異能力x貞操逆転x白一点   作:ヒゲクマ

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ボスと幹部2は比較的性欲はマシ。いまのところ


3.「黒薔薇・超速度」

 水音と痙攣でダウンした綾野さんを廊下に放置し。ボクは作戦報告のため、黒薔薇団の首領ブラックローズ──黒薔薇 椿さんのいる執務室の前までやってきた。

 

「ボス、ラインヴァイス……白狼です。撤収作戦の報告に来ました」

 

 言い終わる前後で、電子ロックの解除音が聞こえた。

 防音は完璧で、施錠は室内からしか行えないため、これが実質入れの合図だ。

 

「おかえり白狼。怪我はないかな」

 

 手元の書類から目を離し、入室したボクを。半年前から変わらない、威厳と自信に満ちた笑顔でボスが出迎えた。

 

「報告前に綾野さんと出会い、回収した構成員の被害状況を聞きました。壊滅的な被害が出る前に成功させられてよかったです」

「ああ。白狼が急行してくれたおかげで今回も我々の同志をかすり傷で救出できたよ。ありがとう」

 

 いつの間にか、自然とボスの膝の上で頭を撫でられながら。ボクは努めて無心で報告を続ける。

 ……ボスの異能を知っていれば、これくらいは日常茶飯事なので。驚いたりしても無駄だし、対策なんてできるわけがない。しなくてもいいし

 

 ボスの異能はボクの完全上位互換。そして、そもそもこの世界最強クラスの異能。

「暗黒支配」……名前に劣らない読んで字のごとく。滅茶苦茶な能力だ。

 闇を支配し、闇に同化し、闇を自在に操作する……くらいしか、ボクは知らない。

 

 何が出来るかの完全把握は本人以外には無理、それくらいなんでも出来る。

 この人は、この世界における規格外だ。

 まあ、そんなレベルじゃないとこんな悪の組織なんてやれるものじゃないだろうし。この人がやってるからこそ、黒薔薇団がとんでもない悪の組織として君臨してるわけで。

 

 この人相手に対抗できるのは、それこそ白騎士団の首領くらいだろう。

 

「組織の情報網が優れているからこそです。構成員の皆さんには頭が下がります」

「ふっ。白狼は優しいな……伝えておこう。皆もきっとよろこぶ」

「んうぅ……」

 

 膝に乗せられた猫のような気分を味わいながら、大人しく撫でられている。

 なんだかんだこの人は、別に異能を持たない人を嫌っているわけではない。

 でも。異能を持っている人が、持っていない人に迫害や差別をされる現状を早急に変えようとしてるから、こういう手段になっているだけだ。

 

 ……ボク(こども)の前だから、そういうスタンスに見せているだけかもしれないが

 異能を持っているかいないかが、まだわからなかったあの時に。差し伸べてくれた傘があるからこそ、ボクはここにいるから。そう思いたいのかも

 

「ボス。いつも言ってることですけど……ボクは、ボスには悪いことをしても悪い人にはならないで欲しいと思ってます。あなたを信じていたいので」

「肝に銘じている。しなきゃいけない悪いことが終わったら、白狼にその時の私がどうであるかを聞くさ」

 

 ……余裕があってがっつかない女性というだけでも安心できるのに。こういう父性(母性)も相まって。ボスとの一時はボクとしても得難い癒やしだった。

 だからこそ、会うたびにこうして外見を利用して「悪い人になったら嫌いになる」的なことをいう。

 流石に行くとこまで行って、収めどころのない段階になればまあ、色々とおしまいだから……

 

 

 

 

 

「なあ、やっぱお前姐御とアタシらで態度違いすぎねえか?」

 

 ……ボスとの親子的なひと時を堪能した後。運悪く──個人のノリの問題で──その後同僚(幹部)と遭遇してしまった。

 組織の中では全然マシでマトモな人ではあるのだが、体育会系で声が大きいところがかなり苦手なのだ。人見知りというか、グイグイ来られると、ボクは下心が無くても少し辟易とするタイプなので

 

