳みそぱちぱち幸せったらないねえ!世の日照り民どもを煽りたくなっちゃう!やんないけど!」

至高(シコ)れる」

「朝だぞふざけんな。おはようさん、毎度メシまでありがとな」

「おはようございます。ご飯かパンかシリアルかは各自でお願いしますね」

 

 分身に起こされた三人が降りてきて、無難な朝食類にも甘口評価を下してくれる

 椿さんの姿が無い。これは多分眠りが深いか、ちょっとした期待があるらしい

 

「とりあえず、椿さんを起こしてきますから、先に食べててください」

「くぅ~……ボスは二度寝かましても天使のおはようを直接貰えるのいいなあ……!お姉さんも一晩だけでも一緒に寝れない?」

「いいわけないだろ……母子でも最近は結構度が過ぎてるぜありゃ、幸い姐御もそういうのじゃねえけど」

「オシサン」

「それマジでやめろ。お前情けでどうなったか思い出せ」

 

 自身の姿を影法師である程度変化させる能力で、あまりにも懇願した深見さんにねだられて再度あの姿(狐ショタ)になった際の騒ぎは酷かったなあ……

 若干妄想と現実が混ざったので白狼吸いの頻度が下がったのはいいのだけれど

 そんな騒ぎを背に感じながら、椿さんの、というか椿さんとボクの寝室に向かった

 

「……椿さん?」

「…………」

「もう」

 

 返事はないし、目も閉じられている。でもこれは狸寝入りだ

 昨日の支部含めた役員会議──実力者的な意味ではない、組織としての経済や政界的な役職の方たちと行う方──は疲れたと珍しく溢していた、なので癒やしを求めているのだろう

 実際それくらい求めても咎められないくらい常に働いているので、呆れるポーズをしつつも内面はむしろそれくらいで良ければ、と思う

 

「お母さん、起きて下さい。もうご飯も出来てますし、皆さんも揃ってますから」

「……ふふ。おはよう白狼」

「おはようございます。お寝坊さんですね」

「こうして貰えるなら、常にそうありたいくらいだ」

「ダメですよ。きちんとし続けて、たまにじゃないと」

「うん。癖になってしまうからね……今日も息子が可愛いよ」

「はいはい。今日はお母さんも甘えん坊ですね(そうですよ)

 

 ベッドに腰かけ、椿さんを揺すってから始まる遣り取りだ

 最初の内は何とも困惑したが、これ以上もやましいこともありはしないし、他人の目もないのでボクも段々慣れてきた

 むしろ結構椿さんの意外なというか、今まで見せなかったところが身内ということで見られると思えば、何だか嬉しかった

 ボクの膝枕で髪を梳かれている椿さんは、普段よりも印象が若く柔らかい

 

 

「──さて。立地も大体候補の目途も立った、そしてそういった拠点をそれぞれ施工する人員も既に分散し滞りはないだろう、既に一棟は簡素ながら出来上がったそうだ」

「つまり、そろそろ再放送ってことか、早かったな」

「ああ。あとはその地点付近に構成員同士が遭遇した時、それが合図となるだろう」

「結構いいタイミングよー。正午位に下見入るから高確率で今日被るねえ」

 

 朝食を済ませ、食器類を片したリビングにて、ボクと柊さんの出会いのやり直しについての進捗があった

 青山さんを経由しての楸さんからの話によれば、ボクとの邂逅以降の記憶も若干あったのだが穴抜けが多く、異端化していた時は非現実的な、どこか曖昧な感覚だったそうだ

 そのため、今のボクとの邂逅は、やり直しの流れで補完することになった。異端化もそのまま伝えるよりも、新しく出現した噂の幹部との激闘により、異能が暴走状態で精神が一種のトランス状態に陥っていたことにする、そう解釈させられる動きは現在のボクであれば出来るというのもある

 

「まあ、本人的にはその内知らなきゃならんだろうが異端化についてはその内だな、あっちのボスがたまーに白狼に対処(団欒)するっつー口実メインになるわけだろ、今回は」

「そうだ。なので発生した際はいつも通り同志たちを回収をしてもらって、それに合わせあちらも彼女を送り込んでくるだろう、白狼はなるべく派手に戦い、強力さを印象づけてくれ。待機ではあるが我々も何かあればすぐ助けられるようにはする」

