並行世界のアガスティア   作:羊1世

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第25話 であんぽぽ

「待って、ここで戦うのはまずいわ。商店街に迷惑をかけるわけにはいかないから、せめて人の少ないところでやってちょうだい」

 策士円香が冷静に二人を止めようとするが、二人ともいうことを聞く気がないようだった。

 一触即発の空気の中、カズさんが『で、二人は何で勝負すんのー?』と聞いてきた。

 そういえば、二人は戦士と魔法使い、お互いの得意分野が違う以上そこで比べるのではなく別の分野で勝負したほうが良いのではないか?

 しかしながらお互いがお互いに自分の得意分野で戦おうとするため結局くじ引きで戦う内容を決めることにした。

 

 「ティア、解ってるわね?なるべーく地味なものにするのよ?」

 くじ引き箱を持った円香はすごい気迫で私に普通のお題を入れろと迫る。

 私はとりあえずこくりと顔を動かした。

 やっべ……腕相撲って書いちゃったから乱闘不可避じゃん……。

 ヒロ、カズ、円香、私の順番でお題の書いた紙を箱の中に入れてリゼがくじを引いた。

「お題は占いよ!」

 リゼが引いたくじを高らかに掲げる、その紙には確かに占いと書かれていた。

 円香が私のほうを見て『やるじゃない』といいながらウィンクしてきた。

 残念、そのお題を書いたのは私ではありません。

 じゃあヒロさんかなと思ったのだが書いた本人が大きな声で教えてくれた。

「うおー!俺の書いたやつじゃん!りおっちが得意な奴にしといたから頑張れよー!」

 

 「俺占いが得意だなんて言ったことあったかな?」

 魔王が憮然とした顔でつぶやく。

 対するリゼは自信ありげな顔で口元には微かな勝利の笑みが浮かんでいた。ろくな占い手段のない魔王などに不安など微塵も感じないようだった。

 

「どうやら不戦勝のようね?土下座するなら今のうちよ?」

 リゼは魔王に降伏を促すがどうやら彼はまだ闘志を失っていないようだった。

「糞!こうなったら仕方ねえ!ヒロ!タロットカードをよこせ!」

 魔王がヒロさんに手を伸ばしタロットカードを受け取ろうとする。ヒロさんにどこで買ったのか後で聞こっと。

 カードを受け取った魔王は手慣れた手つきでショットガンシャッフルを行い手札から3枚のカードをドローした!

「いくぜ俺のターン!手札から魔王!暴力!死神!?なんじゃこりゃあああああ!」

 どうやら不良品のカードだったらしい、にしてもひどい結果だ。

 対するリゼも負けてない、そこらへんに生えている花を摘むと『私はこれで占いをするわ』と言った。ほう?花占いですかな?

 

「この花の名前はでんぽぽ、花言葉は……お前を殺す」

 デデン!テレレレレー

 変な効果音とともに魔王はリゼに腹パンされてうずくまる。

 う、うらないじゃねえ……。

 

 うずくまっている魔王を横目にリゼが『じゃあ私の勝利ね?』と勝利宣言をしようとしたが待ったがかかった。

「それは占いじゃないから無効だぜ!」

 カズさん!?

 

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