「……そんなことないですよ。篠崎(しのざき)さん」

「いや、姐御相手に最初そんな溜めつくらないじゃん!眼も逸らさないじゃん!!」

 

 コードネーム。フラッシュブレード──篠崎 紗月(しのざき さつき)さん。、外にはねた茶色いショートカットと、筋肉質で軽装な女性が、その大柄な身体で不満を表(ボディランゲージ)している。

 

 組織の肉体派である彼女の異能は「超速度」

 瞬間移動や、高速移動を鍛えた身体で振りまく。物理特化の幹部だ。

 異能は系統にもよるけれど基本的に、自意識下での発動がどんな能力でも基本的トリガーとなっている。なので、透過や部分的な転送という物理攻撃を回避できる異能相手でも、彼女は知覚・視覚外から襲来し叩くことができる。

 極まった異能でもなければ、そんな強力な異能相手でも楽々と突破できてしまうだろう。

 

「そうかねえ……つか、白狼お前やっぱ細っこいしちっさ過ぎだ。アタシと一緒に鍛えようぜ?な?」

「……体型は別に気にしてないので、遠慮しておきます」

「かぁ~!いっつもそれだ!そのまんまだとどっかの綾野(パソコン女)みたいな鶏ガラになるぞ……まあ、気が向いたらいつでも言いな!」

 

 ボクの幼児体型(ショタボディ)を心配しての、お節介なのは理解しているが、会うたびに鍛えろ鍛えろと大声で絡んでくるので。この身体との身長差で普通に恐怖がある。

 悪い人ではないのだ。単純にボクがノリに合わないだけで。この人は表立って性欲を向けてくるタイプではないし。そもそも彼女からそんなことを不可抗力にでもされたことは一切ない

 

 この人も、ある意味でボクと似た経歴で組織に入った。

 表舞台にいた頃の彼女は、有力な陸上選手だったらしい。

 異能は発現年齢の差はあれど。持っている場合は生来から持っているされていて、後天的に得られるものではない。というのが、この世界での常識。

 つまり、彼女の異能が後々発覚し、その内容が「超速度」だったので。過去の記録でも使っていたのではないか……という疑いが掛けられることになったという。

 

 当然当時は自覚していない能力であり、意識をトリガーとして使用する以上、十中八九これまでの記録は。彼女自身の純粋な身体機能で得たもののはずなのだが……嫉妬や、政治的な何かが風潮を後押ししたのかもしれない。

 そして彼女は追放。その後暫くしてボスからのスカウトを受け、現在組織の幹部としての今日に至っている。

 

 ちなみに綾野さんは普通に元から知的好奇心で異能を悪用して国際指名手配されてたので。悲しき過去は特にない。あの人は間違いなく納まるところに納まっているだけ(じごうじとく)だ。

 

「ま、とにかく、だ。ボスのお気にってだけじゃなく。実力で白狼もアタシとタメ張ってるんだからよ。ちっとは心配にならねえ程度に体力は付けた方がいい、男子ってのは()()()()でいるのが一番とかよく言うが、アタシ的にはガキならヤンチャなとこがある方が、むしろ安心するしな~」

「……心に留めておきます」

「おー。白狼の異能も結構なズルだからさ。何とかなるこた多いだろうが、それでもお前白騎士の光のアイツ相手にゃ完全じゃんけん何だからな。タイマンになっちまってからじゃあ遅いぜ」

 

 

 …………これからまたトレーニングに行くという篠崎さんと別れ。白騎士団の、ボクと相性最悪なネームドを思い浮かべれば。ほんとに少しは鍛えたほうがいいかもと思えてくる。

 

 冗談抜きであの自称姉(サイコ)相手には一対一で会いたくはないが、その時が来た時……逃げられなければ色々と終わるだろう。




黒薔薇さんは20台後半、綾野さんは23歳、篠崎さんは21歳、もう一人の幹部は20歳くらい。主人公は外見年齢推定10歳前後をイメージしています。
ファンタジーだから。鶏ガラ呼ばわりですが綾野さんも出るとこは出てます
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