「……アレ以前のボクなら、とてもできなかったでしょうけれど」

 

 今ならそれくらいも出来るだろう

 こっちに来てからこれでまだ一年もギリギリ経っていないけど、濃かったなあ……日常が色々と性的に

 何はともあれ、あちらの構成員も急に今まで脱出要因で戦力的にはそうでもなかった相手が、そっち方面でも異能を発揮して、危機感を抱かせられれば。凡そ平和に正義と悪の戦いの日々に戻る

 

 

 

 

「くっ……!何なの、この子……!」

「……」

「なんで同じ動きが出来るのか、なあ!?」

 

 対峙するセイクリッドナイトが顔を顰め、ボクの影の剣と鍔迫り合う

 白兵戦でこんな年下の男子と伯仲であることが奇妙なのだろう

 様々な異能の真似事が出来るようになったからでもあるが、この人のは直接因子を奪っていた関係からか、再現は特に容易だった

 あとは、それに加えて影の自動防御や反撃を駆使して、同じ土俵に見せかけたズルで拮抗でいい

 ……まともだと凛々しいなあ

 

「……お久しぶりですね、セイクリッドナイト。残念ですが貴女の技はもう何度か見てますから」

「グっ!?……お姉ちゃん達の話は、本当だったのね」

「暴走気味の異能で前回は乗り切れましたけど……今回は、どうですかね?」

 

 悪役ロール……実際に世間的に悪役なのでロールでもないけど。それを意識しつつ、とにかく現場にとっての最強を解り易く、且つ視覚的に影とか闇とかを用いて禍々しく印象づけていく

 半自動のおかげで、ボクの動きも素人感が薄くてなかなか様になっていると思いたい

 ──が、当然実際にやり合っている実力者を誤魔化せるほどでもなく

 

「あの、さ」

「…………」

「もしかして……反撃限定とかだったりする?」

「……まあ、バレますよね」

「ぅわっ!!」

 

 今回はあえていくつかの相手の映像媒介を残し──といいつつも、音声だったりボクの姿ははっきりと見せないように綾野さんが調整してくれている──、只管打ち合うけど……これはいつまでやってればいいのだろう、あくまで自動化は反撃と防御だけなので、圧倒は出来ても追撃は能動的にやらなきゃいけないから、延々終わらない

 それに薄々感づいてたセイクリッドナイトも、どんどん対応が余裕を持ち始めてきたので、ここで一旦吹き飛ばす

 不意打ち気味なら流石にいけた、そのあたりで綾野さんに映像も切ってもらう

 

「改めまして。はじめましてセイクリッドナイト、とりあえず……まあコードネーム同士でいきましょうか、ラインヴァイスです」

「……?あ、うん。どうも初めまして、セイクリッドナイトです、一体どういうこと?」

「詳細は省きますがボクは貴女の姉の息子です」

「おファッ!?」

「そして黒薔薇団の首領の息子でもあります」

「????????????」

『ちょちょちょ、色々端折りすぎかなって。お姉さんが補足しましょー』

 

 単純に、衝撃の受け止めきれない情報に晒された時の色々を確認したかったので、わざとではある

 とりあえずこの人は奪取などをされなければ、本来精神も強靭で変調を来すことは無いようなので、安心して綾野さんに説明をお任せすることにした

 

「……とりあえず。ここ数日お姉ちゃんから自分の事については聞いてはいたんだけど……既視感はあってもやっぱり曖昧で、身の無い謝罪になってしまうけど、ごめんなさい」

「いえ。その節はお互いとんだ災難でした、こちらこそ多大なるご迷惑をおかけして」

「甥がいるってだけでも不思議な気分なのに。そのちっちゃな甥が滅茶苦茶利発……ここだけ何か世界観違うなあ」

 

 違う世界から来たのでまあ……もとい、お互いの謝罪をし合って現在は偽拠点の無事な一角に面と向かって対談中である

 あの自称姉(サイコ)モード時とは比べ物にならないほどに落ち着いた同じアルビノの女性から、最近は二人きりかあちらの幹部級二人だけの時には、隙あらば姉が今までの彼女視点では存在も不確かな半信半疑の息子語りを始め、最終的に毎回大げさに泣くそうだ……それは困っていることだろう

 

 その後も中々に話は弾んだ。まともな柊さんは使命感の強い人で、姉の目指す社会の手伝いを第一に動いていることや、自身の窮屈な幼少期を、この先の異能者たちが体験せずに済むための下積みに邁進していることを知るたびに、畏敬の念を抱くばかりだ

 

「……立派ですね、貴女は」

「立派なのはこれまでの人たちだよ。お姉ちゃん達に繋げて、お姉ちゃん達が繋げられる私たちの世代でありたいって思える土台は、そういう未来を願う人たちの頑張りだしね!……そっちの人たちの不満も、そういう社会になっていけば無くなるとは言わないけど、減っていくといいね」

 

 正義の味方そのままという感じの善性眩く、屈託ない笑みと謙遜ぶり

 こんな人の理性やら色々奪ってあんな風にしてた自分が最悪すぎると猛省するばかりだ

 一切合切あの時のような欲望を見せてこないので、不安になりつつそれとなく訪ねても

 

「いやあ……私もまあお年頃だけど、甥で……五歳なんでしょ?人としてどうかと思う。滅茶苦茶君には親近感湧く要素いっぱいで実際湧いてるけど、それ以上は……ねえ?」

 

 という至極真当なご返答をいただいた

 ボクの後ろで沈黙を保っていたドローン(綾野さん)が『ッペ、いい子ちゃんがよぉ……』とか呟いた気もするが、気のせいだと思うことにした

 

「やー。今日最初に会って戦った時はどうなることかと思ったけど、まあ……色々聞いて私も納得したよ、白騎士団としては応援とか同調はできないけど、個人的には良いと思う、この感じ」

「小競り合いで済ませられる内は、ボクも大事の前に回収したりはします。あとは……いつも通り、こっちはこっちで身軽さを活かして過激な人たちの対処をしますけど」

 

 思いのほか弾んだ話でそれなりの時間が経ち、いい感じの激闘感を作った偽拠点からそろそろお開きというところであった

 

「し~~~た~~~~~~ん♡♡♡♡」

「はゎぷ」

「お姉ちゃん!?」

ふわあぁ~♡久々のしーたんでまま嬉しいよぉ~♡♡ちゅっちゅ♡つーちゃんばっかりズルいんだからっ。いっつも自慢してくるのよしーたんの可愛さを!ままだっておはようとおやすみのちゅうしたいのにぃ~!!

 

 マキシマム母性を滾らせた、楸さんの胸元に収納されてしまった

 椿さん的に煽りでも何でもなく。私たちの息子の可愛さを報告……なノリでやってて、この人もぷりぷり怒ってる風なだけなんだろうけども、自身の子供と一緒にいたいのは本心だろう

 

「今日国の人とか後援者の人たちとの色々あるって言ってなかった!?なんでここいるの!?」

「当然もう終わらせたからよ!……あ、ないがしろにしたとか、雑にやったとかじゃないからね?」

「そこは信頼してるけどさあ……あはは。お姉ちゃんの素をその人たちが見たら何分固まるだろ」

「あっちは何だかトゲトゲな感じであんまり好きじゃないのよね……演技しなくて良かったらいいのにねえ」

「いやあ始めちゃった以上は戻したら絶対だめでしょ」

 

 ホテルの冒頭の感じで常にいるのなら、それはもうこっちを見たら衝撃はすさまじいことだろう、備えがあっても慣れるまでは凄かった

 あの日からの溜まりに溜まった母性愛を一身に受け止めて、再会時に愚痴を最初の椿さんの自慢以外は持ち出さない辺りが何だか流石だなあとぼんやり思った

 

「ほらお姉ちゃん帰るよ!……というかどうやってここ来たの?堂々と帰っていいの?」

「ぅえ~~もうちょっと……もうちょっとだけしーたんチャージさせてほしい……」

「定期的に会える場所提供されるんだから!……その内内装充実して同じようなことやれるんじゃない、多分」

「くぅう~~……ごめんねしーたん、まままたおしごといかなきゃだから……でも絶対早く戻るからっ

「ちょっと元カノさんも癖になるからほどほどって言ってたのをこの子に聞いたばっかでしょ!」

 

 マトモなセイクリッドナイト(柊さん)が。子離れできずにぐずる楸さんを強引に引きはがしてくれて、今度こそ本当にお開きとなった

 

「あはは……まあ、普段離れてる分は、こういう機会にまたたくさんお話ししましょうね、ええと、ママ」

~~~♡♡♡し~「いいからっ!天丼ばっかで甥が困ってるでしょうが!……キミもあんまり子離れ出来ないように甘やかしちゃだめ」んむあぁ~~~~……」

 

『あっちの方はまだ距離感と駆け引きライン掴み切れてないねえ白狼クン』

「……駆け引きとかは考えてないんですけどね」

末恐ろしいわあ……(魔性のショタ)

 

 

 ……まあ、ホテルの一件の後、大体いつも通りの日常とそうでなくなった部分があり

 世が憎かったり、ある意味それを隠れ蓑に。存分に異能を振るいたい人たちで固まる黒薔薇団の構成員たちと

 異能を持っていてもいなくても、どちらもが納得して暮らせる未来のため、様々なしがらみと繋がりを抱いて対応する。白騎士団の構成員たち

 それらで引き起る競り合いを、迅速に止めて前からの仕事をこなし、一方で利便性を上げたり、時には反則な闇と光(母譲り)を用いて、どちらにも属さない・属せない類の不穏分子と戦ったり

 

 相変わらず油断してはやらかす男子(ボク)のせいで巻き起こるトラブルがあったり……

 自称姉(サイコ)を上回るこの世界のまだ見ぬ強敵(見たくない変態達)とエンカウントしちゃったりとか、色々未来では巻き起こるだろう。が、それでもここでお話は一応の区切りを迎えたのだ。

 

 ボクはなんだかんだでこの世界で生きてるし、繋がりもたくさんある

 異物感も今はない、様々な目をそむけたくなるような痴態もあるけれど、何はともあれ

 多くの善意と下心と配慮で自由ある男性として生きていけている。これだけでもう、最良のアガリだからね

 

『そういえば白狼クンあとちょっとで記念すべき邂逅一周年(生誕祭)だよねえ。お姉さんも大分気合入れて準備しちゃうから、楽しみにしてておいてよお?まあみんなそうだと思うけどねえ』

「ああ……ここに来て、もうそんなになりますか」

 

 日常の密度が濃厚すぎて一年程度の時間とは思えなかったけれど……早一年か

 ボク自身もそこで改めて返しきれない感謝を、出会った皆に伝えたいな、世界が歪なだけで、男性だからもあるだろうけども、幸い会う人々は何だかんだと良くしてくれたから

 

「綾野さん」

『んー?』

「ふふ。いつも気にかけて下さって、ありがとうございます」

『あはーっ♡いつも目に掛けた役得がきちゃったわあ!最初に褒められたことをいっぱい自慢しちゃうもんねー!』

 

 どや顔で幹部や構成員にウザ絡みする様がまじまじと想像できて、その懲りなさがまた可笑しくて、ボクは笑った。




色々とまだ書けそうな展開や小ネタはあったと思いますが、初めての執筆なことと、全て思い付きで書いている以上永遠に完結できなさそうなこと
そしてやりたいなあと思ったことを大体は消化できた今がベストだと思い何とかこぎつけられました。

当然主人公たちの日常はこの先も続いていき、これまでのお話の様な、また主人公も触れていた新たなる厄介な変態淑女達との邂逅も続いていくのでしょう。
なにはともあれ、思い付きと勢いと意欲がある内に完結まで持っていけたことに安堵しております。
また何かを書く機会があれば、今度はある程度流れなどを決めてからのほうが良いでしょうね
次作があるならまたオリジナルか何らかの二次創作化は思い付きませんが。

それではここまで長々と拙作に付き合ってくださり、また、身に余る評価や感想を与えて下さった読者の皆様への御礼申し上げにて〆させていただきます
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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